【2024年問題】ドライバー不足を解消する5つの方法とは?

【2024年問題】ドライバー不足を解消する5つの方法とは?

【2024年問題】ドライバー不足を解消する5つの方法とは?

運送業界において、2024年問題によるドライバー不足の深刻化は大きな問題です。
本記事では、2024年問題とは何なのか、なぜドライバー不足が深刻化するのか、どのような対策を取ればよいのかといった点について解説します。人材の募集に便利なサービスの紹介もあるので、ドライバー不足に懸念がある運送業や物流業の経営者・管理者の方は、ぜひとも参考にしてください。

2024年問題とは

引用:物流の「2024年問題」とは|国土交通省 東北運輸局

2024年問題とは、働き方改革関連法で定められたドライバーの時間外労働の上限規制(960時間まで)によって起こると考えられている、さまざまな問題のことです。

上記の表の通り、働き方改革関連法によってドライバーの拘束時間が減ることで、休息期間が増えます。これらはドライバーの負担を軽減する一方で、収入の減少による離職を引き起こす懸念があります。

また、運送料金の値上げや運送業の利益減少といった問題も生じる可能性があるため、コスト増によって運送会社の負担が大きくなることも予想されます。
この問題は物流業界だけでなく、消費者にとってもマイナスの影響を及ぼす可能性があります。

2024年問題が引き起こす企業への影響

前項で説明した通り、2024年問題はドライバーの負担を軽減することが期待される一方、物流業界にさまざまな影響を及ぼします。この影響で、全国で約35%の荷物が運べなくなると試算されています。

あらゆる面で影響力の強い2024年問題ですが、本項目では企業に対して与える影響について詳しく解説します。
企業に与える影響は、労働者や消費者に対しても波及するものなので、しっかりと把握しましょう。

ドライバー不足

働き方改革によってドライバーの負担が軽減される一方で、走行距離の制限により給与水準が低下するという懸念があります。時間外手当の減少に加え、業績が落ちれば基本給のアップも見込めません。

給与が減れば待遇に不満を感じたり、生活が苦しくなったりという理由でドライバーの離職率が上がり、人手不足に拍車がかかるという可能性もあります。

企業がドライバー不足を防ぐには、ドライバー1人あたりの走行距離制限によって発生するコスト増に対応したうえで、ドライバーの給与を維持するという困難な課題の解決が求められます。

配送料減少による売上減少

ドライバーの稼働時間が少なくなれば、運送・配送のリソース不足につながります。このリソースが不足すれば、その分運搬できる荷物の量も減るため、売上も減少する恐れがあります。

また、リソースが不足すれば、受託できる案件も限られてしまいます。案件が減ることによってさらに売上が減少するという悪循環にも陥りかねません。

1日あたりの運搬量の減少は、その分の売上が減るだけでなく、案件を受託できなくなることによって、荷主との関係にも影響を及ぼしてしまうため、長期的にも利益の減少につながってしまう可能性があります。

時間外労働の賃金割増に伴う人件費高騰

2024年4月から中小企業に対する「時間外割増賃金」が適用され、月60時間超の時間外労働への割増賃金が25%から50%に引き上げられました。

また、22時から翌5時までの深夜時間帯の時間外労働については、深夜割増賃金として25%が加算されます。そのため、60時間超の時間外労働かつ深夜労働の場合、割増賃金率は75%となります。

人手不足の企業はどうしても1人に業務が集中しがちなので、時間外労働が月60時間を超えてしまうこともあります。この割増賃金が原因で、人件費が高騰してしまうというリスクがあります。

2024年問題で改めて注目された「ドライバー不足」の原因

ドライバーの人手不足は、2024年問題で改めて問題視されました。しかし、2024年問題以前からドライバー不足は深刻なものでした。

ドライバーの人手不足を解消するには、以前からの課題に目を向ける必要があります。本項目で人手不足の原因について解説するので、問題解決のためにまずはしっかり把握しましょう。

過酷な労働条件

ドライバーは肉体労働であるうえに、勤務時間も長い傾向にある一方で、給与水準は低いという過酷な労働条件を課されています。

全日本トラック協会の令和4年の資料によると、ドライバーの年間所得は全産業平均と比較して、大型トラック運転手で約5%低く、中小型トラック運転手で約12%低くなっています。

その一方で、ドライバーの年間労働時間は全産業平均と比較して、大型トラック運転手で432時間(月36時間)長く、中小型トラック運転手で384時間(月32時間)長くなっています。
こうした労働環境により、若年層や新しい労働者が定着しづらくなっているというのが現状です。

宅配の需要増加・高速化

新型コロナウイルスの影響もあり、宅配の需要は年々高まっています。令和4年度の国土交通省の調査によれば、トラックによる宅配便取扱個数は、平成26年から毎年最高記録を更新しています。

宅配便取扱個数が増加する一方で、ドライバーの人手不足は解消されていないため、ドライバー1人あたりの業務は増え、負担は大きくなっています。

さらには、翌日配送や指定日配送といったサービスが当たり前のものになっているため、業務の高速化も求められてしまい、ドライバーの負担が大きくなる一方であることも人手不足の大きな原因です。

運転免許制度の改正

以前の運転免許制度では、普通自動車免許取得者であれば2トントラックを運転することができました。しかし、平成29年の改正によって、新たに運転免許を取得した人の運転できる車両が変わりました。

