離職率が高い会社の特徴・原因とは?定着率を高める方法10選│コボットLAB

離職率が高い会社の特徴・原因とは?定着率を高める方法10選

どの企業でもできれば抑えたい数字のひとつが、『離職率』です。
離職率が高いということは会社にとっては人材不足起きますし、イメージとしても良いものではありません。
離職率が高い会社には高くなる特徴や原因があり、当然相応のデメリットがあります。
本記事では離職率の高い会社の特徴を解説。さらにその原因を改善して定着率を高めてもらうための方法を紹介しています。
離職率が高く悩んでいる採用担当者の方は参考にしてみてください。

目次

離職率とは?計算方法や判断基準

そもそも離職率とは何か改めてみてみましょう。
ある時点で働いていた従業員のうち、一定期間後に離職した人の割合を示す指標のことを離職率としています。

一般的には期初から期末までの1年間を対象として算出している場合が多く、計算する際の分母となる部分を変更することで別の切り口での離職率を出すことも可能です。

例えば新卒で入社した従業員の離職率を出したい場合、計算式の分母を該当の人数で計算します。

離職率を計算する方法

では実際に離職率を出すにはどうすればよいでしょうか。
離職率を出す計算式があり、以下のようになっています。

【計算式】
離職率=離職者÷1月1日現在の常用労働者数×100%

常用労働者数の部分が分母となるので、ここに入れる数値を目的に合わせて変更することで割合を算出します。
仮に新卒採用者が400人だったとして、そのうち20人離職者がいた場合は
「20÷400×100%=5%」となるので、離職率は5%となります。

離職率の高さを判断する基準

計算式で算出した自社の離職率は把握できました。ではその離職率が全体ではどの程度のものなのか気になりますよね。
その高さを判断する方法としては厚生労働省が発表している平均離職率を参考にしてみましょう。そちらで出ている離職率と比較することで、自社がどの程度なのか判断することができます。

また産業別離職率もありますので、そちらを参考にすることで業界における自社の位置や比較もできるようになっています。

日本企業の離職率の実情

それでは現在の日本企業における離職率の実情について、厚生労働省の出している『ー令和3年雇用動向調査結果の概要ー』を参照にしてみていきましょう。

令和3年上半期時点での離職率は8.1%であり、前年同期と比較すると−0.4ポイント低下しました。入職率は上昇しており、新たに職に就いた人々が安定してきている傾向にあると言えます。

産業別に見ていくと、最も高いものは「宿泊業、飲食サービス業」の15.6%。次いで「教育、学習支援業」で12.4%です。
最近では飲食店の利用客数も増加しており、それに伴うお客様とのトラブルなども増え、業務によるストレスが発生していることも離職のひとつの原因と考えられます。
業務に給与が見合っていないと感じることは離職の原因にも繋がりますので、業界毎に対策が必要でしょう。

離職率が高い会社の特徴・原因10選

産業別に見て分かるように、離職率はやはり会社によって変わります。
ではどういったことが原因となって離職につながるのでしょうか。

離職率が高い会社の特徴とその原因を解説します。一概にこれだけではありませんが、自社に当てはまるものがないか確認してみましょう。

職場の人間関係が悪い・コミュニケーションが取りにくい

仕事は人間同士でやっていくものなので、人間関係が悪かったりコミュニケーションが取りにくい職場は働きにくいですよね。

例えば上司が高圧的であったり、部下に対して不当な扱いをする人が居ればそれだけで辞めたいと思うことはごく自然です。

また会社においてはコミュニケーションを取る機会は多く、これが円滑でないと情報共有が出来なかったりと、仕事のミスが増える結果を招きます。
人間関係が悪化してしまうと改善することも簡単ではないので、そうなる前の対策を打つべきでしょう。

適切な人事評価制度が行われていない

やる気もあり、誰よりも仕事に打ち込んで自分なりの成果を出した、という人が何の評価もされなければその仕事を続けていくことは難しいでしょう。
昇進であったり、給与であったりと評価の表れは様々ですが、見合っていないと感じた場合はモチベーションが保てません。

仮に残業して仕事をしている従業員と、そうでない従業員の給与が一緒であるというような評価の差があれば上司や会社への失望感が強まり、より正当な評価をもらえる会社に転職したいと考えられてしまいます。

