マーケティングオートメーション(MA)とは?
市場規模・ツールと機能・活用事例

2021/04/22 コボットコラム
マーケティングオートメーション

IT技術の発展に伴いビジネスのデジタル化が大きく進んでいます。デジタル化によって業務の自動化が進み、多様な業務に波及し始めています。

近年、新たな自動化システムとして「マーケティングオートメーション」という言葉をよく耳にするようになったことでしょう。今回はマーケティングオートメーション(MA)の基礎的な知識から、応用方法や実例まで紹介します。

マーケティングオートメーション(MA)とは?

マーケティングオートメーションは、MA(Marketing Automation)とも呼ばれているシステムです。インターネットやスマートデバイスの発達によって、マーケティング業務に革命をもたらす最先端のビジネスツールです。

定義

マーケティングオートメーションは日本語で「マーケティング自動化」と直訳され、マーケティング業務を自動化するツールを指します。

従来、マーケティング業務は人の手を必要とする業務であり、膨大な時間と莫大な費用がかかってしまうものでした。近年のインターネットメディアの発達や、デジタル技術の推進により、煩雑なマーケティング業務を自動化できるようになりつつあります。

例えば、インターネットを通して顧客の好みを自動で判別し、適切な広告を表示するシステムなどがマーケティングオートメーションに該当します。

市場規模

市場調査を専門とする矢野経済研究所の発表によると、2020年の日本のデジタルマーケティングサービス市場の規模は約551億300万円にものぼると予想されています。中でも、マーケティングオートメーションに絞ると447億3,500万円。さらに、市場は今後成長していくことが予想され、2025年には約737億円の市場規模に成長すると見込まれています。

さらに、マーケティングオートメーションは世界的にも有望と考えられている業界です。2024年には64億ドルの市場規模に成長すると予想されています。

参照元:
Marketing Automation Market worth $6.4 billion by 2024(MarketsandMarkets Research Private Ltd.)
DMP / MA市場に関する調査を実施(2020年)(矢野経済研究所)

BtoBとBtoCの違い

マーケティングオートメーションは、BtoB(企業向け)とBtoC(消費者向け)によってツールの特性が異なります。まず、企業と消費者は購買までのプロセスが大きく違うため、ツールもそれぞれに最適化したものが必要になります。

企業の担当者は複数人いますので、多くの人々を納得させるような合理的なマーケティングが必要になります。BtoBでは企業の利益を成長させるために必要な商品であることをアピールしなければ受注にはつながりません。

一方で、消費者は感覚的な利点を訴えかけるマーケティングが一般的であると考えられています。つまり、BtoCは直観的なマーケティングが必要となります。

以上のように、企業と消費者はそれぞれが購買を決定する要素が大きく異なっているため、マーケティングオートメーションについてもBtoBとBtoCで異なる調整が必要になります。なお、一般的にはマーケティングオートメーションツールはBtoB特化型とBtoC特化型に分かれているため、利用の際には注意が必要です。

SFAとCRMの違い

マーケティングオートメーションは「SFA」や「CRM」というツールと混同されがちです。

まず、SFAはセールスフォースオートメーション(Sales Force Automation)の略称です。営業担当を支援するためのツールで、商談から受注までの過程の最適化を行います。

次に、CRMはカスタマーリレーションシップマネジメント(Customer Relationship Management)の略称です。CRMも営業担当が管理する顧客情報を自動処理するツールですが、CRMは主に商品を購入した顧客との関係性を管理・良好に保つためのものです。

MA、SFA、CRMはすべてマーケティングに関する業務を効率化するツールですが、それぞれ活躍するタイミングが異なり、3つのツールは時系列に沿って運用できます。たとえば、次のような流れになります。

  • 1. MAによって見込み顧客の獲得を効率化
  • 2. SFAによって受注までの業務を効率化
  • 3. CRFによって受注後に顧客との関係性を築き、アップセルの可能性を高める

それぞれマーケティングに欠かせないものですが、順番に活躍していくシステムであることを覚えておきましょう。

マーケティングオートメーションツールが持つ機能

次に、マーケティングオートメーションツールに備わっている機能について具体的に紹介いていきましょう。「定型化できるもの」と「定型化できないもの」の2つに分け、「定型化できるもの」に関して積極的に自動化します。

