【2022】人事労務が知っておきたい「源泉徴収と年末調整の違い」とは?手続き方法と注意点

源泉徴収や年末調整、確定申告など毎年提出しているものも、いまひとつそれぞれの違いが分からないという方も多いのではないでしょうか。

「源泉徴収と年末調整は何が違う?」「給与所得者でも確定申告は必要?」など、いまさら人には聞けない源泉徴収や年末調整、確定申告について、それぞれの違いや注意点をまとめて解説します。

また、人事や労務担当者の方に向けて、業務効率化に役立つツールも併せて紹介します。年末調整や源泉徴収などの手続きで悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

源泉徴収とは?

源泉徴収とは、会社が従業員に対して給与を支払う際に、所得税の予定納税額を差し引き、従業員に代わって国へ収める制度のことです。

会社員の給与の支給額と手取り額が異なるのは、源泉徴収で給与から天引きされているためです。給与明細に所得税として記載されているものは、源泉徴収された金額を示しています。

源泉徴収は会社で必ず収めるように義務化されており、源泉徴収義務者である雇用主(または報酬の支払い者)がまとめて国に納付します。納付期限は、対象となる所得が支払われた月の翌月10日までです。そのため会社員は自分で所得税を収めに行く必要がなく、所得税の納め忘れがありません。

なお、「1年間の給与支払い額に対しての所得税の金額」については、会社(雇用主)から発行される源泉徴収票にて確認できます。

源泉徴収票が必要となるケース

源泉徴収票が必要となるケースは、次の3つです。それぞれ詳しく解説します。

  • 年末調整の計算が完了した時
  • 従業員が退職する時
  • 従業員に収入証明を求められた時

年末調整の計算が完了した時

年末調整の計算が完了したら、年末調整の最終報告書として会社(雇用主)は源泉徴収票を発行する必要があります。

源泉徴収票の提出先は、税務署と市区町村、従業員です。それぞれ税務署と従業員は1部ずつ、市区町村には2部の提出が求められています。

従業員が退職する時

従業員が退職する際にも、源泉徴収票の発行が必要になります。これは従業員が転職する際や確定申告をする際に、源泉徴収票の提出を求められるためです。

ちなみに、源泉徴収票の対象となる期間は、その年の1月1日から従業員が退職した時点までです。それまでの期間に支払った給与に基づき、源泉徴収票を発行する必要があります。

従業員に収入証明を求められた時

従業員に収入証明を求められた場合も、会社(雇用主)は源泉徴収票を発行しなければなりません。

従業員が戸建てやマンション、高級車などをローンで購入する際は、収入を証明するために源泉徴収票の発行を求められることがあります。また、ローンだけではなく、従業員が子どもを保育園に通わせる際にも源泉徴収票が必要です。

源泉徴収票は収入を証明するための有効な書類となるため、従業員に求められた際には速やかに発行する必要があります。

年末調整とは?

年末調整とは、会社が従業員に対して、1年間(1月〜12月)に支払った報酬の総額を再計算し、実際に支払われた報酬から実際に徴収すべき所得税分を調整する手続きのことです。

源泉徴収の時点では、あくまで予定分の納税額を概算で納めているため、実際の所得税とは差額が生じます。差額が生じる要因としては、従業員の報酬の変更や転職、結婚や出産による家族構成の変化などがあります。

つまり、源泉徴収で払いすぎた分を返還し、逆に不足分は徴収するために必要な手続きが年末調整です。なお、業務委託契約などで会社が個人事業主に対して支払った報酬については、個人事業主が確定申告するため、会社が年末調整の手続きをする必要はありません。

税額控除と所得控除について

所得税には、「税額控除」と「所得控除」の2つの控除が認められています。所得税は所得全体に税率がかかるわけではなく、所得から一定の控除額を差し引いてから計算し、納税額を決定します。

税額控除と所得控除の違いは、次のとおりです。

特徴控除の具体例
税額控除・所得控除を踏まえて計算した税額から差し引く・住宅ローン控除
・配当控除
・外国税額控除
所得控除・税率をかける前の課税所得から税額を差し引く・基礎控除
・配偶者控除
・扶養控除
・生命保険料控除 など
・配当控除
・外国税額控除

上記の控除を受けるためには、会社員であれば「年末調整」、個人事業主やフリーランスなら「確定申告」が必要です。

また、控除できるもの中には、「小規模企業共済等掛金控除(iDeCo等)」や「寄付金控除」など、節税効果の高い控除も存在します。特に寄付金控除のうち、地方自治体に寄付する「ふるさと納税」は節税に加え地方自治体から返礼品がもらえることから、人気の節税方法となっています。

年末調整で注意すべきポイント

年末調整

年末調整で注意すべきポイントは、次の2つです。それぞれについて解説しましょう。

  • 海外居住者や外国人の従業員
  • 休業や休職中の従業員

海外居住者や外国人の従業員

海外居住者や外国人の従業員は、年末調整の対象となるため注意が必要です。年間を通して就業していなくても、一定の就業期間があれば年末調整の対象となります。

また、手続き方法については、外国人の従業員であっても日本に居住していれば手続き内容は変わりません。ただし、従業員が海外居住となった場合は、手続き内容が異なるため注意が必要です。

