【2022】営業の「DX」とは?成功事例と活用したいツール

営業dx

企業のDX推進が叫ばれる昨今において、特に重要と考えられるのが営業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)です。

昨今、デジタル技術の進歩や働き方の急速な変化など、あらゆる環境が急激に変化してきています。こうした環境の変化が激しい現代社会に、企業が対応していくためにはDXは避けては通れない道であるといえます。

今回は、DXについての概要から、営業におけるDXとは何か、企業が営業DXを成功させるためのポイントなどについて解説していきます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して自社のビジネスモデルを変革させて、市場における競争力の優位性を保つことです。

経済産業省の「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」によると、DXは次のように定義されています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

DXを行う際に間違いやすいのが業務のIT化が目的になってしまうことです。DXにおいて業務のIT化は目的ではなく手段です。つまり、DXの目的は業務のデジタル化を行った先にあります。業務のIT化を行うことで、業務効率化や生産性向上、新たなビジネスの創出などを行い、変化の激しいビジネス社会を生き抜いていくことがDXの目的です。

DXが注目されている背景

DXが注目されている背景には、「急速なビジネスモデルの変化」や「レガシーシステムからの脱却」が挙げられます。

昨今、インターネットの活用やデータの有効活用がビジネスには欠かせないものになりました。加えて働き方も大きく変化してきており、社内でパソコンを利用して業務を行っていたものが、スマートフォンを持ち、外出先でも業務が行えるようになるなど、デジタル技術の進歩によって、ビジネスモデルの変化が急激になってきました。

この急激な変化に対応ができなければ、企業は競争力を維持することができなくなり、衰退していくとされています。

情報処理推進機構(IPA)が実施した「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」によると、デジタルテクノロジーの普及によって、「自社の優位性や競争力の低下」を考えている企業は58.7%にまでなっています。つまり、多くの企業が業務のデジタル化によるビジネスモデルの変化への対応が必要と考えています。こうした変化に対応するために、DXへの注目が集まっています。

また、現在の日本では「レガシーシステム」と呼ばれる既存システムが多く残存しています。この「レガシーシステムからの脱却」もDXの大きなテーマとなっています。なぜなら、DXでは新たなデジタル技術を用いたシステムによって、データの有効的な活用や部門を跨いだ横断的な活用が欠かせないからです。

しかし、多くの企業でレガシーシステムが業務の中で稼働しているため、データが縦割りの中で利用することになっています。そのため、せっかくある有益なデータを、横断的に利用ができず、自社の成長を妨げています。

加えて、このようなレガシーシステムを今後も利用してしまうと、システムの維持に多大なコストがかかるばかりか、システムがブラックボックス化してしまい、近い将来に継承ができなくなってしまうことが考えられます。

経済産業省の「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」によると、『2025年の崖』ということばを用いて、2025年までにDX化が達成できなければ、以降の経済損失が1年あたり最大12兆円(現在の約3倍)に上ると試算しています。

つまり、現在のレガシーシステムからDXを推進できる新しいシステムへの切り替えを訴えており、その損失の大きさから注目が集まっています。また、DXは大企業だけの問題ではなく、中小企業も対象となっているため、規模に関わらず対応していくことが求められています。

DXとデジタル化の違い

DXとデジタル化の違いは「目的」です。

DXの目的はデジタル技術を活用して、新たなビジネスモデルを創出し、市場における競争力の優位性を確保することです。つまり、自社にどんなに優れたシステムやツールを導入したとしても、競争力の優位性につながらなければ意味がありません。

一方で、デジタル化とは、文字どおり(アナログを)デジタルにすることです。たとえば、次のようなことが挙げられます。

  • これまで紙ベースで処理していた交通費精算をシステム上で行えるようにする
  • タイムカードで行っていた出退勤管理をシステム上で行えるようにする

つまり、これまでアナログ的に処理していた業務を、ツールを活用することでデジタルに変化させることが目的です。当然、デジタルツールを導入することで、生産性向上などを目指す目的はありますが、ビジネスモデルの変革や競争力の優位性までには至りません。

