SEOとMEOはそれぞれの違いを理解して対策を行うことが大切です。どちらにもメリットとデメリットがあり、向いている業種・業態が異なります。とくにMEOについては新しい対策方法のため、取り組んでいる店舗も多くはありません。
「SEOより効果あるの?」「ローカル検索で上位表示されるまでどのくらい?」など気になることも多いことでしょう。今回はSEOとMEOの6つの違いについて詳しく解説します。Web集客に関心をお持ちの方はぜひ参考になさってください。
SEOとは検索エンジン最適化のための施策
SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略称で、ユーザーがあるキーワードでGoogle検索をしたときに検索結果ページで上位に表示させることを目的とした対策方法のひとつです。自社サイトやコンテンツなどを上位に表示させることで、多くのユーザーの目に触れることになります。
SEO対策のやり方は、キーワードをコンテンツ内に盛り込むことですが、単純に盛り込んでいけばよいわけではありません。「Google検索セントラル」では「有用で信頼性の高いユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」が大切であると記載しています。ユーザーにメリットのある高品質なコンテンツづくりに力を入れることが大切です。
SEO対策のメリット
SEO対策は検索結果からアクセス数を集めることができるため、Webマーケティングには欠かせない対策です。ほかにも以下のようなメリットがあります。
- 集中力が高い
- 中長期的な集客効果を得られる
- 潜在顧客にアピールしやすい
- 広告費がかからない
それぞれ詳しく解説しましょう。
集客力が高い
SEO対策の1つ目のメリットは、集客力の高さです。集客力の高さを表す指標にクリック率があります。クリック率は「CTR(Click Through Rate)」とも呼ばれており、検索結果のページで表示された回数に対して、コンテンツをクリックしたユーザーの割合をさしています。
ドイツのソフトウエア会社SISTRIX社の調査結果※1によると、Google検索の1位の平均クリック率は28.5%とわかりました。
順位 | クリック率(CTR) |
---|---|
1 | 28.5% |
2 | 15.7% |
3 | 11.0% |
4 | 8.0% |
5 | 7.2% |
6 | 5.1% |
7 | 4.0% |
8 | 3.2% |
9 | 2.8% |
10 | 2.5% |
参照:SISTRIX Why(almost)everything you knew about Google CTR is no longer valid
1位と10位では約10倍の差があります。seoClarityの調査結果※2でも1位は13.94%、10位は1.32%と約10倍の差があることから、上位に表示されるほどクリック率は確実に高くなります。
クリック率が高いということは、それだけ多くのユーザーの興味を引いたということです。このことからWebサイトやコンテンツに多くのアクセス数を集めるには、SEO対策が効果的だとわかります。
※1 SISTRIX「Why(almost)everything you knew about Google CTR is no longer valid」
※1 seo Claritty「CTR調査」
中長期的に集客効果を得られる
検索エンジンがWebサイトを評価する要素をアルゴリズムといいます。アルゴリズムは定期的にアップデートされますが、いったん上位を獲得できればよほど大きな変動がない限り順位が下がることはありません。
SEOで高評価を得るための具体的なポイントは公開されていません。ただし、Googleは「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」を重視しています。高品質なコンテンツを継続して投稿することはユーザーにとって大きなメリットとなるだけではなく、Googleからも高い評価を得ることができます。
潜在顧客にアピールしやすい
SEO対策のメリットとして潜在顧客にアピールしやすいことがあげられます。潜在顧客とは、悩みや課題があるのにもかかわらず、解決するための行動を起こしていない顧客のことです。
