【2022】「人材派遣」と「アウトソーシング」の違いは?成功事例を紹介│コボットLAB

【2022】「人材派遣」と「アウトソーシング」の違いは?成功事例を紹介

人材派遣とアウトソーシング

ビジネスにおいて人材の確保は容易ではありません。限られたリソースを最大限活用するために、外部の企業に業務の一部を委託するという方法を取り入れる企業も増えてきました。

しかし、人材派遣とアウトソーシングの違いや使い分け方、自社がどちらに適しているのか分からないという疑問を持っている人も多いのではないでしょうか?

今回は、人材派遣とアウトソーシングの違いについて解説します。それぞれのメリット・デメリットを把握して、自社に最適な方を採用してみてください。

また、業務によっては人材派遣に適している作業、アウトソーシングに適している業務があります。どちらに委託するかの判断基準についても詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

人材派遣とアウトソーシングの違い

最初に、人材派遣とアウトソーシングの違いについて解説します。

人材派遣とアウトソーシングの違いを簡単にいえば、「業務を行う人を手配してもらう」か「業務自体を行ってもらうか」です。「外部に業務を依頼する」という点では共通していますが、細かな部分では大きな違いがあります。 「契約形態」「対価発生」「契約期間」「業務範囲」の4つの項目に分け、順に解説していきます。

なお、違いをまとめると下の表のようになります。

比較項目人材派遣アウトソーシング
契約形態労働者派遣契約業務委託契約
対価発生派遣労働者の成果委託企業の業務遂行や成果物
契約期間上限あり※有期雇用派遣の場合:3年上限なし
業務範囲制限あり※労働者派遣法で禁じられている業務制限なし

契約形態

同じ外部に業務を依頼するといっても、そもそも契約形態が異なります。

人材派遣は、派遣先企業(自社)と人材派遣会社との間で労働者派遣契約を締結し、人材派遣会社が派遣先企業に労働者を手配します。労働者に対する指示や教育、場所の提供などを含めた業務管理は、派遣先企業が行わなければなりません。

アウトソーシングは、委託会社(自社)と受託会社(アウトソーシング会社)と業務委託契約を締結します。作業場所の確保や、実際に業務をするスタッフの手配・管理など、業務の遂行に関わることは、すべてアウトソーシング会社が行います。

対価発生

契約形態が異なれば、発生する対価も変わってきます。

人材派遣は、労働者を派遣し、派遣先での労働によって対価が発生します。自社に即戦力となる人材を手配してもらい、社員以上の成果をあげれば派遣会社の評価は高くなるでしょう。

アウトソーシングは、依頼した業務の遂行や成果物の納品によって対価が発生します。業務自体を依頼しているため、委託会社(自社)の求めるレベルまで達成できているか、きっちり要望に応えているかが対価基準となるでしょう。

契約期間

業務遂行における契約期間に違いがあります。

人材派遣においては、法律上契約期間に上限があります。企業へ派遣される期間が事前に決められている有期雇用派遣の場合、派遣期間の上限は3年です。3年以上派遣を望む場合は、正社員や契約社員などの別の雇用形態に切り替える必要があります。

アウトソーシングについては、法的な規制はありません。契約期間は委託会社と受託会社の間での任意に設定し、長期に継続することも可能です。

業務範囲

扱える業務が同じではありません。

人材派遣では、労働者派遣法で禁じられている業務があります。港湾運送業務や建設業務、警備業務、医療関連業務などで、派遣労働者は該当業務に関わる作業はできません。

行える業務に制限があります。

アウトソーシングにおいては法律で禁止されている業務はなく、ほぼすべての業務を扱えるといえるでしょう。

人材派遣のメリット・デメリット

人材派遣とアウトソーシングの違いを把握したら、それぞれのメリット・デメリットについても確認しておきましょう。双方の特性を理解すれば、自社に合った施策はどちらであるかをより正確に決断できるようになるからです。

まずは、人材派遣のメリット・デメリットを解説していきます。

人材派遣のメリット

人材派遣の主なメリットは次の3点です。業務面において、自社で臨機応変に対応ができることが大きな利点だといえるでしょう。

  • 必要に応じた人材調整ができる
  • 自社で業務管理ができる
  • 費用コストが抑えられる

必要に応じた人材調整ができる

人材派遣は、必要なときに必要な人材を補充できます。

たとえば、小売業では、中元・歳暮期などの繁忙期に応援販売員が必要となると考えられます。人材派遣であれば、社員に一から知識を覚えさせる手間なく、専門スキルを持った人材を数ヶ月間、限られた期間だけ確保できます。

