【2022】社会保険の加入義務違反の罰則は?法律改正による適用条件

2022/06/03 コボットコラム
社会保険加入義務違反

日本は健康保険制度が広く普及している先進国ですが、実際に加入手続きを行うのは国民です。特に、法人として組織を管理し、雇用する側にある立場の人は、雇用者を社会保険に加入させる義務が生じます。

社会保険制度への加入義務については例外があるものの、多くの事業者は雇用者を社会保険に加入させなければならないルールになっています。今回は、そんな社会保険の加入が義務付けられている組織の条件や、加入義務を怠ることで発生し得るリスクや罰則について解説します。

社会保険の仕組み

そもそも、社会保険制度は民間保険とは異なり、保険料を国民同士で負担することによって、雇用者をさまざまなリスクから守るための仕組みです。失業や事故などによって仕事ができない状況に陥った場合、失業手当の給付を受け取ったり、まとまった額の治療費補助を受けたりすることができ、自己負担額を最小限に抑えられるといった恩恵があります。

一般的に、社会保険として知られているのは、次の3種類です。

  • ・健康保険:治療費負担を軽減する
  • ・年金保険:老後の年金給付に充てる
  • ・介護保険介:護が必要になった際に受け取れる

また、上記3つに加えて、次の2つの保険制度を加え、合計5つを社会保険とすることもあります。

  • ・雇用保険
  • ・労災保険

これらの保険は被保険者の条件がそれぞれ異なるため、ひとまとめに支払うことはありませんが、多くの人に共通するのは「健康保険」と「年金保険」です。

これら2つの保険は、社会人であれば必ず何らかの形で加入することになるため、企業が社会保険加入に向けた制度設計を行う必要があります。

社会保険へ加入することは義務?

当たり前のように加入が求められる社会保険ですが、そもそも社会保険への加入は義務なのでしょうか?

結論からお伝えすると、社会保険への加入は100%日本国民全員に義務付けられているわけではありませんが、成人を迎えている多くの人は加入対象者として指定されています。

社会保険の加入義務の有無については、基本的に働き手を雇う側の人や組織に求められます。具体的な条件についてはかなり細かく指定されていますが、最もわかりやすい判断基準としては、「常時5人以上の従業員を使用する事業所」です。

組織として活動している多くの法人はこの条件に当てはまるため、社会保険への加入義務が発生します。5人に満たない法人に勤めているケースは少数派であるため、社会保険への加入義務がない人は圧倒的少数であるといえるでしょう。

社会保険への加入が義務付けられていない従業員

法人として活動する事業者の多くは社会保険の加入義務を負っている一方で、従業員側を考えると、社会保険の加入対象となる組織においても、加入することなく働くことのできる人は存在します。

主な加入対象外となる従業員は、次の通りです。

  • ・正社員の3/4未満の所定労働日数のパート・アルバイト
  • ・日雇い労働者

正社員の3/4未満の所定労働日数のパート・アルバイト

代表的な社会保険加入対象外の従業員として、パート・アルバイトの人たちが挙げられます。正社員の3/4未満の所定労働日数しか割り当てられておらず、労働負担が正社員よりも少ない場合、社会保険の加入対象には現状当てはまりません。

そのため、正社員と同等にフルタイムで働くアルバイト従業員には社会保険を加入させなければなりませんが、そうではないアルバイト従業員については加入させる必要はありません。

ただ、所定労働時間が3/4未満であっても、

  • 1週間当たりの所定労働時間が20時間を超える
  • 月あたりの賃金が8.8万円を超える
  • 1年以上継続して雇用することが見込まれる
  • 学生ではない

といった条件に当てはまる場合、社会保険への加入が義務付けられます。詳しい加入条件については年金事務所への問い合わせが必要ですが、端的にいえば、その組織において精力的に活躍する人は、基本的に社会保険への加入が不可欠ともいえるでしょう。

日雇い労働者

パート・アルバイトだけでなく、単発で働く日雇い労働者も、社会保険加入の対象とはなりません。1日だけの労働や、2ヶ月以内の期間限定労働者である場合には、社会保険への加入は必要ありません。

ただ、日雇いから継続雇用のアルバイト、あるいは正規・非正規社員となった場合には社会保険への加入が求められるため、契約形態の変わり目に注意が必要です。

ダブルワーカーの扱い

仕事の掛け持ちなどによって、社会保険への加入義務が生じる2つの職場で働く従業員、いわゆるダブルワーカーの場合、どちらか一方の会社での未社会保険に加入すれば問題はありません。

ただし、どちらの組織で社会保険に加入するかによって提出先の年金事務所が変わるため、手続きが2社間で混ざってしまわないよう注意が必要です。その従業員にとって出入りの多い組織での加入を促しましょう。

