【2022】給与明細の保管義務は会社にある?保管期間はいつまで?おすすめの保管方法│コボットLAB

【2022】給与明細の保管義務は会社にある?保管期間はいつまで?おすすめの保管方法

給与明細の保管

従業員への賃金の支払いは、従業員が高いモチベーションを持って働けるよう促進する上で重要なだけでなく、支払いがあったことを明らかにすることで、法的な問題を回避することができます。

賃金の支払いの際、慣習的に発行している給与明細は、法律によって発行が定められており、支払い状況を確認するための重要な書類です。従業員に手渡した時点で、発行元である会社から見た給与明細の役割はほぼ終わりますが、発行の際に発生した原本やコピーはどのように管理するべきなのでしょうか?

今回は、そもそも給与明細に保管の義務があるのか、そして給与明細の保管に役立つサービスとしてはどのようなものがあるのかについて解説します。

給与明細に保管義務はある?

給与明細は、従業員への賃金の支払いの際に必ず発行する、支払額や控除額などを確認するための明細書です。給与明細は慣習的に発行しているのではなく、法律によって発行が義務付けられています。

給与明細を交付することは所得税法によって定められており、健全な賃金の支払いが行われているかどうかを明らかにします。また、給与明細に記載される控除額についても、一人ずつ計算してその額を伝えることが健康保険法などによって定められているため、適切なフォーマットに則って発行することが大切な書類といえます。

参考:【Q5○】知って役立つ労働法 働くときに必要な基礎知識(厚生労働省)

給与明細書は発行についての決まり事は多い一方で、従業員に交付した後のルールについてあまり耳にすることはありません。実は、給与明細書は発行が法律で決められていながら、明細書の保管については特別な決まり事がないため、発行してすぐに明細書のデータを廃棄しても法律違反になることはありません。

そのため、給与明細は発行後の取り扱いについてのルールが各社で丁寧に決められておらず、ついついないがしろな扱いにしてしまい、保管スペースを圧迫してしまうこともあります。情報の整理整頓がついていない状況は、他の業務に悪影響を及ぼしてしまうため、保管義務はなくとも給与明細を正しく管理することは重要です。


給与明細を安易に破棄すべきではない理由

給与明細の保管が義務ではないのであれば、発行してすぐに捨ててしまっても構わないといえます。ただ、給与明細は安易に廃棄するべきではなく、可能な限り手元に残しておくことが望ましいといえます。

給与明細を手元に残しておくべき理由には、次の2つが挙げられます。

未払い賃金の請求に対応するため

給与明細を残しておくべき1つ目の理由は、従業員やもと従業員から未払い賃金の請求があった際、その確認に給与明細を参考にすることができるためです。

意図的でなくとも、何らかの理由で賃金に未払いが発生している可能性はゼロではありません。この際、手元に給与計算を行った証拠を速やかに確保したり、給与明細を発行して額面通りの支払いが行われているかどうかを速やかに確認したりする上で、給与明細の保管は役に立ちます。

税控除や還付が発生する場合があるため

2つ目の理由は、税控除や還付金の受け取りが従業員の側に発生する場合があり、控除額や源泉徴収額を伝えられるようにしておかなければならないためです。

確定申告を行って税控除や還付を受けるためには、当時の給与明細などの書類が求められますが、従業員が手元に持っていない場合、当時勤めていた会社へ再発行の申請をすることで再発行を行います。

会社側に再発行を行わなければならない義務はありませんが、再発行を断ることで得られるメリットもないため、これらの手続きのために給与明細はある程度の期間保管しておくことが望ましいといえます。

一般的に、税控除や還付の手続きを後から申し込めるのは、給与の発生から5年以内という決まりになっているため、最低でも5年保管しておくと良いでしょう。


保管義務のある給与事務書類

給与明細には保管義務はありませんが、それでは保管義務のある給与関連の書類にはどのようなものが挙げられるのでしょうか?保管義務がある書類についても、給与明細と併せて保管・管理することが効率的です。