たとえば「時計 選び方」で検索をした人は、時計をすぐに購入するのではなく、「選び方」を知りたいわけです。ここから購入へつなげるには、ユーザーが納得して購入を決意するようなコンテンツをつくらなければなりません。
SEO対策はこのような潜在的な意識をもつ顧客に向けてアプローチがしやすいメリットがあります。
広告費がかからない
自社サイトの集客方法にはSEO対策以外にWeb広告があります。Web広告の費用は種類によって異なりますが、数十万円は必要です。自社でSEO対策が内製化できれば、広告費用をかけずに集客できます。
ただし、SEO対策ならコストがかからないわけではありません。市場調査やWebサイトのデザイン、コンテンツとして記事や写真の作成など、さまざまなコストがかかることを覚えておきましょう。
SEO対策のデメリット
魅力的なメリットが多いSEO対策ですが、デメリットもあります。効果的なSEO対策を打つためにも、しっかりと理解しておきましょう。
上位表示されるまでに一定の期間がかかる
SEO対策は対策後、すぐに効果を得られるものではありません。検索エンジンがコンテンツを見つけて、公開されるまで時間がかかるものです。SEO対策の専門業者へ依頼しても、短期間では効果を得られないことを理解しておかなければなりません。
SEO対策はあくまで中長期的な視点が求められます。短期間で集客をしたいなら、費用がかかりますがWeb広告がおすすめです。
検索ボリュームの大きいキーワードは対策している競合が多い
SEO対策はユーザーが検索したキーワードで上位表示を目指すための対策方法です。キーワードの検索数が大きければ競合も増えます。とくに競合がSEO対策に予算のある大規模なポータルサイトの場合、なかなか勝つのは難しいでしょう。
競合が多いなかで上位表示を目指すには、複数語句を組み合わせたロングテールキーワードでコンテンツを作成するなど戦略を立てる必要があります。またアルゴリズムは定期的にアップデートするため、つねに最新バージョンを理解したうえで高品質のコンテンツを作成し続けなければなりません。
検索結果の表示画面でMEOの下に表示される
Googleの検索結果は広告、MEO、SEOの表示枠があり、キーワードによって表示の順番や見え方は異なります。MEOはGoogleマップの検索結果で上位に表示させるための対策方法です。上位3位に表示されれば、Googleの検索結果でマップとともに上部に表示されます。投稿した写真とともに表示されるため、視認性が高いのが特徴です。
MEO対策は病院やクリニックなど緊急性の高いジャンルや、美容室など口コミで来店を判断する業種・業態で効果を期待できる集客方法です。同業種・同業態の場合、MEO対策をしている競合に負けてしまう可能性があります。
MEOとはマップエンジン最適化のための施策
MEOとは「Map Engine Optimization」の略称で日本語では「マップエンジン最適化」と呼ばれ、自店舗の情報をGoogleマップの上位に表示させるための対策を指します。「地域名+業種(お店の種類)」などのキーワードで検索される業種・業態に向いています。自店舗がどのようなキーワードで検索をされるのか調べておくことで効果的な対策が可能です。
基本的な方法はビジネス情報やユーザーとのやり取り、最新情報の投稿などをこまめに行ってGoogleビジネスプロフィールの情報を充実させることです。
MEO対策のメリット
MEO対策はSEO対策と異なるメリットがあります。手間や効果など自社にあっているのはどの対策なのか検討することが大切です。かんたんに解説します。
SEOの結果よりも上に表示される
MEO対策のメリットは、検索結果ページ上部に表示されるため、注目を集めやすいところです。検索結果のページには広告枠、SEOコンテンツ、MEOコンテンツが表示されます。これらの表示される順番はキーワードによって異なるものの、MEOはSEOよりも上位に表示されやすい傾向があります。
MEO枠で表示されるのは基本的に3店舗で「ローカルパック」と呼ばれます。デバイスやユーザーの環境によっては3店舗ではなく、2店舗の表示になることもあります。
見込み客の目に入りやすい
MEOは店舗情報と写真、Googleマップで表示されるため、視認性が高く見込み客の目に入りやすいメリットがあります。基本的に「地域名+サービス名」で検索をした場合に表示されるエリアのため、来店意思の強いユーザーにアピールが可能です。
