ショップやサービス、ブランドの宣伝や認知拡大には「Instagram(インスタグラム)」の活用がおすすめです。インスタグラムとは、写真・動画の投稿・閲覧に特化したSNSのことで、最近では多くのビジネスが参戦しています。
そんなインスタグラムをビジネス活用するのであれば、企業向けのツールが備わった「ビジネスアカウント」の利用が便利です。今回は、インスタグラムの企業向け「ビジネスアカウント」のメリット・デメリットや始め方、効果的な運用のポイントなどについて、初心者向けにわかりやすく解説します。
インスタグラムの「ビジネスアカウント」とは
Instagram(インスタグラム)の「ビジネスアカウント」とは、平たく言うとビジネス利用に特化した企業向けのアカウントのことです。「ショップの位置情報の掲載」「問い合わせボタンの設置」「広告の配信」といった便利なビジネスツールが利用できます。
業種やビジネスの規模にかかわらず、誰でもアカウントの登録が可能です。また、アカウントの運用に際して、初期費用や維持費などのコストがかからないため、リスクを負わず手軽に始めることができます。
インスグラムをビジネス活用するメリット
Instagram(インスタグラム)をビジネス活用する主なメリットを4つ紹介します。
無料で使える
インスタグラムをビジネス活用する一つ目のメリットは、無料で使えることです。初期費用はもちろん、ランニングコストもかからないため、誰でも手軽に利用を開始できます。「分析ツール」や「ショッピング機能」といったビジネスツールもすべて無料で使えます。
多くのユーザーにリーチできる
インスタグラムの国内アカウント数は、2019年時点で3,300万人です。多くの人が利用するインスタグラムにおいて、ショップの宣伝やビジネスに関する発信をすれば、多くのユーザーにリーチできます。
また、広告のターゲティング機能やハッシュタグを上手に活用すれば、自社のターゲット層にピンポイントでリーチすることも可能です。
商品・サービスを知ってもらえる
インスタグラムは、商品やサービスの認知拡大に効果的です。というのも、インスタグラムには、「ハッシュタグ(#)検索」という機能が備わっており、「欲しいもの」や「食べたいもの」「行きたいところ」などを探し求めているユーザーが多く存在しているからです。
投稿やショップ・ビジネスの内容に合った適切なハッシュタグを投稿につけることで、ユーザーに見つけてもらいやすくなり、認知拡大を図れます。
消費者と交流できる
インスタグラムには、企業側から一方的に情報を発信するだけでなく、消費者との双方向コミュニケーションを実現できるというメリットがあります。従来のテレビCMやWeb広告と異なり、消費者の声を聞いたり、DMで実際にやり取りしたりすることが可能です。
また、インスタグラムストーリーズの質問スタンプで質問を募集したり、ユーザー参加型のキャンペーンを実施したりすれば、ユーザーとの距離感も近づけられます。
インスグラムをビジネス活用するデメリット
ここまで、Instagram(インスタグラム)をビジネス活用するメリットについてお伝えしました。利用することでさまざまなメリットが期待できるインスタグラムですが、知っておきたいデメリットも存在します。
運用する手間がかかる
インスタグラムの運用には、当然ながら「手間」と「時間」がかかります。投稿のアイディアを考えたり投稿を作成したり、コメントに返信したりなど、効果的な運用をするには、一定の時間を割く必要があります。
さらに、インスタグラムを利用したことがない人の場合、基本的な操作などから学ばなければならないため、より多くの手間と時間を要するでしょう。
インスタグラムは無料で使えるという特性から、初期費用やランニングコストなど費用面でのデメリットはほとんどありません。しかし、本業で忙しいビジネスの場合、インスタグラム運用に充てる時間をネックに感じてしまうことが考えられます。
インスタグラムを運用する際は、本業に支障をきたさないことを前提に「手間対効果」を高めていくことが重要です。
炎上するリスクがある
インスタグラムは影響力が強いSNSです。高い宣伝効果や広告効果が見込める分、誤った情報や不適切な画像など、ネガティブなコンテンツも瞬く間に拡散されてしまいます。
例えば、従業員が軽い気持ちで投稿してしまったネガティブな発言でも、ネット上で拡散されてしまうと、ブランドイメージの損失や売り上げの低減など多大な被害につながることが考えられます。
そのため、インスタグラムを運用する際は、炎上リスクをしっかりと理解した上で、インスタグラムの正しい使い方や投稿に関するルールなどを従業員と共有しておく必要があります。
ビジネスアカウントで使える4つの便利ツール
ここまでInstagram(インスタグラム)をビジネス活用するメリット・デメリットについてお伝えしました。次に、インスタグラムの「ビジネスアカウント」を運用する企業が使える4つの便利機能を紹介します。
次の4つの機能を使いこなすことで、より効果的なインスタグラム運用ができるようになります。
ビジネスプロフィール
ビジネスアカウントに登録すると、「ビジネスプロフィール」を利用できます。個人アカウントのプロフィールは、名前や自己紹介文の記載のみに限られますが、ビジネスプロフィールなら次のようなビジネス情報を記載することが可能です。
