【2022】入社手続きに必要な書類は?入社手続きを効率化するためのアイデア

入社手続書類

人事・労務担当者の主要業務の一つに「入社手続き」があります。新入社員を迎えるにあたっては、必要な書類を集め、各種手続きを迅速に進めなければなりません。

しかし、実際には膨大な量の書類の回収や手続きが必要とされることから、「入社手続きを円滑に進められていない」という企業も少なくないでしょう。そこで今回は、入社手続きで準備・提出が必要な書類と、入社手続きを効率化するためのアイデアを紹介します。

内定承諾後から入社までの一般的な流れ

まず、新入社員を迎えるにあたって、内定承諾後から入社までの一般的な流れを確認しておきましょう。

入社日の決定

新入社員から内定の承諾を得られたら、具体的な入社日を決定します。一般的には、内定を出す段階で入社日をある程度決めておく場合がほとんどですが、新入社員の都合などにより調整が必要になることもあります。

特に、退職を伴う「中途採用」の場合、入社予定者は前職の企業と退職交渉をしたり日程を調整したりする必要があることから、入社日に多少のズレが生じることがあります。

雇用契約の締結

正式に入社を決定するため、雇用契約を締結します。ただし、企業によっては採用通知書の承諾をもって雇用契約を締結したとみなす場合もあります。

雇用契約書は、労働条件通知書のように作成が義務づけられているものではありませんが、入社予定者との後のトラブルを避けるためにも、作成しておくことが一般的です。

入社手続き

雇用契約の締結により新入社員の入社が正式に決定した段階で、速やかに入社手続きを始めます。入社手続きで準備・提出が必要になる書類については後述しますので、確認してください。

備品の準備

入社日が決まったら新入社員専用の備品を用意しておきましょう。業務に使用するパソコン端末やスマートフォンはもちろん、個人アカウントの作成用意なども必要です。

必要な備品のチェックリストを作っておくと、漏れなく準備できます。チェックリストの例を紹介しますので、参考にしてみてください。

  • パソコン端末、スマートフォン、充電器などのアクセサリー
  • デスクやチェア
  • 社員カード
  • 筆記用具・ノート
  • インターネット環境
  • メールのアカウント登録
  • 社内専用システムのアカウント登録
  • 制服
  • 名刺

一緒に働く現場のスタッフにも必要なものを確認しておくと、入社日当日にバタバタすることもありません。

入社

入社後は、社会保険や雇用保険などの加入手続きを行います。手続きの期限はそれぞれ次のとおりです。

  • 社会保険:入社日から5日以内
  • 雇用保険:入社日が属する月の翌月10日まで

期限が短いものから優先的に、入社手続きを進めていきましょう。

入社手続き前に準備が必要な書類

まず、新たな社員を採用するにあたって、会社側で事前準備が必要な書類について説明します。これらの書類は、基本的に入社前に送付を行い、必要に応じて入社予定者に返送してもらう必要があります。

雇用契約書

まず、雇用契約書を作成し、入社予定者に労働条件や雇用契約内容を提示します。雇用契約書は、契約有無の証明、そして労働条件や就業規則などの説明を行った証明にもなりますので、必ず書面として残しておくことが重要です。

基本的に、雇用証明書は署名・押印を行った上で双方が保管する必要があります。雇用契約書は必ず2部作成し、返信用封筒を同封し1部を返送してもらいましょう。

採用通知書

入社予定者に採用の意思を伝えるため、「採用通知書(内定通知書)」を作成・送付します。採用・内定のお知らせや入社日などをまとめて記載しておきます。

また、入社時に提出が必要な書類に関しては、採用通知書の中で提出依頼と提出期限を連絡しておくとスムーズに入社手続きを行うことができます。

入社承諾書

「入社承諾書」は、入社意思を確認し、書面に残しておくために必要な書類です。返送を確認できれば入社手続きを続行、もし辞退の連絡があれば再度求人活動の準備に取りかかります。