教育制度や研修が整っていない

新入社員の多くは初めての職場で慣れないまま現場に立っているケースがほとんどです。誰もサポートをせず、必要な知識がない状態で不安を抱えたまま仕事をすることはストレスです。本来は発揮できたかもしれないパフォーマンスすら出せずに自信をなくしてしまいます。

スキルアップ研修やリーダー研修などの教育制度が整っていないと、せっかく採用した新入社員が離れていく原因となります。

またこのケースは新卒だけでなく中途採用者にも当てはまります。
こちらの記事にも中途採用について紹介していますので参考にしてみてください。

中途採用に即戦力を求めすぎると失敗する!定着化・戦力化は採用時から始まっている

給与が低い・残業手当が少ない

分かりやすい基準として、「現在の給与」は転職を考えるきっかけになりやすいと言えます。もちろん、給与だけが全てではありませんが、大きな原因の一つです。

仕事の成果や残業手当として見合った給与でなければならないのは当然ですが、仮にその給与が会社内で妥当なものだったとしても「同業他社と比較した場合に低く感じる」こともあります。
給与が低ければ長く続ける意味も見出せません。優秀な人材を確保しても、定着は難しいでしょう。

各種ハラスメントが横行している

近年とくに問題となっているのがハラスメント問題です。離職率の高い会社ではハラスメントが横行している場合も少なくありません。

セクハラやパワハラが常習化している職場で働きたいと思う人は居ませんし、例えこのハラスメントを直接受けていないとしても、職場環境としては良いものではないです。

気をつけたいのは、ハラスメントが必ずしも上司や先輩から起きているとは限らないということです。誰でも声の上げやすい環境を整えていく必要があります。

長時間労働が常態化している

残業が全くない職場というのは多くはありませんが、残業が当たり前になってしまい長時間労働が常態化している場合も注意が必要です。

残業をしている従業員が多いと定時を過ぎても帰りにくい雰囲気になってしまったり、上司が帰らないことで部下が帰れないというような環境になってしまいます。

そもそも長時間労働は成果を出すことには結び付かず、むしろ集中力や効率は落ちるものです。
自分の職場で当たり前のように残業していたり、休日出勤していないか確認しましょう。

業務内容に不満を抱いている

全ての人が自分のやりたい仕事・業務を行っているわけではありません。少なからず、自分がやりたいことではない業務を抱えることにはなります。

しかし、これがかけ離れているような業務の場合はその分ストレスも大きなものになっていきます。多少であれば出来ることも、不慣れな業務を過剰に振られることで業務に割く時間が多くなり、仕事とプライベートのバランスが取れなくなってしまいます。

従業員の潜在能力やパーソナリティを理解して仕事を振り、特定の人だけに集中するようなことがないようにしましょう。

福利厚生が整っていない

就職や転職の際に会社を選ぶ基準の中に、福利厚生も考慮されています。採用前の説明などで期待の高かった福利厚生が、入社後に使えなかったりうまく機能していなかった場合も離職につながってしまいます。

福利厚生は企業独自のインセンティブなので、就職時に選ぶきっかけの割合は大きいです。長く働く上でのモチベーションを維持するためにも重要なポイントですので、福利厚生を整え大切な人材が定着できる環境にしましょう。

働き方に不満を抱いている

ある程度会社にも働き方のスタイルは存在していますが、それが合わなかった場合も離職につながる要素の一つです。

家事や体調の心配があっても夜勤や休日出勤を求められたり、制度として用意されている有給休暇も好きなタイミングで取れなかったりと、ライフスタイルの変化に合わせにくいことが転職理由になる場合もあります。

これらもモチベーションの低下や、心身ともに健康を乱す可能性も出てきますので注意しましょう。

入社前のイメージと入社後の実態が異なる

求人票や面接において誇張表現していることで、入社前に抱いていたイメージが入社後の実態とは異なっていたり、そもそも事実とは異なる説明をしていることが定着しない理由になります。

採用のミスマッチはモチベーションも低下し、早期退職の可能性が高まってしまいます。
きちんと説明していたとしても、企業側と応募者との間で解釈のずれは多少なり起きるものですので、それらを抑えてミスマッチを防ぐことも重要です。

