【2022】インボイス制度対応システム5選!選びの方のポイントと必要な対策│コボットLAB

【2022】インボイス制度対応システム5選!選びの方のポイントと必要な対策

2023年より、消費税の課税対象である取引に対してはインボイス制度が適用され、請求手続きをはじめとする多くの業務が制度施行に合わせて改修を求められています。これらの改修手続きは手動で行うことは困難であるため、インボイス制度に対応するシステムを導入することで、その負担を軽減するのがおすすめです。

今回は、インボイス制度に対応するシステム選びのポイントや、インボイス制度の導入によって必要になる対策について解説します。

インボイス制度とは

インボイス制度は、2023年10月1日より施行される、請求書の記載事項の変更を義務付けるものです。

これまで、請求書の記載事項は区分記載請求書等保存方式と呼ばれる方式が定められていました。これは、2019年10月より導入された軽減税率制度に合わせて登場したもので、税率が異なる品目ごとに税込対価を明示し、税の適用状況を明らかにしています。

しかし、インボイス制度の施行により、区分記載請求書等保存方式は新たに「適格請求書等保存方式」への変更が求められます。

適格請求書等保存方式は、請求書を発行する事業者が税務署から「適格請求書等発行事業者」の認定を受けた上で、適用税率や消費税額を正しく伝えられる「適格請求書(インボイス)」の発行を行えるようにする仕組みです。

また、請求書を受領する買い手側も仕入税額控除を受けるためにはインボイスの保存が求められるなど、取引に関わる事業者は全員インボイス制度への対応が必要です。具体的にどのような対応が必要なのかについては、後ほど解説していきます。

インボイス制度非対応で起こり得るリスク

インボイス制度の導入および対応によって、事業者が大きなメリットを受けることはできないため、導入を見送ろうと考える人も少なくありません。しかし、インボイス制度への対応を先延ばしにしてしまうことで、間接的・直接的なリスクが発生する場合もあります。

ここでは、インボイス制度に対応しないことで起こり得るリスクについて解説します。

取引先を失う可能性がある

インボイス制度への対応が遅れることのリスクとして、取引先を失ってしまうということが挙げられます。

インボイス制度に対応しなくとも、今までどおり事業を続けることはできます。しかし、売り手となる事業者が適格請求書等発行事業者としての認定を受けていない場合、買い手の事業者は仕入れ税額控除を受けることができなくなるため、非対応事業者と取引をすることは、それだけ負担が大きくなってしまいます。

そのため、取引先は適格請求書等発行事業者の認定を受けている事業者との取引に切り替え、貴重な買い手事業者を失ってしまうというわけです。

インボイス制度導入に伴う取引負担を軽減したり、取引先との関係を今まで通り良好なものとしたりしたい場合には、インボイスへの対応は不可欠といえます。

罰則が課される場合がある

インボイス制度に非対応のまま事業を続ける場合、罰則規定が適用される場合もあります。気をつけたいのは、消費税法第65条に基づく罰則の適用です。

適格請求書等発行事業者ではないのにも関わらず、認定事業者であると偽りながら取引を続けた場合、最大で1年以下の懲役、または50万円以下の罰金が課されます。取引先を失うばかりか、罰則を課されて直接的な損失を被る前に、早めにインボイス対応を進めておくことが大切です。

参照元:e-Gov法令検索

インボイス制度の開始に備えて準備すべきこと

インボイス制度対応システム

インボイス制度の開始に備えて、具体的にどのような準備が必要なのでしょうか?ここでは買い手の事業者が必要な準備、売り手の事業者が必要な準備の2つに分けて解説します。

買い手側で必要な準備

買い手側の事業者というのは、インボイスを受け取る側の事業者です。買い手側の事業者はインボイスを発行する必要はないものの、売り手の事業者から渡されたインボイスの保存義務が発生します。

インボイスの保存期間は7年間となっているだけでなく、インボイスとして正しく発行されているか、そもそも売り手側の事業者は認定を受けた事業者なのかどうかを確認しなければなりません。

インボイス制度の施行から間もない時期は、どこの事業者でも書類に何らかの不備があったりすることが考えられます。確認作業や再発行を求める連絡が多発することも予想されるため、たとえインボイスを発行する必要はないにしても、適切なインボイスのフォーマットに対する理解が必要です。

