「新規顧客の開拓に時間がかかりすぎてしまう」「そもそも十分に営業をかける時間が確保できていない」こういった悩みを抱えている営業マンは少なくありません。“営業活動の効率化”は、営業マンにとって永遠の課題といっても過言ではないでしょう。
今回は、営業活動を効率化し、ムダのない働き方を実現する方法について解説します。特に、人材派遣会社の方に向けたポイントをお伝えします。実際のツール導入事例についても解説していますので、導入を検討する際の参考にしてください。
営業の効率化とは
営業業務の効率化は、デジタルツールの導入やアウトソーシングの採用によって、現場負担を削減しようという取り組みのことです。特にデジタル活用による営業業務の効率化は「営業DX」とも呼ばれ、近年多くの企業が導入を進めています。
営業活動を効率化することで、現場の負担削減や生産性の向上などにより、企業は小さな負担で、より大きな成長機会を得られるようになります。
営業の効率化の目的
そもそも、営業業務の効率化に取り組む目的とは何でしょうか?ここでは、営業活動におけるムダな業務を削減したり、ツールを導入したりして効率化を図ることの目的やメリットについて解説します。
- 営業業務時間の確保
- 売り上げの向上
- 顧客の満足度向上
- 営業社員の負担の低減
営業業務時間の確保
営業活動を効率化する目的の1つ目は時間の確保です。事前準備や移動時間などの“ムダ”を削減し効率化を図ることで、売上に直結する「営業業務」のためにより多くの時間を確保できるようになります。「1日8時間」という限られた時間の中で、いかに商談を増やせるかという営業の世界において、効率化が重要な役割を果たすことはいうまでもないでしょう。
売り上げの向上
営業効率化の2つ目の目的は、シンプルに売上を伸ばすことです。営業マンが新規顧客との商談を通して売上へとつなげていくためには、顧客との商談数と商談に充てる時間を増やすことが欠かせません。
実際、HubSpot Japan株式会社が実施した「日本の営業に関する意識・実態調査」によれば、営業担当者は平均で働く時間の「25.5%」をムダと感じていることがわかっています。
1日の勤務時間を8時間とすると、ムダな時間は1日あたり約2時間。1日2時間のムダを減らせば、1ヶ月あたり約40〜46時間もの追加の時間を商談に充てられるようになる計算です。商談の数が増えれば成約につながる数も増え、売上の向上が見込めます。
顧客の満足度向上
営業業務の効率化は「顧客の満足度向上」という目的も持ち合わせています。というのも、業務のムダを省くことで浮いた時間を、商談の質や顧客とのコミュニケーション、顧客のニーズへの対応などの強化に使えるようになるからです。
効率化が実現できていない営業活動では、「商談をこなすこと」に手一杯で、顧客の満足度にまで配慮が行き届いていないことが珍しくありません。営業活動において、顧客満足度を重視したいという方は、業務の効率化に着手すると良いでしょう。
営業社員の負担の低減
営業業務の効率化の目的には、従業員の負担を低減することもあります。
営業マンの仕事は、商談(外回りの営業活動)に加えて、商談に向けた資料を作成したりや顧客の課題に沿った提案を考えたりするなど多岐にわたります。そのため、営業マンには体力的にはもちろん心理的にも大きな負荷がかかってしまいがちです。
そこで、営業マンの仕事量を減らして負担を低減するのに効果的な施策こそが、営業業務の効率化なのです。例えば、MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入して、リードの獲得業務を自動化すれば、営業マンの負担を大幅に減らすことができます。
営業の効率化を行う際の流れ
営業業務の効率化を実践するにあたっては、次の流れで業務の改善を進めることとなります。
- 課題点を整理する
- 解決策を選定する
- 試験的にソリューションを現場に取り入れる
- 効果測定やユーザーインタビューを行い改善点を把握する
課題点を整理する
まず必要なことは、課題点の整理です。自社の営業業務を効率化するにあたって、どういったところに非効率的な部分があるのか、より効率化を進められる部分はあるのかなど、改善したいポイントを洗い出します。
課題点をあらかじめブラッシュアップすることで、選ぶべきソリューションを正しく選定したり、選択肢を絞って議論の余地をやたらと広げすぎないようにしたりすることができます。
解決策を選定する
解決すべき課題点が明らかになった後は、実際に解決策の選定を進めます。自社の課題を解決できるソリューションには、どういったものがあるのか広く調べながら、自社と相性の良さそうなものに絞っていきます。
