自社に新たな人材を採用しようとするとき、採用活動の方向性が定まらないまま採用すると、ミスマッチが発生することで早期退職などの問題につながってしまいます。そうならないためには、自社が求める人物像を明確にする必要があります。
本記事では、求める人物像を設定するコツや得られるメリットについて解説していきます。自社に合う人物像を設定し、良い人材を採用するための参考にしてください。
求める人物像を作る上での基礎知識
「求める人物像」を設定することで、採用活動に明確な方向性をもたらす基盤が形成されます。これには企業成長や目標達成に不可欠な人物の能力、考え方、行動が具体的に示されます。
「求める人物像」は、外面的な要素と内面的な要素の二つで構成されています。外面的な要素には学歴・職歴、経験、専門知識、保有資格などが含まれます。内面的な要素としては性格、価値観、人間性、コミュニケーション能力、リーダーシップ、チームワークがあります。
これらの要素を基に「求める人物像」を設定し、それに基づいて選考方法や採用基準を決定します。「求める人物像」が採用活動の土台となることを認識しましょう。
求める人物像を作るメリット
単に求人を出すだけでは、理想の人材を採用するのは困難です。そこで「求める人物像」の作成が有効となります。そのメリットを理解し、採用活動に役立てましょう。
採用戦略を立てやすくなる
「求める人物像」を設定することは、採用活動の精度を高め、採用戦略の策定を容易にします。企業の成長に必要な採用活動をスムーズかつ迅速に進めることが理想です。明確な人物像を設定し、それに沿わない応募を排除することで効率的な募集が可能になり、適切な候補者を迅速に選定できます。
採用戦略には様々な手法があり、フレームワークの導入もその一つです。以下の記事でフレームワークの取り入れ方についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
関連記事：採用戦略に役立つフレームワーク5選！活用メリットや戦略を立てる手順を解説
また、優秀な人材を確保するための戦略や、新卒採用・中途採用それぞれの方法に関する記事もあります。以下でチェックできます。
関連記事：【2023】人材採用の方法とは？人材採用戦略のコツとやり方を解説
採用ミスマッチを防げる
入社後のミスマッチは、採用にかかるコストを全て無駄にしてしまうため、避けるべきです。採用ミスマッチを未然に防ぐには、その根本原因を理解し、適切な対策を講じる必要があります。採用基準が不明確で担当者の主観に頼ることもミスマッチの原因となり得ます。 ミスマッチの他の原因や対策については、以下の記事で紹介しています。
関連記事：採用ミスマッチの原因と対策とは？マッチング率を上げて企業の損失を防ぐ
ミスマッチが発生すると、それが退職に繋がり、結果として会社の離職率を高める原因にもなります。離職率が高い会社の特徴とその対策については、以下の記事で詳しく説明しています。
関連記事：離職率が高い会社の特徴・原因とは？定着率を高める方法10選
「求める人物像」がはっきりしているだけで、離職率の低下や採用ミスマッチを防げる結果となるのです。
経営側と現場で「求める人物像」を共有できる
会社や企業は主に経営側と現場にわかれています。採用活動する際、この２つの立場で「求める人物像」の擦り合わせが行われていないと、採用後にミスマッチとなることが多いです。
採用された人材が実際に働くのは現場ですから、現場が求めている人材でなければなりません。
採用活動に入る前に、経営側と現場とで「求める人物像」を設定しておき全体で共有することで認識のズレがないようにしておくことが大切です。
求める人物像の作り方のポイント
「求める人物像」を設定することのメリットを考えれば、すぐにでも取り組むべき内容であることは明らかです。
そこでここからは、「求める人物像」を作るためのポイントを3つ紹介していきます。ポイントを抑え、採用活動に取り入れていきましょう。
自社の方向性を明確にして必要な人材を洗い出す
先に紹介したように「求める人物像」は採用活動の基盤になるものです。
まずは自社がどのように成長していきたいのか、今後の方針を明確にしていきましょう。その方針を実現するために必要な人材、それが「求める人物像」となります。
注意したいのは漠然とした理想に沿って決めてしまわないことです。現在の事業状況に合わせた現実的なビジョンを描き、能力や考え方など新たな人材に求める条件を設定することが大切です。
現場からのボトムアップで意見を吸い上げる
採用活動により応募者の中から人材を選定するのは主に経営側が行います。ですが採用された人材が実際に働くのは経営や人事だけではなく、現場の場合もあります。
「求める人物像」を経営側だけの独断で決めてしまうと、現場で必要な能力が発揮されずミスマッチが起きたり、配属された現場から経営側へのクレームにも発展します。
現場の意見を積極的に取り入れ、経営側と現場との「求める人物像」にズレがないように設定することが重要です。
またこちらの記事では、採用担当者の抱える問題について紹介していますのであわせてチェックしてみてください。
関連記事：採用担当者が辛いと感じる7つの原因！軽減するための施策と求められるスキル・知識
求める人物像をできる限り具体的に設定する