専門性の高い働き手を任意に手配できるのは、時期によって左右される企業には非常に活用できる点ではないでしょうか。

自社で業務管理ができる

派遣労働者は、派遣先企業に従事します。そのため、企業は派遣労働者に直接業務の指示ができ、業務の管理をしっかりと行えます。

業務を目に見える範囲で行われるのであれば、企業側も安心でしょう。イレギュラーな業務にも対応ができることも魅力です。

また、情報漏えいのリスクを抑制できるのも大きなメリットです。自社内のセキュリティ対策ルールに従うため、社内情報が外部に流出する可能性も低く抑えられます。

費用コストが抑えられる

人件費を削減する効果も期待できます。正社員を雇用すれば、給与だけでなく賞与や昇給、社会保険料、交通費、福利厚生費なども支払わなければならず、一人あたりにかかる人件費は決して安価ではありません。

対して、派遣労働者では先述のような費用は発生しないため、人材費用コストを抑制できます。

人材派遣のデメリット

続いて、人材派遣のデメリットを解説します。人材派遣特有の制限と自社で管理することによる負担があげられます。

  • 期間・業務内容に制限がある
  • 派遣社員への育成コストが発生する
  • 所属意識を低下させないサポートが必要になる

期間・業務内容に制限がある

人材調達に融通が利く派遣ですが、すべての業種や業務で活用できるわけではありません。

「人材派遣とアウトソーシング違い」のところでも紹介したように、人材派遣は派遣期間が上限3年(「有期雇用派遣」の場合)で、業務も労働者派遣法により一部制限されています。そのため、専門的な業務を依頼しようと思っていても、要望に添えない場合があるでしょう。

派遣労働者への育成コストが発生する

派遣労働者は、派遣先企業管轄のもと業務を行います。派遣先企業で円滑に業務を行うために、自社専用システムの操作方法を教えたり、運用ルールを覚えさせたりと教育に対する労力が発生します。

さらに、派遣労働者を社内でしっかり育てたとしても、契約期間が終了すれば辞めてしまう可能性があり、派遣労働者が入れ替わるたびに引き継ぎ作業を行う手間も発生することが考えられます。

所属意識を低下させないサポートが必要になる

派遣される労働者全員が、必ずしも派遣先企業に対する高い所属意識を持っているとは限りません。中には、所属意識が低い、あるいは最初は高かったけれどどんどん低下していったという人も出てくることでしょう。

そのような状態では、業務に支障が出てしまう可能性もあります。派遣先企業に貢献してもらうためにも、積極的なコミュニケーションや定期的なミーティングを行うなど、派遣労働者と上手く交流を図る工夫が必要になります。

アウトソーシングのメリット・デメリット

次に、アウトソーシングのメリットとデメリットについて解説していきます。人材派遣と同様にそれぞれの特徴を理解し、知見を深めていきましょう。

アウトソーシングのメリット

アウトソーシングの主なメリットには次のものが挙げられます。あらゆる業務を外注でき、自社業務に専念できることが大きな強みでしょう。

  • ・高付加価値業務に集中できる
  • ・雇用費用を抑えながら、専門的なスキルを活用できる
  • ・期間や業務内容に制限がない

高付加価値業務に集中できる

業務そのものをまとめて外部に依頼できるので、自社での管理が不要になります。そのため生産性の高い業務(コア業務)に集中できます。

特に、ルールが決まっている業務など生産性につながりにくい業務をアウトソーシングすることで、より業務効率化の効果が高まるでしょう。

雇用費用を抑えながら専門的なスキルを活用できる

人材を直接雇う必要がなくなるので、人件費や採用費用、育成費用が抑制できます。また、作業するためのPCやデスクなどの設備費用も抑えられることも魅力だといえるでしょう。

さらに、委託先の専門スキルを活用できます。分野に精通した会社に業務を委託すれば、自社で行うよりも業務の品質向上が見込まれ、人材不足の解消にもつながるでしょう。ただし、アウトソーシング会社との打ち合わせや要件の洗い出しなど、業務委託するため準備にコストが生じることを考慮しなければなりません。

