中途採用に最適な時期は、4月入社を希望する求職者が増加する1~2月の繁忙期が適しているといわれています。ただし、求人を出す時期は企業の状況によっても異なり、見誤っていると「選考辞退者が多い」「欲しい人材から応募がこない」といった課題を抱えることになります。
まずは自社の置かれている状況や採用市場の動向を見極めて、綿密な採用戦略を立てることが大切です。
今回は、中途採用の繁忙期と閑散期のメリット・デメリットや採用戦略、成功させるための取り組みをご紹介します。
中途採用に適した時期は1~2月
転職希望者は3月の年度末に区切りをつけて4月入社を目指して転職活動を始めることから、採用市場では1~2月ごろから求職者の数が増える傾向があります。そのため、中途採用を成功させるには、求職者の多い1~2月ごろが適していると考えることができるでしょう。
1~2月の求人募集は企業にとってもメリットがあります。一般的に採用活動を開始して入社するまでには2~3ヶ月程度かかるものです。入社後研修などの実施を考えた場合、4月入社の新卒者と同じ時期に採用したほうが企業の負担は抑えることができます。
ただし、企業の状況や業界によって異なるため、採用市場の動きにとらわれず、企業の組織変更や戦略の見直しにもとづいて採用計画を立てることが大切です。
中途採用には繁忙期と閑散期がある
中途採用の繁忙期は1~2月以外にもあり、成功させるには繁忙期と閑散期を理解したうえで採用計画を立てることが大切です。中途採用の繁忙期と閑散期についてくわしく解説します。
中途採用の繁忙期
中途採用の繁忙期は1~2月以外に、6~7月、9~10月の合計3回あります。
1~2月は求職者が今の職場に区切りをつけて求職活動を始める時期です。欠員補充を目的とする採用活動とあわせて新卒者の採用活動も並行して行われるため、採用市場がもっとも活発になります。
6~7月は夏の賞与が支給される時期です。ボーナスをもらってから退職しようと考える人が多く、求職者が増加するためと考えられます。新卒社員の研修などが終わることなので、中途採用活動に力をいれる企業も増加します。
9~10月は、決算や上半期から下半期へ移行する節目を迎える企業が多いものです。配置転換や人事異動も多く行われる時期でもあります。下半期から新しい環境で働こうと考える人も多く、退職による欠員補充のために中途採用を行う企業も増加します。
中途採用の閑散期
中途採用の閑散期は4~5月、8月、12月の合計3回です。
4~5月は、新しく入社した社員の研修や部署異動、昇給・昇格などがあります。新年度を迎えた直後ということもあり、求職活動に取り組む人も少なく、企業側も新入社員の対応に追われて採用活動まで手がまわりません。
8月はお盆や夏季休暇のある時期です。休みが多いため、求職活動をする人も少なくなりますが、企業も採用活動を控えるため、求人数も減少傾向にあります。
12月は年末年始の休暇が近いこともあり、求職者と同様に企業も業務に追われているため、求職者数と求人数ともに減少します。
中途採用の繁忙期を狙うメリット
中途採用を成功させるために繁忙期を狙うメリットは以下のとおりです。
- 求職者数が多く、高い応募率が期待できる
- 入社調整がしやすい
それぞれくわしく解説します。
求職者数が多く、高い応募率が期待できる
繁忙期は求職者数が多いため、求人募集に対して多数の応募が期待できます。応募者が多ければ多いほど、選考に時間もかかりますが、欲しい人材を採用しやすくなるメリットがあります。それなりの母集団を形成できるため、採用したい人数が多いときにも効果的です。
繁忙期を採用活動の時期と定めておくことができるため、採用担当者も期間を決めて中途採用のための採用活動に注力できます。
入社調整がしやすい
中途採用の繁忙期は年末年始と重なることも多いため、入社調整がしやすいメリットがあります。そもそも繁忙期に転職活動をする人は、必ずしも4月入社を望んでいるとは限りません。区切りがよければOKと考えている人も多くいるからです。
