既存顧客維持のメリットやLTV(顧客生涯価値)を最大化するための効果的な施策とは | HRコボット for 営業リスト

既存顧客維持のメリットやLTV(顧客生涯価値)を最大化するための効果的な施策とは

企業を成長させ、長く続けていくためには多くの顧客を獲得することが必要です。しかし、困難な営業の末に顧客を増やしても、一回きりの成約で終わり、顧客がすぐに離れてしまっては収益拡大など夢の話です。

本記事では「既存顧客」を維持することの重要性やその方法などを解説します。より効果的な施策、実際に既存顧客の維持に成功している例も紹介しますので、既存顧客について理解を深めて企業成長にお役立てください。

顧客の定義

はじめに「顧客の定義」について解説していきます。
営業に携わっていると既に理解していることも多いでしょうが、既存顧客を維持することの重要性を理解するためにも、基本的な定義を再確認してきましょう。

顧客は4段階に分けられる

「顧客」という言葉は広く使用されていますが、その中でも「潜在顧客」「見込顧客」「新規顧客」「既存顧客」と4段階に分けられます。

顧客は、抱えている悩みについての解決方法がわかっておらず、自社の存在すら認知していない「潜在顧客」から、商品やサービスの価値が理解できれば購入や利用する可能性のある「見込顧客」になり、実際に購入・利用する気持ちが高まっている「新規顧客」へと変化していきます。

「既存顧客」は最終ステップであり、自社の商品やサービスを一度以上利用したことがある顧客です。既存顧客はカスタマーサクセスを目指すリピーター(優良顧客)になる可能性が高く、企業にとって維持すべき段階の顧客です。

既存顧客と新規顧客の違い

「既存顧客」とは、既に一度でも企業の商品を購入していたりサービスを利用するなど取引を行ったことのある顧客のことで、「新規顧客」とは、サービスを利用したことはないが、商品やサービスに興味があり利用を検討している顧客を指します。

ビジネスを成長させるためには、繰り返し利用してもらえる可能性のある既存顧客を維持し、新たに利用してもらえる顧客の数を新規開拓営業にて確保していく必要があります。

なかなか営業で結果を出すのは難しいことですが、コツを掴めば結果にもつながっていきます。新規開拓営業についてはこちらの記事でも紹介していますのでご参考にしてください。
関連記事:【2023】新規営業で結果を出す方法とは?主な手法と成功のコツ

新規顧客獲得は難度が高い

企業の成長には欠かせない新規顧客獲得ですが、初対面の人に対して一からのアプローチをしなければならないため難度が高いと言われています。何も知らない顧客に対し自社製品やサービスを認知してもらうこと、更にそこから興味を持ってもらい成約につなげることは簡単ではありません。

新規顧客獲得のためには営業を行わなければなりませんが、営業にも多くの労力やコストがかかります。門前払いになることも多く、様々な手法を試みなければならないでしょう。

営業にかけたコストに対し顧客を確実に確保できる保証もないので、新しい商品やサービスの提案のしやすい既存顧客を維持することで、安定した利益をもたらすことが大切です。

既存顧客維持の重要性

顧客の段階の解説でも触れましたが、「既存顧客」は維持することで優良顧客(リピーター)になる可能性が高いです。

マーケティング用語に「パレートの法則」というものがあります。「2:8の法則」とも呼ばれていますが、売上の8割は顧客全体の2割の優良顧客(リピーター)がもたらしているという法則です。

2割の優良顧客を維持することで8割の売上が見込めるとなれば、優良顧客になり得る既存顧客の維持の重要さが解りますね。

また、優良顧客は単に再度利用してもらえるというだけにとどまらず、クロスセルやアップセルの機会が増えて、さらに顧客の満足度が高ければSNSなどで発信してもらえるなどの宣伝効果も期待できます。

既存顧客を維持する必要性

新規顧客も既存顧客も同じ顧客ですから、新規顧客の獲得だけ力を入れていればいいようにも思えます。そこには明確な理由がありますので、既存顧客を維持する必要性について詳しく見ていきましょう。

