DXの成功事例15選!導入企業から学ぶ成功のポイント

2021/06/01 コボットコラム
DXの成功事例

デジタルトランスフォーメーション(DX)の導入は、多くの企業で進んでいます。

しかし、その導入アプローチは企業によって異なるため、一概にこうすれば成功するとは言い切れないのが現状です。

今回は、国内外のDX導入事例を参考にしながら、DXの導入を成功させるポイントについて考察してみましょう。

国内のDX成功事例:製造業編

まずは、国内の製造業におけるDX成功事例から紹介していきます。

株式会社虎昭産業

「セブン」シリーズなどの食品製造を請け負う株式会社虎昭産業では、実際の製造工場におけるDXを積極的に推進しています。

同社の工場において課題となっていたのは、ペーパーレス業務の導入です。これまでは紙を使った記帳などが定着していたため、タブレット端末などを用いたペーパーレスへの刷新は、社内からは否定的な意見も寄せられていました。

そこで同社が取り組んだのは、いきなりの現場運用ではなく、社内研修によるデジタル教育の実施です。丁寧なノウハウの提供から進めていくことで、現場でのデジタル活用の混乱を抑え、今では以前よりも作業が楽になったと好評を博しています。

株式会社NISSYO

変圧器の製造を手がける株式会社NISSYOでは、国内でもいち早くDXを推進し、業務のデジタル化を実現した中小企業として注目を集めています。

作業者の手元には設計図の紙はなく、一人1台のiPadを渡され、QRコードを読み込むと作業に必要な手順書が出力されます。文系の新入社員でもベテランでも同品質のモノがつくれるように工程はマニュアル化され、品質は常に高水準が保たれています。

マニュアルはクラウドで保管され使用しながら改善が行われていく仕組みなので、使うごとに質の高いマニュアルへとアップデートが進んでいます。情報共有の円滑化によって、業務の品質と効率が向上している良い例といえます。

国内のDX成功事例:小売・飲食業編

続いては、国内の小売・飲食業におけるDX成功事例を紹介していきます。

株式会社エディオン

国内大手の家電量販店を運営する株式会社エディオンでは、家電量販の現場に積極的なDX施策を投入しています。

例えば、店頭で陳列する商品の棚札は、電子化が行われています。価格変更や陳列商品の変更ごとに棚札を交換するのは、スケールの大きな店舗ほど負担がかかります。

そこで、同社では本部のシステムで特定の型番商品の価格を入力するだけで、サーバーを通じて全店舗のシステムに反映され、自動的に価格表記が変更できる体制を構築しました。

地域や店舗ごとの変更もできるなど、非常に汎用性の高いシステムです。

株式会社あきんどスシロー

回転寿司チェーンで馴染みのある株式会社あきんどスシローは、DXによって社内コミュニケーションの改善に取り組んでいます。

同社で課題となっていたのは、社内外で異なるツールを活用する必要があった点です。コミュニケーションが分離していると、重要事項の伝達が遅れたり、通知漏れが生まれたりすることもありますが、グループウェアの導入によって問題の解消を進めました。

ITに特化した企業ではないだけに、導入の際には誰でも使えるツールであることも重要視されました。メンテナンス不要のクラウド型サービスを導入することで、コミュニケーションの円滑化と維持管理の利便性向上を実現しています。

串音

東京・渋谷でオープンしている串揚げ居酒屋の串音では、モバイルオーダーシステムの導入を行いました。新型コロナウイルスの影響で、テイクアウトやデリバリーが盛んになっている中、こちらの店舗で課題となっていたのがモバイルオーダー業務です。

従業員の削減に伴い、一人当たりの負担も大きくなっていた中、モバイルオーダーシステムを導入したことさまざまな効果をえられました。業務を効率化できただけでなく、単価の向上にもつながっているということで、飲食店を大いにサポートしています。

国内のDX成功事例:建設・不動産・銀行編

建設現場のDX化

続いては、建設や不動産、銀行におけるDXの成功事例について紹介していきます。

大成建設株式会社

大成建設株式会社では、建設現場のDX実現に注力しています。

2021年4月、同社では建築現場におけるDXの標準基盤となる「T-BasisX」を構築し、着工から竣工までの現場内における各種データを収集・分析できるよう整備しました。