Webとの連携

マーケティングオートメーションの一番の強みは、Webとの連携機能です。

Web上にマーケティングオートメーションを稼働させることで、商品ページへのアクセス数やリンクのクリック率、表示広告の最適化など、Web上においてマーケティングに必要なことは網羅しています。Web連携によって、商品サイトを訪れた顧客の動向を数値化できるため、マーケティング対策用のデータ収集ツールとしても役に立ちます。

Web連携は営業業務の中でも特に「定型化できる」傾向があるので、真っ先に自動化した方が効率的なマーケティングができるでしょう。

見込み顧客・スコアリング管理

「見込み顧客」とは、「リード」とも呼ばれており、商品やサービスに比較的興味を持っており、将来的に購買する可能性が高い顧客を意味しています。

たとえば、何度も商品のサイトを訪れている顧客は商品に関心を持っている可能性が高いため、見込み顧客とみなされます。また、スコアリングは見込み顧客の購買意欲をスコア化することで、膨大な数の見込み顧客から特に購買意欲が高い人々を抽出する機能です。

Eメール管理

Eメール管理を自動で行う機能もマーケティングオートメーションツールの強みです。むやみにメールを送るのではなく、購買可能性が高い見込み顧客リストに向けた効率的なメール配信ができます。

また、見込み顧客リストの中から、特定の条件に合致する人だけに向けたメール配信も可能です。

営業担当の管理やマーケティング対策

マーケティングオートメーションは、社内の営業担当の業務も効率化します。

営業において、顧客との商談などは「定型化できないもの」に当たるため、完全な自動化はできません。しかしながら、「定型化できないもの」以外を自動化することによって、人の手間をなくし営業担当の業務を効率化することはできます。

たとえば、商談の自動スケジューリングや、担当者の自動割り当て機能などが該当します。

また、得られた顧客データや商品の売れ行きなどから、自動的にデータを算出し、営業担当のマーケティング対策が立てやすくする機能も備わっています。

「定型化できる」業務まではツールがサポートし、人間は「定型化できない」業務に集中することで、マーケティング全体の効率化と品質向上につながります。

マーケティングオートメーションがもたらすメリット

マーケティングオートメーションの導入を検討するうえで、そのメリットについての理解をしておくと、どういった効果が得られるかイメージしやすくなります。ここでは、マーケティングオートメーションの導入によってもたらされるメリットを紹介していきます。

業務の効率化・高速化

マーケティングオートメーションは、時間とコストのかかるマーケティング業務を大幅に効率化・高速化します。具体的な業務でいえば、次のような業務が該当します。

  • ・名刺データ化
  • ・属性付与
  • ・応募フォームの作成
  • ・アクセス解析
  • ・セミナーページ作成
  • ・営業のアプローチ管理

マーケティングオートメーションは時間も短く済み、人件費も抑えられるので、全体的な生産性が大きく上昇します。

人的エラーの防止

ビジネスにおけるオートメーションがもたらすメリットとして「人的エラーがなくなる」ことがしばしば挙げられます。マーケティングオートメーションについてもその恩恵は大きいです。

なぜなら、マーケティングにおける人的エラーは致命的な被害をもたらすことすらあるためです。「商品に対して興味のない客へメールマガジンを送ってしまった」程度であれば大きな問題にならないかもしれませんが、「商談のスケジューリングを間違えてダブルブッキングしてしまった」といった場合には大きな問題になりかねません。

受注につながる部分の業務であるからこそ、自動化によるエラーの減少は多大なメリットがあります。

案件・顧客の質の向上

マーケティングオートメーションの利点は、意外な所にも現れます。それは、「顧客との関係性」です。

マーケティングオートメーションは、見込み顧客やサイト訪問者の動向をデータ化し、興味を持った商品やセミナーの関連資料を送ったり、適切なタイミングでヒアリングや見積相談を行ったりすることができます。その結果、顧客ごとのパーソナライゼーションが効率的に行えるため、顧客一人一人との関係性をスピーディに築くことができます。

マーケティングオートメーションは単に自動化するだけでなく、顧客側の体験も改善させる機能を持つツールであるといえます。

マーケティングオートメーションツールの例

続いて実際に国内企業で運用されているマーケティングオートメーションを例にとって、どのようなことができるのか解説していきましょう。

Marketo

Marketo(マルケト)は、全世界5,000社以上で利用されているマーケティングオートメーションプラットフォームです。「リードスコアリング」「メール自動化」「モバイル対応」「ソーシャルメディア連携」「デジタル広告分析」など9つの機能をそろえたスタンダードなツールです。

