見込み顧客・潜在顧客にDMを“送りっぱなし”にしていませんか?DM送付後は、しっかりフォローをしてアポ獲得につなげることが大切です。「DM」と「テレアポ」という2つの手法を組み合わせることで、成果アップが期待できます。
今回は、DM送付後にテレアポ営業を行うメリットや、一連の流れと会話例、成功させるコツなどを紹介します。
DM送付後にテレアポを行う効果・メリット
一般的に、DM送付後にテレアポを実施すると、より高い成約率につながるといわれています。では、なぜそういえるのでしょうか?
ここでは、DM送付後にテレアポを行う効果とメリットを紹介します。
DMの弱点を補える
DM送付後にテレアポを行うメリットの一つ目は、DMの弱点を効果的に補えることです。
DMは、高い開封率や反応率を得やすいことから、従来から行われてきた営業手法ですが、「顧客と直接的なコミュニケーションが取れない」という決定的な弱点があります。
そこで、DMを送付した後に適切なタイミングで電話をかければ、密接なコミュニケーションを通して顧客の悩みや疑問を解消したり、DMでは伝わりにくい商材の魅力をアピールしたりすることが可能です。
「DM」と「テレアポ」という異なる2つの手法を組み合わせることにより、相乗効果が期待できます。
手元にあるDMを使って営業できる
顧客の手元にあるDMを「資料」として活用して営業できることも、DM送付後にテレアポを実施するメリットの一つです。
通常、テレアポでは、視覚的な情報が一切ない状態で自社商品・サービスの魅力を伝えなければなりません。しかし、あらかじめDMを送付しておけば、「お手元にある資料をご覧ください」などと伝え、顧客に資料を見てもらいながら説明できるので有利です。
逆に、郵送したDMを活かすことなくただ電話をかけるだけでは、テレアポ営業をしているのと変わりありません。送付したDMをうまく活用したテレアポを実施することができれば、より高い成果が見込めるでしょう。
潜在顧客の取りこぼしを防げる
3つ目のメリットは、潜在顧客の取りこぼしを防げることです。
DMを送付した顧客から何も連絡がないというのは、「顧客は自社の商品・サービスに興味がない」ということではありません。多少興味はあるけれど連絡するまでに至っていない、または何らかの不安や疑問から連絡するのを躊躇している可能性は十分にあります。
中には、「あとで連絡しよう」と思っていても業務が忙しくて忘れてしまっているケースも少なくありません。そのため、DMを送付した後、適切なフォローをしないでいると、実は確度の高い「潜在顧客」を取りこぼしてしまいます。
DM送付にかかったコスト、および営業チャンスを無駄にしないためにも、DM送付後のテレアポは積極的に行うべきでしょう。
DM送付からテレアポ営業までの流れ
次に、DM送付からテレアポ営業を行うまでの具体的な流れについて解説します。
ステップ1:DM送付の許可を取る
DMを送付するにあたっては、事前に電話などでDM送付の許可を取っておくことが理想です。その理由は、主に2つあります。
まず、事前にDMの特徴や送付タイミングを伝えておくことで、開封率を上げることができます。そして次に、「DM送付の許可を取る」というスモールステップを作ることで、DM送付後のテレアポ営業を受け入れてもらいやすくなります。
顧客にDMを開封してもらうため、そして後のテレアポの成功率を高めるために、まずは「DMを送付してもよろしいでしょうか?」という受け入れられやすい提案から始めましょう。
ステップ2:DMを送付する
DM送付の許可が取れたら、実際にDMを送付します。あらかじめ担当者を決めておき、その担当者宛てにDMを送付することで、DM送付後のテレアポ営業でスムーズにトークを展開できます。
また、テレアポ営業をする際に送付したDMを認識してもらえるよう、できるだけ印象的なデザインや内容のDMを送るようにしましょう。
ステップ3:営業リストを作成する
次に、DMを送付した企業の中から、特に確度の高い顧客のみをリストアップした「営業リスト」を作成しましょう。というのも、DMの送付数にもよりますが、DMを送ったすべての企業に闇雲にテレアポ営業をするのは非効率だからです。
質の高い営業リストを作成するには、自社にとって最も成果が出やすいターゲット層を明確にした上で、業種や部門、企業規模などで顧客を絞り込むことが大切です。自社の商品・サービスに最も興味を持ってくれるであろう顧客から優先的にテレアポ営業を行うことで、テレアポの業務効率および成功率は高まります。
ステップ4:トークスクリプトを用意する
営業リストが完成したら、トークスクリプトを作成しましょう。トークスクリプトは、テレアポ営業をする際の「台本」のことで、自社商品・サービスや営業スタイルに最適なトークスクリプトを用意すれば、商材の魅力をブレなく、短時間で伝えることができます。
ですので、まずは挨拶や自己紹介、DM到着の確認など、アポ取りまでに必要な基本的な内容を盛り込んだ基本形となるトークスクリプトを用意しましょう。ちなみに、トークスクリプトは作成後も、実践を重ねると共にアップデートして、精度を高めることが大切です。
次章では、DM送付後のテレアポにおける会話例を紹介していますので、「トークスクリプトにどんな内容を盛り込めば良いの?」という方はぜひ参考にしてください。
ステップ5:テレアポを行う
DM送付後、営業リストをもとにテレアポを実施します。テレアポを行うタイミングは、早すぎると「まだ見ていません」「忙しいので今度にしてください」などと断られてしまい、遅すぎるとフォローの機会を逃してしまいます。顧客がDMを開封したであろうと思われるタイミングを見計らってアプローチしましょう。
ステップ6:テレアポの結果を記録する
DM送付およびテレアポを実施した後は、アポを獲得できたかどうかにかかわらず、会話の内容を記録しておきましょう。以下の基本情報の他、自社が必要とする情報があれば漏れなく記録することが理想です。
- ・コールの時間帯
- ・担当者の情報
- ・会話内容
- ・顧客の課題や不安点、ニーズ など
これらの情報を活かして、既存のトークスクリプトをアップデートしたり、再び同じ会社に営業する際に役立てたりすることで、DM送付後のテレアポの精度を高めることができます。
DM送付後のテレアポにおける会話例
続いて、DM送付後のテレアポにおける会話例を紹介します。テレアポの基本的なマナーを守りつつ、送付済みのDMを最大限活かしたトークができるように、ぜひ会話例を参考にしてください。
「お世話になっております。〇〇会社の山田です。担当者の田中様はいらっしゃいますか?
