営業におけるDXとは?得られるメリットと導入事例

2021/04/30 コボットコラム

デジタルトランスフォーメーション(DX)はさまざまな業務に変革をもたらすとされていますが、最も大きな影響を受ける部門の一つが営業です。営業活動にテクノロジーが与える効果は大きく、従来のアナログ営業とはまったく異なるスタイルを生み出し、新たなビジネスチャンスを創出します。

今回は、DXでどのように営業活動が変わり、どのようなメリットが得られるのか紹介していきます。

営業におけるDXとは?

ITの時代と呼ばれている昨今ですが、会社や部署によっては未だに多くのアナログ作業が残っているところも存在します。これらもすべてITによってデジタル化し、次世代の組織づくりへと動いていこうというのがDXです。

営業におけるDXとは、まさにこのような担当者の能力や体力に依存した営業から、デジタルの力によって効率的にパフォーマンスを底上げしようという取り組みでもあります。最小限のコストで個人の能力に頼ることなく、若手人材でもベテランのような働きぶりを達成できる技術が導入可能です。

日本の会社に根強く残るアナログ業務の代表例が営業です。リストを見ながらひたすら電話をかけ続けるテレアポや、飛び込みで営業を行う対面営業など、営業担当者の資質や体力に任せた業務が根強く残る職種です。実際に顧客や見込み客とコミュニケーションを取り、体でビジネススキルを学べるという点は確かにメリットがあると考えられますが、その活動がITの時代にどれだけ組織に貢献できているか疑問が残ります。

転職や離職が一般的になり人材の流動性が高まる昨今、重要なのは個人のポテンシャルへ依存することがなく、常に高いパフォーマンスを各人が発揮できる環境です。営業のDX化によって営業担当の個人に頼ることなく、誰もが優れた結果を残し、組織への貢献度を高めることができるでしょう。

営業でDX化が必要な理由は?既存の営業活動が抱える課題

営業のDXを促進するツールは、現在さまざまな企業から提供されています。営業のDXにここまで注目が集まる理由には、どのような背景があるのでしょうか?

リソースの不足

一つ目の理由は、リソースの不足です。多くの業界において、既存の業務を遂行するための人材不足は悪化の一途を辿っています。ある調査結果によると、2030年には全体で644万人もの人手不足が発生するというデータも発表されています。シニア世代の再雇用や、女性への就労支援、外国人労働者の積極雇用を進めている企業もありますが、これらを上手く実現できたとしても、不足分の半分を補う程度にしかならないとされています。

なぜなら年々日本では出生率が低下しており、労働人口も減少傾向にあるためです。営業活動というのは人手を大量に確保する文化でもあったため、特に人手不足の悪影響が大きい部門でもあります。少人数でも従来のパフォーマンスを維持できる営業の仕組みづくりは、企業の最優先課題といえるでしょう。

参照元:フォーブスジャパン「2030年には644万人の人手不足に? 企業がデジタル変革に取り組むべき理由

リードタイムの長期化

案件の発生から受注獲得、そして納品までの一連の流れにかかる時間をリードタイムと呼びます。営業活動におけるリードタイムは、顧客の創出から案件の獲得に至るまでの時間を指します。

従来の営業活動を振り返ってみると、他の部門に比べてリードタイムの短縮の余地が非常に大きいことがわかります。上司や同僚との顧客情報の共有、営業先に到達するまでの移動時間、確度の高い見込み客の策定など、改善の余地は多くのプロセスに見られます。

人手不足が深刻化し、少人数での営業活動がスタンダードになりつつある昨今、営業活動のリードタイムが長期化することは死活問題です。案件一つ獲得するのにかかる時間をできる限り短縮しなければ、営業の効率化は難しいでしょう。

営業担当の能力差

上記でも少し触れましたが、営業担当の能力差が経営に影響してしまう環境も、パフォーマンスの維持を妨げる要因として考えられます。

担当者の能力に依存する、あるいは能力を育てるための営業活動というのは、組織にとってリスクの大きな仕組みです。上手く案件を獲得できる人材を常に獲得しなければならないため、人材不足が深刻化する現代においてはその難易度が高まっているためです。

また、良い人材が見つかった、良い人材に育成できたとしても、流動性が高く、多くの会社が優れた人材を求めている現在の労働市場では、彼らを長期間雇用し続けることも難しいです。なので優秀な人材の穴を埋めるためにも、DXの実現によって効果的な営業活動を推進していく必要があるのです。

営業のDX化で得られるメリット

営業のDXを推進することで上記の課題を解消し、多くのメリットを享受できるようになります。

積極的なデータ活用の実現

DXの本質でもあるメリットが、データ活用を進められる点です。DXによって組織のデジタル化を進めると、あらゆる活動から生まれた情報をデジタルデータとして扱えるようになります。

見込み客のホームページの訪問履歴や問い合わせ履歴などを一元管理し、詳細な顧客リストを作成したり、営業担当の活動状況をスコアリングし、適切なフィードバックを出せるようになるでしょう。

インサイドセールスの実現

営業のDXによって実現する新しい取り組みの一つに、インサイドセールスが挙げられます。インサイドセールスとは会社内にいながらにして営業活動を行う職種です。内勤営業とも呼ばれます。

いわゆる非対面営業と呼ばれる活動ですが、会社内から見込み客にアプローチを取る手段は数多くあります。電話やメール、ホームページ、資料請求などを通じて、自社商品に興味を持ってもらうことができます。

また、インサイドセールスは見込み客の自主性を促すという意味でも新しい取り組みといえます。インターネットが広く普及した現代において、商品やサービスは必ずしも強引売り込めば受注できるものではなくなっています。

