飲食店が導入すべき集客方法の一つとして、Instagram(インスタグラム)の活用があげられます。写真に特化したInstagram(インスタグラム)は飲食店との相性が良く、実際に飲食店に関する情報を探し求めているユーザーも多いため、高い「集客力」が期待できます。
この記事では、Instagram(インスタグラム)を使った集客に成功している飲食店の事例と、集客のポイントを紹介します。
飲食店がInstagram(インスタグラム)を活用するべき3つの理由
まず、飲食店がInstagram(インスタグラム)を活用するべきである理由を見ていきましょう。他のWeb集客やSNS集客と比べて、Instagram(インスタグラム)がより優れている3つの点を紹介します。
飲食店を探すユーザーが多いから
飲食店がInstagram(インスタグラム)を活用するべき1つ目の理由は、Instagram(インスタグラム)で飲食店を探すユーザーが急増しているからです。
「飲食店サービスの利用動向調査」によると、10代が飲食店を探すのによく使うサービスは「食べログ」(20.4%)に次いで、「Instagram(インスタグラム)」が堂々の第2位(19.5%)となっています。Instagram(インスタグラム)で見かけた素敵な飲食店をネット検索したり、おしゃれなカフェを見つけるために利用したり、使い方こそさまざまですが、飲食店探しに利用している若者が多く存在することは確かです。
これまで、飲食店探しと言えば「食べログ」「ぐるなび」「ホットペッパーグルメ」などのグルメサイトが主流でしたが、SNSを通して店主やお客さんが手軽に発信できるようになった今、SNSを使った宣伝や集客がより人気を高めていると言えるでしょう。
店舗やメニューの魅力を視覚的に伝えられるから
飲食店がInstagram(インスタグラム)を活用するべき2つ目の理由は、Instagram(インスタグラム)が「写真」に特化したSNSだからです。
飲食店の集客には、メニューや店舗の雰囲気を、写真を通して視覚的にアピールすることが欠かせません。そのため、「写真」に特化しているInstagram(インスタグラム)は、飲食店の集客との相性が抜群です。
Instagram(インスタグラム)を使えば、メニューの魅力を文章で伝えることができなくても問題ありません。“インスタ映え”する写真で店舗の魅力を訴求することが可能です。
リピート客の獲得につながるから
Instagram(インスタグラム)は新規顧客の獲得はもちろん、リピート客の獲得にも効果的です。というのも、Instagram(インスタグラム)には「フォロー機能」がそなわっており、既存顧客に自社のアカウントをフォローしてもらうことで、ダイレクトメールやメルマガのような使い方も可能になるからです。
フォロワー(ファン層)に向けて、最新情報やお得情報、クーポンなどを配信すれば、来店のきっかけを作り出すことができます。
飲食店のInstagram(インスタグラム)活用事例:カフェ編
続いて、集客が上手なカフェのInstagram(インスタグラム)アカウントを3つ紹介します。
The Little Bakery Tokyo
The Little Bakery Tokyoは、明治神宮駅周辺に位置するベーカリー/カフェです。レトロアメリカンな外装・内装が若い女性から高い人気を誇っています。
Instagram(インスタグラム)アカウントでは、そんな店舗の雰囲気を存分に生かしたおしゃれな写真が投稿されています。
The Little Bakery Tokyoの事例から学べるポイントは、投稿のキャプションに店舗情報を記載しているところです。投稿に興味を持ったユーザーがすぐに店舗の情報をすぐに知ることができ、宣伝効果の最大化に成功しています。
店舗名や住所、営業時間などといった基本情報は、ユーザーが必要としていため、目立つ箇所に記載しておくと良いでしょう。
loose kyoto
loose Kyotoは、京都・清水にある喫茶店。Instagram(インスタグラム)アカウントのプロフィールページには、ドーナツやカフェラテなど“インスタ映え”する投稿が並びます。
loose Kyotoの投稿にはフィルターやプレート、背景などに統一感があり、シンプルでおしゃれな世界観が投稿を通して伝わってきます。
また、毎朝1回投稿されており、キャプションには「本日もお待ちしております」「良い一日を!」というメッセージが添えられています。投稿の時間帯を統一することで、「今日はどんな写真だろう?」と投稿を楽しみしているファン層を獲得できていると言えるのではないでしょうか。
幸せのパンケーキ
幸せのパンケーキは、若い女性を中心に高い人気を誇るカフェです。Instagram(インスタグラム)では、季節限定メニューを中心に、おいしそうなパンケーキやドリンクの写真が投稿されています。