採用でのミスマッチを防ぐにはどうすればいいか、こちらの記事でも詳しく紹介していますので参考にしてみてください。

採用ミスマッチの原因と対策とは?マッチング率を上げて企業の損失を防ぐ

離職率が高いことで会社におこるデメリット

離職率が高ければ、そこには必ずデメリットが生まれるものです。

ここからは離職率が高いことで会社に起こる可能性のあるデメリットについて、具体的にどのようなものがあるか確認しておきましょう。

教育の時間や労力が無駄になる

主に新入社員に言えることですが、企業内の研修やビジネスマナーを丁寧に教えるような体制が整っていたとしても、離職となればそれまでにかけた時間やコストは全て無駄になってしまいます。次の会社で活きるものもあるかもしれませんが、自社には何のメリットもないですよね。

また離職した人材の穴を埋めるために採用コストもかかることも考えなければなりません。

業務の進捗に影響が出る

何らかのプロジェクトや業務を担当している社員が離職すると、そこに新たな担当者がつくことになりますが、それまでの進捗を維持できるとは限りません。

引き継ぎにも時間は必要ですし、引き継ぎが上手くいかなかった場合は余計に時間がかかり進捗は悪くなる一方です。
重要な仕事を担っている従業員であれば、それだけ業務の進行に影響が出るでしょう。

高いスキルを持つ人材が育たない

企業の中でリーダーになるような人材が育つということは、それだけ長い期間勤めてもらうことが前提にあります。離職率が高いということは、高いスキルを持つ人やリーダーとなる人材が育たないということでもあります。

潜在能力の高い、将来的に優秀な人材を採用できたとしても定着してもらえなければ意味がありません。

企業のイメージダウンや信頼性が損なわれる

あまりにも離職率が高い状態が続くことは企業にとってはイメージダウンとなります。

何度も求人が載ることで慢性的に人材不足であることが広まったり、勤める社員・元社員のクチコミなどで取引先や求職者にも離職率の高さが伝わることでしょう。

企業イメージが悪化してしまえば、その後の採用や業務にも影響が出てしまいます。

人材確保が難航する

離職率が高い状態になってしまうと、当然定着率が低くなるということでもあるので、そこから悪い評判が広まっていくことにもなります。

そういう評判の企業に自ら就職しようと思う求職者は居ないでしょう。考えられるのは、せっかくの求職者が同業他社に流れてしまうという事態です。

離職率が高いことで人材確保は難しくなっていきます。

企業の成長が停滞する

企業はそこで働く人々で成り立っています。離職率が高くなるということは、優秀な人材がどんどん離れてしまい、企業の成長が止まってしまうことを意味します。
停滞で済めばまだ回復できる見込みもありますが、最悪の場合は下降してしまうことも考えられます。

中小企業やベンチャー企業にとっては特に回避したいデメリットです。

従業員の定着率を高める方法10選

離職率が高くて悩んでいる企業にとってはどうにかして離職率を抑え、定着率を上げていきたいところです。

ここからは従業員の定着率を高める方法を紹介しますので、こちらを参考に取り組んでみましょう。

適切で客観的な人事評価制度に整える

人事評価は客観的な視点をもつことが重要です。主観的な評価はどの立場にも悪い結果をもたらしてしまいます。

評価される従業員が納得できるように、まずは評価者への教育も行いましょう。その上で自社の評価制度を見直して、もし制度そのものに問題がありそうであれば、新たな評価方法を取り入れていくことも検討していく必要があります。

正当な評価がされていることは、同じ企業で仕事を続けていくモチベーションになります。

風通しのよい職場環境に整える

社内コミュニケーションを活性化させることで、風通しの良い職場環境にすることも意識してみましょう。

社内SNSを活用したり、イベントを施すことで社員同士の交流出来る機会を増やしたり、座席を固定しないフリーアドレス制度を導入するなど、誰もが上司や他部署の社員と交流し気軽に相談できるような環境が理想的です。

風通しがよくなることでハラスメントなどの問題も予め防止することができますし、早期解決もできます。

メンター制度など相談できる仕組みを整える

同じ部署や社内に相談できる相手がいることは定着率アップにつながります。
その面で、メンター制度やブラザーシスター制度を取り入れている企業も増えてきました。

メンター制度は、他部署の先輩社員が新入社員のメンタルサポートを行うことです。
ブラザーシスター制度は、同じ部署の先輩社員が新入社員の業務・私生活共に相談(指導)役になることです。

