業務改善とは?業務改善手法の事例と活用したいツール

2021/09/14 コボットコラム
業務改善

業務改善は、うまく実行すればビジネスの生産性を大きく伸ばせる重要な施策です。一方で、業務改善といってもことばのイメージが広く、何から手をつければ良いかわからないという方も多いことでしょう。

そこで今回は、業務改善の目的や進め方、よく使う改善手法から事例まで噛み砕いて開設していきます。「自社の業務改善に興味がある」「上司から業務改善のアイデアを出すように指示された」そういった方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

業務改善とは

業務改善とは、現状の仕事のやり方を見直し改善するための取り組みです。

その主な目的は、ビジネスの生産性を高めることにあります。生産性を高めることで、同じ仕事をこなすために必要なリソースはより少なく、また同じリソースをかけて出せる成果はより大きくできるのです。

業務とは、顧客や株主など、最終的な受益者に価値を届けるまでのプロセスの連続と捉えることができます。

たとえば、「部品を調達して加工し製品化する」「会計伝票を集めて計算し財務諸表を作成する」このように業務は、一連のプロセスから成り立っています。それはときに、長く複雑なものとなります。

その一連のプロセスを分析してより良いやり方を提案し、全体の効率や品質を上げていく取り組みが業務改善なのです。私たちも普段の生活で、企業による業務改善の恩恵を受けています。

たとえば、「はやい、やすい、うまい」が実現されたファーストフードや、分刻みで定時運行される地下鉄。このような便利なサービスは、企業の絶え間ない業務改善の賜物なのです。

経費削減との違い

業務改善と聞くと、「経費削減のこと?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。経費削減とは、文字通りコストカットのことです。

たとえば、最近ではリモートワークの普及に伴いオフィスの縮小や解約を行う企業が多くみられます。これも、オフィス賃料を下げることを目的とした経費削減の一例です。

また、消灯時間を早めて電気代を削減する、ペーパレス化を進めてコピー機代や紙代を削減するというよくある節約活動も経費削減の一環となります。

一方で、業務改善は現状の仕事のやり方を見直してビジネスの生産性を高めることが目的です。そのため、業務改善の結果として経費が削減されることはあっても、業務改善=経費削減ではありません。生産性を高めることは、コスト削減に限った活動ではないからです。

たとえば、自社サービスのデータを分析してマーケティング方法を改善するといったことも、業務改善に含まれます。つまり、業務改善は経費削減を含む、より広い生産性の向上への取り組みと理解するべきです。

業務改善を行うメリット

では、業務改善を行うメリットを3つに分けて解説します。

生産性が向上する

業務改善が成功して生産性が向上すると、企業にとっては良いことずくめです。

生産性が高ければ同じコストから、他社よりも優れた製品やサービスを提供できます。そうすれば業績が上がり、社員の待遇にも反映されます。

待遇が良ければ優秀な人材が集まりやすくなるため、さらに生産性が上がり業績が伸びるという好循環に入れます。

また、今後の人口減少により人手不足が深刻化する中でも、生産性が高い企業は生き残りやすいでしょう。

業務が標準化される

業務が標準化されることも大きなメリットです。

業務の標準化とは、個人や拠点によってばらばらとなっていた仕事のやり方を、一つの方法に揃えることです。業務が標準化されれば、会社にとっては仕事が属人化するリスクを減らせます。

属人化とは、特定の個人にしかこなせない仕事が増えることです。属人化が進むと、担当者が退職などで抜けると困る事態になりますし、また組織として仕事を仕組み化してスケールすることも難しくなります。