2トントラックは準中型自動車という新設された区分に分類され、運転するためには準中型免許の取得が必要というのが現行の制度です。

そのため、以前であれば普通自動車免許さえ取得すれば就けた仕事にも、準中型以上の免許が必要になってしまいます。この実態がドライバーという仕事のハードルを上げ、人手不足につながっています。

交通事故の危険性

トラックの事故がニュースで大きく報道されることから、配送業は事故が多いというマイナスイメージがあることも、ドライバーになる人が少ない原因の一つです。

実際には、警察庁が発表している「交通事故統計」によると、営業用トラックの事故率は減少傾向にあります。しかし、この情報が報道されることは少ないため、世間的には知られていません。

また、ドライバーは労働時間が長く、疲労がたまりやすい仕事であることは事実です。そのため、運転ミスによって事故を起こしやすいのではないかという推測が成り立つことも、このマイナスイメージの一因です。

増加しない女性ドライバー

女性の社会進出が進む一方で、女性ドライバーは依然として増えていません。その背景には、ドライバーの職場環境が女性に働きづらい状況であるという理由が考えられます。

たとえば、出産・育児に伴う休業や、その後の復帰といった保障制度が整備されていない職場が多いことが挙げられます。また、女性用の更衣室やトイレが勤務先・納品先に用意されていないことも多いです。

根本的な問題として、ドライバーの長時間にわたる肉体労働に耐えられる体力を持った人間が、男性に比べて少ないということも挙げられます。
女性ドライバーを増やすには、こういった点をカバーすることが求められます。

2024年問題で加速するドライバー不足への対策

現状でも深刻なドライバー不足は、2024年問題でさらに加速する可能性があります。この問題の解決に対して、企業は適切な対策を取らなければなりません。

本項目では、企業が取るべきドライバー不足への対策について解説します。即座に解決できる問題ではありませんが、粘り強く対策を続けましょう。

女性も働きやすい環境づくり

現在、業界全体で女性ドライバーが少ない分、女性でも働きやすい環境を整えれば、人材の確保もしやすくなります。

産休・育休やその後の復帰といった保障制度を設けたり、女性専用のトイレや更衣室を用意したりする取り組みが必要です。

また、労働内容にも女性向けの工夫が必要です。たとえば、荷物分けの段階で女性でも運びやすい重量のものを任せたり、比較的短いコースを選んだりするようにしましょう。
ドライバー専業にするのではなく、他の業務も割り当てることで体力的な問題を解決することもできます。

給与や待遇などの労働条件の改善

人材不足を解消するにあたって、労働時間の見直しや報酬水準の引き上げといった労働条件の改善は欠かすことができません。

現在ドライバーを志望する人が少ないのは、労働条件が悪いというイメージが大きな原因です。2024年問題で人材不足の加速が懸念されるのも、労働条件が悪化する可能性があるためです。

労働条件を改善することが、人材不足解消の根本的な手段です。
労働条件改善を実現し、それを適切にアピールできれば求職者にとって魅力的な就職先になります。求人情報を調べたとき、同業他社よりも良い会社だと思ってもらえる条件を設定しましょう。

共同配送や在庫拠点の分散

物流会社間で連携して行う共同配送により、輸送を効率化することも人材不足の解消につながる手段の一つです。

たとえば、3つの企業の荷物をバラバラに運べば、3人のドライバーと3台のトラックが必要になります。しかし、共同配送であれば1人のドライバーと1台のトラックで3つの企業の荷物を運ぶことができます。

また、在庫拠点の分散も配送効率の向上に役立ちます。
拠点が分散すれば、納品場所や配達エリアとの物理距離が縮まり、リードタイムを短縮できます。これによって、ドライバーの勤務時間も短縮でき、負担の軽減につながります。

DXによる業務効率化

配車や輸送計画をデジタル化することで、配送の業務効率化が期待できます。業務の複雑な面をデジタル化によりシンプルかつ直感的にすることは、工数の削減につながります。

デジタル化は、ドライバーの勤務時間の正確な把握にも役立ちます。勤務時間の把握とまとめを正確に手早く行うことができれば、人件費の調整もスムーズになります。

デジタル化によって業務を効率化することは、新しい人材を増やすのに貢献するのはもちろんのこと、少人数の体制で業務を回すことにも役立ちます。設備投資のコストはかかりますが、大きなリターンもあります。

求人方法の見直し

人手不足解消のためには、当然のことながら新たな人手を増やす必要があります。そのためには、労働条件や職場環境といった会社の質を改善するだけでなく、それを適切にアピールしなければなりません。

ドライバーの働きやすい職場にするために行っている施策や、女性の雇用に力を入れていることなどをわかりやすくアピールしましょう。ドライバーにとって魅力的に見える求人ページ作りも大切です。

魅力的なアピールの仕方がわからないという方は、プロの手を借りるのが確実な手段です。
また、会社の従業員を増やすだけではなく、個人事業主との連携も視野に入れるとより人手不足の解消につながります。

まとめ:2024年問題で深刻化するドライバー不足は採用業務のDX化で解消

2024年問題で深刻化するドライバー不足に対応するには、人材を集めるための具体的な施策が必要です。労働条件や労働環境を改善し、その成果をしっかりとアピールしましょう。

求職者にアピールするためには、採用業務のDX化がおすすめです。
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また、応募者のスキルや就業条件を事前に確認できるので、採用ミスマッチも少なくなります。面接日時の調整も自動で行うため、担当者の工数削減にもつながります。
人材不足の効率的な解消のため、ぜひとも「採用ページコボット」の導入をご検討ください。

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