顧客やサービスを探している見込み客は、インターネットを駆使して自ら情報を得ることが当たり前になっています。そのため、インサイドセールスはテレアポや飛び込み営業で直接商品をアピールするのではなく、見込み客の目に自社商品が触れる機会を増やし、受注を促す取り組みなのです。

インサイドセールスの実現により、これまで自社で認知していなかった客層の把握や、情報の収集力が強化されるなど、さらなるビジネスチャンスを創出できるようになります。

BCP対策の実現

営業のDX化でもう一つ大切なのがBCP対策です。BCPとは災害時でも事業を継続できる仕組みのことを指します。地震や津波、火事など何らかの災害で被害を受けた場合、BCP対策が不十分だと復旧まで事業を継続することが困難になります。

特に、2020年は新型コロナウイルスという未知の感染症によって、多くの企業において出社が困難となり、事業の継続が危ぶまれていたケースがいくつも確認されています。こういった未曾有の事態でも事業を続けられるようにするのが、DXの力です。

DXによってインサイドセールスを強化し、テキストチャットやオンライン会議の仕組みを整備することで、リモート環境でもスムーズに業務を遂行することが可能です。社員はオフィスへ通わずとも自宅のPCから業務を遂行できるため、効率的に働くこともできます。

新型コロナの影響は今後も続くとされており、不安定な情勢も続くと見られます。早めのDXの推進により、BCP対策を進めることが大切です。

営業におけるDX化の具体例

営業のDX化によって、どのような業務体制が実現するのでしょうか?ここでは、改めてその具体例を確認しておきましょう。

オンライン商談

オンライン商談は、その名の通り非対面で商談を進めるスタイルです。電話では顔を合わせて話すことができないため、コミュニケーションが難しく感じることもあります。一方で、ビデオチャットでは相手の顔を見ながら話せるため、対面に近い感覚でコミュニケーションができます。

また、東京から地方、地方から東京、あるいはグローバルでの商談も移動コストがかからず行えるため、新しいビジネスチャンスを生み出すことにもつながるでしょう。

メール配信の自動化・効率化

メールマガジンの作成および送付の作業を、DXによって自動化することが可能です。ツールによってはあらかじめ複数のテンプレートが用意されており、内容を必要に合わせて改変するだけで作成を完了できるため、必要な時間と労力を大いに短縮できます。

また、メールの配信先もリストから簡単に設定できるため、配信するたびに顧客リストと突き合わせる手間もありません。インサイドセールスには欠かせないメール作業を効率化し、高度な業務にリソースを割り振れる環境を構築しましょう。

営業コンテンツの充実

インサイドセールスにおいて重要なのが、自社サービスや商品に興味を持ってもらうためのコンテンツの作成です。多くの企業がオウンドメディアやSNS活用に動いているのは、営業活動の一環としてこれらを重要視しているためです。

見込み客の主体性を尊重しつつも商品に興味を持ってもらうためには、魅力的なコンテンツを用意する必要があります。WebメディアやSNSを容易に運用できる環境をDXによって実現すれば、さらなる営業活動の推進につなげられます。

SFAの活用

SFA(営業支援システム)とは、その名の通り営業活動を支援するツール全般のことを指しています。営業活動には、顧客情報や企業情報、商談の履歴など、さまざまなデータ活用の機会が存在します。

SFAはそんな営業活動に必要なデータを一元管理し、担当者へスムーズに提供するためのサービスとなっており、彼らのパフォーマンスを飛躍的に高めてくれます。モバイル対応のシステムも増えてきており、外出先でも気軽に使用できるため、出張やリモートワークにも活躍するサービスです。

営業にDXを導入した事例

ここでは、実際にDXを導入した事例について確認していきましょう。

事例1:ソフトバンク

国内最大規模の通信会社であるソフトバンク株式会社では、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)といった最新技術を活用し、さらなるデータ活用の推進を促すDX部隊を設置しています。

ソフトバンク株式会社では、主軸である通信事業の他に、クラウドサービスやセキュリティツール、デジタル広告などの事業も展開していますが、これらを支援しているのが社内に配置しているDX専門の組織です。

特定の部署に留まらない全社的なDX実現に向けて効果的な役割を発揮しており、2018年度は売上高6,205億円(前年度6,042億円)、営業利益763億円(同706億円)で増収増益を実現しています。

事例2:エン・ジャパン

人材派遣業を展開するエン・ジャパン株式会社では、国内の中堅・中小企業の営業やバックオフィスのデジタル化を支援するDXソリューション事業を展開しています。DXの実現には専門の人材を必要としますが、多くの企業が急激に推進を始めている現在、DX人材は不足が続いています。

そこで、エン・ジャパン株式会社は単独で顧客のDX化を進めるのではなく、スタートアップなどとの協業により、スムーズに人材の育成と派遣を促せる仕組みづくりを進めています。

事例3:関東製作所

プラスチック製品の金型や金型の加工機を設計・製作している株式会社関東製作所では、デジタルマーケティングで1.2億円を新規受注したことで注目されています。

受注生産を基軸としてきた同社では、取引先の事業によって業績が大きく左右されるため、不安定な業績が課題となっていました。安定した受注生産を獲得するべく、導入を進めたのがデジタルマーケティングです。見込み客リストの作成など、インサイドセールスを強化して見込み客の関心を高める取り組みを推進し、2年間で30社の新規開拓に成功しています。

まとめ

営業活動のDXは、既存の業務における課題を解消し、新しいビジネスチャンスを創出するのにも役立つ取り組みです。インサイドセールスの実現や新しい見込み客の発掘など、これまでは得られなかった機会を生み出していくとともに、働き方改革にも良い影響を与えます。すでにさまざまな企業から事例も登場しており、一見の価値のある取り組みだといえます。

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