物流システムとは?種類と導入により得られるメリット

2021/06/29 コボットコラム
物流システム

「経済の血液」と言われるほど、社会生活に欠かせない存在である物流。

かつては、「荷物が無事に届くだけで良し」とされていた時代もありましたが、現代では、配送スピードや配送コスト、正確性、追跡システムの利便性、梱包状態など、消費者の見る目は厳しいものとなりつつあります。

消費者のニーズに応えていくためには、どの企業においても、物流業務の整備は必須課題です。

今回は、物流業務を効率化・最適化できる「物流システム」の概要や導入メリットなどについて詳しく解説していきます。

物流の効率化・最適化に必要なもの

まずは、物流の基本をおさえておきましょう。

物流とは、「物的流通」の略で、生産物を生産者から消費者へ引き渡す活動のことをいいます。生産者と消費者の間にある空間的なギャップと時間的なギャップを埋めることが、物流の主な目的です。

なお、物流は、英名である「Physical Distribution」を略して「PD」と呼ばれることもあります。

物流の機能には、「輸送・配送」「保管」「荷役」「包装」「流通加工」があります。

輸送・配送

物流業界では、輸送と配送を明確に分けて使います。

輸送とは、ある拠点から別のある拠点まで、荷物を移動させることをいいます。配送とは、ある拠点から複数の場所(主に消費者)まで、荷物を移動させることです。

保管

保管とは、ある期間ある一定の場所に荷物を置き、品質や数量などを適切に管理することをいいます。

荷役

荷役とは、工場や倉庫、物流センターなどにおいて、トラックに荷物を積んだり降ろしたりする作業のことをいいます。

包装

包装とは、品質の維持や持ち運びやすさなどを考慮して、適切な資材や容器に荷物を収納することをいいます。資材・容器としては、段ボール、発泡スチロール、ビニル袋などが一般的に用いられています。

流通加工

流通加工とは、荷物の出荷時に、倉庫や物流センターなどで行われる加工のことです。具体的な例としては、値札付けやカタログ入れ、生鮮食品のカット、PCの組み立て、自動車部品の塗装などがあげられます。

物流というものは、これら5​つの機能が正常に稼働し、かつ互いに連携することで成り立っています。

物流の現在

かつては、「荷物が無事に届くだけで良し」とされていた時代もありました。しかし、今となってはどうでしょうか?それは誰にとっても当たり前すぎることになっています。

今は、さらにその先の「配送スピード」「配送コスト」「追跡サービスの利便性」「包装の質」「キャンセル対応の質」「トラブル対応の質」などが、消費者の満足度に影響を与える時代です。

また、現代は誰もがインターネット通販を利用するような時代です。物流業界では、どんどん仕事量が増加し、業務も複雑化していく傾向にあります。

企業は、消費者のニーズに対応していくだけなく、業務のシンプル化やカンタン化、コスト削減などにも取り組んでいく必要があるといえるでしょう。

消費者ニーズの高まり、そして物流量の増加。物流を扱う企業にとって、物流体制の整備は必須です。

各プロセスの効率化はもちろん、各プロセスを体系的に関連付けながら全体として最適化を行う必要もあります。その手助けをしてくれるのが、これから紹介していく「物流システム」です。

物流システムとは

物流システムとは、「輸送・配送」「保管」「荷役」「包装」「流通加工」といった物流の各機能を包括的に管理し、業務の効率化やコスト削減などを実現するための仕組みのことです。

物流システムは、主にシステムインテグレータやソフトウェアハウス、物流企業などが開発しており、製造業や食品業、小売り業など、特定の業界に偏ることなくあらゆる業界で導入されています。

物流システムには、大きく分けて、「カスタム型」と「パッケージ型」の2種類があります。

カスタム型

カスタム型は、自社の課題や既存の方法・システムに合わせてイチから開発して導入するタイプです。コストはかかりますが利便性が高く、機能的に無駄がありません。

パッケージ型

パッケージ型は、既にあるいくつかのプランの中から選定し導入するタイプです。コストは抑えられるものの、自社の課題とズレが生じてしまうケースや、既存の方法・システムを変更しなければならないケースなどがあります。

実際に物流システムを導入する際は、自社の課題や予算などに合わせて、いずれかを選択することになります。

物流システムの種類

一口に物流システムと言っても、実際にはさまざまな種類があります。ここでは、一般的なものを5つ紹介していきます。

WMS(倉庫管理システム)

WMSとは、「Warehouse Management System(倉庫管理システム)」の略称で、倉庫や物流センター内で、在庫や入出荷作業の管理をするシステムのことです。

在庫や入出荷などに関するデータが一元管理されたり、最適な作業表を自動生成してくれたりするため、正確でスムーズな倉庫管理が行えるようになります。

一元管理されるデータは、うまく分析することで、「受注予測」「倉庫スペースの節約」「在庫回転率の向上」などにつなげていくことが可能です。

TMS(配送管理システム)

TMSとは、「Transportaion Management System(配送管理システム)」の略称で、荷物の出荷から配送完了までのプロセスを管理するシステムのことです。

直接トラックドライバー、あるいは各物流拠点の担当者などと連絡を取らなくても、ほぼリアルタイムで進捗管理が行えるようになります。「配送時間の変更」「進捗が遅いところにサポート要員を回す」など、柔軟な対応ができるようにもなります。

運送管理システム

運行管理システムとは、輸配送を行うトラックを管理するシステムのことです。メインとなる機能は輸配送計画です。各荷物のお届け先、トラックの容量、時間帯、交通状況などを考慮しながら、最適な輸配送ルート・輸配送スケジュールを立案してくれます。

運行管理システムの中には、「運賃の自動計算」「ドライバーのシフト管理」「ドライバーの運転データ取得(走行距離や燃費など)」などといった機能を有するものもあります。

