DX化とは?IT化との違いと推進することで得られるメリット

2021/04/27 コボットコラム

デジタルトランスフォーメーション、通称DXは、多くの企業が実践を検討しています。その過程で、DX化とIT化の両方のキーワードを目にする機会も増えていくことにもなるでしょう。

DXもITも、似たような文脈で使われることの多いキーワードですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?今回はDX化とIT化の違いに加え、これらが必要とされる背景や導入のメリットなどについて解説します。

「DX」とはどのような意味?

まずはDXという言葉の意味について確認しましょう。

定義

DXとはデジタル技術によって、私たちのライフスタイルをより良いものにしていく取り組みのことを指します。

DXは企業のイノベーションの文脈で使われることの多いことばですが、必ずしもDX化の対象が常に企業であるとは限りません。日常生活においてもDXの余地はありますし、スポーツのDXというケースも考えられるでしょう。

いずれにせよ、これまでにデジタル技術が導入されてこなかった分野に技術を投下し、より良くすることも「DX化」に当てはまります。ここでは企業のDXに焦点を当てながら、DXに関連する話題を紹介していきます。

DXとITの違い

DXとITの違いは、端的にいえば「目的」と「手段」の違いであると説明できます。まず、DXというのは企業が目指すべき「目的」です。デジタル技術によって組織が抱える課題を解決し、より良い商品を提供したり顧客満足度を高めたり、働きやすい職場を作ったりというゴールを指しています。

次にITですが、「Information Technology(情報技術)」の略称であり、デジタル技術全般を指すことばです。つまり、DXという目的を達成するために、実施すべき手段がITの導入ということができます。

組織のIT化を積極的に推進することで、DX化の実現につながるというプロセスです。「DX」は目的、「IT」は手段というように覚えておきましょう。

市場規模

DXは現在多くの企業が盛んに取り組んでいますが、DX市場についてもしばらくは右肩上がりの成長を遂げると考えられています。株式会社富士キメラ総研が2020年に発表した資料によると、2019年度のDXの国内市場(投資金額)は7,912億円で、2030年度は2019年度比3.8倍の3兆425億円まで成長するという予測が立てられています。

セクター別の市場規模は「交通・運輸」が最も大きく、金融がそれに続いて大きなマーケットを有しているとされています。金額に差こそあれ、どの業界においても今後ますますDX導入の動きは加速し、向こう10年の間に大きく企業のあり方が変容していくと考えて間違いないでしょう。

参考:MONEY ZINE「「企業のデジタル化」2030年には3兆円市場に、金融ではサービス基盤・デジタル審査・予測への投資が拡大

DX化が注目されている背景

このように、DXが今注目されている理由には、どのような背景が考えられるのでしょうか?ここでは2つの理由に注目し紹介していきます。

「2025年の崖」問題

DX化を広く推し進める契機となったのが、経済産業省が発表した「2025年の崖」問題です。2025年の崖とは、経産省がDXに関するレポートの中で使用された言葉で、2025年までにDXの推進を実現しなければ、日本全体で大きな経済損失を被ることへの危惧を表しています。

レポートによると2025年までにDXが推進されなかった場合、以降は1年間で毎年最大12兆円と、現在の3倍に損失が膨らんでしまうと予測がされています。DXの遅れによる国際競争力の低下や、既存システムの維持費が増加していくことなどに起因する損失で、その数字は大きくなることが想定されているのです。

企業ごとに少しずつでもDX化を実現させていかなければ、大きな負担を抱えながら経済活動を進めていくことになりかねません。こういった長期的に発生するコストを見越し、多くの企業は早期のDX実現に向けて動いているというわけです。

参考:経済産業省「D X レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

国による支援の強化

DXは早く実現した方が良いとはいったものの、すぐに実現できるものでもないのが厄介なところです。DX推進を妨げる要因はいくつか挙げられますが、最も大きい理由は初期費用負担が大きい点にあるでしょう。

新しいシステムの構築やハードウェアの導入には大きな費用がかかるため、中小企業や個人事業主が自社で賄うというのは難しいものです。そこで多くの企業が活用しているのが、現在国から提供されているDX推進に向けた支援策です。特定の条件を満たすことで、DX推進に必要な金銭の支援を受けられるため、積極的な活用が進んでいます。

