全世界的に猛威をふるった新型コロナウイルス感染症の影響もあり、各国で出入国が制限されるということが長く続きました。
ようやく落ち着きを取り戻し、最近では外国人旅行客も増加してきています。多くの企業は、この自国への外国人旅行者を集客したいと様々な施策を打っていることでしょう。
本記事は、インバウンド集客を目的としたMEO対策について解説していきます。これから益々増えるであろう外国人旅行客を効果的に集客するための施策も紹介していきますので、是非参考にしてみてください。
2023年からインバウンド需要が回復傾向
インバウンド集客を狙うために、まずはインバウンドのことをきちんと理解しておく必要があります。
インバウンドの概要から解説していくと共に、近年の傾向についても触れていきますので、再確認していきましょう。
インバウンドとは?
まずインバウンドとは「外国から日本へ来る旅行者=訪日外国人」という意味で使われる言葉です。
このインバウンドは日本においてマーケティング用語としても使用されており、インバウンド需要、インバウンド消費、インバウンド対策、インバウンド観光など全て外国人観光客を対象とした造語です。
2015年ごろから訪日客数が増加しはじめ、訪日中国観光客によって誕生した「爆買い」という言葉なども、インバウンドが注目されるようになったきっかけでもあります。
インバウンドの傾向
東京オリンピックが発表された影響などから、インバウンドの傾向は2015年頃から増加していました。
しかし、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、世界各国が入出国を制限されることとなり、2020年以降減少していくことに。多くの企業が大打撃を受ける結果となりました。
2022年に入ると徐々に落ち着きを取り戻していき、入出国の制限も緩和され、2023年にはインバウンド需要が急速な回復傾向にあります。
日本政府観光局によると、2023年6月の訪日外客数はコロナ前の2019年同月の72.0%、つまり7割の水準を回復していると発表されました。
インバウンドが回復傾向になっている今だからこそ、しっかりと対策をしなければなりません。
MEOはインバウンド集客に効果的
まずMEOについて理解しておきましょう。
MEOとは、Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)の頭文字を取った略称で、Googleマップで近くの店舗や施設を検索した際に、地図上で上位表示されるように最適化する施策のことです。
検索視認性が上がることで顧客の関心を引き、より多くの集客が見込めるようになります。
検索視認性が上がることで顧客の関心を引き、より多くの集客が見込めるようになります。
観光客であれば目的とする施設を検索する機会も多いので、検索によって認知されることは重要であり効果的です。
MEOが効果的な業種
MEOはどの業種にも効果ある施策ですが、インバウンドMEOが特に効果的な業種がいくつかあります。
インバウンドMEOが効果的な業種は以下のものがあります。
- カフェ
- 飲食店
- お土産店
- 観光施設
- 商業施設
- 宿泊施設
インバウンド需要としてこれらの業種は入国から出国までの一連の流れの中でほぼ全て利用する見込みがあり、MEO対策が効果的になると言えます。
自分が海外へ旅行することを想像すると想定して考えると、どの業種もどこかで検索する場面が出てくることが想像しやすいですね。
業種ごとのMEO対策についてはこちらの記事でも紹介していますので、参考にしてみてください。
MEO対策と相性の良い業種を一挙紹介!費用対効果が高い理由・効果を出すコツ
インバウンド集客にMEOが効果的な3つの理由
では、なぜインバウンド集客にはMEOが効果的なのでしょうか。
ここではその理由について3つ、主にGoogleマップに関連することで解説していきます。どういう点で効果が出るのか把握しておきましょう。
地図アプリGoogleマップは世界中で利用されている
今やほとんどの人がスマートフォンを所持しており、その中に無数のアプリが入っているのが現状です。
その中で、Googleマップは月間ユーザー数1億5440万人であり、スマートフォン利用者の67%が利用と、まさに世界中で利用されている地図アプリです。
さらに検索エンジン「Google」のシェア率は91.43%と圧倒的に多く、このGoogleで検索した際にファーストビューとして出てくる「MEO表示エリア」は、検索結果よりも上部に表示されることが多いです。
MEO対策をしっかりしておけば、検索エンジン上でも上位に表示され集客が見込めるのです。
旅行系アプリのうちGoogleマップはダウンロード数が多い
アプリデータのランキングサイトappropriate.comでは、旅行系アプリの中でもGoogleマップは常に上位になっており、2021年には1億600万ダウンロードを記録したと発表しています。
検索エンジンのシェア率から見ても、やはりGoogleマップを利用するという人は多く、その結果と言えるでしょう。
これだけの数を使われているGoogleマップにおいて、インバウンド集客の為にMEO対策をしないという選択肢はありません。
Googleマップは多言語をサポートしている
さらにGoogleマップの強みとしては、多言語でサポートされている点があります。
2021年時点で81言語に対応しています。
この言語サポートは検索してヒットした店舗の口コミも自動で翻訳されるので、利用したい店舗や施設の情報を素早く取得することも可能です。
多言語に対応できるアプリだからこそ、多くの外国人観光客が利用しているのです。
インバウンド集客に効果的なMEOの施策8選
実際にMEO対策を行う際、インバウンド集客に効果が見込める施策を8つ紹介します。
MEOの中にも様々な施策がありますが、インバウンド集客を目的としているものなので、まずは以下のものから実施してみましょう。
ビジネス名を多言語設定する
まず設定しておきたいのが、ビジネス名の多言語設定です。
Googleビジネスプロフィールの多くの項目は、多言語で表示を設定することが現在出来ないので、外国人ユーザーにも日本語で設定された情報をGoogleが翻訳した言葉で表示されることが多いです。
一方、ビジネス名は多言語表記を用意しておくことが可能です。
日本語表記のみのままでは、店舗名などのビジネス名は正確に翻訳されるという保証がないので、予め翻訳したものを設定しておくことが大切です。
索上位に表示されていれも、翻訳が正しくされずに認識されなければ勿体無いですからね。
Googleビジネスプロフィールの基本的な使い方については以下のページで紹介しています。
Googleビジネスプロフィールの設定・更新方法を知って集客効果を高めよう!
