営業における成約率を上げるためには、いかにクロージングを効果的におこなうかにかかっています。
日々の営業活動にて、このクロージングがうまくいかなくて悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事ではクロージングのコツ、テクニックを紹介し、成功させるためのポイントを理解してもらうことを目的としてまとめました。
クロージングについて理解度を深め、今後の営業活動に役立てましょう。
クロージングには5つのコツがある
営業そのものや他の業務にもコツがあるように、クロージングにも5つのコツがあります。
まずはクロージングにおける5つのコツを紹介するので、どのように進めていくべきかを把握しておきましょう。
【前提】クロージングは営業の最終フェーズ
はじめにクロージング(Closing)とは何か再確認しておきましょう。
直訳で「終わり」や「締めくくり」という意味をもち、営業活動においては最終フェーズのことを指しています。
営業は見込み顧客の絞り込みから始まり、直接的な訪問などを経てヒアリングや提案をするという一連の流れがあります。
そしてこの流れから実際に契約を締結するためのアプローチがクロージングです。
最終フェーズというだけあって、このクロージングの段階で失敗してしまうとそこまでの商談を逃してしまう場合もあるため、営業活動においては重要視されるプロセスなのです。
ヒアリングや提案で好感触であっても、クロージングで台無しにならないように注意しなければなりません。
コツその1. 顧客のニーズを徹底的に理解する
クロージングのコツとしてまず知っておきたいことは、顧客のニーズを徹底的に理解することです。
営業をかける際に、顧客は必ず何かしらの課題を抱えており、解決策を求めています。そこが明確になっていれば適切な提案を行うことができます。
しかし、このニーズとなる部分をよく理解していないままクロージングをかけてしまうと、顧客は納得できず、課題が解決していないと判断されてしまい失敗する可能性が高くなります。
顧客を多く抱えている場合はニーズの把握だけでも膨大な作業量になるため、ツールの導入も検討しましょう。
「HRコボット for アポ獲得支援」は人材派遣会社に特化した営業代行ツールで、ニーズの把握にも役立つサポートが充実しています。
コツその2. 適切な提案で顧客の課題を解決する
顧客のニーズが把握できたら、抱えている課題を解決するための商品やサービスの提案をします。
提案する商品やサービスにどのような特徴があるのか、利用することでどのような利点があるのかを説明していきます。
また、説明の段階で顧客が疑問に思うことがあれば、納得できるまで説明するように心がけましょう。
提案をしていくと顧客からも価格やサービス内容に対して要望が出てくる場合もあります。要望が出るということは、顧客もその商品に対して興味や関心があるということです。
要望に対する適切な回答を用意しておき、顧客の不安や疑問を払拭することもクロージングにおけるコツとなります。
コツその3. 顧客の不安を解消し信頼関係を築く
クロージングでは顧客との信頼関係が非常に重要になります。
多くの顧客は信頼していない営業マンが提案する商品を、即座に購入しようという決断はしません。
顧客が抱える疑問を解消し、提案を通じて不安を取り除いてあげることで信頼関係が築け、成約に繋げることができます。
クロージングをかける段階まで進めば成約は目前ですが、だからといってすぐに契約しようとするのではうまくいきません。
「顧客の疑問は解消しているのか」「不安はないか」というところまで目を向けた上でクロージングに入ることが大切です。
また、この時にしっかりと信頼関係が築ければ次回の契約に繋がったり、顧客が別の顧客を紹介してくれたりするというメリットも生まれます。
コツその4. 自信を持って明確な提案を行う
もしも顧客に迷いがあるようなら、自信を持って明確な提案をしてみましょう。
顧客に自社の商品やサービスを利用してもらいたい訳ですから、当然自信を持って提案することが大切です。
また、自社の商品について深く理解しておくことで、利用後のイメージなどを具体的に伝えやすくなり、顧客もそこから効果をイメージしやすくなります。