さらには、人や拠点によって業務のやり方がばらばらだとシステム導入でも苦労するでしょう。業務標準化は、このような問題を解消できるのです。

労働環境が改善される

業務改善により仕事の効率が上がると、労働環境も良くなります。

わかりやすいところでは、まず残業時間を減らせます。また、単調だけれどもミスが許されない作業をシステム化できれば、日々のストレスも軽減されるでしょう。

業務改善を通して労働環境をよくすることは、離職率の低下や優秀な人材の確保にもつながるのです。

業務改善の進め方

続いて、業務改善の進め方について解説していきます。

業務を見える化する

まずは現状の業務プロセスを見える化します。

業務は、時間が経つと複雑化していき誰も全体像を把握できなくなっているケースがあります。また、属人化が進みブラックボックス化していることもあるでしょう。

しかし、業務プロセスがクリアに見えなければ、改善ポイントを検討できません。そこで、まずは担当者へのインタビューなどを通して部署の業務の棚卸しと、見える化を行います。

見える化のアウトプットとしては、業務フローを用いることが多いです。業務フローとは、部署や担当者、システムをまたがる作業やデータの流れを図解した資料です。業務フローを適切に作成すれば、関係者にとって業務プロセスが一目瞭然となります。

また、工程ごとにかかっている作業時間も調査し、重点的に効率化するべきプロセスを把握します。

改善後の業務フローを検討する

業務の見える化ができたら、改善後の業務の流れを検討していきます。たとえば、次のような改善手段が取れないか考えてみます。

  • ・プロセスを廃止できないか
  • ・もっとシンプルにできないか
  • ・バラバラに行っている作業を一元化できないか
  • ・繰り返しの多い作業をシステム化できないか
  • ・ノンコア業務を外注化できないか

また、改善施策を実行した場合の投資対効果も試算します。改善の結果としてどれくらいのビジネスインパクトが得られ、それはどれくらいの投資で実現できるのかという点を検討するのです。投資対効果を試算することで、優先的に改善するべき業務が見えてきます。

優先順位をつける

続いて、改善対象として優先順位の高い業務を選定します。

基本的には投資対効果の高い業務を優先的に選びますが、実現可能性も併せて考慮することがポイントです。改善できれば高い効果が得られるものの、規制の問題などから実行が難しい場合があるからです。

改善の投資対効果が高く、かつ実現可能性が高い業務を優先的に選ぶと良いでしょう。

改善施策を実施する

優先度の高い業務から、改善施策を実行に移していきます。

廃止可能なプロセスの削減や工程の簡素化をしたうえで、それでも残る定型的な作業をテクノロジーの導入により自動化するという順序で進めることが多いです。

改善業務をマニュアル化し、現場に落とし込む

最後に、改善後の業務の流れはマニュアル化し、現場での運用に落とし込みます。マニュアルなどで業務を可視化することには、さまざまなメリットがあります。

たとえば、担当者によらず作業結果の再現性を担保でき、属人化するリスクも減らせます。新しいメンバーが参加する際も、マニュアルがあれば早期にキャッチアップできるでしょう。

業務改善で使われる手法

続いて、業務改善でよく使われる6つの手法を紹介します。何から手をつければ良いか迷う場合は、まずはこれらの定石をベースに考えてみましょう。

廃止

廃止は、実は最も効果が大きい方法です。作業をやめるだけで、その分の時間をすべて削減できるからです。

業務を見える化したら、各プロセスの存在意義をまずは考えてみましょう。そうすると、既に目的が希薄となっているプロセスがいくつか出てくると思います。そのような工程は廃止していきます。

よくあるのが、複雑で長い承認プロセスの廃止です。たとえば、出張申請などで課長が承認した後に部長が承認するというプロセスです。

このケースでは部長の承認を廃止して、課長だけの承認にできないか検討してみます。そのような権限の移譲は有効な改善策です。

簡素化

廃止に続いて、業務の簡素化を検討します。たとえば、定例会議の縮小です。部署で開催している定例会議を洗い出して、それぞれの目的や参加者を改めて精査してみましょう。

その結果、開催頻度を落とせるものは毎週から隔週に回数を減らしたり、参加者も本当に必要なメンバーだけに絞ったりします。これだけでも、社員が他の業務にあてられる時間をかなり増やせるでしょう。