このような目的の違いが、DXとデジタル化の違いです。

営業におけるDXとは

繰り返しになりますが、DXの目的はデジタル技術を活用して、新たなビジネスモデルを創出し、市場における競争力の優位性を確保することです。

営業のDXにおいても、このDXの目的は変わりません。市場における競争力の優位性を確保するために、営業業務をDX推進していきます。

具体的にはこれまで積み重ねてきた営業活動のデータや顧客情報のデータを、デジタル技術を活用して分析を行い、顧客のニーズを導き出し、ニーズに応えるような営業プロセスを構築して、営業活動の最適化を行い、自社の利益につなげていくことです。

昨今、足で稼ぐという営業手法が少なくなってきており、データを活用した効率的な営業活動でなければ、多様なニーズに応えることが難しくなってきています。

営業活動においては、顧客を起点に考える必要があります。顧客が何を望み、自社はどんなかつを提供できるのかを考えることが求められています。

こうした価値を提供し続けるためには、データの有効活用などは欠かせなくなっています。そのため、営業業務においてもDXの推進が叫ばれているのです。

営業においてDXが必要である理由

営業においてDXが必要である理由は、主に次の4点が挙げられます。それぞれの理由について解説していきましょう。

  • 営業活動の生産性向上のため
  • 属人的な営業活動から脱却するため
  • アフターコロナなどの時代の変化に対応するため
  • マネジメントを効率化するため

営業活動の生産性向上のため

競争の優位性を保つためには、営業活動の生産性を向上させることは必要不可欠です。

営業DXでは、これまで工数のかかっていたムダな業務を削減し、より利益に直結する業務に人員を割くことが可能になります。たとえば、営業日報を営業先から、自社に戻って作成していた場合、帰社までの移動時間はもちろん、残業時間の増加にもつながってしまいます。

しかし、デジタルツールを導入し、外出先からでも報告ができるようになれば、移動時間が軽減され、空いた時間でさらに営業先を周るなどができるかもしれません。

このような生産性向上のため、営業においてDXが必要とされています。

属人的な営業活動から脱却するため

営業活動の課題の一つに、属人的な営業活動があります。ある営業先について、担当者しかわからないなど、営業個人の判断基準や経験のみの対応になってしまい、きちんと組織として共有されていないようなケースです。

営業活動が属人的になってしまうと、不測の事態で引き継ぎなどが発生した場合、適切な引き継ぎができず、最悪の場合、契約が打ち切られてしまう恐れもあります。

営業のDXでは、営業活動や顧客情報は常に共有され、データとして蓄積されます。そのため、代理での対応などもスムーズに可能になります。こうしたデータを見える化することで属人的な営業から脱却ができ、自社の営業スキルの標準化にも役立ちます。

アフターコロナなどの時代の変化に対応するため

新型コロナウイルス感染症の拡大などによって、営業活動にも変化が生じてきました。

中でも、これまで対面での営業が当たり前だったものが、オンラインを活用した非対面の営業も求められるようになりました。つまり、今後は対面と非対面の両面の営業活動を効率的に行う必要があるということです。

また、アフターコロナでは、さらにデータの活用が求められると予想されます。データを駆使して顧客ニーズを掴み、時代の変化に敏感にならなければ、新たなビジネスの創出もできません。こうしたアフターコロナなどの時代の変化に対応するためにも、DXは必要とされています。

マネジメントを効率化するため

従来、管理職は営業のマネジメントを、契約の数などの定量の評価と、面談などを通しての主観的な評価によって行うことが一般的でした。しかし、この手法では効率的なマネジメントが行えているとはいえず、管理職はより細かな把握が求められます。

たとえば、営業の進捗状況は、担当社員から聞くのではなく、商談データなどを見ることで瞬時に把握ができたり、SFA(営業支援ツール)を確認して上手くいっていない営業には、解決策を適宜一緒に考えたりするなどが挙げられます。

管理職も自分の目で見たものだけではなく、システムやデータを通じたマネジメントが求められています。

営業における具体的なDXの方法

営業におけるdx

営業における具体的なDXの方法には、次の3点が挙げられます。それぞれの方法について解説していきます。

  • リード顧客を獲得するためのDX
  • 顧客を育成するためのDX
  • 顧客を分析するためのDX

リード顧客を獲得するためのDX

リード顧客の獲得は、これまで飛び込み営業やテレアポなどが主流でした。しかし、この手法は多くの人的コストと時間的コストがかかってしまうことはもちろん、成功率も低いため、費用対効果に優れているとはいえませんでした。それでも、企業が持続的に成長を続けるためには、新規顧客を獲得する前段であるリード顧客の獲得は必要です。