また、正しく発行されているインボイスであれば、仕入税額控除の申請が可能となるため、どのような手順で申請を行えば良いのかも確認しておきましょう。併せて、インボイス適用事業者と非適用の事業者の間でどれくらい負担の差があるのかも確認し、取引金額の見直しも進めていくことが大切です。

売り手側で必要な準備

売り手側で必要な準備としては、インボイスを発行するための環境整備が挙げられます。インボイスの発行に当たっては適格請求書発行事業者としての認定を税務署から受ける必要があるため、最寄の税務署にて手続きを進めましょう。

事業者の認定を受けた後は、インボイスの発行と保管の義務を遵守する必要があります。インボイスの発行に当たっては、複数の項目要件を満たす必要があり、次の項目を逐一記載しなければなりません。

  1. インボイス発行事業者の氏名・名称・登録番号
  2. 取引年月日
  3. 取引内容
  4. 適用税率ごとに区分して合計した対価の額と適用税率
  5. 適用税率ごとに区分した消費税額
  6. インボイスを受け取る事業者の氏名・名称

従来の請求書に加筆する形でも良いですが、対価の金額や適用税率を毎回調べて記載するのは大きな負担となるでしょう。インボイス対応の請求書発行システムなどを使い、漏れのない対応を進めることが大切です。

インボイス制度に備えて対応させるべきシステム

インボイス制度に備えて対応すべきシステムとしては、次の5つのシステムが挙げられます。それぞれどのような変更が必要なのか確認しましょう。

請求書発行システム

請求書発行システムは、インボイス制度に備えて真っ先に確認すべきシステムです。インボイスの発行は、従来にはなかった記載項目を満たしておく必要があるため、それらを自動で入力できる機能を備えた製品が必要です。

インボイスを手動で発行するのは手間がかかるので、制度の施行に合わせて新しい発行システムを導入しましょう。

販売管理システム

販売管理システムをインボイス制度に対応させるためには、課税事業者と免税事業者との取引を区別できる機能を備えている必要があります。

課税・免税事業者の区別ができなければ仕入税額控除の申請を行う際に大きな負担となるため、既存の販売管理システムの見直しが重要です。

会計システム

会計システムにおいては、インボイスとそうでない請求書を区別のうえ、保管が可能な機能を備えている必要があります。

取引先の事業者形態に応じて税区分を切り替えられる仕組みを備えた、インボイス対応の会計システム導入を検討しましょう。

POSシステム

POSシステムを導入している場合、レシートの発行に際してはインボイス制度の施行に伴い、レシートへ事業者番号などを新たに記載できる機能が必要になります。

インボイス制度の施行によって、どの商品にどれくらいの税率が適用されているのかが明らかでなければならなくなったため、インボイス制度に対応しているPOSシステムを導入し、新しい環境で精算を行いましょう。

EDIシステム

専用回線を使って、企業間取引を安全に管理できるEDIシステムを導入している場合も、インボイス制度の施行による影響を受けます。電子インボイスを安全に管理できる仕組みを備えたシステムの導入や、電子帳簿保存システムの導入も併せて検討しましょう。

インボイス制度に対応できる主なシステム・サービス

施行が迫るインボイス制度に合わせ、多くのシステムやクラウドサービスにおいてはすでに対応が始まりつつあります。インボイス制度に対応している製品を確認し、自社に必要な対策を進めましょう。

マネーフォワードクラウド

マネーフォワードクラウド給与

株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワードクラウド」は、インボイス制度に対応する請求書発行、およびインボイス保管に対応できるクラウドサービスです。

適格請求書発行事業者か免税事業者かを国税庁のデータベースから自動で照会し、税額控除申請が受けられる取引とそうでない取引を区分することで、手続きの効率化を実現します。

料金:

  • 980円/月〜

公式サイト:

TOKIUMインボイス

TOKIMUインボイス

株式会社TOKIUMの「TOKIUMインボイス」は、ペーパーレスでの請求書受け取りを実現するクラウドサービスです。インボイス制度に対応し、紙媒体の請求書も自動でデジタルデータ化してくれるので、業務のデジタル化を推進したい、作業負担を軽減したいニーズに最適です。

さまざまな会計ソフトとの連携が可能であるため、導入時には自社環境に応じたカスタマイズで導入後すぐ運用を開始できます。

料金:

  • 要問い合わせ

公式サイト:

シスポート

シスポート

シスポート株式会社の「シスポート」は、インボイス制度に対応している販売管理システムです。システム本体はシンプルな機能にとどまっており、リーズナブルな導入を実現していますが、必要に応じて豊富な拡張機能を利用できます。

特定領域に特化した販売管理システムとしてパッケージ導入ができるので、カスタマイズの負担も小さく抑えられます。プライベートクラウドに対応しているため、リモート環境でも安心して活用できるシステムです。

料金:

  • 要問い合わせ

公式サイト:

NECプラットフォームズ

NECプラットフォームズ

NECプラットフォームズ株式会社は、飲食店向け軽減税率対応POSシステムの導入サービスを提供しています。軽減税率対応はもちろんのこと、インボイス制度に対応した複数税率の算出とレシート出力が可能です。

インボイス制度施行後は事業者の登録番号がレシートに記載されるようになり、仕入額控除を受ける際の手助けをしてくれます。

料金:

  • 要問い合わせ

公式サイト:

スマクラ

スマクラ

SCSK株式会社の「スマクラ」は、流通業界をはじめとする多様な領域で活躍するEDIシステムです。インボイス制度に対応しているので、登録番号の記載や税率ごとの消費税合計額を記載し、返品や支払い対応の際の手続き効率化を実現します。

導入・運用に際しては柔軟かつ手厚いサポートを受けられるため、IT運用の体制が整っていなくとも、迅速に実装を進められます。

料金:

  • 要問い合わせ

公式サイト:

インボイス制度対応システムの選び方のポイント

インボイス制度に対応するシステムを選ぶ上では、次の3つのポイントを意識した検討を進めることが大切です。

対応が必要な領域をあらかじめ洗い出す

まずは、自社でどのようなシステムを改修する必要があるのかを確認しましょう。先ほど紹介したように、インボイス制度の対応に伴い、改修を検討すべき領域は請求書発行システムや販売管理システムなど複数存在します。

紹介したすべての領域でシステムを入れ替える必要はなく、場合によっては自動アップデートでインボイス制度に対応してくれる製品もあります。インボイスへの対応を進める上では、まず自社システムの導入状況を確認し、インボイス制度の影響があるシステムはどれか、そしてどんな製品への切り替えが必要なのか、あるいはアップグレードが必要なのかを確認しましょう。

電子帳簿保存法への対応も同時に進める

インボイス制度への対応を進める上で同時に行いたいのが、電子帳簿保存法への対応です。電子帳簿保存法はデジタル媒体での帳簿保存を法的に認める法律で、紙媒体にこだわって書類を保存する必要がなくなっています。

インボイス制度の実施に当たっては、事業者は適格請求書の保存が求められていますが、電子帳簿保存法に従い、これらは必ずしも紙で保管する必要はありません。

そのため、インボイス制度の施行に合わせて帳簿保存を全て電子化し、会社のデータベースにまとめて電子化した情報を記録しておけば、インボイス対応と合わせて業務の効率化を実現できます。

製品同士の互換性を確認する

インボイス制度への対応に伴い、社内システムの互換性についても見直してみることをおすすめします。

請求書管理システムやPOSシステムなどは社内の他のデータベースやアプリとも密に関係しているため、これらは別個に運用するよりも連携して運用した方が、転記作業やデータ移行の負担がかからないため、より効果的な業務環境の整備につながります。

インボイス制度に対応しているような最新のシステムの場合、標準で他の製品との互換性を備えているものや、カスタマイズによって互換性を獲得することが可能なので、導入に際して位は自社で運用する製品との兼ね合いにも目を向けておくと良いでしょう。

まとめ

インボイス制度の施行に伴い、システムをどのように対応させるべきなのか、そしてどういったシステムを導入すべきなのかについて解説しました。インボイス制度は取引に関わる事業者のほぼすべてが何らかの改修を求められるため、自社ではどんな対応が必要なのかを正しく把握しておくことが大切です。

インボイス制度に非対応のままでいると、取引先を失ってしまったり、罰則を被ってしまったりするリスクもあるため、早めに認定事業者の証明を受け、請求書発行手続きなどを対応させることが求められます。

また、インボイス制度の導入をきっかけとして、社内業務のデジタル化を推進し、業務効率化を進めようという動きも各社では見られます。

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