有給休暇管理の効率的な方法は?システム化するメリットと活用したいアプリ・ソフト

2021/11/29 コボットコラム
有給休暇

業務時間で最大限のパフォーマンスを発揮する上で欠かせないのが、適切な休暇を従業員に提供することです。日本では有給休暇の取得が各企業で義務付けられており、きちんと消化されているかを確認するための有給休暇管理簿の記帳が不可欠となっています。

では、有給休暇管理を法律に則って実施するためには、どのような手続きを踏めば良いのでしょうか?今回は、そんな有給管理の適切なアプローチや、業務を効率良く実施するための方法について解説します。

年次有給休暇の概要

まず、2021年現在における年次有給休暇の現状について紹介します。確認しておきたいのが、年次有給休暇の付与条件とその取得率についてです。

年次有給休暇が付与される条件

そもそも有給休暇というのは、雇用主から労働者に対して給与の支払いを行いながら、リフレッシュなどを目的とした休暇を取得できる仕組みです。有給休暇は毎年一定の日数が付与されることが義務となっており、その付与条件は

  • ・6ヶ月間の継続的な雇用が行われていること
  • ・その間に8割以上の出勤が行われていること

の2つで、両条件を満たしている労働者には有休を与えなければなりません。

付与日数については、

  • ・6ヶ月勤続の従業員:10日
  • ・1年6ヶ月勤続の従業員の場合:11日
  • ・2年6ヶ月勤続の従業員の場合:12日

といったように、勤続日数や年数に応じて付与すべき有給休暇は増加します。契約社員やパートタイマーといった有期契約の従業員の場合、週4日の労働を3年6ヶ月続けた場合に10日付与されるなど、労働日数に応じた比例付与が行われます。

有給休暇の取得率

有給休暇の取得率は会社によってまちまちですが、全体的にはインフラ業界など業務に起伏の少ない企業で積極的に消化されている傾向にあります。厚生労働省が実施した2020年の就労条件総合調査によると、同年の年次有給休暇の平均取得率が56.6%と、過去最高を記録したということです。

労働者一人当たりの平均取得日数は10.1日で、業界別に見ると「電気・ガス・熱供給・水道業」が 73.3%と最も高く、「宿泊業、飲食サービス業」が 45.0%と最も低くなっています。業種間での取得率のギャップが大きいのは懸念点ですが、今後この溝は埋まっていくと見られます。

法改正に伴う有給休暇管理の義務化の概要

有給休暇の取得が日本全体で進んでいる理由として大きいのが、法改正による有給管理の義務化です。2019年4月より年次有給休暇の取得は義務となっており、それを実現するために有休管理帳簿の作成が必要になっています。

10日以上の年次有給休暇が付与されるすべての労働者に対し、毎年5日間の年次有給休暇を取得させることが不可欠となりました。それらが本当に取得されているかどうかを明確にするべく、管理帳簿の作成も求められるというわけです。

従業員の健康的な就業環境を実現するとともに、健全な組織活動を第三者にも証明するべく、有給管理は重要性を増してきています。

参照元:厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説

有給休暇管理を怠った際の罰則

厚生労働省の「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」によると、有給管理を怠った場合には6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金が課される可能性があります。罰則に触れるケースとしては、年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合、労働者の請求する時季に所定の年次有給休暇を与えなかった場合などが挙げられ、いずれも労働基準法違反とされています。

人材不足の是正や労働者からの不信感を集めない上でも、有給の積極的な取得を促し、彼らの取得状況を適切に管理する方法が求められます。

適切な有給休暇管理の方法

それでは、適切な有給管理の方法とは、どのような行為が当てはまるのでしょうか?ここで、有給休暇管理簿の付け方について触れておきます。

有給休暇管理簿の記載内容

有給休暇管理簿に記載する内容で不可欠なのは、基準日、日数、時季の3点です。

基準日は、有給休暇を取得できる権利が発生する基準日を指します。労働者が入社した日付を基に、取得権利が発生する日付を記入しておきます。

日数は、労働者が実際に取得した有給休暇の日数を記録する項目です。必須ではないものの、労働者ごとの付与日数も併せて記載しておくことで、管理を行いやすくなります。

時季は、労働者がいつからいつまで有給休暇を取得していたかを記録する項目です。年月日や午前休、午後休なども記載しておきましょう。

有給休暇管理簿の作成対象

続いては、有給休暇管理簿の作成対象です。

有給休暇管理簿を作成する必要があるのは、有給休暇が10日以上付与されている労働者です。毎年5日間の有給休暇の取得が義務付けられているのは10日以上の有休取得者であるため、この規則が守られているかどうかを確認するための管理簿であるためと考えると良いでしょう。

ポイントとなるのは、年間10日以上の有給休暇が与えられているすべての労働者が作成対象となっている点です。正規雇用者はもちろんのこと、パート・アルバイトの労働者でも取得日数が10日以上となっていれば、全員管理対象となります。「アルバイトだから有給休暇を管理する必要はない」ということではない点には注意が必要です。

有給休暇管理簿の作成時期

有給休暇管理簿の作成時期は、各年度の初めの基準日となります。作成期限は基準日から1年間と指定されているため、適切な管理体制を整備することが重要です。

有給休暇管理簿の作成・保存方法

有給休暇管理簿は、必要な要件を満たしていれば、どのようなフォーマットで作成しても問題はありません。前述した基準日と日数、時季が明らかになっていれば、ノートにまとめても、エクセルで表にして保存しても構いません。