顧客の目線になって考えると、営業マンが自社の商品をよく理解しておらず、自信なさげに提案してくるものを購入したいとは思わないですよね。
勧めたい商品やサービスの理解度が高ければ、他社商品との比較もできるようになります。
営業する際には自社の商品やサービスの魅力がしっかり伝えられるようにしておきましょう。
コツその5. 適切なタイミングで契約を促す
クロージングには適切なタイミングというものがあります。
顧客の購買意欲が高まっている状態がクロージングをかけるべきタイミングなのですが、これを見逃してしまわないように注意が必要です。
顧客の表情や声のトーンなどから購買意欲を察知するスキルが問われるので、簡単に見極められるものではありません。しかし、このタイミングを掴めれば成約率は格段に上がるでしょう。
また、クロージングは必ずしも最後にやらなければならないものではありません。
もし元から顧客の購買意欲が高まっているようなら、商談中に契約の話をしてもいいでしょう。
必要であれば購入意思を直接聞いてみるなどして、きっかけを作ってみてもいいですね。
重要なのは適切なタイミングでクロージングに入るということです。
クロージングの基本的な流れ
クロージングのコツが掴めたら、どのようにクロージングを行うべきか基本的な流れを解説していきます。
実際に営業を行っている方も、自身のクロージングと照らし合わせて流れを再確認してみましょう。
テストクロージング
テストクロージングはクロージングを成功させるためのテクニックで、簡単な質問を投げかけることで顧客の購入意思を測ります。
購入意思がはっきりしていない状態でクロージングへ移行すると失敗してしまうので、契約に向けた準備の段階だと認識しておきましょう。
具体的な方法としては「もし〇〇を導入された場合、このようなメリットがあれば嬉しいですよね?」というような仮説を交えた質問や、「〇〇以外でしたら、こちらの△△もございます」などの軽い提案を行い、その反応で顧客の意思を測りましょう。
購買意欲が高まっていると感じたらクロージングへ進みます。もしまだ疑問があるようであればヒアリングに戻ることも大切です。
クロージング
テストクロージングを行い、顧客の購買意欲が高まっているようであれば、クロージングに入ります。
契約締結に向けた具体的な提案を行い、顧客の意思を固めます。ここで曖昧な提案をしてしまうと顧客の意思も固まりません。
「ご契約いただけるとしたら、いつごろでしょうか?」「現時点でご契約についてどうお考えでしょうか?」など、具体的にはっきりと契約に関しての提案をしていきます。
またここで重要になるのが、顧客が商品やサービスを購入した場合、具体的にどういったメリットがあるのかをイメージしてもらうことです。
そのイメージが明確であれば、契約を決める後押しにもなります。
顧客に安心して契約・購入してもらうために、購入後の流れなどを伝えておくことも大切です。
契約締結
顧客の購入意思が固まったら、最後に契約書へのサインや支払い手続きなどの正式な契約締結となります。
ここでは契約書にサインや捺印といった作業をしてもらう必要があるため、顧客と契約内容を確認しながら進めていきましょう。
いざ契約というところまで来たときに投げやりな扱いをされてしまっては、顧客も気持ちが変わってしまいます。大切なのは、ここで出てくる不明点などを丁寧にサポートし解消していくことです。
営業は一回成功すればそれでいいというわけではありません。次の営業にも繋がるように、最後まで顧客を気遣って信頼関係を崩さないように注意しましょう。
クロージングを成功させるためのテクニック
クロージングを成功させるためのテクニックはさまざまです。
ここからは多くの営業マンが使っているクロージングを成功させるためのテクニックを紹介します。
成約率が伸び悩んでいる方は参考にしてみてください。
フット・イン・ザ・ドア
フット・イン・ザ・ドアとは、最初に小さな要求をして承諾を得たあと、本命の大きな要求を承諾してもらいやすくする手法です。
これは1度小さな要求を承諾すると、その後の要求が断りにくくなるという「一貫性の原理」が働くテクニックです。
