営業成績が伸び悩み、営業センスを身に着けて状況を改善したいと考えている営業担当者の方は多いのではないでしょうか。
しかし、どうすれば営業センスを身に着けることができるか理解している人はあまり多くないでしょう。
この記事では、そもそも営業センスとはどのようなものか、どうすれば磨けるかについて解説していきます。営業担当者の方は、営業成績向上にお役立てください。
そもそも営業センスとはどのようなものなのか？
営業センスとはそもそもどういったものなのか、じっくり考えたことは少ないのではないでしょうか。本項目を通じて営業センスとはなんなのか、改めて考えましょう。
営業センスとは
センスとは、その人特有の感覚や感性のことです。
そのため営業センスがどういったものか具体的に定めることも難しいのですが、例えば初対面の人に好感の持たれる人柄や、顧客の見込み度合いを正確に判断できる力、相手に気分よく話してもらうための態度などが営業センスの一種として挙げられます。
センスは先天的な能力として生まれ持った部分や今までの人生で築いた部分が大きいものですが、決してそれが全てではありません。営業活動を通じて経験を積み、営業スキルを身に着けながら、営業センスを磨いていくことも可能です。
営業スキルとの違い
営業スキルとは、営業活動において必要となる能力のことです。具体的な能力であるため、営業センスとはあくまで別物です。
営業スキルの具体例としては、お客様に対してわかりやすい説明をし、お客様の話も聞き出せる「コミュニケーション能力」や、そこから問題を見つける「課題発見能力」などがあります。
営業スキルを社員に身につけてもらうポイントなどをまとめた記事もありますので、ご参考にしてください。
関連記事：営業スキルとは？社員に身につけてもらうポイントと役立つツール
営業センスがある人の6つの特徴
営業センスがある人には、いくつか特徴が存在します。
本項目では営業センスがある人の特徴を6つ紹介するので、自分のセンスを磨くための参考にしてください。
1. ジャストタイミングで連絡する
営業センスがある人は、顧客にとってジャストなタイミングで連絡をとり、提案やフォローをすることができます。これは相手と良好な関係を築き、状況を見極めているからこそ可能なことです。
やる気を見せることが大事だと考えて大量の連絡を送る人もいますが、無闇なしつこい営業は逆効果です。相手にとってジャストなタイミングで連絡ができれば、顧客も前向きに検討してくれることでしょう。
2. 物事を明確に捉えて質問する
物事を明確に捉えて質問することも、営業センスがある人の特徴です。例えば、相手の立場や場面によって見えているものが違うため、一体どう見えているのか明確に捉えることもこういったセンスの一つです。
営業センスのある人は誰に対しても同じことを述べたりせず、相手や状況によって質問の仕方や内容を変えることでよりよい反応を引き出すことができます。
3. 専門的な内容を相手に伝わる言葉で説明する
営業センスがある人は、専門的な内容でも相手に伝わる言葉で説明することができます。
具体的には、どういった言い回しであれば伝わりやすいか、この場で伝えるべき情報はどれか、といった判断を直観的に行うセンスといえます。
ただしこういったセンスを発揮するためには、人一倍知識を身に着けて、内容に対する理解を深める必要があります。
4. 相手の情報を自然にヒアリングする
相手の情報を自然にヒアリングできることも、大切な営業センスの一つです。
こういったセンスを持つ人間は、ただ盛り上げることを目的に会話をするのではなく、アンテナを立てながら会話をして相手にとって重要なポイントを敏感に見つけ出しています。
こうして見つけたポイントを深堀して自然にヒアリングできるので、相手の重要な情報を聞き出すことができます。
5. 相手が嫌がらない程度に押しが強い
営業センスのある人は、相手が嫌がらない程度に押しが強いです。
どの程度の押し方であれば相手が嫌がらないか、警戒しないか、といった点を直観的に理解して丁度いい塩梅でさりげなく押すことができる、というセンスです。
このようなセンスを発揮する一つのコツとしては、「自分もこの商品を使いたい」といった個人的な感情を入れることで、嫌味を感じさせずにアピールすることです。
6. 初対面で与える印象がよい
初対面の相手に対して好印象を与えることができるのも、営業センスの一つです。
初対面の相手でも好印象を与えることができれば、商談をスムーズに進めることが可能でしょう。プライベートであれば初対面での印象が悪くても巻き返すことが可能ですが、営業であれば二度目のチャンスがあるとは限りません。
そのため、こういったセンスは営業の仕事において非常に重要な役割を果たします。
営業センスがある人に共通した考え方
経験を重ねて営業スキルが身についても営業センスは身につきにくい、という方は営業に対する考え方から見直すことをおすすめします。
センスは技術ではなく感覚の領域なので、営業センスがある人に共通した営業に対する考え方を学ぶことで、営業センスを磨くことにも繋がります。
営業センスがある人に共通した考え方として、根本的に重要なのは顧客の満足を追求することです。
具体的には「最高に価値があると思ったもののみを提供する」「期待以上に満足できるものを提供する」「顧客にとって不要なものであれば売らない」といった考え方です。
こうした考え方を意識することで、営業センスも磨かれていきます。
営業センスを身につけるコツ