重要なのは、有給休暇管理の担当者にとって管理しやすいフォーマットを採用できているかどうかです。この後解説するように、有給休暇管理は労働者の数が増えるほど煩雑になってくるため、正しく管理することが難しくなります。従業員数が増えても、担当者の負担は大きくならない環境を構築することが有給休暇管理においては重要です。

また、有給休暇管理簿は有休を与えた期間中、そしてその後の3年間の保存が義務付けられています。ただ管理簿を記帳するだけでなく、一定期間保存しておけるだけの余裕を持たせておく必要があります。

有給休暇管理簿作成時の課題

有給管理

有給休暇管理簿の作成業務は、実際の作業そのものはシンプルであっても、労働者の数だけこなすとなると、実は多くの課題が発生する可能性を抱えています。主な課題は次の3点です。

有給休暇消化状況を正しく把握できていない

まず、有給休暇の消化状況を担当者が把握できていないという問題を解消しなければなりません。誰がどれくらい有給休暇を取得しており、どれくらい残っているのか、来年度の取得日数は何日なのかなどが不明瞭な状況です。

有給休暇の取得は祝日と違い、一斉に休みが発生するというものでは無いため、労働者によって取得状況がバラバラです。個人単位での管理が有給休暇管理には求められるため、丁寧にマネジメントしなければなりません。

作成時にケアレスミスが発生する

有給休暇管理は一人ずつの管理が求められるため、その分数値入力や計算も適宜行わなければなりません。紙やエクセルの手動入力で管理していると、どうしても数値入力の際にケアレスミスが生まれてしまうため、適切な管理体制が失われてしまうリスクもあります。

管理簿作成に時間がかかりすぎる

有給休暇管理簿の作成は、手動入力だと時間がかかってしまうことも難点です。担当者は有給休暇管理だけに時間を割けるわけではないため、有給休暇管理の対応のために残業や休日出勤が発生してしまう可能性もあります。

有給休暇管理システムを導入するメリット

このような有給休暇管理の課題をまとめて解決してくれるのが、専用のシステムです。管理システムの導入によって、多くの恩恵を受けられます。

業務を自動化できる

有給休暇管理に強いシステムの導入によって、業務の多くを自動化できます。これまでは、細かい入力対応に追われていた有給休暇の管理も、すべて勤怠管理システムなどと連携し、自動で記帳が可能です。数時間かけて対応していた業務を、瞬く間に削減できます。

ヒューマンエラーを予防できる

システムによる自動入力に移行することで、ケアレスミスの発生も抑制できます。手動入力の必要性をなくすことで、ヒューマンエラーの発生要因を減らせるためです。修正対応に追われることもなくなり、業務効率化を推進します。

名簿表や賃金台帳などと併せて管理できる

有給休暇管理は単体で行うことはもちろん、労働者名簿や賃金台帳と連携し、併せて管理することで効率化が可能です。データが散乱してしまい、バックオフィス業務が煩雑になることを防げるので、データの統合を進めたいと考えている際にはお互いにデータベースを連携できるシステム構築を検討しても良いでしょう。

有給休暇管理に活躍する主なシステム・アプリ

最後に、多くの企業で導入が進んでいる主な有給休暇管理システムやアプリケーションを紹介します。

有休ノート

有休ノートは株式会社 月華堂が提供しており、複雑化している有給休暇管理をクラウド上でシンプルに実現できる業務効率化システムです。必要な従業員に対し自動で有休付与を行えるため、逐一基準日や勤続年数を確認しながら日数を付与する必要はなくなります。

有休の取得最小単位は1日・半日・1時間から設定でき、有休の申請と承認も同じシステム上で実施できるため、労働者にとって有休の取得しやすい環境を整えられます。行政への報告書作成も、専用のフォーマットに落とし込んで自動で出力できる機能を備え、担当者の業務効率化に貢献します。

料金プラン

  • ・無料(15名まで)
  • ・150円/月〜(15名以上、1人あたり)

公式サイト

オフィスステーション有休管理

オフィスステーション有休管理は、株式会社エフアンドエムが提供する、導入企業が1万5,000社を超えるという多くの企業で導入されている管理システムです。社員や派遣社員、アルバイトなど、従業員の労働区分に応じた付与や前渡し付与に対応しており、多様な働き方を実現している企業にとって役立つ機能です。

アラート設定を行えるため、有給休暇を消化できていない従業員に対しても漏れなく呼びかけることが可能です。スマホからの利用にも対応しているため、リモートワークを実践している担当者の方にもおすすめです。

料金プラン:

  • ・登録料:11万円
  • ・110円/月〜(1人あたり)

公式サイト

ジョブカン勤怠管理

ジョブカン勤怠管理は、株式会社 DONUTSが提供する勤怠管理システムを基礎としているサービスですが、併せて有給休暇の管理も行えるのが特徴です。有休取得状況や付与日数の計算などすべて自動で実施してくれるため、担当者の負担軽減につながります。

勤怠管理システムと連携しての管理が行えるため、別途勤怠管理と併せて計算する必要がなくなり、さらなる負担軽減が望めます。イレギュラーな有休管理にも対応しているため、会社の個別の休暇制度にも順応できるサービスです。

料金プラン:

  • ・無料プラン(一部機能制限あり)
  • ・200円/月〜(1人あたり)

公式サイト

まとめ

有給休暇管理は法律で義務付けられている重要な業務です。労働者の数が多いほど、有給休暇の管理業務は煩雑になるため、担当者の負担も大きくなります。

有給休暇管理システムを導入することで、複雑化した有給休暇管理簿の作成も、瞬く間に自動化できます。各社さまざまなサービスを提供しているため、社内で抱える課題に合わせたシステムを導入することをおすすめします。

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