企業側も4月入社の新卒社員の対応が落ち着いてから、中途採用者の対応に注力できます。入社調整を行えることで複数名の採用もしやすく、新入社員研修もまとめて行うことが可能です。
中途採用の繁忙期を狙うデメリット
中途採用の繁忙期を狙うデメリットは以下のとおりです。
- 採用活動を行うライバル社が多い
- 面接自体や内定辞退が増加する懸念がある
それぞれかんたんに解説します。
採用活動を行うライバル社が多い
繁忙期は多くの企業が採用活動に積極的なため、ライバルも多くいます。求職者は多くの募集要項を比較して、より良い転職先を探すため、優秀な人材を競合他社に取られてしまう可能性を考えておかなければなりません。
競合他社と訴求内容がかぶった場合、多くの求人情報に埋もれてしまう可能性もあります。目に留まらなくなることで繁忙期でも応募者を集めることが難しくなります。
面接辞退や内定辞退が増加する懸念がある
中途採用の繁忙期は求人数も多いため、複数の企業に応募する求職者も少なくありません。そのため、選考が進むと面接の日程に被りがでた場合、選考が早い企業を選ぶなど面接辞退が増えることも考えられます。
また、面接選考を経て内定を出しても、内定辞退をする求職者もいます。これは複数の企業から内定を取得する求職者が多く、職場環境や仕事内容など会社を天秤にかけてより良い条件の企業を選ぶためです。面接辞退や内定辞退が増える可能性もふまえて、戦略的な採用計画を立てることが大切です。
中途採用の閑散期を狙うメリット
中途採用の閑散期を狙うメリットは以下のとおりです。
- 自社の存在や動向をアピールしやすい
- 面接辞退や内定辞退リスクが低下する
それぞれかんたんに解説します。
自社の存在や動向をアピールしやすい
中途採用の閑散期は採用活動を行う企業が少なくなるため、自社の魅力や強みをアピールしやすいことがメリットとして挙げられます。
画像やキャッチコピーなど工夫した効果も出やすく、自社の求人情報が多くの求職者の目に留まりやすくなるでしょう。求職者の数も少ないですが、求める人材にアピールしやすくなるため、優秀な人材から興味を持ってもらえる可能性が高まります。
面接辞退や内定辞退リスクが低下する
中途採用の閑散期は競合他社が少ないため、面接辞退や内定辞退のリスクが低下することがメリットとして挙げられます。求人募集の数が減少することから、複数の企業に応募する求職者も減り、本当に関心のある企業のみに応募する可能性が高まるためです。
面接辞退や内定辞退を減らせることで、採用計画を立てなおす必要もなく、スムーズな採用が可能になります。採用担当者の業務負担も軽くなるでしょう。
中途採用の閑散期を狙うデメリット
途採用の閑散期を狙うデメリットは次のとおりです。
- 求めるスキルや経験を持つ人材が見つからない可能性がある
- 入社日の調整が難しい
それぞれかんたんに解説します。
求めるスキルや経験を持つ人材が見つからない可能性がある
中途採用の閑散期は応募者が少なく、企業が求めるスキルや経験を持つ人材が見つからない可能性があります。優秀な人材は条件が良い企業へ応募してしまうため、求める人材からの応募がこないためです。
求める人材を採用できない場合、採用要件の見直しや職場環境の改善などが必要になるかもしれません。採用活動が長期化する可能性もあります。
入社日の調整が難しい
中途採用の閑散期は企業の夏季休暇や年末年始と重なることも多く、入社日の調整がしにくいことがデメリットとして挙げられます。
求職者は少しでも早く入社したいと考えていることが多く、企業側の都合でスピーディーな採用ができないと、求める人材を逃してしまいます。
欲しい人材を集めるための採用戦略
中途採用で欲しい人材からの応募を集めるには、綿密な採用戦略を立てることが大切です。ただし、繁忙期と閑散期のどちらを狙うかは採用戦略によって異なります。人材採用戦略の立て方は下記の記事でくわしく解説しています。
【2023】人材採用の方法とは?人材採用戦略のコツとやり方を解説
