【2022】雇用契約を電子化する方法は?メリットと活用したいツール│コボットLAB

【2022】雇用契約を電子化する方法は?メリットと活用したいツール

新たに人材を採用する際、現場で働いてもらう前にはこなさなければならない手続きがあります。中でも手間がかかる業務の一つが各種契約手続きで、雇用契約はその代表例ともいえます。

今回は、そんな雇用契約を電子化して手続きを進めるにあたっての方法や、電子化が必要とされている理由について、具体的なメリットや人気のサービスと併せて解説します。

雇用契約書とは

雇用契約書は、雇用者と労働者が雇用契約の条件についてお互いが合意したことを証明するための書類です。雇用契約の締結によって、労働者は労働に従事し、雇用者は労働の対価として報酬を支払うことが約束されます。

雇用契約そのものは労働者を雇う際に締結することは法律で決められているわけではありませんが、トラブルを回避するために多くの事業者が発行しています。

労働契約の違い

雇用契約と並列的に登場することが多いものが労働契約です。雇用契約も労働契約も、基本的には雇用者と労働者の契約を指すものですが、これらの違いは民法で定義されているか、労働契約法で定義されているかにあります。

雇用契約に関しては、民法第623条において定められています。同文では、雇用者と労働者の関係が対等であることが定められ、報酬を雇用者が労働者に与えることを定義しています。

参照元:e-Gov法令検索

一方の労働契約は、労働契約法第6条にて定められています。雇用契約においては、その報酬を賃金に限定していないのに対し、労働契約においては、より具体的に報酬を賃金として定義づけ、雇用者と労働者の対等な関係が守られるよう定めています。

参照元:e-Gov法令検索

雇用契約と労働契約では大きな違いはなく同義的に扱われているものの、定義にやや違いがある点に気をつけておきましょう。

労働条件通知書の違い

雇用契約書は、労働条件通知書と併せて手続きが必要とされています。雇用契約書と労働条件の違いとしては、法律で義務付けられているか、そうでないかという点が挙げられます。

雇用契約書の手続きは、前述のとおり法律で決められているものではありません。そのため雇用契約書がなくとも、労働者と雇用者が同意の上、労働者は就業ができます。

これに対し、労働条件通知書は法律で工夫が義務付けられているものです。あくまで通知書であるため、労働者との契約手続きは発生しないものの、労働契約の期間や労働内容、就業場所などを明記の上、通知する必要があります。

雇用契約書と労働条件通知書はひとまとめにして運用されることもあるため、必ずしも分けて労働者に交付しなければならないわけではありません。


電子契約とは

電子契約は、紙媒体ではなくPDFデータなどを使ってデジタルで契約の締結を行う技術です。

電子データでのやり取りは改竄(かいざん)ができるなどの課題を抱えていますが、近年署名技術が進化したことにより、改竄を行えないよう、あるいは改竄した場合はその痕跡が残る電子署名やタイムスタンプといった技術が実装され、本格的な電子契約が可能となりました。

電子契約を実現するツールも次々と登場しており、大企業はもちろん、中小企業や個人事業主の間でも電子契約サービスは導入が進でおり、手間のかかる契約業務の効率化が進んでいます。


雇用契約の完全電子化について

完全電子化は、雇用契約においても導入が進んでいます。法改正によってその後押しが進んでいるだけでなく、適切な要件さえ満たしている書面であればすぐにでも導入が可能です。

法改正で進んだ契約書の電子化

契約書類の押印は、当事者の同意さえ取れていれば必要がないという行政の見解も現れつつあるなど、契約業務の電子化を後押しする声が高まっています。

参照元:経済産業省

近年はデジタルトランスフォーメーション(DX)推進が国を挙げて行われていることから、電子契約をはじめとするペーパーレス化を受け入れる体制が企業や行政で進みました。

法律で規定されている労働条件通知書の送付についても電子化が実現しているため、雇用契約と併せて電子化を進めると効果的です。

参照元:日本経済新聞

電子化を実現するための要件

雇用契約の電子化は、ただ書面をPDFファイルで作成すれば良いというわけではなく、一定の要件を満たしている必要があります。その要件は次の3点です。

  • ・本人だけが書面を確認できる仕組みを実装していること
  • ・紙の書面として出力できる状態にあること
  • ・労働者が電子化を望んでいること

雇用契約や労働条件通知書は、あくまで雇用者と労働者の同意のもとで進める必要があり、場合によってはプライバシーに関わる内容も含まれています。また、紙の書面として出力できることは労働基準法にて定められている要件ですが、書面であればPCがなくとも契約ができるからということでしょう。