中でも季節感の出し方が上手で、夏期にはメロン、秋にはモンブランやかぼちゃ、冬にはイチゴなど季節限定の食材が多く登場しています。「期間限定」メニューの宣伝は、既存客のリピート率の向上や新規顧客の獲得に効果的です。期間限定メニューを多く出しているのであれば、Instagram(インスタグラム)を活用して宣伝すると良いでしょう。
飲食店のInstagram(インスタグラム)活用事例:レストラン編
続いて、Instagram(インスタグラム)での集客が上手なレストランの事例を2つ紹介します。
bills Japan
billsはオーストラリア発のオールデイダイニングです。日本では東京や大阪をはじめ計8店舗を構えています。そんなbillsのInstagram(インスタグラム)では、各店舗の雰囲気や人気メニューが主に投稿されています。
こちらの事例から学べるポイントは、日本語と英語の2ヶ国語で投稿しているところ。これはオーストラリア発のレストランだからということもありますが、インバウンド需要が増えている昨今、効果的な運用手法と言えるでしょう。
また、billsの投稿にはユーザーがコメントを残したくなるような工夫がなされています。投稿のキャプションに「こちらの店舗には行ったことがありますか?コメント欄で教えてください」と記載するなど、ユーザーとのコミュニケーションを促進している点は、ぜひとも参考にしたいポイントです。
牛角
続いて紹介するのは、焼肉チェーン店「牛角」のInstagram(インスタグラム)活用事例です。今回紹介するアカウントは、2020年12月で更新が止まっている旧アカウントですが、投稿スタイルや配信コンテンツがとても参考になる事例です。
飲食店のInstagram(インスタグラム)アカウントというと、「写真」が中心なイメージがありますが、こちらのアカウントでは、写真に対して文字の比率が多いことが特徴です。
メニューやクーポン、お得情報を視覚的に分かりやすく宣伝しており、ユーザーがキャプションを読まなくても情報の意図が読み取れる点において、ユーザーファーストの運営ができていると言えます。
飲食店のInstagram(インスタグラム)活用事例:居酒屋編
次に、居酒屋のInstagram(インスタグラム)活用事例を2つ紹介します。
酒場ニホレモ
酒場ニホレモは、高円寺にある隠れ家的存在の居酒屋です。Instagram(インスタグラム)アカウントでは、新作ドリンクや店休日のお知らせを主に配信しています。
酒場ニホレモの事例は、Instagram(インスタグラム)において「拡散」の役割を果たすハッシュタグの使い方がとても参考になります。実際の投稿で使用されているハッシュタグには次のようなものがあげられます。
- ・店名:「#酒場ニホレモ」
- ・商品名:「#レモンサワー」「#日本酒」
- ・場所:「#高円寺」「#東中野」
- ・グルメ:「#高円寺ランチ」「#東京グルメ」
- ・つながり:「#グルメ好きな人と繋がりたい」「#日本酒好きな人と繋がりたい」
このように、異なる役割を果たすハッシュタグを効果的に使っている点において優れています。中でも「#〇〇好きな人と繋がりたい」というハッシュタグは、よく検索されやすいため、積極的に活用すると良いでしょう。
串天ぷら酒場 レレレ
串天ぷら酒場 レレレは、梅田にある大衆酒場です。Instagram(インスタグラム)アカウントには、視覚的にインパクトの強いおいしそうな写真が並んでいます。
お皿からこぼれる落ちるほどのイクラが乗った海鮮丼や、冷凍フルーツがゴロゴロ入ったサワーなど、「食べてみたい!」「飲んでみたい!」と思わせるための工夫が満載です。まさに“インスタ映え”に成功している事例と言えます。
Instagram(インスタグラム)にて集客する際のポイント
続いて、Instagram(インスタグラム)で効果的に集客するために抑えておきたいポイントを紹介します。
写真に統一感を持たせる
Instagram(インスタグラム)は「視覚的な美しさ」が重要なプラットフォームです。そのため、アカウントのプロフィールページに表示される投稿の「統一感」「世界観」を意識することが重要です。
物撮りする際の背景・ライト、お皿のデザインなど、細かなところにも気を遣うと「統一感」が出しやすくなります。スマホアプリに表示される9枚の投稿を一覧で見たときに、「店舗の世界観が伝わるかどうか」を意識して投稿すると良いでしょう。
また、店舗に「レトロ風」「和モダン」「ハワイアン」などのコンセプトがある場合は、そのコンセプトを写真にとらえることを意識すると、店舗の魅力が伝わりやすくなります。
看板メニューの写真を投稿する