定例会議や報告資料などは、簡素化しても実はまったく問題なかったというケースも多いです。

システム化

やり方が決まっており、かつ繰り返しが多い作業はシステムを導入して自動化できないか考えてみましょう。当然ながら、自動化すれば人間よりも早く多くの作業をこなせるうえ、手作業によるミスもなくせます。

一方で、社員は企画や営業など、より収益性の高い仕事に注力することが可能となります。

集約化

同じような業務を別々の拠点で行っている場合は、それらを一箇所に集約化できないか考えてみます。いわゆるシェアードサービスセンターは、この集約化を目的として設立される組織です。

経理や人事、総務などの業務は、事業部や会社が違っても業務内容は似通っている場合が多いです。そうであれば各拠点でバラバラに行うよりも、集約して一括処理したほうが、効率が上がります。また、その方がノウハウの蓄積も加速するでしょう。

標準化

個人や拠点によってバラバラのやり方で行っていた顧客対応や事務作業などの業務を、統一的な方法に揃えるのが標準化です。

標準化には、属人性の解消をはじめとした多くのメリットがあります。業務のやり方が揃っていれば、システムの導入や展開もスムーズとなります。

外注化

業務プロセスの中で、外注化できる仕事はないか検討します。必ずしも自社でやる必要がないノンコア業務を専門業者に外注することで、コア業務にリソースを集中させることが目的です。

確かに外注費は発生しますが、内部の人件費を抑えられコア業務に注力できるメリットを考えると、ノンコア業務の外注化は有力な改善手法の一つです。

業務改善を進めるうえでのポイント・注意点

業務改善のポイント

業務改善をスムーズに進めるためのポイント、注意点を解説していきます。

業務改善の目的を明確化する

業務改善の目的が明確に定義され、関係者の中で浸透していれば活動はスムーズに進みます。たとえば、「部署でのルーティンワークを年間◯◯時間削減してその分を顧客とのコミュニケーションに充て、売上を◯◯%増加させる」というように目的を定義します。

定量的で、かつメンバー自身が取り組む価値があると思える目的が良いでしょう。

目的がしっかり共有されていれば、途中で手段の目的化などが起こらないため迷走せずに済ます。また、目的が明確で具体的であるほど、改善のアイデアも的を射たものが出てきやすくなるでしょう。

現場の協力を得る

業務を見える化して改善施策を検討しても、現場の協力が得られなければ十分に実行されません。それでは、絵に描いた餅で終わってしまいます。

現場からの協力を得るには、丁寧なコミュニケーションが最重要です。開始の段階で、関係部署にしっかり目的を説明して合意を得ましょう。

そのうえで、定期的に進捗状況を共有するなど、コミュニケーション不足に陥らないように気をつけます。

また、いわゆるクイックヒットも有効なやり方です。クイックヒットとは、着手しやすい改善から実行して、短期間で目に見える成果をアピールすることです。実際の成果を示すことで現場からの信頼を得られ、改善活動に向けた機運を高めることができます。

改善の文化をつくる

業務改善は、一度実行して終わりではありません。変わり続けるビジネス環境に対応するため、業務は定期的に見直し、改善を継続していく必要があります。

そのためには、組織に改善を奨励する文化をつくることが有効です。主体的に自分や部署の業務を見直して効率化のアイデアを出すことを人事的に評価するなど、現場の社員のモチベーションを引き出す工夫が求められます。

業務改善を行う上で活用したいツールの例

続いて、業務改善に役立つツールを紹介していきましょう。

UiPath

UiPathは、UiPath株式会社が提供するRPA製品です。数あるRPA製品の中でも、UiPathは世界的に高いシェアを持ち、日本でも特に大企業での導入事例が豊富なツールです。

RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略で、ホワイトカラーの事務作業を代行するソフトウエアロボットです。複雑なプログラミングを必要とせず、あらかじめ用意されたアクティビティを配置することで簡単に作業を自動化できることが特徴です。

