【2022】Web給与明細サービスとは?導入のポイントと主要8選│コボットLAB

【2022】Web給与明細サービスとは?導入のポイントと主要8選

Webの給与明細

給与計算や給与明細の発行といった業務は、企業に直接売上をもたらす業務ではないものの、適切な人材管理のためには欠かせないバックオフィス業務の一つです。

従来の給与明細業務は、明細を紙で発行して従業員に手渡し、あるいは郵送で配布する方法が一般的でしたが、最近ではオンラインで管理できるWeb給与明細システムの普及も進んでいます。

今回は、給与明細をWebで管理できるシステムを導入するメリットや、実際に企業で活躍している最新の給与明細管理サービスについて解説します。

Web給与明細とは

Web給与明細システムは、端的にいえばWeb上で給与明細を管理できるシステムです。給与明細を作成したり保管したりしておくといった業務をオンラインで行えることはもちろん、給与明細をインターネット経由で従業員に配布することができるため、非常に便利なサービスです。

15年ほど前までは、給与明細は紙媒体に印刷の上従業員に配布することが義務づけられてきました。しかし、2006年に行われた税制改正により、2007年から給与所得の源泉徴収票、給与等の支払明細書については電子交付、つまりWebを介して給与明細を渡すことが認められ、合法的な電子化が可能となっています。

参考:給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A(国税庁)

Webサービスの多様化やインターネットの普及により、給与明細業務を含めた多くの人事労務関連の業務は、このような電子化や業務効率化に向けた技術活用が進められています。


Web給与明細が注目を集めている背景

Web給与明細は以前から存在していたシステムですが、近年になって一層の人気を集めることとなっています。Web給与明細システムが注目を集める背景としては、主に次の3つの理由が背景にあります。

人材が不足しているから

1つ目の理由は、国内における人材不足の深刻化です。少子高齢化の影響により、若い働き手の獲得が難しくなっているため、一人当たりの採用や給与支払いの負担は年々上昇しています。

また、若い働き手だけでなく、経験豊富なベテラン人材の引退も製造業や建設業では深刻化しており、ノウハウの継承が喫緊の課題となっています。

このような人材の希少化が進む中では、一人ひとりの業務負担を軽減し、効率化を進める必要があります。給与計算や明細発光のような業務は作業労働であり、企業の利益に直接関与しないことから、これらの負担をできる限り減らすことが求められています。

Web給与明細システムは、このような業務負担を削減し、人材の有効活用を推進する上で期待されているサービスです。

サービスが増え機能が充実しているから

2つ目の理由は、Web給与明細システムは多くの企業から製品が販売されており、サービスの向上や機能性の改善が進んでいるためです。

Web給与明細システムは、給与明細業務の効率化はもちろん、今やその周辺業務においても高い導入効果を発揮します。給与の入力作業を丸ごと自動化したり、データを他の勤怠管理システムなどと連携し、データの一元管理など効率的なデータ活用を実現したりしています。

また、サービスそのものの提供もインターネットを介して行われるクラウド方式が採用されているため、導入ハードルが大いに下がっている点も普及を後押ししている理由の一つです。

従来のオンプレミス式のサービス導入の場合、初期費用が高額になってしまうため、中小企業や個人事業主が導入するには予算の面で負担の大きい施策でした。しかし、近年は月額課金方式で利用ができ、ライセンスを契約するだけですぐに利用できるクラウド方式のサービスが増え、リーズナブルな価格でWeb給与明細の管理が可能です。

コスト面でこれまでシステム導入を見送ってきた企業にとっては、大きな転換点を迎えることになるでしょう。

DX施策の一つとして人気だから

3つ目の理由は、デジタルトランスフォーメーション(DX)施策の一環として、比較的取り組みやすい施策の一つであるためです。

そもそもDXとは、業務のデジタル化によって効率化を推進し、企業に新たな成長力をもたらす取り組み全般を指します。一口に「DX」といってもその取り組み方は多様で、企業の抱える課題や、組織の規模に応じて実施すべき取り組みは異なります。

