売上予測とは?計算方法と活用したいツール

2021/09/28 コボットコラム
売上予測

多くの企業は、売上予測に基づいて、経営方針や予算分配などを決めています。しかし、中にはきちんとした売上予測の方法を知らないまま、経験や希望的観測などから売上予測を行っているケースも少なくありません。

今回は、売上予測の意味や重要性、立て方などについて解説し、売上予測を立てる際に役立つツールを紹介していきます。売上予測を立てたことのない方やこれから立てる必要がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

売上予測とは?

売上予測とは、過去の売上実績や自社の成長率、社会情勢、市場動向などに基づいて、将来の売上を予測することです。

多くの企業は、この売上予測に基づいて経営的な判断を行っています。具体的には、事業の方向性や借入金額、予算の分配、確保するリソースなどを決めています。

精度の高い売上予測を立てるほど、迅速かつ的確な判断ができるようになり、ひいては収益の拡大につながっていきます。それだけ、売上予測には客観性や正確性というものが求められます。

なお、「売上予測」とよく混同される用語に「売上目標」があります。どちらも売上実績や取り巻く環境などから設定するものですが、意味合いは異なります。

売上目標は、あくまで目標で、「ライバルに勝つためにこれくらいの売上を目指す」「設備投資のためにこれくらいの売上があって欲しい」などといったように、理想や希望に基づいて設定されるものです。客観性や正確性が求められる売上予測とはまったくの別物と捉えてください。

売上予測が重要である理由

売上予測は経営的な判断を行う際に使われ、非常に重要なものです。ここでは、売上予測が重要な理由を、4つの視点から解説していきます。

資金繰りを悪化させないため

通常、企業は売上予測に基づいて資金繰りを行っています。3ヶ月後、半年後、1年後、場合によっては数年後に得られる売上高を想定して、借入金の返済計画を立てているのです。

売上予測の通りに物事が進んでいけば、何も問題はありません。しかし、そうでなかった場合、一時的な資金不足に陥り、返済が滞ってしまうこともあるかもしれません。

予算管理のため

通常、企業は売上予測に基づいて予算の分配を行っています。予算の分配先としては、たとえば、広告費用や社員教育費用、設備費用、福利厚生費用などがあります。

売上予測の通りに事業が進んでいけば何も問題はありません。しかし、そうでなかった場合は予算の立て直しが必要となってくることもあるでしょう。それ自体が組織として大きなロスですし、場合によっては一部のプロジェクトが計画倒れとなってしまうこともあります。

適切な人員配置のため

営業スタッフ、店舗スタッフ、物流スタッフ、コールセンタースタッフなど、企業の営業活動で必要となる人員は、売り上げに応じて変動するものです。

実際の売上が予測よりも上回れば、増員が必要となります。仮に必要なだけの増員ができなければ、顧客対応に手間取るなどして、クレームが来てしまうこともあるかもしれません。

逆に、実際の売り上げが予測を下回れば、仕事がない状態となり、人件費が無駄になってしまうでしょう。中には、人件費を節約するために、出社したスタッフをすぐに帰宅させるなどの方法をとる企業もありますが、そのようなことが続くと、離職率が高まる原因になりかねません。

適切な在庫管理のため

人員と同様、確保する商品数(あるいは商品を生産するために必要な材料数)は、売り上げに応じて変動するものです。

実際の売り上げが予測よりも上回れば、生産・販売が追いつかず、商機を逃してしまうこともあるでしょう。購入をしようとしていた方が、またの機会に購入を検討してくれれば良いですが、実際にはそれっきりとなってしまうこともあり得ます、

逆に、実際の売り上げが予測より下回れば、過剰在庫に悩まされることになるでしょう。消費期限のあるものや一時的に流行っているものなどであれば、廃棄リスクも高まります。

売上予測に必要なデータ

売上予測を立てるためには、さまざまなデータが必要になります。扱う製品・サービスの特性によって必要となるデータは異なりますが、おおむね次のようなデータが基本となります。

  • ・成約率
  • ・リードタイム(初回訪問から受注までに要する期間)の平均値
  • ・契約期間の平均値
  • ・サービスの更新率(あるいは解約率)
  • ・期間別(月、四半期、年度)売上実績
  • ・現在の案件数

これらのデータはあくまで基本的なものです。より粒度の高いデータが必要となることもありますし、場合によっては、市場動向や社会情勢、競合他社の状況なども考慮して考えなければなりません。

なお、当然のことでありますが、売上予測に使用するデータには正確さが求められます。「〇〇月の売り上げは〇〇円くらいだったかな」「〇〇サービスの売り上げは全体の〇〇%くらいかな」などといったように主観が入ってしまうと、正確なデータとはいえません。予測の精度が下がってしまいます。

また、原理的にはデータ数が多ければ多いほど予測の精度は高まりますが、あまり重要でないデータまで取り込んでしまうと、精度が高まりません。あまり重要ではないデータは、適宜除外しましょう。

売上予測の立て方

予算計画を立てる人

ここでは、売上予測の立て方について解説していきます。「過去の売上実績に基づいて立てる方法」と「営業パイプラインに基づいて立てる方法」の2つが代表的です。

過去の実績に基づいて立てる方法

過去の売上実績に基づいて行う売上予測は、最もオーソドックスな方法です。中でもとりわけ基本的なものといえるのが、”過去の同月の売り上げと年間成長率から計算する方法”です。