各部署の意見を取り入れ、「求める人物像」を作り上げていきますが、ここで大切なのが可能な限り具体的に設定していくということです。
スキルや経験、勤務条件などあらゆる要素を洗い出して可能な限り具体性を持たせることが重要です。
資格やスキルひとつにしても、どのような資格を持っていて、何を扱えるのかなど細かくあげていくことで採用すべき人物像が見えてきます。
自社にすでにモデルケースになるような好成績を上げている社員などが在籍しているならば、その特徴などから洗い出してみても良いでしょう。
「求める人物像」を具体的に設定することは重要ですが、即戦力になることを期待しすぎてしまうと採用しても定着しなかったりと逆効果になってしまう場合もあります。
こちらの記事では中途採用者の定着率を上げるための方法などを紹介しています。
関連記事：中途採用に即戦力を求めすぎると失敗する！定着化・戦力化は採用時から始まっている
設定した人物像を上手く活用して採用活動するためには、採用条件も適切に決める必要があります。
採用条件の決め方や、それを支援する採用ツールの紹介などの記事もありますので併せて読んでみましょう。
関連記事：良い人材を見極める採用条件の決め方！8つの基準や手順、採用ツールのメリットを紹介
求める人物像に沿って人材を確保するコツ
経営陣と現場スタッフの意見を融合させ、具体的に設定した「求める人物像」が完成したら、次にその人材を獲得することです。
理想的な人材を獲得するためのヒントを以下に紹介します。
優先順位を設定する
求職者が集まり、選考プロセスが進む中で、多くの候補者が採用基準を満たすことになります。
しかし、完璧に「求める人物像」に合致する候補者を見つけるのは難しいものです。理想像は指針として重要ですが、妥協できない要素を明確にし、採用基準に優先順位を設けることが肝要です。これにより、適切な人材を見逃さず、選考を効率化することができます。
適切な採用チャネル・手法を選択する
「求める人物像」に合致する人材を見つけるには、彼らがよく目にする場所で企業の存在を知らせることが必要です。そのためには、最適な採用チャネルや手法の選択が大切です。
業界内での競争が激しい中、自社が見落とされないようにすることが求められます。合同説明会の開催やSNSの活用など、さまざまな手法から自社に適したものを選びましょう。もし自社だけでの採用活動に限界を感じたら、採用支援サービスの利用も検討してください。関連記事では、採用支援サービスの利用方法と選び方について詳しく説明しています。
関連記事：採用支援とは？活用したい採用支援サービスと選び方のポイント
また、採用活動のコスト削減やアピールの変更を検討している場合、採用管理システムの導入を検討するのも良いでしょう。多様な採用管理システムについては、別の記事でおすすめのツールや導入のメリットを紹介しています。
関連記事：【2023】採用管理システムの選び方は？おすすめツール26選＆導入メリット
リファラル採用もまた、コストの割り当てに苦労する中小企業やベンチャー企業で注目されています。この手法については、さらに詳しく別の記事で紹介しているので、自社での導入を検討してみると良いでしょう。
関連記事：リファラル採用とは？メリットやデメリット、円滑に進める方法を知ろう
求める人物像に響くような求人原稿・自社採用サイトを作成する
多くの求職者を引き付け、理想的な候補者を集めたいと思っても、求人広告が魅力を伝えきれない、または自社の採用サイトに魅力がなければ、応募は期待できません。
求人原稿は、自社の魅力を最大限に伝えるために巧みに作成する必要があります。事業内容に応じて伝え方を工夫し、求人原稿を効果的に書くことが求められます。
求人原稿の書き方については、具体的な例文を紹介しているこちらの記事が参考になるでしょう。
関連記事：【例文あり】求人で自社のアピールポイントを的確に届けるための準備とコツ！
採用サイトの制作は一から始めるのが難しいこともあるため、成功事例を研究することが有用です。多くの企業が独自の採用サイトを立ち上げており、それらの事例から学ぶことは多いです。成功事例に関する記事を参考にして、自社の採用サイトをさらに魅力的なものにしましょう。
関連記事：【業種別】採用サイトの成功事例18選と制作のポイント
また、求職者が知りたいと思っている情報を採用サイトや求人原稿に反映させることも重要です。求職者が何を知りたいのかについての洞察を提供する記事もありますので、そちらを参考にしてください。
関連記事：求職者が知りたい情報・重視する項目とは？応募が来ない理由と対策
まとめ：求める人物像をブラッシュアップして採用活動を始めよう
新たな人材を求めて採用活動をすることは、会社の今後の成長に大きく作用します。欲しい人材が不明瞭のまま行うのではなく、「求める人物像」を明確に立ててから始めることが大切です。
自社を魅力的にアピールすること、ミスマッチを防ぐために正しく求人原稿を書くことは簡単ではありません。
「採用ページコボット」には採用活動に悩む採用担当者様を助けるサービスが充実しています。求人のプロが監修することでマッチング率アップや、管理画面で即座に求人情報の掲載から修正も可能です。
「求める人物像」の人材を確保するため、ぜひとも「採用ページコボット」の導入もご検討ください！