BtoBとBtoCのどちらにも対応しており、1つのプラットフォームで統一した操作を行うことができます。

Pardot

Pardotは、株式会社セールスフォース・ドットコムが提供するマーケティングオートメーションツールです。「アクセス分析」「メールシナリオ設定」などのマーケティング機能と、セールス活動を融合させ、営業効果を最大化します。

同社サービスのSalesforce Digital 360などとの連携することにより、より高い確率で見込み顧客をピックアップし、受注につなげることができます。

Hubspot

HubSpotはマーケティングオートメーションに加え、CRM・SFA(顧客関係管理・営業支援 )やCMS(コンテンツ管理)までを備えたオールインワンプラットフォームです。そのため、1つのプラットフォームでマーケティングのあらゆる業務をデジタル化できます。

それぞれの機能連携も簡単で、知識がなくとも利用できることが強みです。また、HubSpotは“Webで効果を出す”ために特化したサービスであることを掲げており、Webを通して顧客関係を強化し、顧客定着率を向上させるビジネスを実現することを目指しています。

SATORI

SATORIは集客に強いマーケティングオートメーションツールで、「見込み顧客増加」に強みを持っています。今後顧客になる可能性の高い「匿名顧客」データを管理し、実名顧客となる可能性を高めるツールです。

また、事前の準備が必要なく、即日運用スタートできる利便性の高いプラットフォームです。マーケティングオートメーションの運用経験が少ない方でも使用しやすいツールです。

Adobe Marketing Cloud

Adobe Marketing Cloudは、PhotoshopやIlustlaterで有名なアドビ株式会社が運営するマーケティングツールです。デジタルコンテンツを用いたマーケティングに強く、データ量の大きい画像や音声の保管だけでなく、共有や編集も可能です。

また、Adobe Creative Cloudとの連携機能もできるため、クリエイティブ系企業のマーケティングに適しているツールです。

マーケティングオートメーションの活用事例

最後に、マーケティングオートメーションの活用事例について紹介いたします。実際にどのように役に立っているかを知ることで、マーケティングオートメーションの使用シーンとその成果をより具体的に理解できます。

メールマガジンによる新規商談創出

メールマガジンはかつてのWebマーケティングの代表でしたが、マーケティングオートメーションによってその価値は大きく代わりつつあります。

以前は登録者に対し同じメールを送るものが主流でしたが、マーケティングオートメーションにより、商品やサービスへの興味に応じて内容を臨機応変に変えることができるようになりました。効果的にメールマガジンを送れるようになり、新規商談を創出する企業が増えてきています。

匿名顧客・潜在顧客へのアプローチ

匿名顧客とは、商品やサービスページに外部から流入してきたばかりの顧客のことを示します。運営側が顧客の情報を知る術がない状態ですので「匿名顧客」と呼ばれます。こういった匿名顧客に対してアプローチしていくことで、新たな見込み顧客を獲得することができます。

また、潜在顧客とは商品やサービスを知らない、ニーズを感じていない顧客です。商品やサービスを知る機会があったり、そのニーズを感じる機会があれば、見込み顧客になる可能性があります。

マーケティングオートメーションは、こういった匿名顧客・潜在顧客にアプローチします。その結果、新たな販路開拓に一役買い、頭打ちになっていた受注数を伸ばした事例もあります。

受注につながるウェビナー運用の効率化

ビジネスにおいて、新しいシステムや商品をいきなり受注してもらうことは困難です。その解決策として、システムや商品のウェビナー(ウェブセミナー)を開催することが有効とされますが、ウェビナーの管理やスケジューリングだけでも大変な業務です。

マーケティングオートメーションは、受注につながるウェビナー管理を自動で行い、受注につながる可能性を効率化できます。

スコアリングで営業活動のリソース不足を補う

スコアリングにより、見込み顧客の中から購買につながる可能性の高い層を抽出することができるようになりました。その結果、余計な営業活動をする必要がなくなり、少ないマンパワーで効率的な営業ができるようになりました。

労働人口の減少が進む社会において、営業活動のリソース不足は避けて通れない課題です。マーケティングオートメーションの導入により、人手が足りなくても優れた商談創出が可能になった中小企業は数多くあります。

まとめ

マーケティングオートメーションについて基礎的な事柄から、実際の応用例まで紹介いたしました。多くの企業にとって、マーケティングオートメーションは企業の利益を成長させる可能性のある存在です。

消費者としてもマーケティングオートメーションをよく理解することで、自分にとって有用な企業を見つけやすくなるかもしれません。

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