年末調整の「電子化」のメリット・デメリットは?やり方と活用したいソフト

2021/12/15 コボットコラム
年末調整の電子化

年末調整は、従業員の給与支払いにおける過不足を調整するための重要な手続きであるため、多くの会社で時間をかけて取り組まれています。ただ、年末調整には担当者の負担はもちろん、従業員による申告の負担も大きいため、できるだけ効率化を図りたいところです。

そんな中で、近年年末調整の電子化が行われています。年末調整に活躍するツールが普及すると共に、国税庁も年末調整の電子化を行うなど、今後のスタンダードとなる可能性が高い取り組みです。

今回は、年末調整を電子化することでどのような恩恵を受けられるのか、従業員と会社の両方の視点から解説します。

年末調整手続の電子化とは?義務化される?

年末調整手続の電子化は、デジタルデータを活用して申請や承認作業を行うものです。その年の1年間の間に会社から支払われた給与や差し引かれた所得税などを年末に見直し、払い過ぎた、差し引き過ぎた税金を調整することで、過不足をゼロにする作業です。

これまで、年末調整は紙媒体で行うことが一般的でしたが、近年では多くの企業で電子化されています。データでの処理が可能になったことで、紙面での申請書類を保管しておく必要もありません。そのため、年末調整に関する手続きはすべて電子媒体で実施可能です。

年末調整の電子化は義務ではない

年末調整の電子化が広く普及していますが、必ずしも電子化しなければならないということはありません。義務ではなく、あくまで任意の取り組みであるため、電子化しないことで罰則などがあるわけではありません。

ただ、年末調整を電子化することで、企業は多くのメリットを受けられます。広く組織で電子化が進んでいるのは、そういったメリットが大きいからであるといえるでしょう。

年末調整の電子化で得られるメリット:従業員側

では、年末調整の電子化でどのようなメリットが得られるのかについて解説していきましょう。まずは、従業員のメリットに焦点を当ててポイントを紹介します。

年末調整の申告を効率化できる

1つ目のメリットは、年末調整の申告手続きを効率化できる点です。

従来の年末調整の場合、控除証明書などを書面で受け取り、紙の申告書にそこに記された情報を転記し、勤務先に提出するというものが一般的でした。パソコンを使って出力されたものをわざわざ手書きで転記し、その上で書類を完成させなければならないため多くの負担を要してきましたが、電子化によってこれらの負担を丸ごと回避できます。

年の瀬というただでさえ業務も忙しい中で年末調整も行わなければならないとなると、時間をかけることが難しくなります。手続きの負担を軽減できれば、その分落ち着いて申請ができます。

再発行などの手続きが不要になる

年末調整を電子化すると、再発行の手続きも不要になり、申請がやりやすくなります。

従来のような書面での年末調整手続きの場合、控除証明書等を紛失したとなると、証明書を発行・送付してくれる保険会社などに対し、再発行を依頼しなければなりません。再発行のための手続きが必要となるだけでなく、手元に届くまでには数日要することが一般的であるため、余計に時間がかかってしまいます。

一方で、年末調整を電子化するとこのような負担は発生しなくなります。証明書はすべて電子媒体で発行されるため、紛失のリスクがなくなるからです。

こういった証明書の管理の必要もなくなる点からも、電子化は従業員にとって多くのメリットをもたらしてくれるといえます。

年末調整の電子化で得られるメリット:会社側

年末調整の実施

続いて、年末調整の電子化による会社側のメリットを解説していきましょう。従業員にとって恩恵があることも会社のメリットの一つですが、他にも2つメリットがあります。

控除額計算が不要になる

年末調整を電子化することで、従業員が電子申請によって作成した年末調整申告書データをそのまま利用できるようになります。そのため、会社側で計算を行わなくともそのまま手続きを進めることができるようになり、控除額計算が不要になります。

これまでは、一度計算していた年末調整の内容を、再度会社側で計算することが求められていたため、余計な作業が発生してきました。年末調整手続きの中でデジタルデータを一元管理できるため、担当者が従業員の申請内容を何度も計算し直す必要がなくなります。

確認作業が簡素化される

電子化された年末調整の申請では、確認書類の添付などが必要なくなるため、確認作業全般が簡素化されます。システム上の手続きが省略されることはもちろん、そもそも電子化によってヒューマンエラーのリスクが小さくなるため、確認や修正の負担も大幅に軽減されます。

申請手続きを電子化して行うためには専用のソフトを導入しなければなりませんが、フォーマットに記入するだけの簡単な仕組みとなっているだけでなく、不備があれば事前に通告してくれる機能を備えているため、ミスが起きにくい設計であるからです。確認に必要な負担が軽減され、効率良く年末調整に対応することが可能になります。