建設現場は地下での作業や山岳地帯など、電波が届きづらい場所での作業も多く、安定した情報共有やデータ活用が難しいこともありました。

今回のシステムを導入したことで、少数機器でのWi-Fi通信と高精度位置把握を可能とし、無線環境を簡易に整備できるようアップデートされています。あらゆる環境でデータ活用が可能となり、さらなる業務効率化が進む見込みです。

三菱地所株式会社

不動産業界では紙文化が深く定着しており、三菱地所株式会社も例外ではありませんでした。しかし、同社ではリモートワークの浸透などを受け、ペーパーレスの実現に向けた取り組みを進めています。

三菱地所株式会社では、2018年の本社移転に伴い、紙の保管が法的に求められるものを除き、書類を電子化するという全社的な取り組みを実施しています。この結果、紙保管資料が70%削減でき、社員満足度も向上したということで、電子化に対する機運は高まりを見せています。

近年、契約締結・管理の電子化だけでなく、社内外でのリモート会議導入も進み、営業効率の向上も進んでいます。

株式会社北國銀行

石川県に本店を置く株式会社北國銀行は、DX推進に積極的な地銀の一つでもあります。

社員には銀行に勤めるのではなく、「次世代版地域総合会社」で働くつもりになって欲しいという、抜本的なマインドチェンジから改革をスタートし、DX人材の確保に動いてきました。

リモートワークをフル活用して全国的な人材雇用に動き、2019年には独自のB2Cインターネットバンキングシステムもスタートさせるなど、意欲的な動きを進めています。

国内のDX成功事例:行政編

DXの推進に動いているのは、一般企業だけではありません。多くのアナログ手続きが残っている行政組織においても進められており、着実な改善が見られます。

一般財団法人こゆ地域づくり推進機構

宮崎県新富町が設立した一般財団法人こゆ地域づくり推進機構は、農業×DXで「稼げる農業」を実現しようと実験的な取り組みを進めています。

人手不足や農産物の余剰により、地方の農業事情は今やひっ迫した状況に追いやられているケースも珍しくありません。このような全国的な問題を解消すべく、同法人では少ない人で利益を最大化できる「スマート農業」の実現に動いています。

生産者とロボット開発の現場が密になる環境を、宮崎県の新富町に構築することで、実用的で実証実験も容易に行えるプロジェクトの進行を促しています。野菜自動収穫ロボットなど、すでに高い実用性を持ったテクノロジーも次々と導入されており、今後もさまざまなテック企業を現地に誘致し、農業テックの発展を促進していくということです。

経済産業省

行政手続きを煩雑にしている理由の一つに、紙の資料や対面での手続きの文化が根強いことが挙げられます。

経産省では既存手続きの負担を少しでも軽減すべく、「IT導入補助金」の申請に伴う手続きを簡略化するなど、生産性向上に向けた取り組みを進めています。

通常の申請手続きの場合、紙の書類を郵送し、それを担当者が目視で確認、その後入力という作業が発生していました。

「IT導入補助金」においては、まず紙の書類による申請を廃止することで、申請手続きを直接システム上で利用者が行えるよう環境を整備しています。また、設問の数も最低限のものに絞るなど、申請に必要な情報入力も制限することで、素早く補助金の交付ができるよう仕組みづくりが進んでいます。

デジタル入力の場合、初めの申請の段階である程度の不備は自動でアラートが通知されます。また、軽度の不備が後から見つかった場合も、アップロードで対応できるなど、利便性の向上が進みました。

この結果、前年では3割を超えていた不備率は1割にまで減少し、大幅な業務効率化とサービスの向上を実現しました。

海外のDX成功事例

国内事例が豊富になりつつありますが、海外では日本よりもさらに多くの企業でDXが推進されています。ここでは、海外の大手企業の事例についてお伝えしましょう。

ホールフーズ・マーケット

Amazon傘下の大手自然食料品店、ホールフーズ・マーケットでは、実店舗と完全にリンクしているオンラインストアが話題です。

オンラインで商品を販売する小売店では、流通の都合や商品の性質上、実店舗とは異なるラインナップとなることも珍しくありません。

ホールフーズ・マーケットのように、生鮮食品を扱うスーパーがその代表例ですが、同社ではデリバリーサービスと提携することで、注文から約2時間で商品を届けてくれるシステムを実現しました。

コカ・コーラ清涼飲料社(ドイツ)