入社承諾書は、入社予定者に署名・押印してもらう必要があるため、返信用封筒を同封しておきましょう。

入社手続きで提出が必要な書類

マニュアル化

続いて、入社手続きをするにあたって、入社予定者から提出してもらう必要がある主な書類を紹介します。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

給与所得者の「扶養控除等(異動)申告書」は、社会保険や所得税などの計算・手続きを行うにあたって必要な書類です。“扶養控除等”とありますが、安い税率で給与から所得税を天引きするため、扶養家族が居ない方でも提出が必要です。

雇用保険被保険者証

新入社員の雇用保険加入にあたり、「雇用保険被保険者証」が必要です。提出後は、基本的に退職時まで会社で保管します。

雇用保険被保険者証は退職時に発行されるため、転職経験がない方だと存在を知らない可能性もあります。提出漏れがないように、事前に提出依頼を出しておくとスムーズです。

年金手帳

新入社員の厚生年金加入手続きをするにあたって、基礎年金番号が記載された「年金手帳」が必要となります。雇用開始から5日以内に、年金事務所または厚生年金基金に「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」を提出する必要があります。

提出後は、雇用保険被保険者証と同様に会社で保管することが一般的です。

マイナンバー

近年、雇用保険や厚生年金の加入手続きにマイナンバーの記載が必須となっていることから、入社時にはマイナンバーもしくはマイナンバーがわかる書類の提出が必要です。ただし、マイナンバーの提出を求めるにあたっては、事前に利用目的をしっかりと明示した上で、厳密な本人確認を行う必要があります。

また、場合によっては扶養家族のマイナンバーの提出を求めることもあります。いずれにしても、マイナンバーカードは個人情報が集約した機密性が高い書類ですので、取り扱いには細心の注意を払う必要があります。

前職の源泉徴収票

新入社員の前職退社日と入社日が同じ年になる場合は、前職の「源泉徴収票」の提出が必要です。というのも、年末調整を行う際に前職分を含めた一年間の給与総額を把握しなければならないためです。

源泉徴収票を紛失したという相談を受けた場合は、再発行の手続きを依頼してもらう必要があります。

給与振込届出書

「給与振込届出書」は、給与を支払うために必要な書類です。あらかじめ用意しておいた会社指定の書類に、銀行口座番号や口座名義人、支店名などを記入して提出してもらいます。

会社の規定によって、銀行通帳のコピーを保管する必要がある場合は、届出書と一緒に提出を求めましょう。

健康診断書

新入社員の健康状態を把握するため、「健康診断書」の提出が必要です。企業指定の病院で、企業の定期検診に準じた検診を受けてもらうことが一般的です。

ちなみに、健康診断の費用に関しては、企業側が負担するケースが多いようです。

その他必要書類

ここまで、ほとんどの会社の入社手続きで必要な7つの書類を紹介しました。しかし、会社の規定によっては、その他の書類の提出が必要な場合もあります。

追加で提出が必要な書類には、次のようなものがあります。

  • 卒業証明書
  • 身元保証書
  • 従業員調書
  • 住民票記載事項証明書
  • 資格免許証

たとえば、医療関係や通訳の仕事など、特定の技能や資格・免許を保持している方のみ採用を行っている場合は、入社時に追加書類の提出が必要となります。何らかの追加書類の提出が必要な場合は、入社前に提出を依頼して、スムーズに手続きできるように準備しておきましょう。

入社書類の送付方法

入社手続きで必要になる書類は、基本的に郵送でのやり取りが基本となります。

ただし、入社書類には、重要な情報や個人情報が記載されていますので、取り扱いには注意が必要です。ここでは、入社書類の送付方法と手順について詳しくお伝えしていきます。

郵送でのやり取りができるか確認する

内定通知書や労働条件通知書、雇用契約書に関しては、郵送でのやり取りが一般的です。しかし、入社手続きで必要になる書類の中には、郵送でのやり取りができないものもあるため、まずは郵送して問題ないことを確認しましょう。

たとえば、各種保険に関する手続きにおいては、入社予定者から年金手帳や雇用保険被保険者証を提出してもらう必要があります。こういった個人情報が記載された重要な書類に関しては、紛失や漏えいのリスクをなくすために、郵送での送付は避けるのが無難です。