大企業ではAIやIoTといったハイテクを積極的に活用していますが、これまでテクノロジーと縁遠かった中小企業や個人事業主では、予算の面から最先端のハイテクをいきなり導入することは難しく、実際にそれらの技術を現場で扱えるかどうかも怪しいものがあります。

こういった組織におけるDX施策のアプローチとしては、身近な業務のデジタル化から進めることが効果的です。Web給与明細システムの導入はわかりやすい事例の一つで、これまで手動で対応してきた給与明細の発行をオンラインで一元化し、業務を丸ごとデジタル化、及び自動化できるようになります。

Web給与明細システムの導入と合わせて人気があるのが、勤怠管理システムや経費精算システムの導入です。いずれの業務もWeb給与明細システムと同様、入力作業やデータ出力に多くの時間がかかり、人材の有効活用を妨げる要因となってきました。

クラウドサービスを活用すれば、コストを抑えて業務上の無駄を効率良く排除し、短期間で成果を挙げられることが強みです。


Web給与明細サービスを導入するメリット

給与明細

ここで、Web給与明細サービスを導入するメリットについて、もう少し具体的に解説していきましょう。システム導入の主なメリットとしては、主に次の3点が挙げられます。

バックオフィス業務の負担を軽減できる

1つ目のメリットは、バックオフィス業務の負担を軽減できる点です。

バックオフィス業務はデータの入出力や紙媒体の発行など、時間のかかる作業が数多く発生するため、多くの企業で改善の余地が残されています。近年、給与明細をはじめ、多くの手続きや書類管理業務の電子化が法的に認められています。

システムを導入してバックオフィス業務の電子化・自動化を進めることで、多くの作業労働時間を削減し、現場の負担削減につながります。バックオフィス業務の負担が削減された分、現場の従業員はより高度な業務に時間をかけることができたり、高度な意思決定やスキルが必要な現場に従業員を配置し、人材不足の解消にもつなげられたりできるといえます。

コスト削減につながる

2つ目のメリットは、コスト削減につながる点です。

作業にかかる時間が大幅に削減されることで、その業務のためにかかっていた人件費を大幅に削減できるのはもちろん、人材不足が解消されることで、人材獲得にかかる採用コストについても削減が期待できます。

また、給与明細を電子化してペーパーレス化を進めることができれば、紙代や印刷代の削減はもちろん、印刷機のリース費用削減や書類保管のためのスペース確保にかかる費用の削減にもつながります。企業経営に必要なスペースが小さくなれば、オフィススペースにも余裕が生まれ、家賃の安い小さなオフィスでも業務を遂行できるようになるでしょう。

Web給与明細システムを導入するだけで、これらすべてのメリットを余すことなく享受することは難しいものですが、導入によって各業務の電子化が進むきっかけを与えられます。

ケアレスミスや紛失の発生を抑制できる

3つ目のメリットは、ケアレスミスや紛失のリスクを抑制できる点です。

書類の不備によって修正のやり取りが発生することは現場の人間にとって無視できない負担をもたらします。直接修正するための手間はもちろん、ミスがないようダブルチェックしたり、確認したりするための時間を別の従業員が取らなければなりません。ただ修正するだけでなく、必然的に2人以上の従業員を確保しなければならず、人材の有効活用を妨げる要因となります。

また、書類の紛失といった事態も、決して軽視できないインシデントです。給与明細には多くの個人情報が記載されているため、社員の不備でなくした際に大ごととなることはもちろん、郵便局の不備で紛失した場合でも、対応手続きに追われます。

Web給与明細の導入は、こういった余計な負担を負わされるリスクを大幅に解消できる可能性を秘めています。給与明細の発行は、経費精算データや勤怠管理データなどから自動で入力することができ、正しく発行することができます。

また、Web経由で給与明細を渡せば紛失のリスクもないため、書類の行方がわからなくなって困るといった事態も容易に回避することが可能です。間接的なリスクの回避を実現することで、日々の業務負担を減らせるだけでなく、潜在的なリスクを回避し安心して業務を担えることも強みです。