期間や業務内容に制限がない

アウトソーシングは人材派遣と違い、委託業務における作業期間や扱う業務に法的な制限はありません。社内のあらゆる部門に、業務効率化を実現することができるでしょう。

アウトソーシングのデメリット

続いて、アウトソーシングのデメリットについて解説します。自社で制御できない点が主な弱みだといえます。

  • 自社対応が難しくなる
  • 情報漏洩のリスクがある
  • スキルやノウハウが蓄積されない

自社対応が難しくなる

業務を完全に委託してしまうため、自社で突発的な対応をすることが難しくなります。社内外の急な事情変更により、作業をプラスする、今月だけ違う方法で処理するなど、臨機応変な対応が多い作業には向いていないといえるでしょう。

また、自社で十分に業務管理できないのもデメリットです。人材派遣のように直接指示ができず、可視できる範囲外で業務が遂行されるため、日々アウトソーシング会社との綿密なコミュニケーションが必要になります。

情報漏洩のリスクがある

業務を委託するには、社内の情報をアウトソーシング会社に共有しなければなりません。社内情報の中には顧客や社員などの個人情報も含む可能性もあるでしょう。

アウトソーシング会社でも情報セキュリティ対策は行われていると考えられますが、管理ルールが自社と同じであるとは限りません。外部に社内情報を提供する以上、依頼先企業における情報の扱い方を事前にしっかり確認し、信用できる会社に委託しましょう。

ノウハウやスキルが蓄積されない

業務をアウトソーシング会社へ任せっきりにしてしまうため、自社社員の専門知識を取得する機会が失われます。

ノウハウやスキルを共有するためには、依頼先企業とのミーティングや進捗確認など共有する場を設ける工夫が必要になるでしょう。また、すでに自社内でノウハウを確立している業務を委託することも効果的だといえます。

人材派遣かアウトソーシングかの判断基準

人材派遣かアウトソーシングか

ここまで、人件派遣とアウトソーシングのメリット・デメリットをお伝えしてきました。

人材派遣は人材・業務において自社でコントロールできるものの、育成コストが生じ、期間や業務範囲に制限があります。一方、アウトソーシングは社内のあらゆる業務に着手でき、業務の品質向上に適していますが、イレギュラーな対応には融通が効かず、スキル定着機会の損失と情報漏えいリスクもあることが特徴です。

続いては、実際にどちらの方法を採用すべきか、判断すべき基準について解説していきます。自社の業務に照らし合わせながら確認してみてください。

定型業務か非定型業務か

定型業務はアウトソーシングに向いており、非定型業務は人材派遣に向いています。

対象業務がマニュアル化しやすく、必ずしも社内で行う必要のないものである場合、外部へ委託しても問題はなく、アウトソーシング会社も不備なく業務を遂行できるでしょう。対して、人の判断が都度必要であり、臨機応変な対応が求められる業務を委託すると、指示のやり取りや反映に時間がかかり、余計な手間が発生してしまいます。

業務遂行に対して明確な基準を設けているのであればアウトソーシングを、そうでなければ人材派遣で対応しましょう。

自社が直接指示を出す必要があるか

現場管理者のチェックが必要など、自社(委託会社)が判断しないと前に進まないような業務は人材派遣を活用すべきでしょう。

人材派遣は、派遣先の企業が労働者に直接指示を出せることが特徴の一つです。そのため、業務管理もしっかり行えるので状況に応じた判断ができます。

アウトソーシング会社の場合は業務を請け負っている形なので、業務に関わる意思決定はありません。

委託する前に、対象業務が自社の意思に委ねられるものであるか確認しましょう。

人数が必要か

業務量が多く、複数名で担当している業務はアウトソーシングが向いているでしょう。毎日処理しなくてはならないルーティーン業務であれば外注が効果的です。

一方で、業務量が多くても少人数で対応できている業務であれば、人材派遣が適しています。事務作業員であれば、ファイリングやデータ入力など多数の業務を抱えているものの、一人いれば遂行できます。その場合、人材派遣で対応する方が費用対効果は大きいと考えられます。

このように、社員一人にかかるコストから判断することも基準の一つです。

ノウハウの蓄積が必要か

ノウハウや専門スキルの蓄積が必要であれば人材派遣、不要であればアウトソーシングが適しています。

人材派遣では、自社内にない専門的なスキルを持った人材がいる場合もあります。そのような派遣労働者から自社の社員に知識や情報を共有してもらえれば、社内にノウハウが蓄積され、社員育成にもつながるでしょう。

アウトソーシング会社に委託すると、専門的な知見を共有する機会がなくなるため、ノウハウを蓄積できる可能性は低くなります。

将来的に対象業務における知識が必要になるかどうかも、考慮するポイントだといえます。

時間や納期が十分にあるか

業務に着手するまでの時間がなく、納期も迫っている場合はアウトソーシング会社を選ぶと良いでしょう。その際は、すでにノウハウや設備を持っている会社、経験値が高い人材が揃っている会社を選択するよう注意が必要です。業務を一括依頼することで生産性の高い業務に集中できるようにしましょう。