A4サイズの封筒を準備する

入社手続きの書類の用意ができたら、「角形A4サイズ」の封筒を準備します。書類に折り目がついて読みづらくならないよう、折らずに入る大きさの封筒に入れるのがベストです。

また、書類をより綺麗な状態で届けたい場合は、クリアファイルに挟んでから封筒に入れることをおすすめします。

返信用封筒を同封する

雇用契約書など、署名・押印をした上で返送が必要な書類がある場合は、切手を貼った返信用封筒を同封します。

追跡できる郵送方法で送付する

入社手続き書類を郵送する方法に特に決まりはありませんが、追跡サービスに対応している郵送方法を選ぶことをおすすめします。追跡サービスは、「簡易書留」や「一般書留」などで利用することができます。

追跡サービスに対応した郵送方法なら、書類が入社予定者の手元に届いたことを確認できる他、万一届かなかった場合でも保証を受けられるので安心です。

入社手続き書類に関する注意点

続いて、入社手続き書類に関する注意点を3つ紹介します。

提出期限を明確にする

先ほどもお伝えしたように、入社手続きを進めるにあたっては入社予定者から各種書類を提出してもらう必要があります。この際、どの書類をいつまでに提出する必要があるのか、提出期限を明確に伝えておきましょう。

たとえば、社会保険の加入手続きは、入社日から5日以内に行わなければならないため、入社予定者には余裕をもってマイナンバーや年金手帳などを提出してもらう必要があります。会社側が必要書類の期限をしっかり把握しておくことはもちろん、入社予定者にも明確に期限を伝えることを徹底しましょう。

各種保険に関する書類の郵送は控える

入社書類の送付方法でも触れましたが、年金手帳や雇用保険被保険者証などの重要書類に関しては、郵送でのやり取りは控えるようにしましょう。追跡サービスに対応した郵送方法であっても、郵便事故のリスクはゼロではないからです。

また、入社手続きでは、入社予定者の大切な個人情報を多く取り扱います。各種保険に関する書類に限らず、入社予定者に送付する書類、入社予定者から提出・返送してもらう書類の取り扱いには十分に注意しましょう。

取り寄せが必要な書類は告知しておく

入社手続きに必要な書類の中には手元にないためすぐに提出できないものもあります。

1年分の給与・賞与・所得税などが記載された源泉徴収や、申請してから作成が可能なマイナンバーカードなどは、用意するまでに時間がかかります。事前に告知しておくと良いでしょう。

中途入社の場合、前職を退職時に受け取っている書類もありますので、手元にあるかどうかも確認してもらう必要があります。採用が決まったタイミングで用意してもらいたい書類一覧を告知しておくのがおすすめです。

入社手続き書類でよくある失敗

数多くの入社手続きを対応していると、時に失敗することもあります。よくある事例を3つ紹介するので、事前に把握しておきましょう。

書類の提出締め切りを過ぎてしまう

1つ目は注意していても各書類の提出締め切りを過ぎてしまうことです。期限が早いもの屋提出先がバラバラな書類も多いため、人的管理の場合「うっかりしていたら過ぎていた」という失敗もあり得ます。

社会保険や雇用保険の手続きが60日以上遅延した場合、追加書類の提出が求められます。従業員が勤務していたことを証明するために、賃金台帳や出勤簿の写しが必要になります。

締め切りを過ぎてしまうと入社手続きがより煩雑になり、結果的に会社の印象も悪くなりかねません。余裕をもって動けるようにしましょう。

提出書類を紛失してしまう

2つ目は、提出する書類を新入社員が紛失してしまい、再発行が必要なパターンです。再発行が可能な書類は次の4つになります。

書類再発行依頼先再発行までの期間
年金手帳年金事務所数週間~1ヶ月
※年金事務所に訪問して手続きした場合、即日発行
雇用被保険者証ハローワーク1週間
※ハローワークに訪問して手続きした場合、即日発行
源泉徴収票前職の総務部即日~2週間
健康診断書保健機関2週間~3週間