参照元:愛知県雇用労働センター

もちろん、労働者が電子化を望んでいない場合は、電子化を進めることはできません。ただ、労働者側にとっても契約書の電子化によるメリットは大きいため、事前に労働者へ説明の上、電子化の同意を得るようにしましょう。


雇用契約を電子化するメリット

雇用契約を電子化する

雇用契約を電子化することで、雇用者や労働者は多くのメリットを受けられます。ここでは、具体的なメリットについて解説します。

契約管理業務を効率化できる

電子契約の実装は、契約管理業務の効率化へ大いに役立ちます。

書面での契約管理は、契約書ごとにファイリングや保管が発生するだけでなく、期限が切れた契約書を破棄するなどの負担も生まれます。電子契約に移行することで、これらの紙媒体の契約書を扱う業務は丸ごと解消されるため、大幅な契約管理業務の効率化を実現します。

特に、人材募集を強化して一度に多くの人手を採用する場合、一人ずつ書面で契約を結ぶことは骨の折れる作業です。雇用契約を電子化すれば、これらの負担はメールの一斉送信と電子化システムによる自動管理で大幅に削減できます。

リードタイムを削減できる

電子契約を導入することは、契約手続きにかかる時間の大幅削減にもつながります。

書面での契約締結の場合、契約書を労働者に郵送した後、返送を待たなければならないという問題を抱えています。一方で、電子契約はこのような郵送にかかる時間的負担をまとめて削減することが可能です。

そのため、最短で当日中に契約を結ぶことも可能です。

採用コスト削減につながる

契約の電子化によって、採用にかかるコスト削減を実現可能です。

契約書を印刷するための費用はもちろん、郵送費用や交通費もかからず、これに伴う人的負担も生まれません。人手の確保は採用にお金がかかったり、そのための人手を捻出する負担にも悩まされたりするものですが、電子化はこういった負担の削減に貢献します。


雇用契約を電子化する方法

雇用契約の手続きを電子化する上では、主に次の2つの方法が採用されています。契約手続きの電子化に伴い、一度自社の採用手続きや契約手続きのプロセスを見直すところから始めると良いでしょう。

労働条件通知書のみを電子化する

最もシンプルな電子契約の方法は、労働条件通知書のみを電子化し、雇用契約は撤廃するというものです。

前述のとおり、労働条件通知書の交付は法律で義務付けられている一方で、雇用契約の締結は義務化されておらず、労働者との同意さえあれば発行の必要もありません。

そのため、電子化にともない労働条件通知書のみを交付する方式に切り替えることもできます。ただし、その際には就業内容について労働者の同意を得ていなければ、トラブルに発展する可能性もあります。

こういった事態を回避するべく、労働条件通知書の電子化に伴い雇用契約書も電子化し、手続きを丁寧に踏む方が安心です。

雇用契約書と労働条件通知書を電子化する

雇用契約書と労働条件通知書は、情報を一通にまとめて書類を作成することができます。電子化に伴い、一通にまとめてこれらを運用することでさらなる業務効率化が期待できるため、検討してみると良いでしょう。

労働条件通知書のテンプレートには、厚生労働省が発行している次のようなものが挙げられます。他にも、この後ご紹介する電子契約サービスにてテンプレートが提供されているケースもあるため、事前に確認しておくと効率的です。

参照元:厚生労働省


雇用契約の電子化を進める際に活用したいサービス

最後に、雇用契約の電子化を進めるのに役立つサービスを5つ紹介します。

クラウドサイン

クラウドサイン

弁護士ドットコム株式会社が提供するクラウドサインは、電子契約の導入に際して最も採用されているクラウドサービスの一つです。雇用契約を含め、あらゆる電子契約に対応しており、簡単に導入できることからユーザビリティの面でも期待できます。