新規顧客獲得が難しくなっている

日本市場の現状はほとんどの業界が既に成長期を過ぎており、成熟が進んでいます。そうした中での新規顧客獲得は非常に難しくなっています。

さらに買い手の環境変化も影響しています。ネットワークが確立している現代では、顧客が自ら検索エンジンなどを利用し情報を収集するようになりました。営業をかけたとしても、その情報は既に認知されている場合も多く新規顧客獲得にはつながりません。

他にも大手に顧客を取られてしまったり、価格競争が激化しているなどの影響もあり新規顧客を獲得する難度は上がっていることを考えれば、既存顧客を維持する必要性があることは理解できるでしょう。

新規開拓営業に関しての難しさやうまくいかない理由や解決方法などは、こちらの記事もまとめてありますのでご覧ください。
関連記事:新規開拓営業がうまくいかない理由とは?対処法や成功させるポイント

サブスクリプション型サービスが増えている

近年では「サブスクリプション」という言葉をよく耳にするようになりました。

サブスクリプション型サービスとは定期購入型という意味で、商品やサービスを一定期間利用できる権利に対し料金を払うビジネスモデルであり、既存顧客はこのサブスクリプション契約をする可能性が高い顧客です。

サブスクリプションでは顧客を維持することで安定した利益を出すことができるので、新たに顧客を獲得することよりも長く続けてもらうことが重要です。

新たに契約してもらうために初月無料や、他サービスが受けられるなどもありますが、長期契約に対する割引や、継続することで付与される特典など様々な顧客維持に関する施策に力を入れている所が多いのはそのためです。

既存顧客を維持するメリット

ここまで紹介してきたように、既存顧客を維持することによって生まれるメリットはいくつも挙げられます。既存顧客の維持が具体的にどんなメリットをもたらすのか、詳しくみていきましょう。

新規顧客獲得よりも費用がかからない

既存顧客は新規顧客に比べて商品やサービスに対して認知されているので、再契約や再購入など容易に促すことができます。自分が顧客側になると分かりやすいですが、一度使って良いと思ったものは再度使いたいですよね。

新規顧客を獲得するためにかかるコストは、既存の顧客にかかるコストの5倍と言われています。これをマーケティング用語では「1:5の法則」と呼んでいますが、ここまでコストの差が明確であれば既存顧客を維持することに大きなメリットがある事も明白です。

「パレートの法則」と一緒に考えてみると、既存顧客を維持することは低コストであり、加えて多くの利益をもたらしてくれるという結果が見えてきます。

既存顧客は企業のファンになる可能性がある

既存顧客を維持することで得られるメリットには、既存顧客が「ファン化」することも挙げられます。
既存顧客を大事にしていくことで信頼関係が深まっていき、やがて企業の応援者、つまりファンになってくれる可能性があるということです。

ファンになることでレビューや口コミなどの投稿も増え、そこから新たな顧客を呼び込んできます。
初めて利用するものがどういったものか不明瞭よりも、評価が高かったり、薦められたものの方が信用度が高いためです。

当然ファンである既存顧客の期待を裏切ってしまえば新規顧客の獲得どころか、既存顧客まで失いかねないので企業として期待を裏切らない努力も必要となります。

企業に安定した利益をもたらす

一度、購入や契約していてファンとなった既存顧客は、中長期的にその企業を再度利用してくれる可能性が高くなります。

顧客が企業やブランドに向ける信頼や親しみ、愛着のことを顧客ロイヤリティと呼びます。今では似たようなサービスや商品が溢れており、顧客も自ら情報を得られる時代です。

そうした中で競合他社を押しのけ自社を選んでもらうには顧客ロイヤリティを高めることが重要です。
単に他と比べて選んでもらえるというだけではなく、よりハイグレードな上位商品などの購入機会も高められるので、顧客単価の上昇も見込めます。