どちらも新入社員にとっては不安を払拭できる制度であり、さらには先輩社員にとっては人材育成にもなり、取り入れる価値は大きいです。

多様な働き方ができる体制を構築する

コロナ禍もあり、今や企業で固定された体制の働き方は時代遅れとも捉われてしまいかねません。働き方にも多様性が求められています。

最近注目されているもので言えば、短時間勤務やテレワーク、フレックスタイムの導入などが挙げられます。

働き方に対する考え方は多種多様であり、そういった考えが尊重される時代でもあるので、従業員がどういうスタイルを望んでいるか把握するところから始めてみましょう。
可能な限り改革していくことで、この会社は従業員をしっかり見てくれているという認識になっていくでしょう。

手当や福利厚生を見直す

先の項目でも取り上げたように、福利厚生を整理することは離職率を下げる方法でもあります。
また給与以外の部分でも残業など、通常の業務外に関しては相応の手当が与えられていることも重要です。

独自性をもたせられる福利厚生は整理され、従業員が使いたい時に使えることが大切です。福利厚生で就職先を選ぶ求職者も居るため、機能していないと感じた場合にはすぐに見直しをしましょう。

社内アンケートで現状を分析する

離職率について社内アンケートを実施し、現状を把握して分析することも大切です。

実際に働いている従業員の声は、見えなかった社内の問題点や今後解決するべき課題を浮き彫りにすることができます。アンケートによって初めて見えてくるものもあるでしょう。直接で相談できないようなこともアンケートであれば意見しやすくもあります。

アンケート結果によって出てきた課題については、その中で優先順位を付けていき改善策を検討していくのがよいでしょう。

業務効率化を目指す

もし業務の進捗が悪いと感じるようであれば、ツールやシステムを導入して業務の効率化を計る必要があります。
今までの業務フローも一度見直すことで改善される部分も出てくるでしょう。

システムやツールによる様々な業務を自動化することで限られた人材で効率よく業務をこなせるようになります。

効率があがれば従業員の労働時間の短縮になり、長時間労働を防ぐことができます。残業などが常態化している職場ではすぐに改善すべき点です。

従業員の労働時間を把握・管理する

労働時間は従業員の抱えるストレスに直結するものなので、把握と管理にも力を入れましょう。

勤怠をシステムやツール上で管理することで、過度な残業を減らして従業員の心身の健康を保つことも離職率を抑える際には重要なことです。

見ないところでいつの間にか残業や長時間労働が常態化している、という事がないように管理しなければなりません。
管理体制が整っていることで、従業員も安心して業務を続けられる環境となります。

人材育成に注力する

キャリアアップや自分の将来の理想のためにスキルアップすることが目的で、現在の会社を選んだという人は少なくありません。

社内での教育プログラムや社外のワークショップへの参加、スキルアップの支援のための取り組みがあるなどの人材育成に注力されていることが需要です。

従業員が積みたいキャリアやスキルが得られる支援があれば、転職を考える必要もなくなり離職率を抑えることができます。

採用のミスマッチを防ぐ

採用のミスマッチも離職率を上げる原因となります。

採用時に自社が求める人材像を具体的に説明しているか、説明会や求人票の情報で誇張されているものがないか確認しておきましょう。離職率が高い場合は、ミスマッチが起きている可能性があります。

採用コストをかけて集めた人材の中で、入社前のイメージと入社後のギャップが生まれてしまうと、そこからさらに転職という流れが生まれてしまいます。また採用に同じコストを割くことにもなるので注意しましょう。

まとめ:離職率が高い会社の特徴を理解して社内改革を始めよう

単に離職率が高いというだけでなく、それには様々な要因があり、またそこから発生するデメリットも企業にとっては放置していいものではありません。自社の離職率につながっているものを見極め、社内改革を始めていきましょう。

原因の中でも、採用におけるミスマッチを減らしていくことは大切です。
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ぜひとも「採用ページコボット」を活用していただき、今後の離職率低下を目指しましょう!

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