(取り次ぎ後)先日、〇〇についての資料を送らせていただきました。まだご覧になられていないかもしれませんが、お伝えしたい内容がございます。もし資料がお手元にありましたら、〇〇という内容の資料を開けてみていただけますか?
(資料の説明後)もしよろしければ、近日中にお時間をいただき、〇〇の件についてぜひ御社のお話をお聞きしたいと存じます。来週の前半と後半でしたら、どちらがご都合よろしいでしょうか?
(アポ獲得後)それでは、来週の火曜日、午後2時に伺います。本日は、お時間をいただきありがとうございました。」
詳しくは後述しますが、電話をかけた際にいきなり「先日送付した資料は、もうご覧になられましたか?」と質問を投げかけるのはNGです。なぜなら、反射的に「まだ見ていない」と切り替えされてしまうリスクが高く、断り文句を言われてしまった後では会話を成立させるのが困難だからです。
DM送付後のテレアポでは、「DMを見た・見ていない」を問うのではなく、「伝えたい内容がございます」や「お送りした資料の中にある〇〇を開いてみていただけますか?」など、自然な流れで顧客の興味を引くことを意識しましょう。
また、顧客がすでにDMを開封済みであった場合は、商材の説明はDMの補足程度に留め、「資料について、分からないことなどありましたら説明いたします」などと、顧客の疑問や不安を解消することに努めると良いでしょう。
DM送付後のテレアポを成功させるコツ
DM送付後のテレアポの成功率を高めるためのコツを4つ紹介します。
DMを工夫して開封率を高める
DM送付後のテレアポを効果的に行うには、送付したDMを顧客に開封してもらうに超したことはありません。もちろん、電話で「〇〇の資料をご覧になってみてください」などと伝え、開封を促すことはできますが、テレアポ前に資料を目に通してもらうことができれば、より手短に、そしてスムーズにアポ取りまでのトークを展開できます。
DMの開封率を高める方法は色々ありますが、代表的なものとしては次のものが挙げられます。
- ・DMの宛名を「担当者名」にする
- ・魅力的/印象的なデザインを考案する
- ・送付のタイミングを見極める
- ・「特別感」を演出する
確度の高い営業リストを作成する
確度の高い営業リストを作成することも、DM送付後のテレアポの成功率を高めるための大事なポイントの一つです。
上でお伝えしたように、DMを送付したすべての企業に闇雲に電話をかけていては、非効率な上、高いアポ獲得率は見込めません。自社の商品やサービスを最も必要としている企業をリストアップして、優先的にテレアポを行いましょう。
「営業や商談で忙しくて、リスト作成に割ける時間がない」という場合は、リスト作成ツールやリスト作成代行サービスを活用することをおすすめします。リスト作成ツールを活用すれば、容易に自社のターゲット企業を絞り込めるので、効率良く質の高い営業リストを作成できます。
DM送付後に適切なタイミングでアプローチする
DM送付後のテレアポは、適切なタイミングで実施することが非常に重要です。
タイミングのNG例:
- ・DM到着前/DM到着直後
- ・DMの到着から1ヶ月後〜
- ・繁忙時期
- ・始業直後や終業直前などの繁忙時間帯
DMが届いた後、業務が忙しい中で資料に目を通す必要があることを考え、失礼にあたらないタイミングでアプローチしましょう。
顧客がDMを開封していないことを前提に話す
DM送付後に電話をかける際は、顧客がDMを開封していないことを前提にトークを展開しましょう。せっかく適切なタイミングでアプローチしても、顧客に「まだ見ていない」「後にしてくれ」などと返されてしまっては、そこで会話が終了してしまいます。
DMを見た顧客には、DMの補足的な説明をすることができますが、DMをまだ見ていない顧客にはまずDMを開封してもらう必要があります。「DM」と「テレアポ」の相乗効果を得られるように、ひとまずは「お得な情報が入っています」「御社のお役に立てる資料があります」などと声をかけ、顧客との会話をつなげましょう。
まとめ
DM送付後のテレアポ営業に関して、メリットや流れ、成功率を高めるコツなどを詳しく紹介しました。DM送付後、適切なタイミングでフォローすることで、潜在顧客の取りこぼしを防げます。
また、いきなりテレアポ営業を行うより、「DM送付の許可を取る」「資料を見てもらう」といったスモールステップを作ることで、後のテレアポ営業における成功率を高めることが可能です。
今回紹介した「DM送付からテレアポ実施までの流れ」や「会話例」、「成功率を高めるコツ」を参考に、DM送付後のテレアポを効果的に運用していきましょう。
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