有名な支援の例としては、「IT導入補助金」が挙げられます。IT導入補助金は、ITツールの導入に際して利用ができる支援サービスで、類型に応じてさまざまな補助金を得られます。補助の上限は150万円~450万円、補助率は2分の1から4分の3と幅広く、DXを検討の際には積極的に活用したいサービスです。

他にもさまざまな補助金が存在するため、課題や規模に応じて最適な支援を受けられるのが魅力です。

IT導入補助金公式サイト

DX化により得られるメリット

DX化を実現することで、企業はどのような恩恵を受けられるのでしょうか?初期費用がかかり、場合によっては組織の抜本的な改革も求められますが、DX化にはそれだけのメリットがあります。

「2025年の崖」の解消

一つ目のメリットは、もちろん「2025年の崖」の解消です。DXによってどのような課題を解消すべきなのかは企業によってさまざまですが、多くの場合、まず必要なのが自社システムのアップデートやブラックボックス化の解消でしょう。

日本の企業のIT化が遅れている理由の一つに、老朽化したシステムを使い続けている点が挙げられます。古くなったシステムはパフォーマンスの低下もさることながら、公式のセキュリティアップデートが受けられなくなり、サイバー犯罪被害のリスクが高まります。老朽化したシステムでは運用保守の専門性も高まり、維持コストも増加します。

また、自社システムを組み上げたエンジニアが退職・転職などにより現場からいなくなってしまうと、運用保守そのものが成立しなくなってしまう可能性もあります。これが、いわゆるシステムのブラックボックス化です。

新システムを導入することで、維持管理コストが安価で最新のサポートを受けられる環境を整え、コストパフォーマンスの向上とリスクの低下を両立できます。

業務効率化

DX化の実現によって、業務効率化にも役立てられます。例えば、RPAは作業労働として発生していた単調な業務を、すべて自動化できるという優れたツールです。帳票入力やカスタマーサポートの自動化など、人手が必要だった業務をすべて自動化し、頭脳労働を必要とする現場に人員を配置可能になります。

また、新システムを導入すれば、古いシステムでは導入できなかったサードパーティのツールが使えるようにもなるため、さらに幅広い選択肢から自社の課題に即したDX化を進められます。

働き方改革の実現

業務の効率化によって、組織の働き方改革の実現にも役立ってくれるでしょう。作業労働が減ったことで、残業が発生してしまうケースを減らし、クラウドツールを導入することで、テレワークも容易に実現できるでしょう。

多様なライフスタイルや社員のニーズに応えられる組織となることで、働きやすい環境を構築し、優秀な人材を雇い入れることも簡単になります。誰もが働きたいと感じる組織に変革することで、人手不足に悩まされる心配もなくなるはずです。

新しいビジネスチャンスの創出

DXの推進によって、これまでは得られなかったビジネスチャンスを新たに創出することも可能になります。

インサイドセールス環境を整え、潜在的な見込み客を効果的に導けるようにすれば、今まで見落としていた顧客を発掘し、販売の促進を進めていけるかもしれません。あるいは、カスタマーサポートを自動化することで、新しい商品開発やサービスの提供、削減したコストで広告戦略を展開することも可能になるでしょう。

企業がDX化を推進する際のポイント

DX化を実現することで、企業はさまざまなメリットを期待できます。上記のような実りのあるDXを実現するために、次のポイントを押さえることも重要です。

DX推進を前提とした経営の実現

DXを実現するにあたって、大切なのが形式上のIT導入に留まらないことです。DXを実現するために新しいITツールを導入すれば、必然的に社員の業務も大きく変化するケースがほとんどです。アナログ作業に慣れている人は、新たにPCを使ってさまざまなツールを使いこなすことが求められるようになるため、一時的な業務効率の低下も想定されます。

現場は新しい環境に慣れようとしているとしているのにもかかわらず、トップの人間がITを活用できていないというのも、業務効率の観点から良くないケースですし、企業文化にも悪影響を与えます。従業員向けの研修を提供したり、導入に伴う事前の打ち合わせを入念に行ったりといったように、新しい組織体制の構築に向けた動きにも力を入れましょう。

基盤になるITシステムの構築

新しいITを導入するためには、基板システムのアップデートも欠かせません。老朽化したシステムを使い続けるのは維持管理コストの面で負担が大きいだけでなく、最新ツールの活用も妨げます。