3年間の保管が求められる書類

3年間の保管が必要な書類としては、主に次のような書類が挙げられます。

  • ・賃金台帳
  • ・出勤簿
  • ・従業員名簿

これらの書類の保管は労働基準法第109条によって定められいます。

参考:改正労働基準法等に関するQ&A(厚生労働省)

保管義務や保管期間を守らなかった場合、罰金が課せられる可能性があります。

賃金台帳は、従業員の氏名や性別、賃金計算期間などが記載された台帳です。給与明細に掲載される基本給やその他手当などについての情報もここにまとめられるため、従業員の給与は賃金台帳を見ればすぐに把握することができます。

出勤簿は、従業員の勤務日数や勤務時間を把握するための書類です。正しい就業時間が出勤簿に反映されて初めて、適切な労務管理が行われているといえます。

従業員名簿は、従業員の基本情報が記載されている名簿ですが、こちらも正確な記載と保管が求められています。

7年間の保管が求められる書類

7年間の保管が求められている書類は、主に国税通則法において義務付けられている書類です。主な例としては、次のような書類が挙げられます。

  • ・扶養控除等の申請書
  • ・異動申告書
  • ・配偶者特別控除申告書
  • ・源泉徴収簿

扶養控除申請や異動申告書は生まれやすい書類ですが、確実に保管しておかなければなりません。配偶者特別控除についての申告書も保管しなければならず、これらはまとめて管理しておく必要があるでしょう。

また、源泉徴収簿についてもフリーランスやパート・アルバイトの従業員がいる場合、作成している会社は多いため、7年間の保管を忘れないように実施しましょう。


企業の書類保管における課題

給与明細のファイル

書類保管業務は日常的に発生する取り組みではあるものの、企業にとっては継続的に負荷を与える悩みの種となりかねません。書類保管によってどのような負担を受けているのか確認しておきましょう。

保管スペースを圧迫する

1つ目の課題は、保管スペースの問題です。

保管書類が紙媒体で増えていくと、必然的に書類が山積みとなっていき、いずれは保管ができない状態となってしまいます。物理的なスペースは有限であるため、可能な限り物理的な負担を回避できる保管方法の検討が必要になるでしょう。

データ検索が難しい

2つ目の課題は、データ検索が難しい点です。

保管書類はあらかじめ高度に保管場所や書類のページ情報などを記録しておかなければ、必要なときに必要な情報をすぐに引き出すことができなくなります。場合によっては一から保管スペースをひっくり返し、手当たり次第に必要書類を探さなければならないケースもあるため、そうなると非常に時間のかかる作業となってしまうでしょう。

定期的な更新や整理が必要になる

書類が山積している場合、定期的な書類整理の時間を取ることが求められますが、山積みになった書類から残すべき書類とそうでない書類を区別することは非常に時間がかかります。

たとえ余裕を持って時間を割いたとしても、専門知識のある人でなければ、誤って必要書類を捨ててしまう可能性もあります。そのため、書類整理のような作業労働に高度なスキルを持った人材を割かなければならないという負担の発生も懸念されるのが問題です。


理想的な給与明細の保管方法

上記のような課題を解消するためには、次の方法で、給与明細をはじめその他保管義務のある書類を管理するのが効果的です。具体的な方法を確認しておきましょう。

電子媒体で給与明細を発行・保管する

1つ目の方法は、電子媒体で給与明細を発行し、そのまま保管するという方法です。

これまで、給与明細は紙の明細書に落とし込んだ上で従業員に交付するのが一般的でしたが、近年では電子化された給与明細をそのまま従業員に交付する企業も増えています。

そして、電子給与明細の交付に利用されるのは、電子メールや社内のコミュニケーションツールです。わざわざ印刷して手渡ししたり、郵送で明細を届ける必要がなくなったりするので、大幅な業務効率化と、交付にかかるコストの削減につながります。

また、電子化された給与明細は、クラウドサービスを駆使して安全かつ省スペースで保管することが効果的です。電子給与明細はテキストデータや画像データとして管理できるため、紙媒体の時のようにファイリングの負担もなく、自動的に保管できるよう仕組みを構築し、大幅な業務効率化にもつながります。