ファンになることは顧客ロイヤリティが高まるということであり、企業に安定した利益をもたらしてくれるようになります。

LTV(顧客生涯価値)を向上させる効果がある

近年はとくに新規顧客獲得のハードルが高まっていることもあり、LTV(顧客生涯価値)が注目されるようになりました。

LTV(顧客生涯価値)とは Life Time Value の略称であり、ある顧客が自社の利用を開始して終了するまでの期間にその顧客からどれだけ利益を得られるかを表す指標のことです。

LTVは、顧客購買単価×収益率×購買頻度×契約継続期間で算出することができ、これにかかったコストを引いたものもあります。各要素の数値を高めることでLTVは高まり、高LTVを持つ顧客を獲得・維持することが企業にとって長期的な収益を生み出す要素になっています。

顧客を維持することは、このLTVを向上させることに直結しているのです。

既存顧客を維持するための施策

顧客を維持することの大切さ、メリットについて理解したところで、どうやって維持していけばいいのでしょうか。ここからは様々な手法による顧客を維持するための施策を3つ紹介していきます。

1. 顧客とのコミュニケーションを促進する

既存顧客は既に企業と何らかの契約をしていたり、商品を購入しているなど関わりを持っています。そういった既存顧客を維持するために重要なのは顧客とのコミュニケーションです。

方法としては定期的にメールやDMを送付したり、SNSを利用し顧客が興味を持ってもらえるような情報や有益な情報を配信するなどがあります。セミナーやイベントの開催などの施策もコミュニケーションのひとつです。

既存顧客はコミュニケーションを定期的に取ることで維持できますが、過去に取引があったとしても何らかの理由によってコミュニケーションが取れない状態の「休眠顧客」となっている場合もあります。

休眠顧客は掘り起こしを行うことで、再び成約につながる可能性があるので休眠顧客が増えていないか確認していきましょう。

休眠顧客の掘り起こしに関してまとめた記事がありますので、ご参考にしてください。
関連記事:休眠顧客の掘り起こしに電話を活用するメリットとは?コツを押さえて電話営業しよう!

またテレアポに関するコツをまとめた記事もありますので、休眠顧客の掘り起こしをテレアポで行う場合には、ご参考にしてください。
関連記事:【2023】テレアポ営業のコツは?成果を出す4つのポイント

2. 顧客満足度を向上させる

顧客維持のためには顧客満足度を向上させることも重要です。自社製品やサービスを利用してもらっても、満足度が高くなければ顧客を維持することはできません。

商品自体の品質向上はもちろんですが、アフターフォローを充実させることも大切です。
商品によっては購入後に何らかの問題が起きる場合も考慮しておき、購入したきりで終わらないアフターフォローの体制を整えておくことも重要です。
商品が同じだとしても、競合他社との差を生み出せる部分でもあります。

また既存顧客からは商品やサービスに対し、ファンであるからこその様々な意見も挙がります。
これらの意見を逃さないようにして反映させることによるサービスの改善も、企業が顧客の声を蔑ろにしていない印象を与え、満足度向上へつながります。

3. 顧客ロイヤリティを向上させる

顧客が企業やブランドに向ける愛着のことを「顧客ロイヤリティ」と呼ぶことは先に少し触れました。この顧客ロイヤリティを向上させることも顧客維持するために重要なポイントです。

特別なイベントを開催したり、サービスを提供する・クーポンなどを提供するなど様々な手法がありますが、中でもロイヤリティプログラムを提供することは大きな効果が見込めます。ロイヤリティプログラムとは、購入頻度、契約期間や利用額に応じてポイントやクーポン、マイルなどの特典を付与する仕組みのことです。

クレジットカードのポイントや、コンビニやスーパーのポイントカードが該当します。
ロイヤリティプログラムを実施するコストはかかりますが、利用すればするほど特典が付くという点は顧客にとってメリットを感じやすく、顧客ロイヤリティは高まります。

顧客維持によって得られる利益が大きいこと、そして維持するためにやるべき施策を紹介しました。
しかし既存顧客を維持するためには営業担当者の力量が試されることは明白です。営業力を上げなければ既存顧客の維持も難しいでしょう。

営業力を上げるためにするべきことをまとめた記事、そして営業におけるセンスに関する記事もありますので、ご参考にしてください。
関連記事:組織・個人で営業力を上げるためのポイントとおすすめツールを紹介
関連記事:営業センスがある人の6つの特徴・身につけるコツを把握して営業センスを磨こう!