最終的に締結したい契約をいきなり持ちかけるよりは、商品やサービスの説明をする時間をもらい、実際に体験・利用してもらう、という具合に段階を踏んでいけば契約の話に繋ぐことができます。
承諾してもらいたい要求のレベルに大きな差が出ると、断られる場合もあるので注意が必要です。
また使い勝手のよいテクニックではありますが、既に顧客との信頼関係が築けている場合は逆効果になり得るので使わないようにしましょう。
ドア・イン・ザ・フェイス
ドア・イン・ザ・フェイスは、最初に断られるような大きな要求をし、その後で本命の小さな要求を承諾してもらう手法です。
「門前払いにする」という意味合いのあるこの手法は、断れて当然の要求から入り、要求するレベルを下げていくことで顧客に「そのくらいならいいか」と承諾を得ます。
予算が50万円の顧客に営業をかける際、内容がどれほど良くても100万円の商品を紹介したところで購入してもらえません。
そこで商品のグレードは多少落ちるものの価格が60万円まで下げられると紹介します。顧客は予算オーバーではあるものの、100万円から比較すると安く感じるので承諾しやすくなるのです。
この手法は、使い所を間違えると本命の要求を出す前に拒絶されてしまうので注意しましょう。
二者択一話法
二者択一クロージングとも呼ばれ、顧客に2つの選択肢を提示して購入を促す手法です。
「買う」「買わない」のような YES・NOの答えを尋ねるのではなく、「A」か「B」ならどちらにする?という質問をベースにします。
これは買うことを前提として選んでもらうことで、顧客にストレスを与えることなく購入まで話を進めることができます。
さらに、この二者択一話法に「ifクロージング」を組み合わせると効果が高まります。
「もし購入するとしたら」「もし使ってみるとしたら」など、前提にしている部分を付け加えることで、顧客も質問に対して違和感を覚えることなく答えてもらえます。
スムーズに話を進めやすい手法ですが、顧客が納得していないと契約もキャンセルされてしまうので注意しましょう。
サイレントクロージング
サイレントクロージング(沈黙のクロージング)は、クロージングのタイミングで意図的に沈黙を作り、顧客に考える時間を与えて契約を促すテクニックです。
営業中に顧客が考え込み、無言になるタイミングがあります。
これは金額や期間などを検討している沈黙であり、顧客の回答が出るまで話しかけないというのがサイレントクロージングです。
顧客が沈黙してしまうと慌てて話しかけてしまう方もいるかもしれませんが、相手の思考を止めてしまうので必ず待つことが大切です。
ただし、これはクロージングにおいて顧客が考えるタイミングで高い効果を発揮します。
商談中に突然営業マンが黙ってしまっては顧客を困惑させてしまうだけなので、使うタイミングや沈黙の長さは状況に合わせて調節しましょう。
クロージングを成功させるためのポイント
クロージングではテクニックも大切ですが、それだけでは成約まで導けないこともあります。
続いてはクロージングを成功させるためのポイントを解説していきますので、成約率を上げていきましょう。
質問力を身につける
不明点や疑問点を問いかける質問力は、クロージングだけでなく営業全体で必要なスキルです。適切な質問をすることで、顧客のニーズや要望を深く理解することができます。
営業は顧客のニーズが理解できていなければ成功しません。
質問にも種類があります。
「はい」か「いいえ」で答えられる、回答の範囲が決まっている「クローズドクエスチョン」や、自由に答えてもらう「オープンクエスチョン」のように、状況によって使い分けられるようになりましょう。
また、必ずYESをもらえる質問を繰り返す「イエスセット話法」を取り入れた質問をするなどして成約へ導きます。
このように、クロージングでの質問力を高めることが、契約締結に繋がるのです。
BANT条件を把握する
何か契約する際に事前に抑えておくべき必須の情報があります。
それが「BANT条件」です。
B:Budget(予算)A:Authority(決定者、決裁者)
N:Needs(需要)
T:Time frame(導入時期)
上記の情報の頭文字を取ったもので、この条件が把握できていないと契約に至る可能性は低いとされています。成約率が低い、クロージングで失敗するという方はこの情報が足りているか確認してみましょう。