新しいシステムの開発には時間とコストを要しますが、クラウド型のシステムを機軸とすれば、この負担を大幅に削減できます。自社開発をする必要がないため初期費用を大きく抑えられますし、オンライン対応でリモートワーク環境を整えやすくなるなど、DXに求められている結果を容易に達成できるようになります。

DX人材の確保

DXの実現においてもう一つ大切なのが、DX人材の確保です。DX人材にはさまざまな役割がありますが、端的にいえばDXの導入に活躍してくれる人材のことを指します。「DXを実現するぞ!」と意気込んでも、実際にDXを進めていく上で、まずは何をすれば良いのか、どんなスキルが必要なのかなど、さまざまな疑問が出てきます。このような問題に対処すべく、ノウハウを駆使してDXを推進してくれるのがDX人材です。

DXをどのように進めていくのかをディレクションする人物や、実際にツールの導入および維持管理を担当するエンジニア、さらにはオンラインでの業務を遂行してくれる営業担当まで、その役割は多様化しています。自社の従業員を教育してDX環境に適応させることは比較的容易である一方、DXを実際に進める人材の育成はノウハウがなければ難しく、外部から招くことが求められます。

ただ、多くの企業がDXの推進に動いている現在では、こういった人材は非常に高い希少価値を有することとなっています。主要企業の2021年度の中途採用が20年度比16%にまで増加しているということですが、その多くはDX人材の確保が目的です。

新卒採用でDX人材として鍛えるのではなく、ノウハウのある人材の確保に多くの企業が動き出しています。トレンドに遅れを取らないためにも、早期の人材確保が必要になるでしょう。

参考:日本経済新聞「中途採用10年ぶり伸び DX人材底上げ、ソニーGは2割増

企業がDX化を推進する際の導入手順

DXを実現するといっても、一体どこから手をつけたら良いのか、初めての試みとなるとわからないことも多いものです。電通アイソバーではDXの推進にあたり、以下の手順でDXを徐々に実施していくことが望ましいと推奨しています。

参考:電通アイソバー「5つのステップで考えるデジタルトランスフォーメーション

ステップ1:デジタル化

DXのファーストステップがデジタル化です。ひとまず業務内容をすべてデジタルへと置き換えることで、企業にDXの土壌を作り出し、データの蓄積を進められるようになります。

ステップ2:効率化

2つ目の手順が、効率化です。デジタル化によって蓄積されたデータを生かし、ツールの活用に応用していくことで、業務の自動化や効率化を進めていくことができるようになります。この段階で業務効率化や人材不足の解消が進んでいくことから、多くの企業はまずこのステップの達成を目指すことになるでしょう。

ステップ3:共通化

3つ目の手順として挙げられるのが、共通化です。DXは全社的な活用が目標ですが、いきなり会社の隅々にまでDXを行き渡らせることは困難です。そこで、一つの部署で推進し、効率化の実績を作ることのできたノウハウを他の部署などにも共有することで、共通のDX化を少しずつ普及させることが可能になります。蓄積されたデータ活用の幅が広がるだけでなく、新たにデータをインプットし、より効率的なシステムの構築を促進できます。

ステップ4:組織化

4つ目のステップは、組織化です。部署を超えて共通化されたDXを、組織全体で運用ができる仕組みづくりを進めていく段階です。この段階までくると、一つの部署のDX担当者が請け負うには手に余るため、部署を超えた専任のDXチームの創設も必要になります。

ステップ5:最適化

最後のステップが、最適化です。デジタルテクノロジーが自社の基盤となり、その活用による事業イノベーションを起こす段階です。デジタル活用が当たり前となった今、次に目指すべきは新しいビジネスチャンスの創出です。これまで蓄積してきたデータを活用しさらなる競争力を獲得すべく、市場を切り開いていきましょう。

まとめ

DX化をスムーズに達成するためには、積極的なIT活用が求められます。また、DXの推進に伴う課題は企業によって異なり、自社の人材では対応できないケースも多々あります。

そのためには、外部からDX人材を新たに獲得する必要もありますが、DXの推進が多くの企業で進んでいる現在では、人材の獲得も難しくなりつつあります。素早くDXの推進を進めていくためにも、どのような手順でDXを進めていくべきかを理解し、自社の課題に対する意識を高め、最適な人材確保と打ち手の模索を進めていく必要があるでしょう。

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