実際に計算してみましょう。

たとえば、2年前の同月の売り上げが400万円、1年前の同月の売り上げが500万円だとすると、年間成長率は25%と計算できます。

  • ・年間成長率=(1年前の同月の売上-2年前の同月の売上)÷2年前の同月の売上=(500万円-400万円)÷400万円=25%

これを踏まえ、当年の同月の売り上げを予測すると、625万円となります。

  • ・当年の同月の売上=1年前の同月の売上×年間成長率=500万円×1.25=625万円

過去の売上データから成長率を割り出したり、市場の拡大率や顧客数(来店者数、メルマガ登録者数など)などを反映させたりすることで、精度は高まります。

また、ここで紹介した”過去の同月の売上と年間成長率から計算する方法”以外にも、”過去の月間売上と月間成長率から計算する方法”や”過去の年間売上と年間成長率と季節指数(季節によって変わる売上の変化)で計算する方法”などがあります。

営業パイプラインに基づいて立てる方法

営業パイプラインとは、初回訪問から受注までの営業プロセスを段階的に定義し、可視化したものです。

※営業プロセスは、企業、製品・サービスによって変わるものですが、ここでは、「初回訪問→ヒアリング→提案→見積もり→受注」とします。

受注までのファネル

営業パイプラインに基づいて行う売上予測では、まず過去の実績から、あるいは現在進行中の実績から、「初回訪問→ヒアリング」「ヒアリング→提案」など、次のステップに進む顧客の割合と所用期間を計算しておきます。

そして、この数値に「現時点での訪問者数」「現時点でのヒアリング者数」など、その時点時点で各ステップにいる顧客者数を組み合わせていけば、一定期間における成約数を割り出すことができます。こちらについても、実際に計算してみましょう。

たとえば、過去の実績から計算して、「初回訪問からヒアリングに進む顧客の割合(以下、①)」「ヒアリングから提案に進む顧客の割合(以下、②)」「提案から見積もりに進む顧客の割合(以下、③)」「見積もりから受注に進む顧客の割合(以下、④)」が、それぞれ50%だとします。

現時点で、初回訪問者数が160人、ヒアリング者数が40人だとしたら、

  • ・現時点での初回訪問者×①×②×③×④=160人×0.5×0.5×0.5×0.5=10人
  • ・現時点でのヒアリング者数×②×③×④=40×0.5×0.5×0.5=5人

という計算から、予測される受注数は15人となります。

仮に、価格が30万円の製品・サービスだとすると、予測される売上は450万円と計算できます(※単純化のため、”所要期間≒0″としています)。

  • ・予測される売上=価格×予測される受注数=30万円×15人=450万円

売上予測に役立つツール

売上予測は、ペンや電卓を使って行うこともできます。

しかし、「関連する書類を印刷して、必要なデータを抜き出しメモを取り、電卓に打ち込み、途中で計算ミスを見つけて文字を消し、などといった方法では、あまりに時間がかかりすぎてしまうでしょう。売上予測を定期的に行うとしたら現実的ではありません。

売上予測では、ITツールを活用することもできます。もちろん費用はかかりますが、スピーディーに計算できる上に、データ管理がしやすい、計算ミスが少ない、関係者との情報共有がしやすい、視覚化できるなどといったメリットがあります。

ここでは、売上予測に役立つITツールを紹介していきます。

Excel

Excelは、最もメジャーな表計算ソフトです。ほとんどの方が使用したことがあるでしょう。

Excel2016から、「予測シート機能」が搭載されるようになりました。これは、任意の過去データから予測を行いグラフ化してくれる機能で、売上予測においても問題なく活用することができます。マクロの知識・スキルは必要ありません。

売上予測を行う際、この予測シート機能を活用しても良いでしょう。

しかし、Excelはあくまで表計算ソフトであり、データ管理ツールではありません。膨大なデータを入力すると、極端にパフォーマンスが悪化したりデータが破損したりしますので、注意してください。

SFA

SFAとは、「Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)」の略で、営業活動を総合的に支援してくれるツールのことです。

過去案件および現在進行中の案件について、担当者の基本情報、アプローチ履歴、顧客の反応、スケジュール、アクションプランなど、商談に関するデータを一元管理してくれます。有効なアクションプランの提案、見積書作成サポート、日報作成サポートといった機能を有しているものもあります。

このSFAの中には、売上予測機能が標準搭載されているものも多くあります。なお、SFAは、大量のデータを扱うことを想定しているため、Excelのようにデータ量によって極端にパフォーマンスが悪化したりデータが破損したりすることは稀です。

ここでは、売上予測機能がついているSFAを3つ紹介します。

SalesForce sales Cloud

「SalesForce sales Cloud」は、株式会社セールスフォース・ドットコムが提供するSFAで、世界でトップシェアを誇ります。カスタマイズ性に高く、あらゆる業種・業態のニーズを満たすことが可能です。また、セキュリティ性が高く、官公庁や自治体などの公的機関でも多く利用されています。

eセールスマネージャーRemix Cloud

「eセールスマネージャーRemix Cloud」は、ソフトブレーン株式会社が提供するSFAで、日本でトップシェアを誇ります。直感的に操作できるデザインが特徴で、とても使いやすいです。また、フォロー体制が万全で、運用が軌道に乗るまでの間、懇切丁寧にサポートしてくれます。

Senses

「Senses(センシーズ)」は、株式会社マツリカが提供するSFAです。営業現場での使いやすさにこだわったユーザーインターフェースで、営業担当者から人気があります。また、コストパフォーマンスに優れていて、導入しやすいです。

まとめ

企業が安定した経営を行っていくために、売上予測は必須です。精度の高い売上予測を行うことで、迅速かつ的確な経営判断ができるようになり、ひいては収益の拡大につながっていきます。

売上予測を行いやすくするため、ExcelやSFAなどITツールを活用してみると良いでしょう。特に、営業業務全体を最適化・効率化してくれるSFA導入がおすすめです。

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