法改正に伴う新たな社会保険適用条件

2022年5月現在、社会保険への加入義務は先ほどお伝えした条件で課せられていますが、2022年10月より、新たな加入条件が加わります。今回は、パート・アルバイト向けの適用条件の拡大が行われ、従業員数101人~500人の企業で働くパート・アルバイトの人は、いかなる条件に関わらず必ず社会保険に加入しなければならないこととなります。

参照元:従業員数500人以下の事業主のみなさま(厚生労働省)

これまで、パートやアルバイトの場合は所定労働時間が3/4未満であれば加入義務の対象外とされてきましたが、雇い主である企業が上記のような組織である場合、無条件で加入が必要となるため、あらかじめ準備しておく必要があるでしょう。

また、従業員数51人〜100人の企業で働くパート・アルバイトについても、2024年の10月より社会保険への加入が義務付けられることとなります。中小規模の事業者だから関係がなかったと考えている方も、近いうちに適用対象となることを踏まえ、早いうちから加入申請手続きを備えておきましょう。

社会保険に未加入であることの罰則・リスク

被保険者資格取得届

社会保険に未加入である場合、保険適用対象となる従業員にもしものことがあった場合、保険加入者であれば必要がなかったはずの多くの負担を個人に背負わせてしまいます。また、社会保険未加入であることのリスクは従業員のみに限らず、雇い主である事業者についても同様です。

​​6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金の罰則がある

まず、社会保険加入義務の対象事業者であるにも関わらず、社会保険への加入を見送り続けた場合、法的な罰則が経営者に対して与えられる可能性があります。健康保険法第208条に基づき、最大で6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられるため、必ず社会保険への加入を行っておきましょう。

加入指導が発生する

社会保険への未加入が発覚した時点で、いきなり罪に問われ、刑が執行されることはありませんが、その前段階として加入の勧告が届くようになります。管轄の年金事務所から加入を速やかに済ませるよう通達がきた後、速やかに手続きを済ませれば、罰則の適用を回避することができます。

加入勧告を無視したまま未加入でいると、より強制力のある加入指導が行われるようになります。自主的な加入は期待できないとして、年金事務所の職員によって、半ば強制的に社会保険への加入手続きが行われるようになります。

未加入が発覚すると、遅かれ早かれ加入に向けた公的な指導など強制力のある手続きが進むため、目をつけられないよう加入を迅速に進めることが大切です。

発覚した時点で過去の未納分を支払わなければならない

社会保険に未加入のまま何年も経過してしまうと、未加入が発覚した時点で、加入義務発生日からの追納が求められます。

未納分の社会保険料については、未加入従業員と事業者が折半して収めることとなりますが、未加入従業員がすでに会社を辞め、その後の足取りが掴めなくなっている場合、事業者がすべての納付額を支払わなければなりません。そのため、結果的に不利益を被ることとなります。

社会的信用を失い人材確保が困難になる

社会保険への未加入が公になると、「福利厚生に力を入れていない会社」「人材を大切にしていない会社」であるという評判が残り、働き手の確保が困難になります。

近年、人材不足の影響により、優秀な人材や若手人材を確保することがどの業界でも難しくなってきています。最低限の福利厚生として社会保険加入の整備は進めておき、安心して働ける環境づくりに努めましょう。

社会保険に加入するための手続き

社会保険への加入手続きは、主に書類の作成や提出に時間を取られてしまうこととなります。労務管理システムを導入するなどして手続きの環境を整え、効率よく加入を進めましょう。

必要書類を準備する

社会保険へ従業員を加入させるためには、まず必要書類を準備するところから始めます。新規での社会保険加入に必要な書類としては、次のものが挙げられます。

  • ・健康保険・厚生年金保険 新規適用届
  • ・登記簿抄本
  • ・法人番号指定通知書等のコピー
  • ・事業主の世帯全員の住民票

条件に応じて必要書類は異なるため、年金事務所に問い合わせの上、自社で必要な書類を確認しておきましょう。

参照元:新規適用の手続き(日本年金機構)

日本年金機構へ必要書類を提出する

必要書類が揃った後は、管轄の年金事務所へ書類を提出します。直接事務所を訪問して提出するか、郵送にて提出を行いましょう。書類提出の期限は、適用が必要になったその日から5日以内と、あまり余裕はありません。できる限り迅速な社会保険加入手続きを進めましょう。

保険証を受け取り従業員へ配布する

手続きが完了すると、年金事務所より必要人数分の保険証が発行されます。保険証を従業員に配布すれば、加入手続きは完了です。

まとめ

社会保険への加入は、事実上、法人であれば必ず手続きを行っておかなければならず、社会保険の適用対象者は今後も増えることが予想されます。

従業員の安全を守るとともに、組織の信頼を損ねないためにも、社会保険加入は早めに済ませておきましょう。

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