営業業務の効率化においては、さまざまなソリューションを使い分けながら推進することも可能です。ただ、一度に複数の解決策を導入すると、かえって現場を混乱させてしまう可能性があります。そのため、一つずつ導入を進めた方が良いでしょう。
試験的にソリューションを現場に取り入れる
導入したいソリューションが決まったら、試験的に現場へ取り入れていきましょう。いきなり全社的に導入すると、その運用に慣れていない現場では多くのトラブルが発生してしまう可能性があるためです。
ソリューション活用のノウハウが蓄積するまでは、小規模な運用を続けて使い方や生産性への貢献度を確かめましょう。
効果測定やユーザーインタビューを行い改善点を把握する
ある程度運用実績がまとまったら、実際にどれくらいの効果を発揮しているのか、効果測定を行ったり現場の社員にユーザーインタビューをして現状を把握しましょう。
そのソリューションのどんなところが良いのか、どんなところで改善が必要なのか、実際に生産性は高まっているのかなど、確認したいところは少なくありません。
また、ソリューション導入に伴う今後の改善点も確認し、運用方法を変えたり、運用規模を大きくしてみたりと、より良い結果を得るための施策も検討しましょう。
営業効率化の方法
ここまでで、「どうやって営業活動の効率化を進めたら良いの?」と感じている方もいるでしょう。そこで、営業効率化を実現する方法を5つ紹介していきます。
- 営業社員の意識を改革する
- 移動ルートを効率化する
- 事前準備に時間を掛けず顧客アプローチを行う
- 書類作成や手続きの効率化を行う
- ツールを導入する
営業社員の意識を改革する
具体的な施策を導入する前に、営業にあたる従業員一人ひとりの意識を改革することが重要です。たとえ最先端の営業効率化ツールを導入したとしても、そもそも従業員に「効率的に働きたい」「効率を強化して、売上を伸ばしたい」という意識が欠けていれば、十分な効果は期待できないからです。
従業員の意識を改革するには、「どの作業に時間がかかっているのか」「どの業務時間を短縮すべきなのか」といった営業業務プロセスを見える化する必要があります。というのも、いきなり営業活動の効率化を図っても、従業員は効率の悪い業務を把握できていなかったり、そもそもコア業務以外の業務負担が大きくなっていたりすることが懸念されるからです。効果的に営業活動の効率化を進めていくためにも、まずは営業社員の意識改革から始めてみることをおすすめします。
移動ルートを効率化する
外回りの営業における移動ルートを効率化する方法です。移動時間は、営業活動で“ムダな時間”として問題視されることが多く、効率化を目指すのであれば改善が必要です。
例えば、顧客情報をエリアごとに管理して、効率的に回れる訪問ルートを作成したり、同じエリアの顧客とまとめてアポイントメントを取ったりすることで効率化を図れます。1日に1時間以上を移動に費やしているという場合は、移動ルートを見直し改善することで、大幅に時間を短縮し、ムダを省くことができるでしょう。
事前準備に時間を掛けず顧客アプローチを行う
顧客にアプローチする前の事前準備にかける時間を短縮する方法です。初めて商談をする顧客の場合、顧客の業界や事業内容、抱えている課題など、さまざまな情報を把握しておく必要があるため、事前準備に多くの時間を要してしまう傾向があります。
顧客としっかりとコミュニケーションを取るために、事前準備を入念にしておくことはもちろん重要ですが、インターネット上での情報収集は、単に時間をかければ良いというわけではありません。そのため、「新規顧客のリサーチは20分まで」などのルールを設けておくと良いでしょう。短期間で本当に必要な情報だけを収集できるように、効率を意識して取り組むことが大切です。
書類作成や手続きの効率化を行う
見積書などの書類作成や、契約書に関する一連の手続きなどの効率化も効果的です。これらの書類の作成などは重要な業務ではありますが、“反復性”の高い業務でもあります。
例えば、書類をフォーマット化しておけば、必要になる度にイチから作り直す手間が省けます。さらに、クラウドツールを活用すれば、自動的に書類を作成することも可能です。
また、契約書の手続きに押印が必要な場合、担当者が不在だと手続きが滞ってしまったり、相手の対応を待つ必要があったりするなど、効率が悪くなりがちです。そこで、電子捺印や電子契約を導入すれば、よりスムーズに契約の手続きを進められるようになります。書類作成や手続きなどといった、ルーティン化しがちな作業はツールを導入して効率化を実現しましょう。