採用戦略を立てるときは「3C分析」や「SWOT分析」といったフレームワークを活用するのがおすすめです。具体的なフレームワークの使い方は下記の記事でくわしく解説しています。
採用戦略に役立つフレームワーク5選!活用メリットや戦略を立てる手順を解説
またスピーディーな採用を実現するには、選考フローの見直しも重要です。選考フローとは募集から選考、内定、入社までの流れを可視化したもので、採用活動における課題を見つけることができます。下記の記事でくわしく解説していますので、自社の選考フローの見直しにお役立てください。
関連記事:採用選考フローとは?作成手順やポイント、代表的なパターンを解説
中途採用を成功させるための取り組み
中途採用を成功させるには、スピーディーな選考と内定者のフォロー、求人情報の拡充といったコツがあります。それぞれくわしく解説します。
選考の連絡や内定通知はスピーディーに行う
選考の連絡や内定通知などをスピーディーに進めることで選考辞退者を減らせます。求職者が競合他社と比較する前に入社につなげられるため、内定辞退の防止に効果的です。
事前に採用基準を明確にしておくこと、日程調整をしやすいオンライン面接へ対応を切り替えるなど採用要件や選考フローを見直しましょう。
内定辞退が多い企業には特徴があります。下記の記事では内定辞退が多い企業の特徴について解説しています。内定辞退を防ぐ方法や改善に向けた取り組みなどを参考になさってください。
関連記事:内定辞退が多い企業の特徴や必要な取り組みを解説!最新の辞退率や具体的な理由とは?
内定承諾者のフォローを行う
内定者の不安や懸念点を払しょくするために、積極的にコミュニケーションを図ることが大切です。中途採用者といっても新しい環境には誰でも不安があります。入社後に転勤の可能性がある場合、家族から反対をされる可能性もあるため、仕事内容や待遇について認識のすり合わせを行うことも大切です。
入社日まで期間が空くときは、面談や食事会などを設けてコミュニケーションを図り、入社日までにフォローを行ってください。
ミスマッチを防いで定着率を上げるために求人情報を拡充する
中途採用の成功率を上げるには、欲しい人材からの応募率を上げることも大切です。そもそも求人を掲載しているのに応募がこないときは、そもそも求める条件が厳しすぎる可能性があります。
下記の記事を参考に求人情報の見直しを行いましょう。
求人への応募者を増やす方法10選!集まらない理由や媒体の特徴を把握しよう
中途採用に即戦力を求めすぎると失敗する!定着化・戦力化は採用時から始まっている
求人情報にはくわしい仕事内容や社内の雰囲気、企業理念など求職者が求めている情報の掲載が必要です。詳細な情報が掲載されていることで内定辞退などミスマッチを防ぐことができます。求職者がどのような情報を知りたがっているのかは、下記の記事でくわしく解説しています。
関連記事:求職者が知りたい情報・重視する項目とは?応募が来ない理由と対策
自社の強みや特徴をアピールできるコピーを作るコツは下記の記事を参考になさってください。
関連記事:【例文あり】求人で自社のアピールポイントを的確に届けるための準備とコツ!
まとめ:中途採用の時期を決めたら掲載内容にこだわろう!
中途採用は繁忙期と閑散期があり、企業によって採用活動に適した時期が異なります。求人を出す時期も大切ですが、求める人材から応募を集めるには掲載内容にもこだわることが大切です。自社の魅力をアピールできる求人情報を作るには『採用ページコボット』がおすすめです。
求める人材を採用するには、募集時に自社の魅力とともに仕事内容など詳細な情報を伝えなければなりません。『採用ページコボット』は、募集要項はもちろん、職場の雰囲気も掲載できます。管理画面でかんたんに編集できるため、採用要件などの見直しもすぐに反映させることが可能です。
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