自動翻訳されないビジネス情報に英語を併記する
基本的な情報は自動翻訳してくれるGoogleマップですが、自動翻訳が対応していない情報としてビジネスの説明、商品、メニュー・サービスなどがあります。
これらはGoogleビジネスプロフィールの登録情報がそのまま出る形となるので、日本語と同内容の英語や中国語などを併記しておくとよいでしょう。
多言語を併記しておくことで、外国人の方にも配慮されている印象を与えることもでき、集客につながる可能性があります。
海外で人気の旅行系アプリに登録する
シェア数や利用数が多いGoogleマップですが、当然全ての外国人観光客が利用しているわけではありません。
海外で広く使われている旅行系アプリは他にも「TripAdvisor」「AppleMaps」「Baidu」「Foursquare」などがあります。これらのアプリを利用している旅行客を集客する機会を逃すのも勿体無いですね。
海外向けのサービスではありますが、日本の店舗情報を無料で登録することが可能ですので、こちらにも登録しておきましょう。
キャッシュレス決済を導入して決済情報を登録する
外国人旅行客がお店を利用する際、特に知りたい情報としてあがるのが決済情報です。
今やスマホ決済としてApple PayやGoogle Payを始め、中国圏ではAlipay、Wechat PayなどのQR決済など多くのキャッシュレス決済が浸透してきました。現金を持ち歩かないという人も多いですね。
外国人観光客の方が 海外で買い物をしたり、レストランなどを利用する場合には、決済情報は事前に把握しておけるとより安心して利用することができます。
Googleビジネスプロフィールのビジネス情報の「その他」に「お支払い」に関する決済手段を登録することも可能です。もし自店に利用可能なキャッシュレス決済があれば、全て設定しておき集客につなげましょう。
また店舗にまだキャッシュレス決済が導入されていなければ、この機会に導入することもおすすめします。
QR決済や事前決済の導入について、それぞれ紹介したページもありますので参考にしてみてください。
◾️QR決済の導入について
【2022】QR決済の導入方法は?導入メリットとおすすめ9サービスを比較
◾️事前決済の導入について
事前決済とは?飲食店がサービス・システムを導入するメリット
国内外から口コミを集める
翻訳されるからと言って、日本人による口コミだけではインバウンド集客につながりにくいものです。
外国人観光客による口コミ投稿があれば、外国人観光客の方も安心してお店選びができそうですね。国内外から口コミが集まればそれだけ検索結果にも有利に影響します。
口コミを増やすための工夫として、店内に英語や中国語などで口コミの投稿を依頼する文章があったり、接客時に直接お願いが可能であれば積極的に取り組んでいきたいですね。
ただし口コミを集めたいからと、値引きしたりクーポンを渡すなどの「報酬」を用意することは禁止されていますのでご注意を。
国外から口コミの返信は多言語で行う
いただいたレビューや口コミに店舗側から返信することも今後の評価にもつながっていきます。良い悪いに関係なく、口コミに返信していることが大切です。
その中でも国外からの口コミへの返信には同言語で返信することで相手との関係を良くすることができます。同時にGoogleからの評価も高まる可能性があるので、是非ともやっておきたい施策です。
もし自社にネイティブのスタッフや外国語ができるスタッフがいれば依頼したり、多言語返信可能な代理業者を利用してもいいでしょう。
依頼が難しい場合、Google翻訳などの機械翻訳を使って返信するという手段もあります。
多言語のメニューを作成する
インバウンド集客を行うのであれば、多言語に対応したメニューも用意しておくとよいでしょう。
全ての言語に対応する必要はありませんが、英語、中国語、韓国語の3つのメニューは揃えておきたいですね。
最近ではタブレットの電子メニューや、モバイルオーダーの導入も増えてきました。こちらは画面内で言語の切り替えができるものが多く、操作も簡単です。
多言語メニューがあればそれらを写真に撮り、口コミとして投稿してもらえる可能性もありますし、何より外国人観光客として安心してお店を利用できます。