ツールを導入する
営業効率化に特化したツールの導入も効果的です。ツールを導入することで、ルーティン化している業務が自動化され、営業活動の大幅な効率化が実現できます。営業業務の効率化に適したツールは大きく分けて次の3つです。
- SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)
- CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)
- MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーションツール)
SFAツールとは、営業活動の効率化を目的とした営業支援システムのことです。具体的には、商談から受注までの業務を効率化させることに特化しています。
人材派遣の場合で考えてみましょう。人材派遣会社の主な業務は、顧客先に人材を派遣することです。顧客の中には、「すぐに人材が欲しい」というケースが少なくありません。このSFAを活用すれば、そのニーズを満たしやすくなるでしょう。
CRMツールは、顧客情報の分析・管理を目的としたツールです。“Customer Relationship Management”とあるように、他の2つのツールと比較して「顧客との関係性構築」にフォーカスしているという特徴があります。
人材派遣会社では、顧客と派遣スタッフのマッチングを重視していますが、双方の情報がなければどうにも判断ができません。このCRMを活用すれば、的確かつスピーディーな判断ができるようになるでしょう。
MAツールは、見込み顧客(リード)の獲得から育成、顧客の選別、受注という営業活動の流れを自動化できるツールのことです。上の他の2つのツールとの最大の違いは、見込み顧客を商談に結びつけるまでの過程の効率化が可能なところです。
人材派遣会社の顧客は、主に人材を活用している企業ですが、人材が必要となるケースにはタイミングがありますし、二―ズもそのときそのときで変わります。
受注までを自動化してくれるMAを活用すれば、無駄足を踏むようなことなく、効率的に営業できるようになるでしょう。
営業効率化におすすめのツール
ここまでで、営業効率化の目的や実施方法をご理解いただけたでしょう。そこで次に、営業効率化の実現に最適なおすすめツールを5つ紹介します。ツールの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
HRコボットforアポ獲得支援
当社ディップ株式会社が提供する「HRコボットforアポ獲得支援」は、人材派遣会社に特化したサービスです。ご提供いただいた営業リストをもとに、人材派遣業界に精通したプロのオペレーターがアポ獲得業務を代行し、業務のアウトソーシングに貢献します。
アポの取得に難航した場合も、求人ニーズやヒアリングを通じて納品を行うため、安心してご依頼いただくことが可能です。アポ獲得の際、高い成果を得られたスクリプトについても提案を受けられるため、自社のアポ獲得業務効率化にも貢献します。
料金プラン
- 初期費用無料
- リスト単価:350円/件
- 月額:17万5,000円
公式サイト
HRコボットfor営業リスト
当社ディップ株式会社が提供する「HRコボットfor営業リスト」は、人材派遣会社向けに求人ニーズのある企業を短時間でリストアップできる、営業リスト作成を支援するサービスです。リスト作成にかかる時間はわずか1分という、手作業よりもはるかにスピーディーな作成業務効率化を実現します。
作成するリストは、中途メディアやAPメディア、その他の求人メディアなど市場の80%を網羅する求人情報をソースに作成されるため、強力なデータベースとして機能します。詳細を丁寧に検索し、効果的な営業リスト作成を用意可能です。
料金プラン(1ユーザーあたり)
- 初期費用:5万5,000円
- 月額費用:5万5,000円
公式サイト
Senses(センシーズ)
Senses(センシーズ)は、チームで営業情報と営業プロセスの管理ができるSFAツールです。案件に関する情報や進歩状況をカード形式で直感的に管理・確認できるため、営業チームでの情報共有を活性化できます。
また、搭載されたAIが案件のリスクを分析しアドバイスを提示し、成果へと導いてくれるのも嬉しいポイント。「営業活動を効率化するとともに、しっかりと受注数を増やしていきたい」という方におすすめのツールです。
料金プラン(月額ライセンス費用)
- Starter:月額25,000円〜
- Growth:月額100,000円〜
- Enterprise:月額300,000円〜