DXでは、リード顧客の獲得にはオウンドメディアなどを活用して行います。オウンドメディアとは、自社で運営するサイト内で自社商品やサービスについての紹介や、ユーザーに対して有益なコンテンツを発信するサイトです。オウンドメディアを利用することで、どの商品にニーズがあるのか、どのような課題でサイトにアクセスしてくるのかを分析できます。

問い合わせフォームなどを設置すれば、問い合わせてきたユーザーに対して適切な対応が取れるため、効果的なリード顧客の獲得につながります。

顧客を育成するためのDX

顧客の育成は、「リードナーチャリング」などと呼ばれています。見込み顧客に対しての有益な情報提供を最適なタイミングで続けることで、購買意欲を高めるなどを行う方法です。

こうしたリードナーチャリングを進めていくためには、顧客が今、どのような状態で何を望んでいるのかを認知しておく必要があります。たとえば、MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用することで、これまでのデータから、顧客が望んでいるものを分析することが可能です。

今すぐに結果につながらなくても、継続的な情報提供を行うことで、顧客のサービス利用率などは上がっていきます。そのため、顧客の育成にもDXは欠かせません。

顧客を分析するためのDX

営業活動では、さまざまなデータを活用します。顧客情報、案件進捗状況、成約情報、商談履歴など、これらの情報を有効活用しなければ、今後のビジネス社会への対応はできないといっても過言ではありません。

たとえば、SFAを導入して、営業に関するすべての情報を一元管理して、いつでもどこでも確認ができるようにするなどが有効です。スマホからの確認もできるため、移動中などにも事前に確認することが可能です。

営業DXを成功させるためのステップ

営業DXを成功させるためのステップは、主に次の手順で進めていきます。それぞれのステップでの行動について解説していきます。

  • DX推進チームを発足する
  • 社内体制を整備し人材を確保する
  • DXを推進する戦略を立案する
  • ツールを導入して業務をデジタル化する
  • 効果測定と効果の確認を行う
  • データの利活用を行いPDCAサイクルを回す

DX推進チームを発足する

まずは、DX推進チームを発足します。発足する際には、DXを行うことが目的ではなく、どのようなDXの運用を行っていくかを明示することです。

そのためには、現状の課題を把握し、経営層からコミットすることが大切になります。推進チームを立ち上げた後は、推進チームが中心となって営業DXを進めていきます。

社内体制を整備し人材を確保する

続いて、社内体制の整備を行います。

DXを進めるためには、デジタル技術や最新のITの情報に秀でた人材の登用が必要不可欠です。そのため、社内でDXが進められるような人材の確保はもちろん、外部登用も視野に入れて、人材の確保を行います。

加えて、営業のDXを行う際は、現場の視点が必要になってくるため、現場の営業社員を確保することもポイントです。

DXを推進する戦略を立案する

次に、営業DXを進めていくための戦略を立案していきます。

現場はどのような課題なのか、どのようにすれば生産性向上につながるのか、そのためにはどんなツールが必要なのかを精査し、戦略として練っていきます。立案した戦略に沿って、実際にDXを進めていきます。

ツールを導入して業務をデジタル化する

続いて、自社に合う営業DXを推進するためのツールを導入して業務をデジタル化していきます。

営業のデジタルツールには、SFAの導入やチャットツールなどが考えられます。自社の課題と目的に合わせて導入しましょう。

効果測定と効果の確認を行う

次に、ツールを導入したことによる効果測定を行います。導入前と比較して生産性がどれくらい向上したのかというデータの部分と、実際に現場で利用している営業社員の感覚などを合わせて確認すると良いでしょう。

良い結果が出ていれば、継続してツールの活用を進めれば問題ありません。芳しくない結果でも、改善点と課題が見えてくるため次に活かすことが可能です。

データの利活用を行いPDCAサイクルを回す

そして、蓄積したデータは営業活動に有効活用します。

前述したように、顧客情報、案件進捗状況、成約情報、商談履歴などさまざまなデータを活用して、効果的な営業活動につなげていきます。

たとえ営業活動の結果が出なかったとしても、良くない結果として蓄積することで、次に同じことを繰り返す心配がなくなります。「Plan」「Do」「Check」「Action」のPDCAサイクルを回し続けることで、営業活動の成果に結びついていくでしょう。