Web給与明細サービスの主な機能

では、Web給与明細システムの代表的な機能を確認しておきましょう。

オンラインでの給与明細発行

1つ目の機能は、上でも触れてきたようにオンラインでの給与明細の発行です。オンラインで給与明細を発行の上、直接従業員のアカウントやメールアドレスに明細書を送付することができるため、印刷や郵送の手間はありません。

書類の紛失や改ざんといったリスクも回避できるなど、紙媒体で発行するよりもはるかに負担が小さく、なおかつ余計なリスクを考える必要がないため、導入して損することのない機能であるといえます。

データ連携による自動給与明細発行

2つ目の機能は、データ連携による自動給与明細発行です。Web給与明細システムは単体で活躍するのはもちろん、合わせて相互運用ができるシステムを導入、あるいは既存のシステムと連携を実施することで、自動で給与明細書を作成することができます。

必要な情報はすべて勤怠管理システムなどから取得してくれるため、ユーザーはただ発行された給与明細を確認するだけでよくなるといった、効果的な自動化を進められます。給与計算や明細書の発行に時間がかかっている企業では重宝する機能です。

従業員に合わせたフォーマットでの明細発行

3つ目の機能は、従業員に合わせたフォーマットで給与明細を発行できる機能です。飲食店や小売店などは、社員とパート・アルバイトが混在しているケースが少なくなく、彼らの就労条件に合わせた給与明細の発行が求められます。

手動で別個の対応を行う場合、従業員に合わせてフォーマットを切り替えなければならないため、余計な時間がかかることはもちろん、作業が複雑化するのでケアレスミスが起こりやすい現場となる要因の一つでもあります。

Web給与明細システムの中には、正社員だけでなくパート・アルバイトや契約社員など、多様な働き方に合わせた給与明細のフォーマットを用意しているものもあるため、給与計算のたびにフォーマットに悩まされる心配はありません。

余計な業務を削減し、ケアレスミスのリスクを回避できることもシステムの特徴です。


主なWeb給与明細サービス

続いて、国内企業での導入実績が豊富なWeb給与明細サービスを紹介していきましょう。

ジョブカン給与明細

ジョブカン給与計算

株式会社DONUTSが提供するジョブカン給与明細は、Web給与明細システムの導入だけでなく、給与計算業務の負担を圧倒的に削減できることが特徴のサービスです。勤怠管理や経費精算システムとのデータ連携機能を活かした自動入力機能が搭載されており、データ入力に伴う労力を解消できます。

料金プラン

  • ・無料プランあり
  • ・400円/月〜(1ユーザーあたり)

公式サイト

マネーフォワードクラウド給与

マネーフォワードクラウド給与

株式会社マネーフォワードが提供するマネーフォワードクラウド給与は、給与計算を簡単に行えるよう設計されたWeb給与明細システムです。法令に準拠した自動計算機能を備え、常に正確な計算結果が得られます。

法改正や税制変更にも自動で対応しているため手動変更の必要はなく、スマホやPCと扱うデバイスも選ばないことが強みです。

料金プラン

  • ・個人向け:800円/月〜(ユーザー1人あたり)
  • ・法人向け:2,980円/月〜

公式サイト

SmartHR

SmartHR

株式会社SmartHRが提供するSmartHRは、給与明細にとどまらない、人事労務管理業務を丸ごと効率化するためのシステムです。人事労務関連の煩雑な業務にかかる時間を1/3へ抑えられる機能を備えており、バックオフィスの効率化に貢献します。

運用画面の見やすさにも優れ、初めてのシステム導入という場合でも安心して利用できることが強みです。

料金プラン

  • ・要問い合わせ

公式サイト

オフィスステーション給与明細

オフィスステーション給与明細

株式会社エフアンドエムが提供するオフィスステーション給与明細は、給与明細業務に伴う面倒を解消するのに特化したWeb給与明細システムです。印刷や紙での手渡しといった業務が発生しないよう、すべてをデジタルで完結できる環境構築をサポートし、ペーパーレス化と業務効率化の両立を実現します。