それぞれの情報を把握することで、それに見合う商品やサービスを提案できるので、BANT条件は必ず把握しておきます。
クロージングへ入る前のヒアリングで、これらの情報を引き出すことが大切です。
営業支援システムを活用する
営業プロセスにおけるクロージングはとても重要です。そのため、顧客のニーズを理解し、アポイントメントを取る時間を確保するなど、クロージングに至るまでの業務を効率化することが必要不可欠になります。
営業支援システムを利用することで、営業プロセスを可視化することができ、クロージングを成功に導く手段の一つとなるでしょう。
システムによって顧客理解が深められれば、それだけで成約率は上がります。
「HRコボット for アポ獲得支援」はテレアポ代行サービスを行っており、新規開拓営業であっても顧客のニーズをしっかりヒアリングしてくれるのでクロージングには非常に役に立ちます。
クロージングの注意点
最後にクロージングをかける際の注意点を解説していきます。
どれほどテクニックが備わっていても、一つのミスで顧客の信頼を失って契約できなかったとなっては元も子もありません。普段の営業に以下のようなことがないか確認しておきましょう。
断られることを恐れない
営業を行っている方の中には、クロージングが苦手だと感じている方も少なくないでしょう。
その理由に、「恐怖心」と「罪悪感」があります。
「顧客に断られてしまうかもしれない」「成約してもらえなくて怒られる」「次も失敗するかもしれない」などの恐怖心や、「顧客に嫌われてしまうかもしれない」「無理に買わせていないだろうか」などの罪の意識を感じることがあるでしょう。
いずれにしろネガティブな感情がクロージングにおいて弊害となり、最高のパフォーマンスを発揮することはできません。
いくら営業スキルが高くても成約率100%という人は存在しません。断られることもあれば、かといって押し売りをしているわけでもないのです。
恐怖心や罪悪感さえ払拭できればクロージングに対する意識も変わるので、今一度見直してみましょう。
顧客への圧力にならないように注意する
営業においては大前提とも言えますが、顧客が望んでいない商品やサービスを押し売りするようなことは避けなければなりません。
会社には売りたい商品やサービスがあります。
営業はそれを広めていかなければなりませんが、これを必要としていない顧客へ提案しても購入してもらえません。なぜなら、そこには需要がないからです。
仮に顧客のニーズに合った商品を提案している途中に、全く関係ない商品を紹介しても顧客はそれを押し売りだと感じてしまうでしょう。それどころか一度押し売りと感じてしまえば、ニーズに合った他の商品でも押し売りされていると感じて断られてしまいます。
最悪の場合、それ以降営業を受けてもらえなくなる可能性もあるので、顧客の圧力になるような営業は避けましょう。
顧客情報の管理を徹底する
ここまで解説してきたように、クロージングに限らず営業では顧客情報の管理を徹底することが非常に重要なポイントです。
膨大な顧客データを管理できれば効率的に営業をかけることができますが、自社だけのツールで管理しようとするとそれだけでコストがかかってしまいます。
適切な支援ツールを導入して、最適化することも検討してみるといいでしょう。
「HRコボット for アポ獲得支援」は、専門スタッフが顧客情報を分析し、提案内容の最適化を行う営業支援ツールです。営業リストの提供だけでなく、さまざまなサポートを受けられるというメリットがあります。
まとめ:クロージングのコツやテクニックを活用して営業成績の向上につなげよう!
営業の最終フェーズであり要とも言えるクロージング。苦手意識のある方も多い場面ですが、紹介したテクニックやコツさえ抑えられれば、営業スキルはグッと高まります。
顧客のニーズを理解し、理想的なクロージングを行っていきましょう。
営業成績の向上には「HRコボット for アポ獲得支援」の導入がおすすめです。
テレアポの情報共有で営業に活かせたり、トークスクリプトやヒアリング結果から新規開拓営業に活かせたりとノウハウも蓄積されます。
自社の営業力アップにぜひご活用ください。