UiPathはコミュニティ版が無料で提供されているため、まずは使い勝手を試してみましょう。

料金プラン

  • ・60日間の無料トライアル版あり
  • ・有償版の料金は非公開(詳細は公式サイトよりお問い合わせください)

公式サイト

Uipath

Teachme Biz

Teachme Bizは株式会社スタディストが提供するマニュアル作成・共有ツールです。画像や動画を交えたマニュアルを直感的な操作で作成して、クラウドで共有できます。

また、マニュアル作成後のトレーニングコースを設計する機能もサポートされています。PowerPointやExcelでマニュアルを作成し、運用で定着化させるにはとても手間がかかります。

Teachme Bizを活用すれば、よりスピーディーに業務改善を進められるでしょう。

料金プラン

  • ・スターター:月額55,000円(税込)
  • ・ベーシック:月額110,000円(税込)
  • ・エンタープライズ:月額330,000円(税込)

公式サイト

Teachme Biz

COTOHA Chat&FAQ

COTOHA Chat&FAQはエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社が提供するAIチャットボットです。COTOHA Chat&FAQの導入により、カスタマーサポートや社内ヘルプデスク業務の効率化を図れます。

たとえば、ユーザーからの一次問い合わせをチャットボットに対応させ、そこで解決しない質問のみオペレーターにつなぐというフローにすれば、有人対応の件数を削減できます。また、24時間稼働させることで休日や夜間帯の問い合わせにも対応できるため、ユーザーの利便性が向上します。

料金プラン

  • ・トライアルサービス(最長3ヶ月間):月額55,000円(税込)
  • ・本格サービス
    • ・~1,000セッション/月:月額104,500円(税込)
    • ・~100,000セッション/月:月額330,000円(税込)
    • ・~1,000,000セッション/月:月額1,100,000円(税込)
    • ・~2,000,000 セッション/月 超:個別相談

公式サイト

COTOHA Chat&FAQ

業務改善の成功事例

最後に、業務改善のイメージがつかめるように実例を紹介します。

株式会社サイバーエージェント:RPAによる広告運用業務の自動化

株式会社サイバーエージェントでは、広告運用オペレーション業務にRPAを導入することで、月間9,000時間以上もの作業を自動化することに成功しています。

元々、広告媒体や顧客ニーズの多様化を背景に広告運用オペレーション業務が煩雑化し、現場の多大な負荷となっていました。RPA化により工数の削減だけでなく、ヒューマンエラーの抑制や、社員の時間を企画や顧客とのコミュニケーションなど付加価値の高い業務に割り振ることに成功しています。

大樹生命保険株式会社:業務可視化による属人性の解消

大樹生命保険株式会社では、保険契約事務の可視化を推進して、属人性の解消で成果をあげました。

同社の事務センターでは、その長い歴史の中で業務の属人化が進み、ベテラン従業員の退職に伴う業務継承などで問題が発生していました。そこで、手順書の記述レベルを組織単位で揃えて体系化することで、新規に配属されたメンバーでも業務を理解し、遂行できるレベルにまで標準化を進めたのです。

他にも、残業時間の削減やミスの減少による品質向上など、さまざまな成果を生み出しました。

株式会社セブン銀行:質問回答用のチャットボット導入

セブン銀行は、顧客からの質問回答用にAIチャットボットを活用しています。これにより、顧客の「24時間いつでも不明点はすぐに解消したい」というニーズに応え、かつオペレーターによる有人対応のコストを削減しています。

さらには、AIチャットボットとRPAの連携による住所変更手続きの自動化にも取り組んでいます。これは、AIチャットボットが受け取った顧客の各種情報をもとに、RPAが業務システム上で本人確認や変更登録を自動で行うというものです。

まとめ

今回は、業務改善の目的や進め方、よく使う改善手法から事例まで解説してきました。紹介したように、RPAなど業務改善を支援するツールも多数提供されています。

今回お伝えしたことを参考にして業務改善に関する理解を深め、ツールもうまく活用しながら業務改善活動を進めてみてください。

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