ペーパーレス化によるコストパフォーマンス改善が期待できる

年末調整の電子化では紙媒体を必要としなくなるため、業務のペーパーレス化を推進できます。

ペーパーレスの推進は、近年SDGsの観点からも重要視されています。不要な紙の使用を控えることが、企業の取り組みとして重視されているのです。

環境負荷を軽減できるだけでなく、ペーパーレスは企業のコストパフォーマンスの改善にも役立ちます。印刷用の紙を購入する負担から解放され、プリントアウトやコピーを取るための複合機も必要なくなります。

書類を保管するためのスペースやファイルの用意に伴う費用を軽減し、オフィスの縮小によって賃貸費用を抑えることも可能です。

年末調整を電子化することのデメリット

ここまでお伝えしたように、年末調整の電子化には多くのメリットが期待できます。一方で、注意しておきたいデメリットもあります。

導入には移行期間と予算を要する

年末調整の電子化には専用のソフトの導入が必要となるため、実装のための費用と時間が発生します。年末調整が必要になり、明日から使い始めるということは難しいため、早いうちから予算を確保し、実装に向けて取り組むことが大切です。

新しい業務フローを周知するのに時間がかかる

年末調整を、従来の紙での申請から電子化するとなると、新しい業務フローで従業員に取り組んでもらう必要があります。必ずしもすべての従業員が新しい環境へ迅速に馴染めるとは限らず、導入当初はトラブルが発生しやすくなるものです。

そのため、電子化に伴う新しい業務フローの周知を徹底し、時間をかけて使いこなしてもらうようにする必要があります。

年末調整の電子化のやり方・備えるべきこと

年末調整を電子化するためには、備えておくべきこともあります。ここでは、最低限実施しておくべ2つの準備を紹介します。

年末調整の電子化に対応するシステムを導入する

年末調整の電子化を実現するためには、それに対応したシステムの導入が必要です。ただエクセルで表を作成すれば良いというわけではなく、適切なフォーマットを自動で用意してくれたり、データ共有をオンラインで実施できるクラウドツールを提供してくれたりするサービスの利用が求められます。

年末調整向けのサービスを活用することで、迅速な年末調整環境の整備に役立つのはもちろん、導入前後のサポート対応も整っているため、自社に必要な機能や運用環境整備を確実に実現できます。

電子署名が行える環境を整える

電子署名が可能な環境を整備することも必要になることもデメリットだといえるでしょう。USBメモリやメールを使って申告書を提出する場合、それらには電子署名を付与したり、パスワードをかけたりする必要があるため、手軽に付与できる環境を用意する必要があります。

年末調整システムによっては、電子署名機能を搭載しているサービスもあるため、必要となる場合は確認しておくと良いでしょう。

年末調整の電子化に役立つソフト・ツール

最後に、年末調整の電子化に役立つサービスを3つ紹介します。

奉行年末調整申告書クラウド

奉行年末調整申告書クラウドは、株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供する、クラウド経由での電子化を進められる便利なツールです。申告書の配付・回収業務から、給与システムへの入力業務までの年末調整業務をすべてデジタル化することで、8割近い業務削減効果が見込めます。

料金プラン:

  • ・年間利用料:8,000円
  • ・月額33円/人

公式サイト:

マネーフォワード クラウド年末調整

マネーフォワードクラウド年末調整は、株式会社マネーフォワードが提供する、年末調整業務をWeb上で完結できる使いやすいクラウド電子化サービスです。

準備・配布・入力・回収の手間を削減し、従業員と担当者の両方に恩恵をもたらしてくれます。e-Tax、eLTAXにも対応できるため、税務手続きをさらに簡略化可能です。

料金プラン:

  • ・2,980円/月〜

公式サイト:

ジョブカン労務HR

ジョブカン労務HRは、株式会社 DONUTSが提供する、年末調整を含め労務管理業務全般をすべてクラウドで実現できる便利なサービスです。

年末調整はもちろんのこと、給与や人事評価、各種申請手続きをまとめて実施できる機能を備えているため、オールインワンで幅広く対処できます。兄弟サービスと併せて導入することで、バックオフィス業務を連携させて丸ごと刷新し効率化できます。

料金プラン:

  • ・無料プランあり(一部機能制限)
  • ・月額400円/人〜

公式サイト:

まとめ

年末調整の電子化で得られるメリットを、従業員と会社の両方の側面から解説しました。

年末調整は毎年必ず行う必要があるぶん、業務効率化の恩恵は大きく、確かな導入効果を得られます。年末調整の電子化は義務ではないものの、魅力的なメリットが多くあるため、早い段階から取り組んでおいて損はないでしょう。

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