- ・ウェブサイト
- ・Facebookページ
- ・ビジネスカテゴリ
- ・連絡先(問い合わせ先)
- ・住所
- ・アクションボタン
ショップの情報をまとめてプロフィールに記載できるため、ユーザーが一目でビジネスの情報を得られることはもちろん、ウェブサイトの訪問数や問い合わせ数を獲得しやすくなります。
また、インスタグラムを「Uber Eats」や「ぐるなび」などの外部サービスと連携すれば、プロフィールに「アクションボタン」を設置できるようになります。「料理を注文する」「予約する」などのボタンがあれば、ユーザーの行動を促すことができます。
ビジネスプロフィールを充実させて、インスタグラム運用の効果を高めましょう。詳しい設定方法は、「ビジネスアカウントを始める方法」にて解説します。
インサイト機能
ビジネスアカウントで使える便利機能の2つ目は、「インサイト機能」です。インサイト機能とは、自社の投稿の「いいね!」の数や投稿を見た人数、フォロワー数などといったデータを分析できる機能のことです。
インスタグラムのインサイト機能は、シンプルでわかりやすい操作性であるため、分析方法に関する知識がない人でも簡単に利用できるのが魅力です。アプリ内で自社アカウントの運用状況をサクッと確認できます。
「いいねがたくさんもらえた投稿の共通点は?」「フォロワーが増加した理由は?」など、分析結果をインスタグラム運用の改善に役立てましょう。
投稿の宣伝
続いて紹介する機能は、「投稿の宣伝」です。投稿の宣伝とは、インスタグラム上で広告を配信できる機能のことです。自社が過去に投稿したコンテンツをそのまま「広告」として出すことができるため、誰でも手軽に広告の出稿ができます。
広告の出稿には、ある程度まとまった予算が必要ですが、通常投稿よりも高い宣伝効果が見込めます。インスタグラム運用が軌道に乗ってきたら、投稿の宣伝機能も利用してみましょう。
ShopNow(ショッピング機能)
ShopNow(ショッピング機能)とは、インスタグラム上で商品を販売できる機能のことです。有形の商品を販売しているビジネスであれば、誰でも無料で利用が可能です。
ショッピング機能を使えば、投稿に写った商品に商品情報をタグ付けし、購入を促すことができます。商品に興味を持ったユーザーがワンタップで商品詳細ページに飛べるため、購入のハードルが下がり、売り上げアップが見込めます。
ビジネスアカウントの始め方
Instagram(インスタグラム)でビジネスアカウントを持つ魅力が伝わったかと思います。そこで次に、実際にビジネスアカウントを始める方法について説明していきます。
アカウントを作成する
まずは、インスタグラムで新規アカウントを作成しましょう。アカウントの作成はインスタグラムの公式アプリから行えます。すでに持っているアカウントを使う場合は、「ビジネスアカウントへ切り替える」から始めてください。
電話番号・メールアドレスを登録する
アカウントの作成には、電話番号またはメールアドレスが必要です。ログインの際に必要になったりお知らせメールが届いたりするので、ビジネス用の番号またはメールアドレスを登録すると良いでしょう。
名前とパスワードを設定する
次に、名前とパスワードを設定します。名前はショップやサービス、ブランド名などわかりやすいものにしましょう。
ユーザー名を設定する
続いて、ユーザー名を設定します。アルファベットと数字、一部の記号を使えますが、すでに使用されているユーザー名は選択できないので注意しましょう。
ユーザー名はプロフィールページや投稿などの目立つ箇所に表示されるため、ショップやサービス名など、シンプルかつ関連のあるものにすると良いです。
ビジネスアカウントへ切り替える
以上でアカウントの作成は完了です。この時点では「個人アカウント」の扱いになっているので、手動でビジネスアカウントへ切り替える必要があります。
プロフィール画面の右上にあるメニューバーをタップする
まず、プロフィールページの右上にあるメニューバーをタップします。
「設定」、「アカウント」をタップする
メニューの中から「設定」を選んでタップします。次に設定メニューに表示される「アカウント」をタップしてください。
「プロアカウントに切り替える」を選択する
アカウントオプションに、「プロアカウントに切り替える」とあるのでタップします。
「ビジネス」を選択する
プロアカウントには、「クリエイター」と「ビジネス」の2種類があります。ショップの位置情報と、「予約する」「食事を注文する」などのアクションボタンの設置には「ビジネス」の選択が必要です。
プロフィールを充実させる
これでビジネスアカウントの作成は完了です。次に、ショップやブランドの魅力を伝えられるように、ビジネスプロフィールを充実させましょう。
プロフィール画像
業種にかかわらず、プロフィール画像は必ず設定しましょう。ショップのロゴや、キャラクターなど一目でショップやブランドのイメージが伝わる画像を選ぶことがポイントです。
ウェブサイト
ビジネスプロフィールには、任意のURLを1つ設置できます。ホームページや予約ページ、メニューページなど、ユーザーを誘導したいウェブサイトを設定しましょう。
