【2022】DXの導入の方法は?課題と実現のステップ・企業の導入事例

2021/06/01 コボットコラム
DXの成功事例

DXの導入は、どの企業にとっても至上命題であるといえます。なぜなら、2025年以降はDXを行った企業の業務がスタンダードになると考えられるからです。

しかし、多くの企業が「DXをどのように導入していけば良いか?」について悩んでいます。そこで今回は、DX導入のステップや課題、導入事例などを解説していきます。本記事を参考に、DX導入へ向けて動き始めてみてください。

DXとは

DXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称です。本章ではDXの定義から、デジタル化との違いや注目されている理由などを解説していきます。

DXの定義

DXは、経済産業省の「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」の中において次のように定義されています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス。企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

経済産業省:「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」

つまり、業務をデジタル化させ、顧客満足度の向上や自社の収益向上、競争力の向上を目指すことがDXであるといえます。

DXとデジタル化の違い

DXとデジタル化の違いは目的です。前述のように、DXの目的は「業務をデジタル化させ、最終的に自社の競争力を向上させること」です。そのため、業務のデジタル化は「目的」ではなく「手段」です。

一方で、デジタル化は業務をデジタル化させることが目的です。たとえば、「紙で行っていた契約業務を電子契約に変更する」「CRMを導入してExcel(エクセル)で管理していた顧客データをデータ化し管理する」などがあげられます。アナログで行っていた業務をデジタル化できれば、目的は達成されたことになります。

そのため、DXとデジタル化は、目的が異なるといえるでしょう。

DXが注目される理由

DXが注目される理由は、急速に社会の変化やビジネスの変化が激しくなったためです。インターネットの登場にはじまり、一人一台スマートフォンを持つことが当たり前になってきました。

こうした変化に対応し、自社の価値を創造するためにDXの導入が必要であると叫ばれています。なぜなら、日本企業の多くが導入している既存システムでは、現在の急速な変化に対応できないからです。

経済産業省の「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」によれば、「2025年までにDXの導入が完了していなければ、1年あたり最大12兆円の経済損失が生じる可能性がある」としています。日本経済全体を巻き込んだ損失につながってしまうため、DXに大きな注目が集まっています。

DX導入を実現させるための課題

一口に「DX導入」といっても、実現させるためには課題を解決しなければなりません。主な課題は次のとおりです。

  • ・経営者の課題
  • ・現場の課題
  • ・IT人材の課題
  • ・組織の課題
  • ・システムの課題

それぞれの課題について解説していきます。

経営者の課題

経営者の課題は、自社を引っ張っていく立場である経営者や経営層が、DXについての知識が不足しているという点です。

「DX」ということばを知っていても、「DXとは何か」「DXを行う目的は何か」までをきちんと説明できる経営者はまだまだ多くありません。DXは現場単位で行うものではなく、全社を挙げて行っていくものなので、経営者がDXに対する理解を深めていなければ成功することは難しいでしょう。

たとえば、「DXを推進したい」という思いだけで、システム部門に「社内のDXを進めなさい」と指示することは間違いといえます。なぜなら、DXを行うことで自社をどんな姿にしたいのかが不明瞭だからです。

DXを進めていくためには、経営者のきちんとした理解が必要です。

現場の課題

今日でも、業務にアナログ作業が多く残っている企業や部署は多くあります。本来であれば、アナログ作業が多い業務をデジタル化させ、業務効率化を図りたいところですが、従来のやり方に慣れてしまっている現場から反発を受けてしまうことが多くあります。

また、せっかく業務のデジタル化を行っても、現場の従業員がツールを使いこなせず、思ったような成果が出ない場合もあるでしょう。

そのため、現場の従業員に対しては、どのようなメリットがあるのか丁寧に説明することが求められます。また、ITリテラシーが低い社員が多い場合は研修などを積極的に行い、ツールに慣れさせることも必要です。

IT人材の課題

IT人材の課題とは、日本においてDXを推進できる人材が不足しているという点です。経済産業省の「DXレポート」によれば、2025年までに約43万人のIT人材が不足すると予想されています。

DXを推進するためには、高いITリテラシーや知識、経験が求められます。しかし、日本ではこうしたIT人材が育っておらず、人材確保が難しいことが大きな課題となっています。DXを推進していくためには、企業はこうしたITリテラシーの高い人材を確保することが求められます。

組織の課題

DXは、業務のデジタル化によって企業の文化や風土を変えることが目的です。そのため、従来と異なる社内フローの構築や評価体制の設定、教育体制の構築などが必要になってきます。

従来の業務フローで業務をデジタル化してしまった場合、大きな混乱となってしまうこともあるでしょう。システムやツールだけに囚われず、社内の体制についても変革が必要なことも課題といえます。