営業DXの導入事例

続いては、実際に営業DXを導入させている日本企業の3社の事例を紹介します。自社で営業DXを行う場合の参考にしてみてください。

  • 富士通株式会社
  • ソフトバンク株式会社
  • NTT東日本(東日本電信電話株式会社)

富士通株式会社

富士通株式会社では、DXを取り入れた結果、営業職を撤廃しています。

富士通株式会社は、今後の社会においてモノを売る営業ではなく、顧客と一緒にビジネスをプロデュースする役割が必要だと考え、「ビジネスプロデューサー」職を設置しました。「ビジネスプロデューサー」は、実際に現場で顧客をサポートすることに加え、新たに「インサイドセールス」部門を設置しています。

後方支援として設置されたインサイドセールスでは、ツールを活用して商談活動の支援や社内調整を行っています。そのため、これまでの営業にかかっていた工数が大幅に削減され、業務効率化につながっています。

ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社では、2017年に「デジタルトランスフォーメーション本部(DX本部)」を設立し、営業スタイルをソリューション提案型へ切り替えました。

具体的には、通信ネットワークとアプリケーションやサービスを組み合わせて、顧客企業の課題を解決するスタイルです。営業スタイルの変化は業界特化型のソリューション開発など、新たなビジネスの創出にもつながり、2022年度の法人事業営業利益は2019年度と比較して倍増するまでに成長しています。

NTT東日本(東日本電信電話株式会社)

NTT東日本(東日本電信電話株式会社)では、インサイドセールスを強化するために専門チームを発足し、リード獲得からクロージングまでを行うようにしました。

独自に顧客の悩みを引き出す問診ツールである「ICTヘルスチェック」を開発し、ニーズを可視化、サービスの提案へとつなげていきました。結果としてリード獲得数は10倍、受注額は34倍増を達成と驚異的な伸び率を残しました。

営業DXを成功させるためのポイント・コツ

営業DXを成功させるためのポイントやコツは、主に次の3点です。それぞれのポイントについて解説していきます。

  • 営業DXを行う目的を明確化する
  • デジタルツールの導入を目的化しない
  • 社内整備を進めていく

営業DXを行う目的を明確化する

営業DXを行う目的が明確になっていなければ、必ず失敗します。

他社が進めているからやる、政府が推進しているからやるではなく、なぜ自社で営業DXを導入するのか、DXを行った先にどんなビジョンを描いているのかが大切です。目的がはっきりとしている営業DXは、やることに迷いがなくなるため、時間やコストを無駄にすることはありません。

まずは、営業DXを行う目的を明確に言語化してみると良いでしょう。

デジタルツールの導入を目的化しない

DXの目的はビジネスモデルの変革、そして市場における競争力の優位性を保つことです。

DXで間違えやすいのが、「このデジタルツールを導入すると、DXもできるようだ」という理由でデジタルツールを導入することです。デジタルツールの導入が目的になってしまい、デジタルツールを活用してどのようにDXを進めていく不明瞭では意味がありません。

そのため、デジタルツールの導入を目的化しないことも大切です。

社内整備を進めていく

DXを進めようとしても、社内整備が足かせとなって、なかなか推進されないケースは少なくありません。

DXは全社的に進めなければならないもののため、部署を横断することが求められます。営業DXにおいても、営業部門のみが前向きでは意味がありません。社内の横のつながりを意識し、社内整備を進めていくことで、営業DXの成功に近づきます。

まとめ

営業DXは、なぜ自社で行うのかの目的を明確にしたうえで、進めていくことが大切です。きちんとした営業DXを施策として打つことができれば、自社の営業スタイルは劇的な変化をもたらします。

デジタルツールを導入することだけに囚われず、顧客視点に立って、新たな価値創造ができないかを考えていくことが求められます。

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セールスパック

営業DXによってインサイドセールスを強化したいなどを考えているのであれば、導入を検討してみてください。

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