いずれも時間がかかるケースが多いため、各機関への提出締め切りを過ぎてしまう可能性があります。早めの確認・再発行依頼により時間がかからないようにしましょう。

属人的な業務になってしまう

3つ目は、個人に依拠した業務となり他の社員が対応できなくなるケースです。入社手続きを行う社員が固定されてしまうと、作業が属人的になってしまうことはよくあります。

別の人に担当が変わった時にどうしたら良いか分からないという状態になっているのは会社としてよくありません。いつも担当している社員が休んだり、万が一退職したりしたときにもスムーズに次の人に引き継げる状態にしておくことが重要です。

普段から複数の社員に手続きを任せたり、作業マニュアルを用意したりしておくと、1人の社員に依拠することがなくなります。

入社手続きの効率化アイデア

ここまでで理解していただけたように、入社手続きでは膨大な書類の回収が必要です。また、雇用保険や厚生年金のように「雇用開始から5日以内」といった提出期限が設けられていることも多いため、速やかに取りかからなければなりません。

つまりは、入社手続きをいかに効率良く行えるかどうかが大切です。そこで次に、担当者の負担が大きくなりがちな入社手続きを効率化するためのアイデアを3つ紹介します。

入社手続きで必要な書類をリスト化する

上記で紹介したように、入社手続きで必要な書類の種類は多岐に及びます。また、企業や部署、採用条件などによっては、追加の書類提出が必要になることも少なくありません。

入社手続きで必要な書類を漏れなく回収し、スムーズに手続きに回すためには、必要な書類をチェックリスト化しておくと安心です。必要な書類をリスト化したら、入社予定者にもリストを共有し、提出を依頼しておくと入社時によりスムーズに手続きを進められます。

入社手続きの業務フローをマニュアル化する

入社手続きは、必要な書類を揃えることに加え、合理的かつ漏れなく業務を進める必要があります。手続きに漏れがあっては、後にトラブルへ発展したり新入社員が会社に不信感を抱いたりしかねません。

そこでおすすめなのが、入社手続きに関する業務フローを可視化して、わかりやすく記載したマニュアルを作成することです。マニュアル化する際は、誰が見ても「業務をいつどのように行うのか」がわかるように明確に記載することです。これにより、入社手続きを大幅に効率化することができます。

また、業務手順がわかりやすく記載されたマニュアルを作成しておけば、入社手続きの業務経験が浅い社員でも期限内に効率良く業務を行えるようになります。「特定の担当者がいないと入社手続きが進まない」「前回の採用から時間が経っていると、入社手続きの業務フローを忘れてしまう」などといった課題を抱えているのであれば、入社手続きに関する業務の可視化を行い、業務フローをマニュアル化することをおすすめします。

電子申請を取り入れる

雇用保険や厚生年金など、提出期限が定められている書類は、電子申請の導入がおすすめです。

昨今、パソコン一つで届出書を自動で作成し、そのまま電子申請できるクラウドサービスも多く登場しています。入社手続きを電子化してしまえば、健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険などの申請をすべてオンラインで完結できます。そのため、書類を作成・郵送したり役所に出向いたりする手間を大幅に削減することができ、担当者の負担軽減、業務の効率化効果が期待できます。

また、ペーパーレス化が進み、リモートワークなどの新しい働き方に適応できるというメリットもあります。「入社手続きでは、雇用保険や厚生年金などの提出期限に追われることが多い」「少しでも担当者の負担を軽減し、効率化を図りたい」という方には、電子申請に対応したクラウドサービスの導入をおすすめします。

まとめ

入社手続きは、普段関わりの少ない書類も多く、作業も複雑な印象があるかもしれません。慣れないうちは全て揃えるのに一苦労するかと思います。また、いろいろな機関に接続する中で、余裕を持って提出するためにもなるべく自社での作業を効率よく進めていくことが重要です。

当社ディップ株式会社が運営している「人事労務コボット」は、入社手続きのペーパーレス化を実現してくれる非常に便利なシステムです。最短即日というスピード感で入社手続きを完了させられます。

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