表示された一部の情報をきっかけに、Googleビジネスプロフィールへのアクセスが増えるため、より高い集客効果が期待できます。
SEO対策より気軽に始めやすい
MEO対策はSEO対策よりも難易度は低めです。SEO対策に比べてまだ新しい施策でライバルも多くありません。競合は近隣の店舗なので、もし近隣店舗がMEO対策をしていなければ上位表示を狙うことも可能です。
投稿内容には共通したルールがありますが、MEO対策なら競合が大規模なポータルサイトでもMEO対策なら上位表示が狙えるため、SEO対策よりも気軽に集客対策を講じることが可能です。
費用対効果が高い
MEO対策の費用対効果が高い理由は、自分で行えるため費用がかからないこととGoogleマップ上にもビジネス情報を掲載できる点があげられます。SEO対策も自分でやれば基本的にお金はかかりませんが、どんなにがんばっても効果があるのは、検索結果のページのみです。
MEO対策は検索結果のページとGoogleマップの検索結果の両方で上位表示を狙えます。予算をかけずに大きな集客効果を得るならMEO対策がおすすめです。
MEO対策のデメリット
高い集客効果が期待できる魅力的なMEO対策ですが、メリットばかりではありません。ここではMEO対策のデメリットについて解説します。
口コミによる悪影響を受ける恐れがある
MEO対策ではユーザーからの口コミに対応が必要です。口コミの数はMEOの上位表示に欠かせない要素ですが、口コミで低評価レビューがつけられると順位に大きく影響を与えます。店舗側でお客さんの評価内容をコントロールすることはできません。
対策としては、低評価のレビューがつけられても真摯な姿勢で対応することです。Googleのポリシーに違反している口コミについては、Googleに削除を依頼できます。
定期的に情報の更新を行う必要がある
MEO対策で上位表示を目指すには、定期的に店舗情報の投稿や最新情報への更新、口コミへの返信などやらなければならないことがたくさんあります。
一度上位に表示されても、こうした情報の更新や口コミの返信を怠った場合、順位が下がってしまったり低評価レビューやポリシー違反の口コミが増えてしまうおそれがあるため注意が必要です。また、古い情報がGoogleのペナルティの対象となってしまうケースもあるため、定期的に情報の更新を心がけましょう。
SEOとMEOの6つの違い
SEOとMEOは名称が似ている集客対策のため、よく間違えられます。SEOとMEOには主に6つの違いがあります。
- 検索結果の表示の違い
- 対策する対象の違い
- 対策方法の違い
- 発生する費用の違い
- 難易度の高さの違い
- 効果が出るまでの期間の違い
それぞれかんたんに解説します。
1. 検索結果の表示の違い
まず、SEOとMEOですがSEOは検索結果の表示に違いがあります。どちらもユーザーのキーワード検索までは同じですが、SEOはGoogle検索結果にWebサイトを表示させるための対策方法です。
対してMEOはGoogleマップの検索順位で上位に表示させることを目的としており、上位3位に入ると「ローカルパック」としてGoogle検索結果にも表示されます。つまりMEOのほうがSEOよりも露出の機会が多いのです。
2. 対策する対象の違い
SEO対策とMEO対策はそれぞれ対象が異なります。SEO対策の対象は自社サイトやECサイトなどのコンテンツです。上位表示を目指すには高品質なコンテンツを登録・更新したり、キーワードの設定やサイト設計などの対策を講じなければなりません。
MEO対策の対象はGoogleビジネスプロフィールです。自店に関する情報を登録したら、あとは最新情報の投稿やユーザーからの口コミの返信を行って上位表示を目指します。
3. 対策方法の違い
SEOとMEOは内部対策と外部対策がありますが、それぞれ対策方法が異なります。
対策 | 内部対策 | 外部対策 |
---|---|---|
SEO | 顧客ニーズに応じたコンテンツの作成 通信速度を改善 レスポンシブデザイン | 被リンク獲得 SNSのメンション数を増やす |
MEO | ビジネス情報の充実 最新情報の投稿 口コミへの返信 | 口コミを集める ブログやSNSでサイテーションを集める Webサイトに情報を掲載する |
4. 発生する費用の違い