自己紹介文
次に、自己紹介文を記載しましょう。書き方は自由ですが、「どんなショップなのか」「どんな情報を発信しているのか」などを分かりやすく簡潔に記載しておくと良いです。また、アカウントが本物だとわかるように、「公式」と入力しておきましょう。
(例)
〇〇の公式アカウントです。〇〇について発信しています。
〇〇の公式アカウント。〇〇(場所)で〇〇を営業しています。
アクションボタン
基本プロフィールの設定が済んだら、ユーザーの行動を促すためのアクションボタンを追加しましょう。飲食店の場合は、「Uber Eats」または「ぐるなび」と連携によるアクションボタンの設置がおすすめです。
「料理を注文する」「予約する」などのアクションボタンを設置しておけば、プロフィールを訪れたユーザーが何らかのアクションを起こしやすくなります。利用している外部サービスや、ビジネスの内容に合わせて、適切なアクションボタンを設定しておきましょう。
インスタグラムを効果的に運用するためのポイント
最後にInstagram(インスタグラム)のビジネスアカウントを効果的に運用するポイントを5つ紹介します。
運用の目的を明確にする
インスタグラムで効果を出すためには、運用の目的を明確にすることが大切です。「ショップを人気にしたいから」「みんな始めているから何となく……」といった動機ではなく、「インスタグラムの運用を通して何を達成したいのか」を考えてください。
例えば、「インスタグラム経由の予約を月に100件以上獲得する」「フォロワー1万人を獲得する」など、できるだけ具体的に目的・ゴールを設定しましょう。また、運用の目的を設定するにあたって、「ターゲット層(どんな人に情報を届けたいのか)」も明確にしておくとより高い効果を見込めます。
投稿に統一感を持たせる
インスタグラムは画像が中心のプラットフォームであるため、視覚的な「美しさ」が重要です。投稿を通して「きれい」「おしゃれ」「かわいい」などとユーザーに思わせることがフォローや購入につながることも珍しくはありません。
そのためアカウントの見せ方を意識して、投稿・アカウントに統一感を持たせることを心がけましょう。例えば、投稿する内容をシリーズ化したり、写真のテーマをそろえたりするなど、少しの工夫でも統一感を出すことは可能です。
ビジネス色を出し過ぎないように注意する
インスタグラムを運用する際は、アカウントのビジネス色が強くなりすぎないように気をつけてください。というのも、「宣伝のために利用していること」が投稿やキャプションから強く伝わってしまうと、ユーザーに敬遠されてしまうからです。
ユーザーは、企業による宣伝よりも有益な情報やおしゃれな投稿を求めています。ただ、商品やサービスを紹介するだけでなく、生活の一部として紹介したり、知っておくと便利な豆知識と合わせて紹介したりするなど、ユーザー目線で「良質」なコンテンツを投稿することを心がけましょう。
他の企業アカウントから学ぶ
「ビジネスアカウントの運用イメージがイマイチ湧かない……」という人には、実際の企業による成功事例を参考にすることをおすすめします。特に同じ業種のビジネスアカウントには、学ぶべきポイントがたくさん詰まっています。
ここでは、インスタグラムの運用が上手な飲食店の事例を2つ紹介します。投稿の内容や、キャンペーン、プロフィールなど、上手な運用ができている企業のアカウントを参考にしてください。
一風堂
ラーメンのグローバルブランドである「一風堂」は、インスタグラムにて新製品のPRや店舗紹介などを行っています。2021年3月時点で1.1万人のフォロワーを獲得しています。
特徴は、イベントやコラボ商品、キャンペーンなどの告知をイチ早く行っていることです。販売期間や販売店舗など、ユーザーが知りたい情報をしっかりと網羅し、宣伝しつつもユーザーのニーズを満たせている事例と言えます。また、海外の店舗で働くスタッフの取材など、ブランドの「ストーリー」を合わせて紹介しているところも、参考にしたいポイントです。
Gong cha
続いて紹介するのは、大人気タピオカ店「Gong cha」の公式アカウントです。こちらのアカウントでは、新作ドリンクのPRのほか、「人気ドリンク投票キャンペーン」「配達無料キャンペーン」など、キャンペーンが多数開催されています。
また、プロフィールページには公式ホームページの「店舗案内」を設置し、ユーザーが近くの店舗やデリバリー店舗を簡単に確認できるようにしています。投稿を見て実際にタピオカを飲みたくなったユーザーを逃さないための工夫がなされている点は、ぜひとも参考にしたいポイントでしょう。
まとめ
Instagram(インスタグラム)の「ビジネスアカウント」の概要やメリット、効果的に運用するポイントなどを詳しく解説しました。
インスタグラムは、業種や規模にかかわらず誰でも手軽に利用できるため、興味のある方はまず登録してみることをおすすめします。 自社の魅力をたっぷりと伝えられるビジネスアカウントを運用して、ショップの認知拡大や潜在顧客へのリーチ、お客さんとの双方向コミュニケーションの実現など、ビジネスにとって嬉しい効果の最大化を目指しましょう。
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