eセールスマネージャー
eセールスマネージャーは、営業プロセスを可視化することで効率化を図るSFA/CRMツールです。5,000社以上の導入実績を誇っており、高い総合満足度も獲得しています。
案件やスケジュールから顧客情報まで、営業活動に欠かせない情報の一括管理が可能です。eセールスマネージャーを活用すれば、営業担当者の負担を大幅に低減することができます。
料金プラン(1ユーザーあたり)
- スタンダード:11,000円
- ナレッジシェア(閲覧のみ):6,000円
- スケジュールシェア(グループウェアのみ):3,000円
SATORI
SATORIは、見込み顧客を増やすことに特化したMA(マーケティングオートメーション)ツールです。すでに1,000社以上で導入されており、国産ツールとしては認知度No.1を誇ります。
SATORIでは、見込み顧客の獲得から管理・育成まで高度なマーケティング施策の効率化が可能です。「リードの獲得業務を効率化したい」「効率的に見込み顧客のナーチャリングをできる方法を探している」などといった方におすすめのツールです。
料金プラン
- 初期費用:300,000円
- 月額費用:148,000円
営業効率化の事例
最後に実際に営業業務の効率化に成功した企業の事例を4つ紹介します。営業効率化ツールの導入を検討している方の参考になるポイントが詰まっているので、ぜひ参考にしてください。
株式会社シグマスタッフ
株式会社シグマスタッフは、新規営業が思ったように進められていないことが課題として挙がっていた人材派遣企業です。また、テレアポ業務の負担も大きく、テレアポ以外の施策も進めたかったことから、業務の効率化は必須の状況でした。
そこで同社では「HRコボットforアポ獲得支援」を導入しました。その結果、平均して月に2件以上の新規アポイントの獲得に成功しています。
また、テレアポに割いていた時間を他の業務に使えるようになり、商業施設やハローワークなどで人材を募集するイベントにリソースを回せるようになっています。
株式会社HiLO
人材派遣会社の株式会社HiLOでは、これまで企業への直接訪問ができず、社員数の少なさから新規営業もできないなど、成長機会が損なわれてきたことが会社の課題でした。そこで「HRコボットforアポ獲得支援」を導入し、同社の問題解決を一気に進めることに成功しています。
「HRコボットforアポ獲得支援」導入以降、同社は常に一定して新規顧客の獲得に成功しています。中には、これまでアポイントを取ることさえ難しかった企業への営業機会も得られた経験もあるなど、高い成果を発揮していることがわかります。
株式会社ヒーモリ
外国人に特化した人材派遣業を営む株式会社ヒーモリでは、とにかくテレアポの案件獲得率の低さが問題視されていました。営業リストの作成にも多くの時間を要し、十分な業務時間を確保できていないことが、さらに現場担当者を圧迫していることも問題でした。
そこで「HRコボットfor営業リスト」を導入し、大幅な業務効率化が進んでいます。丸1日掛かっていた営業リストの作成業務を短縮でき、他の業務を遂行するための十分な時間を獲得できたということです。
また、アポイント獲得にも成果が見られ、導入後3ヶ月弱で15件のアポイント獲得と、7件の案件成約を得られました。
株式会社広済堂ビジネスサポート
株式会社広済堂ビジネスサポートが抱えていた課題は、営業担当者の業務の属人化です。担当者が、それぞれ独自の方法や情報リソースをもとに営業リストを作成していたため、その成果はまばらであると同時に、人員体制の見直しで担当者の数も減っていたことから、早急な対策が必要でした。
そこで導入したのが「HRコボットforアポ獲得支援」と「HRコボットfor営業リスト」です。導入によって、営業業務の負担削減と生産性向上が実現しました。
テレアポのための事前準備時間が短縮されるとともに、発行されるレポートをもとに、ニーズのありそうな営業先を開拓し、確度の高い営業活動を行えています。
まとめ
営業業務を効率する目的や方法、おすすめのツールなどについて解説しました。
営業の効率化は、売上や顧客満足度の向上など業績を上げるために重要な取り組みの一つです。「取り組み方がわからない」という場合は、まず営業チームメンバーの意識改革を行い、効率化すべき業務を見つけるところから着手してみてください。
自社の課題解決に最適なツールを導入し、営業活動の効率化でムダのない働き方を実現しましょう。当社ディップ株式会社が提供する「HRコボットforアポ獲得支援」と「HRコボットfor営業リスト」にご興味をお持ちの方は、お気軽に当社までお問い合わせください。