時間も納期にも余裕がある場合は、人材派遣も選択肢に入れてください。新規プロジェクトなどの作業が軌道に乗るまでに時間がかかる業務は、初期のころはミスなども生じやすいため、経験とスキルを持った人材を派遣してもらうようにしましょう。

業務を社外に出せるかどうか

社外に委託できる業務であればアウトソーシング、出せないのであれば人材派遣で対応すべきです。

そもそも業務自体を外注できなければ、アウトソーシングという選択肢はありません。選定業務が外部に委託しても良いものなのか、事前に業務内容をしっかり確認しましょう。

適正業務例

最後に、人材派遣とアウトソーシングで依頼すると良い業務例を紹介しましょう。

人材派遣に向いている業務

人材派遣に向いているのは、サービスを提供したり、その場で人や企業に意思決定を委ねたり、コミュニケーションが必要となる業務だといえます。

  • 販売・接客業
  • 企画や研究業務
  • マーケティング業務
  • 新規プロジェクト など

アウトソーシングに向いている業務

一方、ルール変更があまりない定型かつ継続的で業務量が多く、人的コストをかけられないような業務には、アウトソーシングが向いています。

  • 労務管理・採用業務
  • 経理業務
  • IT事業
  • 総合受付 など

人材派遣やアウトソーシングの成功事例

続いて、人材派遣やアウトソーシング行って、業務の効率化や十分なリソースの確保ができた企業の事例を紹介します。

全国農業協同組合連合会 京都府本部:常に条件の合う良質な人材の確保を実現 

JA全農京都では、常に折込チラシやハローワークを活用して求人募集をしてきました。しかし、アナログな方法ではなかなか人材が確保できないため、採用ページコボットを活用しWeb上で採用ページの作成をしました。

それにより、月に3〜5名の応募がくるようになり、条件に合う方を確保できるようになりました。

業務時間を1/10に削減できた株式会社メッセホールディングス

採用ページコボットを導入し、採用ページのアウトソースをしたことで採用にかける業務時間を1/10にまで削減することができたのは、パチンコ店や複合施設を運営している株式会社メッセホールディングスです。

文言や写真のイメージを伝えるだけで理想の採用ページが作れる採用ページコボットを利用。面接コボットと合わせて活用することで面接日程の調整なども不要になったのでよりコア業務に集中できるようになりました。

有資格者の採用ができた有限会社ヤマデン

自社の採用ページ作成を外注した有限会社ヤマデン。事業内容や福利厚生を詳しく記載することで自社への理解を深め、有資格者2名の採用に成功しています。

大枠の求人ページは事前に担当者が作ってくれるため、会社側は原稿をチェックするだけで大幅な業務の削減を実現し、結果的に求めていた人材の採用ができました。

年間477件の応募を獲得!株式会社トミダ

株式会社トミダはスーパーマーケットを展開する企業。新店舗のオープンに伴いパートやアルバイトスタッフを一定数確保することが課題でした。

採用ページコボットを導入し、求人サイトの運営をアウトソーシング。担当者に希望を伝えるだけですぐに理想の採用ページにしてくれるから、補充が必要になったタイミングで適宜募集をしてきました。結果的に1年間で477件の応募を獲得し、効率的な求人募集を展開しています。

受注確度の高いアポイント獲得でテレアポ業務を効率化!株式会社広済堂ビジネスサポート

株式会社広済堂ビジネスサポートは、アポイントの取得作業を「HRコボットfor営業リスト」と「アポ獲得支援」にアウトソースしたことで、リストの作成や企業の精査にかける時間を削減することができました。

営業スタッフの負担を減らしながらも、自社のサービスを求めていそうな確度の高い顧客に効率的にアプローチができるようになり、結果的に業務効率化を実現しています。

まとめ

人材派遣とアウトソーシングの違いについて、それぞれのメリット・デメリットを解説しました。双方の違いをしっかりと理解し、自社に適した方法を選択することが大切です。

業務によっては人材派遣とアウトソーシングを使い分ければ、社内のリソースを有効に使うことができるでしょう。

当社ディップ株式会社では、アウトソーシングや人材派遣に依頼すると良い業務である採用業務や労務管理、新規プロジェクトなどを効率化できる「採用ページコボット」「HRコボットfor応募対応」を提供しています。

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