休業や休職中の従業員

労災や心労などで休業や休職中となっている従業員についても、基本的には年末調整の対象となります。ただし、休業中であっても、以下に該当する場合は年末調整が不要です。

  • Wワークなどで主たる給与(本業)としていない場合
  • 給与が2,000万円以上になる場合
  • 転職で入社していて、前会社の源泉徴収票を提出していない場合

また、労災や心労による休業や休職だけではなく、育児や介護を理由に休業している従業員についても年末調整の対象となります。

確定申告とは?

確定申告とは、年間の所得(売上から経費を差し引いた分)を取りまとめ、所得にかかる税金を算出し、税務署へ納める税額を申告する手続きです。1月1日から12月31日までの1年間の所得と税額を算出し、翌年2月16日から3月15日までの間(原則)に税務署へ報告することで、確定申告の手続きは完了します。

ちなみに、確定申告を怠った場合には、以下のようなペナルティが事業者に課せられます。

  • 納税額に対し、最高税率20%の無申告加算税がかかる
  • 納税額に対し、最高税率14.6%の延滞税がかかる
  • 提出が2年連続で遅延すると、青色申告の承認が取り消しになる
  • 青色申告特別控除の枠が最大10万円に減額される(通常は最大65万円)

基本的に個人事業主やフリーランスであれば、確定申告が必要です。また、個人事業主やフリーランス以外であっても、確定申告が必要なケースがあります。

確定申告が必要なケース

確定申告が必要なケースは、次のとおりです。それぞれ詳しく解説しましょう。

  • 個人事業主やフリーランス
  • 一時所得が発生している
  • 株取引や不動産収入での所得がある
  • 退職所得の受給に関する申告書を提出していない
  • 所得税の猶予がある

個人事業主やフリーランス

給与所得ではない事業所得(基礎控除額)が48万円以上ある個人事業主やフリーランスは、確定申告が必要です。会社員などの給与所得者については、確定申告でなく年末調整が必要となります(一部例外あり)。

一時所得が発生している

一時所得が発生した場合も、確定申告が必要となります。

競馬などの払戻金や、懸賞で当選した賞金(宝くじは非課税所得)などは「一時所得」に該当します。この一時所得が「収入を得るための支出額+特別控除額(最高50万円)」を超えた場合、確定申告が必要です。

高額の懸賞金を獲得した場合は、確定申告が必要となるケースがあるため注意しましょう。

株取引や不動産収入での所得がある

株取引や不動産収入での所得がある場合は、確定申告が必要となるケースがあります。FXや株取引などの譲渡益(48万円以上)や、家賃収入などの不動産所得がある場合は、原則として確定申告をしなければなりません。

ただし、つみたてNISAなどの非課税投資枠内で得た所得については、確定申告は不要です。

退職所得の受給に関する申告書を提出していない

退職所得があり、「退職所得の受給に関する申請書」を退職先に提出していない場合は、確定申告が必要になります。「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合は、源泉徴収で課税が済んでいるため確定申告の提出は不要です。

また、年度の途中で退職し年末調整をしていなかったり、給与以外の所得が20万円を超えたりしている場合についても、確定申告が必要となります。

所得税の猶予がある

地震などの天災により、災害減免法で所得税の軽減や免除を受けている場合についても、確定申告をする必要があります。

源泉徴収・年末調整・確定申告のQ&A

源泉徴収や年末調整、確定申告について、よくあるQ&Aをまとめました。源泉徴収や年末調整、確定申告についてより知識を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

源泉徴収票と給与支払報告書との違いは?

源泉徴収票と給与支払報告書については、それぞれ提出先や目的が異なります。

源泉徴収票は所得税の報告を目的に利用するのに対し、給与支払報告書は個人住民税の計算のために利用します。そのため、源泉徴収票は税務署(対象の場合)への提出が必要となり、給与支払報告書については税務署ではなく、従業員が居住する市区町村への提出が必要となります。

年末調整をしないことでのペナルティは?

年末調整を実施せず、従業員から正しい税額を徴収しなかった場合は、所得税法第242条により、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が事業者に課せられます。

また、年末調整を実施していても、追加の徴収額を納付しなかった場合は、所得税法第240条により10年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその両方が課せられます。

青色申告にするメリットは?

青色申告は最高65万円の特別控除が受けられる他、赤字を繰り越したり専従者の給与を必要経費にできたりするなど、多くのメリットがあります。白色申告と比べると記載内容が増えますが、近年は会計ソフトなどが充実していることもあり、青色申告であっても簡単に作成できるようになっています。

まとめ

源泉徴収や年末調整、確定申告について、それぞれの特徴や違いなどについて解説しました。

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