“インスタ映え”という言葉があることからわかるように、Instagram(インスタグラム)では視覚的なインパクトがユーザーの心を惹きつけます。そのため、普通の料理やドリンクの写真をただ投稿しているだけでは、話題性を読んだり、多くのフォロワーを獲得したりすることは難しいでしょう。
Instagram(インスタグラム)に投稿するアイデアに迷ったら、見た目にインパクトのある看板メニューの写真を選びましょう。
関連ハッシュタグをつける
Instagram(インスタグラム)には、「ハッシュタグ(#)」というタグ機能があります。投稿のキャプションに「#焼肉」「#渋谷ランチ」などのハッシュタグをつけることで、飲食店を探しているユーザーに見つけてもらいやすくなります。
具体的なハッシュタグの活用方法については、上記の「酒場ニホレモ」の事例で解説していますので参考にしてください。
フィード投稿とストーリーズを使い分ける
Instagram(インスタグラム)には、大きく分けて「フィード投稿」と「ストーリーズ」という2種類の投稿があります。これら2つの投稿はそれぞれ特徴が異なるため、目的や内容に合わせて使い分けることが重要です。
フィード投稿
フィード投稿とは、通常の投稿のことで、投稿するとフォロワーのタイムラインや発見タブ、自社アカウントのプロフィールページに表示されます。自分で削除しない限りずっとプロフィールに残るため、ストーリーズよりも“インスタ映え”が重視される傾向があります。
【投稿例】
- ・新作メニューのPR
- ・人気メニューの紹介
- ・店舗の雰囲気の紹介
ストーリーズ
ストーリーズとは、24時間が経過すると自動で消えてしまう投稿のことです。セール情報などの「リアルタイム性」の強い情報発信に最適です。また、拡散性は低いため、フォロワーに向けて発信したい時に利用しましょう。
【投稿例】
- ・期間限定クーポンの配信
- ・タイムセールの宣伝
- ・現在の店舗の様子の配信
徹底した運営を継続する
最後に、Instagram(インスタグラム)で効果的に集客をするためには、徹底した運営を継続することが何より重要です。アカウントを作成して投稿を始めても、実際に成果が出るまでに数ヶ月間といった時間を要することもあるでしょう。
実際にInstagram(インスタグラム)の投稿を集客につなげるには、一定の時間と手間を必要とします。クオリティの高い投稿を継続していれば、見てくれるユーザーは増えるはずです。細く長くInstagram(インスタグラム)の運営を継続していきましょう。
Instagram(インスタグラム)の導入手順
ここまでInstagram(インスタグラム)を使った集客事例や、集客のポイントを紹介しました。最後にInstagram(インスタグラム)の導入手順を紹介します。
アカウントを作成する
まずは新規アカウントを作成します。スマホに公式アプリをダウンロードし、案内に沿ってアカウントを作成しましょう。この時点では、一般アカウントの作成方法と違いはありません。
ビジネスアカウントへ切り替える
アカウントを作成したら、「ビジネスアカウント」へ切り替えます。これにより、ビジネスプロフィールの設定や広告の出稿などのビジネスツールが利用できるようになります。
次の4つのステップで、簡単に切り替えが可能です。
- 1. プロフィール右上のメニューバーをタップする
- 2. 「設定」→「アカウント」を選択する
- 3. 「プロアカウントに切り替える」を選択する
- 4. 「ビジネス」を選択して完了する
プロフィールを入力する
ビジネスアカウントへ切り替えると、「ビジネスプロフィール」を作成できるようになります。ビジネスプロフィールでは、店舗の住所や問い合わせ先、ウェブサイトなどの記載が可能です。
プロフィールページを充実させて、「どんな店なのか」を一目で伝えられるようにしておくと、フォローや予約・注文などのアクションにつなげやすくなります。
店内にて告知する
アカウントを作成したら、店内で「インスタ始めました!」「当店のインスタをフォローしてね!」などと告知をしてみましょう。これにより一定数のフォロワーの獲得が見込めます。
また、会計時に「フォローしてくれた人は〇%オフ」など割引を提供すると、さらにフォローしてもらいやすくなり、リピート率の向上も見込めるためおすすめです。
まとめ
Instagram(インスタグラム)を使った飲食店の集客事例とともに、効果的に集客するためのポイントを紹介しました。実際の事例から、さまざまな飲食店がInstagram(インスタグラム)を使った集客に成功していることがお分かりいただけたと思います。
今回紹介したInstagram(インスタグラム)活用事例を参考に、「写真」を通して店舗の魅力を発信して「集客」へとつなげましょう。