営業センスを身に着けるためには、日頃から意識するべきコツがあります。 本項目では営業センスを身に着けるためのコツを紹介するので、仕事をする際はこれらのことを意識してみてください。
営業成績がよい人や尊敬する人を観察する
周りにいる営業成績がよい人や尊敬する人のことをしっかりと観察しましょう。
自分と一体何が違うのか、どこで顧客の心を掴んでいるのか、といったポイントを探ると営業センスを磨くヒントを得ることができます。
また、仕事をするうえで尊敬する先輩や悩みを相談できる先輩がいることは、大きなプラスになります。そういった先輩と積極的に関わることも、センスを身に着ける一助になります。
情報をインプットする方法を増やす
営業センスを磨くためには、情報量の豊富さが必須です。
ここでいう情報とは、製品知識はもちろんのこと、一般的な教養や雑談で話せるような知識、顧客の業界関連の情報など様々です。
製品知識など役に立つ見込みの高い情報もあれば、いつ役立つかわからない雑談向けの情報もあります。そういった幅広い情報を身に着けることが、自分の思考や話せる話題を変えていき、センスを磨くことに繋がります。
多種多様なセミナーや研修に参加する
営業セミナーや研修では営業トークを客観的に指導してもらえるなど、実践的なプログラムが組まれていることが多くあります。
こうしたセミナーや研修に参加して自分の営業を客観的に見直すことが、営業センスに繋がります。
ただし、講師の指導を鵜呑みにすることも、逆に全く受け入れないことも成長の阻害になるため注意が必要です。自分にとって本当に必要なアドバイスは何か、と考えることで営業センスを高めることに繋げましょう。
自分の経験を分析して改善する
自分の経験を分析して改善することも、営業センスを磨くために大切です。
実践の中でテストと改善を繰り返し、課題点とその解決方法を見つけて一つ一つステップアップすることは、センスを高めるうえで他人から話を聞くよりも強力に働きます。
日々の業務を漫然とこなすのではなく、改善のための明確な意図を持って動くようにしましょう。ただし、成果を上げるためには時間がかかる方法であることを注意してください。
事例を見て工夫や改善を行う
様々な事例を見て、自分の営業に使えないか、何かを学べないか、とシミュレーションしましょう。
成功事例からは成功の、失敗事例からは失敗の、視点や思考をそれぞれ学ぶことができます。自分の業務と丸ごと同じ事例でなくても、活かせるものは見つけられるはずです。
学んだ事例が多ければ多いほど、対応できる状況や出せるアイディアの質・量が向上するので、営業センスを磨くことに繋がります。
ロールプレイングなどで自分が営業される立場になる
自分が顧客の立場で営業を受けてみることで、営業される側の心をより理解できるようになります。例えば、営業ロールプレイングや保険の勧誘などで試してみることがおすすめです。
相手の営業に心を開くかどうか、その理由はなんなのか、顧客の視点で考えることがセンスの向上に繋がります。
本項目では営業センスを身に着けるコツについて解説しましたが、営業力を上げることも同じく重要です。
営業力に関してはこちらの記事で解説しているので、ご参考にしてください。
関連記事：組織・個人で営業力を上げるためのポイントとおすすめツールを紹介
営業センスを身につけるために注意すること
営業センスを身に着けるためには、避けるべき行動も存在します。悪い習慣を繰り返せばセンスは鈍っていくので、本項目で紹介するような行動は取らないよう気を付けましょう。
思い込みで対応しない
相手の意図や要望について、思い込みで対応しないよう注意が必要です。思い込みで営業することは相手を不快にさせたり、契約の不成立といった失敗に繋がる可能性が高いです。
自分の今までの営業や学習に自信を持ちすぎて「自分は顧客の気持ちを上手く察している」と思い込まないように、謙虚な気持ちで顧客の声を確認しながら営業してください。
毎回同じパターンで営業しない
一度上手くいった営業パターンを使いまわすのは、失敗につながる可能性があります。
相手やその時の状況によって求められるもの、説得力を産むものは当然変わっていきます。
現在、営業をかけている相手について考えて仕事をしなければ、相手の心の動きや契約見込みを見抜くための感覚を養うことができず、営業センスは成長しません。
営業活動後の振り返りを怠らない
営業活動を振り返りを怠らず改善を繰り返すことが、営業センスを磨くことに繋がります。
先述の通り、営業は一度成功したパターンを繰り返しても上手くいきません。そのため、何が決め手で契約に至ったのか、何がまずくて契約が成立しなかったのか、分析しなければ次に活かすことはできません。
営業で何をやるべきか、やらないべきかについてまとめた記事がありますので、こちらの記事もご参考にしてください。
関連記事：既存顧客維持のメリットやLTV（顧客生涯価値）を最大化するための効果的な施策とは
関連記事：新規開拓営業がうまくいかない理由とは？対処法や成功させるポイント
まとめ：組織全体で営業力・センスを磨くことが売上アップの鍵
日々の営業における反省や分析など、長期的な対応がなければ営業センスは磨かれません。日常的にどのような行動をとるべきなのか、しっかり頭に入れておきましょう。
営業センスの向上には個人個人の意識が重要なため、自社全体の営業力を上げたいという人にとっては特に難しい課題かもしれません。そういった方には、営業支援ツールの導入もおすすめです。
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