魅力的な料理写真や一目でサービスが分かる写真を投稿する
インバウンドに限らずMEOにおいては、魅力的な料理写真や店内の内装がわかる写真は目を惹きます。
行ったことのないお店を調べているわけですから、どんな商品があるのか、どういう雰囲気なのかが判断できる写真は重要です。どれだけ文章で詳しく紹介しても伝わらなければ利用してもらえません。
いわゆる「ビジュアルマーケティング」ですが、オーナーが投稿した写真は優先的にトップに表示される傾向があるので、率先して写真の投稿に取り組みましょう。
インバウンド集客におけるMEOの注意点
インバウンド集客に向けてMEO対策を行うことは効果的ではありますが、Googleビズネスプロフィールの利用にあたりNG行為をしてしまうと、逆に集客効果が薄れてしまいます。インバウンドだけでなくビジネスそのものに悪影響となってしまうので注意しなければなりません。
注意すべきは、不適切なキーワードを使用したり、不正確な情報を投稿することです。
周辺で多く検索されているキーワードだからと、自店に関係ないキーワードを登録して検索にヒットするようにしたり、「100%効果がある」や「必ず成功する」など過大表現することも避けましょう。
また期間が限定されているような特典やキャンペーン情報などの記載も、情報更新が想定されないという理由からガイドラインに違反します。
ガイドラインについては以下のページで詳しく紹介していますので参考にしてください。
Googleビジネスプロフィールのガイドライン違反7選!停止からの回復手順
Googleビジネスプロフィールを多言語設定する方法
最後に実際にGoogleビジネスプロフィールにおいて多言語設定する方法を紹介します。
設定はPCとモバイルのどちらからも行えますが、それぞれ設定方法が異なります。ここではPCを基準に操作の説明をしていきます。
Googleマップにアクセスして設定言語を変更する
まずはGoogleマップにて自店舗を検索し、そこから設定言語を変更します。
自店舗を表示させたらGoogleマップのメニューバーから「言語」を選択します。
「言語の選択」の画面から設定したい言語を選び、「保存」をクリックしましょう。
これで設定したい言語に切り替わりました。設定した言語で表示されているか再度確認しましょう。
自動翻訳された内容を確認して、正しい翻訳に修正提案する
言語を切り替え、再度自店舗を表示させると、自店舗の情報が自動翻訳されたもので表示されます。
しっかりと翻訳されていることを確認すると同時に、自動翻訳によって不自然な箇所がないかもチェックしていきましょう。
不自然な翻訳があれば、それらの修正の提案を送る必要があります。
ビジネスプロフィール管理者アカウントでログインし「Suggest an edit」をクリックします。設定したい言語の表記名を入力し「submit」をクリックして情報更新となります。
修正の反映を確認する
入力した自店舗の情報がきちんと多言語でも反映され、検索結果として表示されるか確認しておきましょう。
管理者として修正提案を出しても即反映されるものではなく、審査の時間を要します。
すぐに反映されていないからといって何度も修正する必要はありません。時間を置いて修正が反映されたか再度確認するようにしましょう。
反映されたら設定変更は完了です。
まとめ:インバウンドMEOで外国人の来店増加を目指しましょう!
街に出ると外国人旅行客の数が目に見えて増えたと感じます。この先も多くのインバウンド需要が見込めますので、MEO対策を万全にしておくことは重要な局面といえるでしょう。
また外国人観光客向けのMEOであっても、まずはお店の所在地である日本語で、日本の方向けに対策をしっかりと行っていくことで、日本人向けのGoogleビジネスプロフィールとしてのGoolgeからの評価を高めておくこと自体も重要です。
しかしMEO対策を自店舗のスタッフのみでやるというのは大変なことです。多くの時間も必要になり、店舗運営を抱えながら同時に施策を行うことは大変です。
「集客コボット for MEO」はそのような方向けのMEO対策の代行サービスです。Googleビジネスプロフィール内部だけではなく、外部サイトからの評価を高める施策も実施していますので、これからMEOに注力したい方はぜひ利用してみてください。