システムの課題

日本には、老朽化してしまった既存のITシステムが多く残されています。こうしたシステムはレガシーシステムと呼ばれており、ITシステムやデータの活用の大きな壁となっています。

たとえば、既存のITシステムがそれぞれの部門ごとに構築されているため、組織を横断するようなデータ活用が行えないなどが挙げられます。

DXを行うには、データの活用は欠かせません。しかし、レガシーシステムでは効果的なデータ活用が行えないことが大きな課題です。

また、レガシーシステムがブラックボックス化してしまっており、継承が困難になっているなどのケースもあります。こうしたレガシーシステムを刷新することも、DX導入に向けた課題といえます。

DX導入を実現させるためのポイント

建設現場のDX化

DX導入を実現させるためのポイントには、主に次の4点が挙げられます。それぞれのポイントについて解説していきましょう。

  • ・全社的な施策として実行する
  • ・一貫性のあるシステム構築を行う
  • ・スモールスタートで行う
  • ・DXを推進するIT人材の確保と育成を行う

全社的な施策として実行する

「DXは経営層のみが理解している」「システム部門だけ理解している」といった場合や、「一部の部門のみDXを行っている」といった場合は失敗してしまう可能性が高いといえます。

独立行政法人情報処理推進機構の「デジタル時代のスキル変革等に関する調査報告書」によれば、DXの成果が出ていると回答した企業の約7割が「全社戦略に基づいて、DXに取り組んでいる」と回答しています。そのため、DXは自社の一部の施策として行うのではなく、変革を起こすための全社的な施策として実行するのが大事であるといえます。

一貫性のあるシステム構築を行う

国内の企業の多くが、長期的ではなく短期的な視点でシステムの開発や改修を行っています。短期的な視点でのシステム開発や改修は、既存システムのブラックボックス化をさらに促進させる要因になっています。

また、短期的な開発や改修を繰り返すことで、予算の負担が大きく、新たな投資ができない状態を生み出すというデメリットも生んでいます。そのため、データが横断的に活用できるような一貫性のあるシステム構築を行う必要があります。

スモールスタートで行う

DXは全社戦略で進めることが効果的ですが、スタートは小さく始めることが重要です。なぜなら、初めから大規模に変革を行った場合、混乱が生まれたりするなど業務への影響が大きいからです。

そのため、はじめはバックオフィス部門のDX化を進めるなど、スモールスタートで行うと良いでしょう。また、スモールスタートで行うことで、DXに関する知見やノウハウが蓄積されるため、全社へ展開する際もスムーズに進んでいきます。

DXを推進するIT人材の確保と育成を行う

リテラシーの高いIT人材を確保することは、DXを推進するうえで非常に重要です。

「デジタル時代のスキル変革等に関する調査報告書」によれば、DXの成果を出していると回答している企業は、LinkedInなどのSNS、GitHubなどのプラットフォーム、リファラル採用などを行っていると回答しています。つまり、一般的な転職エージェント以外からの方法で、人材確保を行っています。

また、DXの人材確保と同時に、社内でDXを展開ができる人材を育成することも大切です。そのためには、社内でDX推進チームを立ち上げ、部門を超えて活動できる編成などを行い対応していくことが大切です。

DX導入を実現させるためのステップ

DX導入を実現させるためには、次の6つのステップで進めていくことで、成功に近づいていきます。それぞれのステップでどのような動きをするのか解説していきましょう。

  • ・ビジョンを策定する
  • ・社内のデジタル化を行う優先順位を決定する
  • ・業務のデジタル化を行う
  • ・デジタル化を多なった部門の検証・改善を行う
  • ・蓄積したノウハウを共有する
  • ・全社へ展開する

ビジョンを策定する

まずは経営層を巻き込み、DXによって達成したいビジョンを策定します。DXは短期的ではなく、数年単位の長期的なプロジェクトになることがほとんどです。

そのため、中長期的な視点から「どの事業分野で新たな価値を創造するか」「どのようなビジネスモデルを構築するか」を決めていきます。明確なビジョンが策定できれば、効率的にDX挿入を進めることにつながります。