料金プラン

  • ・登録料11万円
  • ・1,100円/月〜

公式サイト

やよいの給与明細オンライン

やよいの給与明細オンライン

弥生株式会社が提供するやよいの給与明細オンラインは、知識や経験がなくても使える操作性の高さに定評のあるWeb給与明細システムです。初年度は無料で利用ができるというハードルの低さもあり、初心者におすすめのサービスです。

テンプレートを使った給与明細発行を行えるので、一から表作成や計算式を作る必要はなく、すぐに自動化の効果を実感できます。

料金プラン

  • ・初年度無料
  • ・2年目以降:4,500円/月〜

公式サイト

jinjer給与

jinjer給与

jinjer株式会社のjinjer給与は、人事・給与計算システムとの連携効果が期待できるWeb給与明細システムです。兄弟ツールとのリアルタイム連携が可能であるため、迅速に数値情報が反映され、繁忙期でもミスのない自動入力機能を活用できます。

給与明細はもちろんWeb上で発行し、従業員に配信することが可能です。

料金プラン

  • ・400円/月〜

公式サイト

ポケット給与

ポケット給与

株式会社ICSソリューションズが提供するポケット給与は、担当者の給与明細管理業務の負担軽減に役立つ機能が複数盛り込まれたWeb給与明細システムです。感覚的な操作が可能な画面を備え、初心者でもすぐに使いこなせることが特徴です。

年末調整の申告書などの帳票入力に対応し、セキュリティ対策もSSLによる暗号化が行われているなど、業務周辺のニーズを解消してくれる頼もしいサービスです。

料金プラン

  • ・要問い合わせ

公式サイト

e-navi給与明細

e-navi給与明細

株式会社イー・クリエーションのe-navi給与明細は、導入実績が800社を超える信頼性の高いサービスです。給与明細や源泉徴収票を電子化し、PC/スマホのWEBブラウザから閲覧ができるため、従業員にとっても利便性の高い機能を提供します。

配信方法は、あらかじめ登録しておいた連絡先に一斉送信の形式で行えるため、メールを一つずつ作成する手間もかからないことが強みです。

料金プラン

  • ・初期費用:5万円
  • ・30円/月〜(ユーザー1人あたり)

公式サイト


Web給与明細サービスの選び方・ポイント

Web給与明細には多くのサービスがあるため、一つのサービスに絞るのは難しいものです。最後に、自社にあったシステム選びを実現するためのポイントについて、ご紹介します。

労務管理機能に優れるサービスを選ぶ

Web給与明細システムを導入する際には、まず労務管理機能に優れたサービスを選ぶことをおすすめします。Web給与明細は確かに便利ですが、それに伴う勤怠管理や給与計算、経費精算や申請業務が効率化されなければ、十分な導入効果は期待できません。

給与明細のデジタル化だけにとどまらず、周辺の課題解決にも目を向けてみましょう。

自社課題に適したサービスを選ぶ

2つ目のポイントは、自社課題に適したサービスを選ぶことです。どのようなシステムを導入するべきなのかは、自社でどんな課題を抱えているかによって異なります。

給与明細の管理に追われているのか、給与明細の配信に課題を抱えているのか、データ入力の負担に問題があるのか、まずはどんなところで問題が発生しているのかを洗い出してみましょう。

サポート体制の充実度で選ぶ

3つ目のポイントは、サポート体制の充実度に目を向けることです。初めてのシステム導入の場合、システム導入の際はもちろん、実装が完了してからもトラブルに見舞われることはよくあることです。

業務上の負担を最小限に抑えるためにも、すぐに問題を解決できるヘルプデスクを設置しているサービスを選ぶと良いでしょう。


まとめ

Web給与明細システムの役割や、導入のポイントについて紹介しました。システムには複数の種類がありますが、まずはそれぞれの機能について目を通し、自社の課題を洗い出した上で、ソリューションとして適切な製品をピックアップしてみましょう。

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