ドイツのコカ・コーラ清涼飲料社では、ヨーロッパを対象とした広域な商品提供を行っているため、営業活動には大いにリソースを必要とします。

時間と人を確保するため、同社が取り組んでいたのが管理業務の効率化です。モバイルアプリを使ったスケジュール管理アプリの開発や、社員同士のコミュニケーションの効率化を進め、大幅な効率化による営業への注力を実現しています。

結果的に、新規顧客との契約にかかる時間を60%短縮、サービス技術者の管理負荷も50%削減することに成功しています。

アストンマーティン・ラゴンダ

世界的な名車を数々製造してきたイギリスの自動車メーカー、アストンマーティン・ラゴンダでは、さらなる成長に向けた新システムの導入を進めています。

同社が新規顧客開拓のため、注目したのが顧客データベースの改善です。以前はわずか10名しかアクセスできない旧型の顧客データベースだったのが、今では自在に拡張が可能なデータベースへとアップデートされています。

代理店と本社機能の連携強化はもちろんのこと、販売サイクルの可視化や、従業員150名以上と代理店スタッフ500名が情報活用できる現場を実現しました。

メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティー(MTA)

アメリカの大都市、ニューヨークシティの交通網を支えるMTAでは、コミュニケーションの一元化に向けた動きが進んでいます。

運転士から、操車係、駅構内の清掃担当者まで、誰もが一つのアプリを使って情報共有を行うことで、リアルタイムで最新情報を共有できる仕組みを整えました。

また、利用客に向けた情報発信も、同様のシステムを使って伝えられています。社内システムと同様のプロセスで情報共有が利用者に向けて行われることで、情報共有にタイムラグが発生せず、安心して最新情報を知ってもらえる環境構築を実現しました。

Shipt, Inc

非接触のデリバリーサービスを展開するShiptでは、社内スタッフとのコミュニケーションはもちろん、現地の配達員とのやり取りも日々膨大な数が発生します。

配達員がサービス利用者に迷惑をかけることなく、迅速にトラブルを解決できるようにするためには、彼らの問題に本社が素早く対応する必要があります。

そこで同社が導入したのは、ユーザー、ショッパー、小売店向けのサポートを提供するExperience Team、通称「X チーム」です。配達員からの注文処理に関するトラブルや、ユーザーからの請求に関する問い合わせなど、あらゆる質問を同システム内に一元化して対処することで対応漏れをなくし、返信スピードを高めることに成功しています。

DXに成功するためのポイント

上記のような事例を踏まえ、DXに成功するためのポイントとして、基本的な事項を確認しておきましょう。

経営陣を巻き込んだ改革を実施する

一つ目は、経営陣を巻き込んだ抜本的な組織改革の実行です。

基本的に、DXはスモールスタートで段階的に進めていくものですが、長期目標としては組織のあり方が大きく変わるほどの到達点を用意しておかなければなりません。

株式会社NISSYOなどは良い例ですが、同社では従来の手法に対する強烈な危機感から、抜本的なDXを断行しました。現場の人間の不便を解消するだけでなく、「このままでは経営が立ち行かなくなる」という危機感を経営陣が体感することで、効果的なDXを推進できます。

デジタル人材の確保

二つ目のポイントが、DXに対応できるデジタル人材の確保です。

DXは多くの企業が取り組んでいる優先事項であるために、国内では彼らのような人材確保が難しくなってきています。そのため、DXを進めるためには、まずは上手く人材確保を進められる仕組みを整備していかなければなりません。

株式会社北國銀行では、リモートワークの仕組みを活用した、全国的な人材確保に動きました。業務システムを整備することで、地域性にとらわれない柔軟な人材活用も実現します。

現場の課題への理解を深める

DXにおいて重要なのは、現場でどのような問題が発生しており、何を優先的に解決していくべきかを把握することです。どれだけ高性能なシステムを導入しても、現場の声を反映したものでなければ、それを有効活用できないからです。

上記の成功事例においては、いずれも根本的な問題解決の現場からDXの推進が実行されています。現場と上層部の問題意識のズレを解消し、DXを成功に導きましょう。

まとめ

DXの成功事例は、国内外を問わずさまざまなケースが生まれつつあります。導入企業の分野は多岐にわたり、アプローチにも千差万別です。

また、さまざまなケースがある一方で、その解決の糸口となるポイントは、ある程度絞り込むこともできます。テクノロジーを有効活用し、自社の課題を解消していきましょう。

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