また、策定したビジョンは、経営層が積極的に従業員に周知することも大切です。

社内のデジタル化を行う優先順位を決定する

策定したビジョンを達成するために、社内のデジタル化を行う優先順位を決定していきます。

具体的には、ITツールを導入したり、デジタル化に伴う業務フローを見直したりします。部門や部署、分野ごとに具体的な試算を行うと良いでしょう。

なお、優先順位はバックオフィスから導入するなど、効果が見えやすかったり、実行しやすかったりする部門から導入していくことが多いです。

業務のデジタル化を行う

実際にITツールなどを導入して、業務のデジタル化を行います。トライアル期間などを設定し、部門の従業員の業務効率化がどれくらい進んでいるかなどを見ていきます。

デジタル化を行った部門の検証・改善を行う

繰り返しになりますが、DXは業務のデジタル化がゴールではありません。デジタル化によってビジネスモデルを変革させ、業務効率化や生産性向上を達成することが目的です。

そのため、デジタル化を行った部門がどれくらいの効果が出ているかを検証します。従業員の効率性は上がっているか、部門の成果は出ているか、全社展開を行う際の課題は何かなどをあぶり出していきます。

また、一度の検証で優れた結果が出るわけではないため、検証後に改善を行い、データが改善されたか確認するなど、トライアンドエラーを繰り返すことが大切です。

蓄積したノウハウを共有する

DX導入を行った部門の結果や改善点などは、日を追うごとに蓄積していきます。蓄積したノウハウなどは積極的に開示し共有することで従業員の理解も深まり、より早く社内に浸透していきます。

全社へ展開する

社内で蓄積したノウハウを改めて見直し、ビジネスモデルの最適化や社内体制の整備が整った段階で全社へ展開していきます。

なお、全社へ展開している段階でも、効果を検証し、改善を続けていくことが大切です。DXにゴールはないため、市場のニーズやビジネスの変化を見極め、自社の事業モデルをより最適化していくことが求められます。

国内企業のDX導入事例

最後に、実際にDXを導入した国内企業3社を紹介します。ぜひ自社のDX導入時の参考例として活用してみてください。

  • ・清水建設株式会社
  • ・SGホールディングス(佐川急便)
  • ・中外製薬株式会社

清水建設株式会社

清水建設株式会社のDX戦略は、「DX銘柄2021」への選定や、経済産業省の「DX認定取得事業者」にも選定されているなど、高い評価を受けています。

清水建設株式会社では「コンピュテーショナルデザイン」という、建物の構造や性能をシミュレートするシステムを導入し、蓄積したデータをBIMデータと連携することでスムーズな建設へとつなげています。

他にも、AR(拡張現実)技術の活用や3Dプリンタの活用、建設用ロボットの活用などといった新しい技術を積極的に取り入れ、ビジネスモデルを変革し続けています。

SGホールディングス株式会社(佐賀急便)

SGホールディングス(佐川急便)では、多くのシステムが事業ごとに乱立しており、データの有効活用ができていない状況が大きな課題となっていました。また、これらのシステムはレガシーシステムとして長年利用されてきていたため、多大なコストがかかっていたことも課題となっていました。

そこで、SGホールディングスでは経営層を含めた全社戦略として、DX戦略を積極的に発信していきました。社内のDX戦略推進グループのリーダーをオーナーが務めるなど、トップが高いリーダーシップを発揮したことで、社内のDX推進の空気が醸成されていきました。

結果としてデータの活用が活発となり、開発期間の短縮やコスト削減、利益率の向上などさまざまな成果につながっています。

中外製薬株式会社

中外製薬株式会社では、2019年10月に「デジタル戦略推進部」が新設され、DX導入へ動き始めました。全社を挙げてDXを推進するため、「デジタルを活用した革新的な新薬創出、全てのバリューチェーン効率化、デジタル基盤の強化」の3つを柱とした「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」を策定し、従業員への周知を開始しました。

特に力を入れているのが「AI創薬」への取り組みです。創薬プロセスで利用するデータにAIを活用し、抗体取得の最適化や効率化ができるように進めています。

また、コロナ禍によって医療関係者への対面営業が難しくなったため、ニーズを把握することが困難になりました。そこで、中外製薬では医療関係者向けのWebサイト「PLUS CHUGAI」を開設し、コンテンツの提供やWeb講演会の配信を行っています。

このサイトで得られたニーズを営業部門と連携し、営業部隊はニーズを予測した提案営業へと変わりつつあるとしています。このように中外製薬では、策定したビジョンの達成に向けてDX戦略を推進しています。

まとめ

DX導入は、中長期的に行うプロジェクトです。課題を解決し、全社へ浸透していくには検証と改善を繰り返し、適したビジネスモデルの構築が求められるからです。

DXを導入し、成果を挙げていくためにはビジョンの策定はもちろんのこと、全社を挙げて取り組むことが求められます。ぜひ本項で紹介した導入へのポイントを押さえ、DX導入を達成し、変革を起こしてみてください。

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提供するDXソリューションは、バックオフィスとセールスの双方に適用可能です。DX推進を検討の際には、お気軽にご相談ください。

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