営業で設定すべきKPIとは?設定項目例とKPIの必要性│コボットLAB

営業で設定すべきKPIとは?設定項目例とKPIの必要性

  • 2022年6月10日
  • 2024年12月7日
  • 営業
営業のKPI

BtoB商材を取り扱う企業が業績を伸ばすため、掲げられた売り上げ目標を達成するにはどうしたら良いでしょうか?

もちろん、商品力を向上させることは必要不可欠でしょう。しかし、同様に「いかにユーザーに訴えかけて商品を売り満足してもらえるか」という「営業活動」もまた重要な要因であることはいうまでもありません。

営業活動の質を高め、受注・契約を取ることで、会社の売り上げに貢献する。これこそが、企業におけるBtoB営業の課せられた役割といえます。今回は、営業におけるKPIの必要性や立て方について解説します。

KPI・KGIとは

営業活動の質を上げるにはどうすれば良いでしょうか?まずは、「訪問回数」「案件数」「成約率」など、営業活動の現状を把握することが重要です。

そして、「KPI」「KGI」という2つの要素を取り入れることで、営業活動の質が向上し、さらには目標を達成することが可能になります。では、その「KPI」「KGI」について解説しましょう。

KPIとは

KPIとは、Key Performance Indicatorの略称で、日本語で「重要業績評価指標」と訳されます。営業におけるKPIとは、営業活動を行う上であらかじめ定めた目標を達成するために、目標に関連性のある指標のことをいいます。

たとえば、「売上達成」を目標にした場合を考えてみましょう。売り上げは、次のような式で表すことができます。

  • ・売上=(平均受注単価)×(受注件数)

よって、売上目標に達する「平均受注単価」と「受注件数」の到達ラインを目標値として定めます。

さらに、「その受注案件数に達するためには、営業の案件数を〇件にすればクリアできる」といったように、達成に必要な指標を逆算し、中間目標(=KPI)としてそれぞれ定めます。そして、日々の営業活動でKPIが達成できているかモニタリングし、最終的に売上達成を実現させるという流れになります。

KGIとは

KGIとはKey Goal Indicatorの略称で、日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。KPIが目標を達成するための「過程」だとすれば、KGIはその「目標」にあたります。

KGIを立てるにあたって気をつけたいのが、目標の数値に現実性や根拠を持たせることです。これまでの実績ベースで、「受注件数が〇件で平均顧客単価が〇円だから、KGIを〇円に設定する」といったように、根拠に基づき、かつ現実的な目標にすることが重要です。

KPIの必要性

では、なぜKPIが必要なのでしょうか?

そもそも売り上げとはどのようなものかというと、商品やサービスをお客様に提供し受け取る代金のことを指します。そして、商品やサービスをお客様に提供するには、お客様に対して以下の対応(いわゆる営業活動)が必要になります。

  • ・お客様のところに訪問
  • ・お客様が抱える問題点・改善点をヒアリングし最適な商品を提案
  • ・お客様から購入OKの返答をもらう(受注する)※NGの場合は失注
  • ・納品準備を行う
  • ・納品し代金の入金確認を行う
  • ・アフターフォローを開始する

これらの対応には、「営業リードタイム」「平均受注単価」「受注案件数」「訪問回数」「営業の案件数」「成約率」といった要素が含まれており、これらの要素および売上には相関関係があります。つまり、次のような関係が成り立ちます。

  • ・営業リードタイムを短くすれば売り上げが向上する
  • ・受注案件数を増やせば売り上げが向上する
  • ・平均受注単価を高くすると売り上げが向上する
  • ・営業の案件数が増えれば受注案件数が増える
  • ・成約率が向上すれば受注案件数が増える
  • ・訪問回数が増えれば営業の案件数が増える

そのため、次のように一連の流れを改善することにより、結果的に売り上げを伸ばすことができます。

  • ・一連の流れの期間を短くする(=営業リードタイムを短くする)
  • ・訪問回数を増やす
  • ・営業の案件数を増やす
  • ・受注単価を高める
  • ・成約数を増やす

売り上げをKGIとし、これらの「営業リードタイム」「平均受注単価」「受注案件数」「訪問回数」「営業の案件数」「成約率」を数値目標(KPI)化することにより、部内の動向をモニタリングすることが可能になります。その上で、営業マンに適宜指導を行い改善することで、売上目標(KGI)を達成することができるという流れです。