既存顧客維持の事例

それでは実際に既存顧客維持を成功させた事例を2つ紹介します。

どちらも有名で大きな企業ですが、最初から顧客維持の施策を行なっていたわけではありません。どういった施策を導入したのか見ていきましょう。

1. 既存顧客維持の成功事例「Amazon」

まず紹介するのはAmazonの「アマゾンプライム」です。

導入された当初、送料無料の負担が重すぎて長くはもたないと考えられていました。しかし、習慣形成の仕組みが上手く取り入れられており現在も続いています。

無料配送に加えてお急ぎ便などもあることから、アマゾンプライム会員は非会員に比べて2倍も多く商品購入するそうです。

また、会員になっているだけでアマゾンプライムビデオなどの他サービスも利用できるようになることもあり、ある時点では2年目への継続率は91%。
さらに3年目への継続率は96%と既存顧客維持が成功していることが分かります。

会費そのもので利益を得るのではなく、サービスや顧客ロイヤリティを高め、他で買わないように顧客の意識を変えることで成功した事例です。

2. 既存顧客維持の成功事例「スターバックス」

次に紹介するのは「スターバックス」です。
スターバックスでは、Starbucks Rewardsプログラムによって既存顧客維持に成功しています。

現在ではモバイルアプリを活用している企業は多く見られますが、Starbucks Rewards導入当時は斬新なアイデアでした。

手持ちのスマホなどにアプリを入れ運用するため、ポイントカードを紛失したり忘れるといったこともなく顧客側からすると非常に便利です。

ポイントを貯めるにはアプリで注文・支払う必要があるので顧客の習慣的なデータの収集も同時に行えます。そのデータを元に特典を付与するなどのコミュニケーションも可能になります。

また、これらとあわせて家でも職場でもない第3の場所としてくつろげるサードプレイスの提供へ注力していることも、顧客維持のために行われている施策の一つです。

既存顧客の維持に役立つツール

最後に既存顧客を維持するために役立つツールを紹介します。

顧客維持をする為には、既存顧客リストをまとめておくことが重要です。企業によっても掛けられるコストは限りがあるので、様々なデータに基づき最適な施策を選択しなければなりません。

そこで役立つのがCRM(顧客管理)ツールです。
顧客の情報から購入履歴などを管理・分析し顧客視点のマーケティングを行うことができるようになります。メールなどの配信機能もあるので、顧客維持に必要なコミュニケーションも取れるツールです。

CRMツールでどんな事が出来るか、メリットについてもっと知りたいという方は、こちらの記事をご参考にしてください。
関連記事:顧客管理(CRM)システムおすすめ11選!基本機能や導入のメリットとは?

存顧客の維持にも営業は深く関わります。事前にしっかりと既存顧客リストをまとめて営業に望むことが大切です。そこで役立つのが「HRコボット for 営業リスト」です。

こちらのツールは人材派遣会社に特化したものではありますが、最新の求人情報から検索条件を指定して営業リストを作ることができるのが特徴です。
また出稿金額や職種などで企業の絞りこみもでき、CSVでダウンロードすることも可能となっています。

人材派遣会社の営業担当者の方は「HRコボット for 営業リスト」を導入を、ぜひご検討ください。

『HRコボット for 営業リスト』のお問い合わせはこちら

まとめ:効果的な施策で既存顧客を維持して売上アップにつなげよう!

多くの企業が溢れている現代で、同じ業種の中で生き残っていくためには新規顧客の獲得だけではなく、既存顧客の維持も重要であることを解説しました。

リピーターとして何度も利用してもらえたり、顧客視点の声を聞けたりと単に利益をもたらしてくれるだけではなく、企業を一緒に成長させてくれるファンでもあることを意識してコミュニケーションを取りたいですね。

「HRコボット for 営業リスト」を始め、役立つツールを導入して、効果的な施策で既存顧客の維持をしていきましょう。 

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