もちろん、給与明細以外の書類保管にも電子媒体は利用できるため、積極的に活用することが大切です。賃金台帳や従業員名簿と併せて電子化し、紐づけておくと後から参照する際にも便利です。

給与明細をスキャンして保管する

2つ目の方法は、給与明細をスキャンして保管する方法です。

すでに紙で給与明細を発行する文化が根付いている、あるいは紙媒体で交付することを従業員が望んでいる場合、紙の給与明細を用意するのが望ましいでしょう。

その際、会社として給与明細を保管するためには、給与明細データを電子データとして保管しても良いですし、紙の給与明細をスキャンして保管しておくというのも有効です。

また、過去のものはすでに紙で給与明細を発行していて、これから電子化するのは面倒という場合にも、スキャンを使った保管方法がおすすめです。既存の紙媒体もスキャンによって電子化してしまうと、残った紙媒体は処分してしまい、保管スペースやコストの削減につながります。


給与明細の管理に役立つ主な書類管理サービス

最後に、給与明細の管理も含め、書類の保管に役立つ書類管理サービスを紹介します。給与明細に特化したものではなく、書類管理全般に役立つサービスを導入し、自社業務効率化を推進しましょう。

オフィスステーション給与明細

オフィスステーション給与明細

株式会社エフアンドエムが提供するオフィスステーション給与明細は、給与明細の発行や交付に伴う印刷・手渡しの負担削減につながる書類管理システムです。

給与ソフトに保存しているCSVデータなどをサービスにインポートすれば、Web給与明細を自動的に作成してくれるため、あとは登録している従業員情報をもとにメールを使って給与明細を電子媒体で配信可能です。

料金プラン

  • ・登録料:11万円
  • ・1,100円/月〜

公式サイト

ジョブカン給与計算

ジョブカン給与計算

株式会社DONUTSが提供するジョブカン給与計算は、給与明細書の作成や発行を含め、給与計算業務を丸ごと効率化するために誕生した書類管理システムです。

導入実績は15万社を超え、給与計算担当者の痒いところに手が届く機能性を実現したことで、多くの評価を獲得しています。兄弟ツールとの連携機能にも優れ、同時運用で相乗効果を発揮します。

料金プラン

  • ・無料プラン有り
  • ・400円/月〜(ユーザー1人あたり)

公式サイト

SPA

SPA

株式会社テクバンのSPAは、企業の文書管理に特化した電子文書管理システムです。

エクセルデータからPDFデータに至るまであらゆる電子データを一元管理することができ、クラウド上で自由にデータを検索および編集することができる機能を備えています。また、スキャンデータの自動読み取り(OCR)機能を搭載しているため、紙媒体のスキャンデータをまとめて読み込ませることで、短期間で紙データの電子化も行うことができます。

料金プラン

  • ・初期費用:25万円
  • ・5万円/月〜

公式サイト


まとめ

給与明細を保管すべき理由や、有効な保管方法を紹介しました。

当社ディップ株式会社が提供する「人事労務コボット」は、そんな給与明細管理などの業務負担を削減するのに最適な人事労務サービスで、人の管理をワンストップで効率化できます。

人事労務コボット

給与管理はもちろん、新しい人材の入社手続きも最短で1日という短期間で完了することができるなど、大幅な業務削減効果を導入企業に提供しています。給与管理だけでなく、労務管理の抜本的な見直しを検討している際には、お気軽にご相談ください。

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また、ディップではソリューションの提供にあたって、すべて自社のスタッフが顧客対応を行うダイレクトセールスを採用しています。営業とカスタマーサクセス、開発チームが密に連携を取っている営業スタッフが、顧客の潜在ニーズまでを丁寧に把握し、満足度の高いサービスの提供に努めます。

提供するDXソリューションは、バックオフィスとセールスの双方に適用可能です。DX推進を検討の際には、お気軽にご相談ください。

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