KGI・KPIを設定し、社員一人ひとりが組織的にアクションを起こすことにより、営業活動が最適化されるという観点から、KPIによる設定は必要なものであるといえます。

KPIロジックツリーとは

続いて、KPIを営業活動においてどのように活用していくかについてお伝えしましょう。

KPIを営業活動の中で運用していくには、KPIロジックツリーの構築が必要になります。KPIロジックツリーとは、最終的な目標であるKGIを頂点とし、その目標を達成するにはどのようなKPIを達成すれば良いのかを構造的に示したフレームワークのことです。

KGIから一番遠い(枝先にあたる)KPIをスタートとし、KGIの方に向かって順次モニタリングを行います。ロジックツリーがなかったり見える化されていなかったり、管理職の頭の中にしかなかったりする状況の場合、チーム単位による問題意識を共有しにくいというデメリットがあります。そのため、KGIやKPIの設定を行う上でロジックツリーの作成が必要となります。

そのフローで、目標に対して何をしなければならないかを見える化することにより、営業担当者の営業活動をモニタリングし、必要に応じて指導するという流れになります。

KPIの設定に必要な項目の例

営業のKPI項目

KPIの内容は企業やKGIによって異なるため、これが正解といったものは存在しません。しかし、一般的にBtoB営業においては売り上げを最終目標(=KGI)とし、売り上げを達成するために、営業に関するKPI(中間目標)を設定する場合が多いといえます。

そこで、代表的なKPIとそれぞれのKPIを向上させるために取るべきアクションを紹介していきます。なお、ここで紹介するKPIは、あくまで一例です。

営業リードタイム(受注期間)

「営業を開始してからデモンストレーション、商談と進め受注する」この開始から受注までの期間のことを、営業リードタイムといいます。このリードタイムの長さによって売上額が左右されるため、KPIとして設定すべき要素だといえます。

リードタイムを短縮することができれば、その分次の案件対応が可能となり、 売り上げを向上させることができます。

受注単価

受注単価とは1案件あたりの受注額のことを意味します。また、一定期間における受注単価を平均化した金額のことを平均受注単価といいます。

平均受注単価が高くなれば売り上げが増加するという関係性があるため、受注単価はKPI設定にふさわしい要素といえます。上位モデルもしくは関連商品を提案し受注できれば、平均受注単価が上昇し、売り上げ向上を見込めます。

訪問回数

訪問回数とは、営業担当者がお客様と会った回数を指します。訪問回数が増えれば売り上げも増えるため、訪問回数をKPIに設定することは適切な対応だといえます。

移動や書類作成など業務の効率化を行えば、その分訪問回数を増やすことができるため、結果として売り上げの増加が見込めます。

営業の案件数

営業の案件化とは、お客様を訪問した際に相談事を受ける、あるいはこちらから提案した結果、有効な商談が発生することを指します。売り上げをKGIとした場合、前項でも説明したように、営業の案件数と売り上げにも相関関係があるため、営業の案件数もまたKPI設定の一つとあるべき項目です。

訪問回数(KPI)を増やすこと、訪問インターバルを空けすぎないようにすることで営業の案件数が増え、結果として売り上げ増加につながります。

成約率(コンバージョン率)

営業案件の内、受注の成功率を表した数値を成約率と呼びます。

前項でも解説したように、売り上げと成約率は相関関係にあり、売り上げをKGIとした場合、成約率をKPIとして設定することは適切であるといえます。営業マンのスキルが上がれば成約する可能性が高まり、結果として売り上げ向上が見込めます。


KPIをPDCAで回してKGIを達成しよう

KPIを設定・実施するだけでなく、振り返りを行わないと意味がありません。

KPIを設定し、営業活動を行った結果に対しての分析を行い、改善点を見つけ出し、次のKPIに活かすという一連の流れを繰り返すことが重要です。つまり、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回して初めて意味のある行動となるのです。


まとめ

KPI、KGIは会社の目標達成に有効な手段であることがおわかりいただけたでしょう。

設定したKGI、KPIのもと営業課一丸となって日々の営業活動をロジカルに実施し、都度振り返りを行い改善していく。これこそが、売り上げを達成するための一番の近道であるといえます。

KGI、KPIを設定し運用していくのに不安があったり時間が取れなかったりする場合は、便利な営業ツールがあるので活用することをおすすめします。

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