電子署名法に準拠したサービスであることはもちろん、タイムスタンプ機能や各種契約書をまとめて管理できる機能なども充実しており、契約関連の手続きにおけるプラットフォームとして活躍します。

料金プラン:

  • ・1万円/月〜

公式サイト:

GMOサイン

GMOサイン

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社 が提供するGMOサインは、140万を超える企業での導入実績がある人気の電子契約システムです。

契約書の送信料は1件あたり110円という良心的な価格設定で利用でき、初めての電子契約導入という方でも安心です。契約書の閲覧権限設定も細かく行えるため、電子化によってセキュリティリスクが増加するケースも回避できます。

料金プラン:

  • ・無料プラン有り
  • ・9,680円/月
  • ・送信料110円/件〜

公式サイト:

楽楽労務

楽楽労務

株式会社ラクスが提供する楽楽労務は、雇用契約や労働条件通知をWebで完結できるサービスです。署名や押印といった手続きを介さず、完全ペーパーレスを実現するのに役立ちます。

労務担当者は従業員の名簿作成にあたり、メールでフォームを送信するだけで手続きは完了し、あとは必要情報を記入するのを待つだけです。記入情報は自動でシステムに記録され、転記の必要もないため、労務管理の業務全般を効率化できます。

料金プラン:

  • ・要問い合わせ

公式サイト:

jinjerサイン

jinjerサイン

jinjer株式会社が提供するjinjerサインは、最速1分で契約手続きを完了できることが特徴の電子化サービスです。使用頻度の多い契約書はテンプレートとして保存できるので、何度も同じ契約書のために一から作成する手間はかかりません。

時間のかかる契約手続きであっても、案件ごとに契約ステータスを細かく管理できる機能を備えているので、進捗が不透明となってしまう心配はありません。

契約書データはクラウド上に保管され、SSL/TLS通信を用いた暗号化通信によってやり取りが行われるため、外部への流出リスクも最小限に抑えられます。

料金プラン:

  • ・初期費用5万円〜
  • ・1万円/月〜
  • ・署名手数料200円/件

公式サイト:

クラウドスタンプ

クラウドスタンプ

株式会社ハイホーが提供するクラウドスタンプは、電子契約に必要な機能を一つのパッケージにまとめて提供している電子契約サービスです。契約締結にかかる手続きはわずか数分程度にまで短縮可能で、スピーディな手続きを実現します。

電子契約手続きを進めた契約書については、データベースから検索し、いつでも好きなときに参照することができます。契約期間や本文の検索機能も搭載予定となっており、今後のアップデートでさらに便利なサービスへと改善される可能性があることも魅力です。

料金プラン:

  • ・要問い合わせ

公式サイト:


まとめ

雇用契約の電子化を進める上で知っておきたい電子化の方法や具体的なメリットについて解説しました。

法改正や行政の後押しもあり、雇用契約をはじめとする各種契約書の作成や契約締結は、PCやスマホからでも合法的に実施できます。契約の電子化を進めることで、契約書管理の業務効率化やコスト削減につながるだけでなく、労働者にとっても手続きの簡略化につながるので、WIn-Winの施策といえます。

迅速な人材獲得を推進する上でも、便利な電子契約サービスを積極的に活用し、人事労務部門の業務効率化を推進しましょう。

当社ディップ株式会社は、人事労務部門を効率化するサービス「人事労務コボット」を提供しています。入社手続きや雇用契約はスマホで行えるだけでなく、最短当日に手続きを完了できるという、スピーディな業務の実現をサポートします。

人事労務コボット

入社に必要な各種手続きはすべてペーパーレスとなり、紙の業務から脱却したスマートな業務遂行が可能です。雇用契約書や労働条件通知書の作成はもちろん、身元保証書や誓約書といった文書の作成、およびシステム上でやり取りができます。

従業員の個人書類などもシステム上からまとめて回収ができるため、業務の煩雑化を防ぎ、誤って外部に情報が流出してしまうリスクも回避可能です。

導入にあたっては、当社のカスタマーサクセスチームが専任で導入企業様の支援を行い、情報管理のサポートや人事労務コボットを活用するためのノウハウを提供し、最大限サービスを活かせる業務環境を整えられます。人事労務部門の業務効率化を検討の際には、お気軽に当社ディップ株式会社までお問い合わせください。

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