SEOとMEOはそれぞれかかる費用が異なります。どちらも自分でやれば費用はほとんどかかりません。ただし、専門業者に依頼するとなるとMEO対策は月額2~5万円ですが、SEO対策は月額5~50万円もかかります。SEO対策の費用が高い理由は、狙っているキーワードやWebサイトの規模、競合サイトの調査など、対策が必要な項目が多いことがあげられます。
専門のツールの導入が必要な場合、初期費用の金額も変わってくるため、予算に限りがあるときはどちらの対策方法がよいのか検討することが大切です。
5. 難易度の高さの違い
SEOとMEOは難易度が異なります。SEO対策と比べてMEO対策の難易度はあまり高くありません。その理由として、集客ターゲットが地域限定になるところがあげられます。ターゲットとなる地域を絞り込んで対策をとるため、キーワードの設定や情報の更新においてもSEO対策ほど手間がかかりません。
しかし、繁華街など店舗数が多いエリアで上位表示を狙うときは競合が多く、MEO対策のほうが難易度が高くなるケースもあります。店舗を構えているエリアの競合を調査したうえで、どちらで対策をするのか検討しましょう。
6. 効果が出るまでの期間の違い
MEO対策は効果が出るまでに、約半年間はかかります。中長期的に運用して効果を高めていく対策方法のため、すぐに効果が出るわけではないことを理解しておかなければなりません。ただし、周辺の店舗がMEO対策をしていないときや、新規でGoogleビジネスプロフィールを作成したときは短期間で効果を得られる可能性もあります。
SEO対策はインターネット上に競合が多く、期間や費用をかけたからといって必ずしも同じような効果を得られるとは限りません。自店のターゲットと費用対効果をふまえて検討してください。
SEO・MEO対策の選択は実店舗の有無で判断する
SEO対策とMEO対策は内容が異なるため、業界や業種、集客目的によって取り組む内容を考えていく必要があります。両方の対策できればよいですが、リソースの確保やコストの負担など懸念点があるときはどちらかひとつで対策をするのがおすすめです。ここではSEO・MEO対策の選択で迷っている方に向けておすすめのケースを紹介します。
SEO対策がおすすめのケース
SEO対策がおすすめなのは、ECサイトやブログサイト、コーポレートサイトなどWebサイトを所有しているケースです。
実店舗以外でも商品やサービスを利用するユーザーがいるなら、SEO対策をしたほうが集客につながります。検査結果から一定数のアクセスを集めたいときは、SEO対策がおすすめです。
MEO対策がおすすめのケース
MEO対策がおすすめなのは、カフェや居酒屋、レストランなどの飲食店、温泉旅館、映画館、パチンコなど店舗ビジネスを行っているところです。
対策に使用するGoogleビジネスプロフィールは無料で利用できるうえに、専門業者でなくても対策できるため、広告費を抑えて集客したい場合におすすめです。
MEO対策で上位表示を狙う方法
MEO対策で上位表示を狙うには、営業時間や電話番号などWebサイトやポータルサイトに掲載されているビジネス情報と統一することが大切です。ほかにも、店舗内観やメニューなどの写真を投稿してイメージ訴求を充実させることで、見込み客へのアピールにつながります。
また検索意図をくみ取ったキーワードを意識しつつ、最新情報を発信しましょう。投稿するときは「Google に掲載するローカル ビジネス情報のガイドライン」をしっかり読んで理解をしたうえで投稿してください。
ユーザーからの口コミには、店舗で接客をしているようにていねいな対応を心がけることが大切です。
MEO対策の具体的なやり方は、下記の記事でくわしく解説しています。
【2023】MEO対策とは?施策方法・メリット&デメリット・費用をわかりやすく解説
自身でMEO対策を行うにあたって、ペナルティへの不安やリソースを確保できそうにないときは、MEO対策を代行会社に依頼するのもおすすめです。MEO対策と運用を任せることで、本来の業務に注力できます。
まとめ:SEOとMEOの違いを理解して効果的に集客率を上げよう!
SEOとMEOの違いは検索結果に表示されるエリアや対象などがあります。実店舗へ集客をするなら、気軽に始められるMEO対策がおすすめです。SEOほど対策の難易度は高くありませんが、MEO対策を自分でやるのはリソースの確保も含めて難しいと感じることもあると思います。
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