貨物追跡システム

貨物追跡システムとは、輸配送中の荷物をリアルタイムで追跡できるシステムのことです。伝票番号や顧客住所など、荷物を特定できる情報を入力することにより、その荷物が「どこで、どのような状態にあるか」が即座にわかります。

貨物追跡システムには、消費者が各自でインターネットなどからアクセスできるようなっているものもあります(事業者向けのものとは仕様が異なるケースがほとんどです)。

EDI(電子データ交換システム)

EDIとは、「Electronic Data Interchange(電子データ交換)」の略称で、インターネットなどの通信回線を通して、取引企業間で電子データのやり取りを行う行為のこと、あるいはそのシステムのことをいいます。

扱うデータは、契約書や発注票、受注票、出荷票、キャンセル依頼書、請求書などで、業務効率化やペーパーレス化につながります。

なお、EDIは、物流業務のない企業でも導入されています(元々業種業態関係なく利用されているものです)。

物流システムを導入するメリット

物流システムの管理

さて、ここまで紹介してきた物流システムですが、導入すると具体的にどのようなメリットをもたらしてくれるのでしょうか?

詳しく解説していきましょう。

業務を「見える化」できる

物流システムを導入すると、業務に関わるあらゆる情報がデータ化されたり、結果的に業務プロセスが整理されたりするため、業務全体が「見える化」してきます。

これにより、次のような効果を見込むことができます。

  • ・進捗をすぐに確認できる
  • ・コストをすぐに確認できる
  • ・従業員の間で共通の認識をもてる
  • ・トラブルが起きたときに原因を究明しやすい
  • ・顧客から問い合わせが来たときに即座に回答できる
  • ・従業員のシフト調整がしやすくなる
  • ・新人に業務の説明をしやすくなる

そして、業務が見える化すると、何より同時に問題点も見える化します。そのため、ボトルネックの発見やコストの見直しなどがしやすくなるでしょう。

自社だけでなく取引先とも情報をシェアするようにすれば、より全体的な視点で意思決定などができるようになります。

トータルコストを削減できる

物流システムを導入すると、従来人の手で行われていた作業の多くを自動化することができます。

また、人の手が必要な作業であっても、物流システムの導入により「カンタン化」すれば、従来よりも少ない人員で行えるようになったり、経験の浅いスタッフを即戦力として使えるようになったりします。

結果として、営業や企画など他の業務に人員を回せるように、あるいは人的コストを削減できるようになるでしょう。

もちろん、物流システムの導入にもコストがかかりますが、営業範囲や稼働時間の拡大、スタッフの採用費用や教育費用の削減などにつながれば、そのコスト以上のリターンを見込むことができます。

サービスの品質を向上できる

物流システムを導入すると、管理力やスピード、柔軟性が一気に高まります。そのため、「日時指定配送」「お届け先変更」「キャンセル依頼」「多頻度少量配送」など、比較的難しい要求にも対応しやすくなります。

また、あらゆる情報がデータ化されるため、顧客からの問い合わせに即座に対応できるようになります。データは従業員間で共有できるため、対応する人によって回答が異なるなどといった問題も起こりにくくなります。

なお、物流というものは、その企業の事業規模が拡大していけばいくほど、業務量が増加していく性質があります。事業規模が拡大したけれど、物流品質が悪くなってクレームが殺到――このような例は少なくありません。

こういった点において、早い段階で物流システムを導入していれば、事業が急速に拡大したような場合でも、物流品質を落とすことなく安定稼働させていくことができるでしょう。

物流における3PL・4PLとは

物流の課題に取り組む場合、「3PL」「4PL」についても押さえておきましょう。本記事のテーマである物流システムとは直接関係のないことばではありますが、物流問題を解決する糸口として注目されているビジネスモデルです。

3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは

3PLとは、「Third Party Logistics(サード・パーティ・ロジスティクス)」の略称で、企業における物流業務の一部あるいは全部を、物流業務を得意とする第三者企業に代行してもらうビジネスモデルのことです。物流業務を代行する企業は、一般的に「3PL事業者」と呼ばれます。

3PL事業者は、配送や倉庫管理、システム構築などの業務を一括して請け負い、利用企業と連絡を取り合いながら、必要に応じて社外の業者にサポートを依頼しながら、業務を行っていきます。

3PLには、利用企業から見て次のようなメリットがあります。

  • ・営業や商品開発など本業に集中できる
  • ・倉庫やトラックなどに投資をする必要がない
  • ・物流業務にかかるコストが明確になるため、予算計画が立てやすくなる

4PL(フォースパーティー・ロジスティクス)とは

4PLとは、「Fourth Party Logistic(フォース・パーティ・ロジスティクス)」の略称で、3PLにコンサルティング要素が加わったビジネスモデルのことです。

物流業務を代行してもらう企業(3PL事業者)とは別に、物流業務や経営業務に関する知見を持つ企業に、物流業務に関するコンサルティングをしてもらうのです。

コンサルティングを行う企業は、一般的に「4PL事業者」と呼ばれます。4PLには、利用企業から見て次のようなメリットがあります。

  • ・物流面だけでなく経営面の改善を期待できる
  • ・物流コストの削減を期待できる(3PLでは「3PL事業者の売上=自社の物流コスト」であるため、物流コストが高くなりがち)

まとめ

物流業務を大幅に改善できる「物流システム」の概要や導入メリットなどについて解説しました。これからも、顧客のニーズが変化していくことや、より物流量が増加していくこと(主にインターネット通販の利用者増により)が予想されています。

物流システムの導入を検討する際は、自社の課題や予算などを明確にした上で、自社にマッチしたシステムを選定するようにしましょう。必要に応じて、3PLや4PLも検討するようにしてください。

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