営業力向上のための「トークスクリプト」作り方とは?押さえるべきポイント

2021/03/23 コボットコラム
トークスクリプトの作り方

営業活動を円滑に進めるためには、あらかじめどのようなことを話し、どういった着地点に落とし込むかということを準備しておく必要があります。

その上で役に立つのが、トークスクリプトと呼ばれる台本です。一般的なコミュニケーションとは違い、スクリプト作成によって会話内容をコントロールしながら話すことで、効果的なインサイドセールスを実現できます。

今回は、営業力向上につながるトークスクリプトの作り方や、その活用方法について紹介します。

トークスクリプトとは

トークスクリプトとは、見込み客や顧客とのコミュニケーションの際、何を伝えれば良いのかの基準となる台本です。

お客様対応は会話相手のニーズに応じて、異なるシナリオが必要になります。単一のマニュアルに則った受け答えや売り文句では、セールス活動の満足度は低下し、成約やさらなる商談にステップアップすることができないためです。

また、ぎこちない受け答えや不慣れな様子を見せてしまうと、相手からの信頼が失われ、ニーズに応えることができなくなってしまいます。

あらかじめ会話内容を想定し、状況に応じて上手くコミュニケーションのアプローチを変化させるために、トークスクリプトは重要です。台本を複数用意しておくことで、最適な案内を見込み客に提供することができます。

トークスクリプトを作る際の手順

トークスクリプトを作成する上では、いかなる場合でも一定の順序に従って作成し、安定したクオリティのコミュニケーションができる必要があります。ここでは、適切なトークスクリプトの作り方を学び、自身の営業活動に活用してください。

ペルソナを設定する

トークスクリプトにまず必要なのは、ペルソナの設定です。

ペルソナとは、自社商品を買ってくれたり、サービスを利用してくれたりする架空のユーザーのことです。自分が話す相手はどのような人なのかを書き出し、実際にコミュニケーションを取る様子を想像しながら考えてみてください。

ペルソナを導き出す方法は、いくつものアプローチが考えられます。セールスを進めたい商品のターゲット層やリスト化された見込み客のプロフィール、実際に受け答えをしてきた経験など、人柄を想起させる情報はさまざまです。

ペルソナ作成は、単にターゲットを絞るだけでなく、より具体的に人物像をイメージすることが重要です。例えば、「年齢は35歳、シニアコンサルタントを務める男性会社員で、顧客管理のシステムに問題を抱えている」といったような設定です。

実在する人物をもとにペルソナを作成するというのも、具体性のあるトークスクリプトを作るために有効です。

会話の目的を定める

会話をする相手のイメージがつかめたら、次に会話の目的を定めましょう。営業におけるコミュニケーションは雑談などとは異なり、着地点を設定しなければなりません。

話し相手となる見込み客の課題をどう解決するのか、そしてどういう風に自社商品の販売促進につなげるのかなど、最終的な着地点をあらかじめ設定し、効率良く案内を提供する必要があります。

ゴールが明確でなければ、せっかく会話の機会が設けられたのにも関わらず、曖昧な返事や回答ばかりで上手にセールスを進めていくことができません。限られた時間の中を有効に使うためにも、初めに目的を設定し、そこから逆算するように会話の構成を構築していくことが大切です。

会話内容を想定し返答を複数用意する

コミュニケーションというのはプレゼンとは異なり、常に話す内容がその時々によって異なってくるものです。そのため、会話のパターンにゆとりを持たせておかなければ、想定していなかった展開になった際に、上手に応対することができなくなってしまいます。

こういった事態を避けるためにも、トークスクリプトは展開に応じて柔軟に対応できるよう作成する必要があります。チャート形式で作成し、顧客の応答に合わせてスクリプトをなぞっていくことで、セールスを進められるというのが理想です。

商品についての問い合わせなど、見込み客に何らかの問題意識や疑問点があって会話が始まる場合には、ある程度会話の展開に検討はつけやすいものです。よくある質問はリストアップし、この質問がきたらこう答えるなど、想定し得るパターンはすべて網羅しておくことで、安心してセールスを進めることができます。

具体的な数値情報を用意する

自社サービスや商品を紹介する中で、上手く信頼を感じてもらうためには、確固たる情報を伝えることが有効です。特に、数値化された情報は簡潔に伝えられるだけでなく、発言に納得感を持たせることができます。

「弊社のサービスを利用することで、60%のコスト削減に成功した」などという文言を随所にちりばめることで、それとなく興味と信頼感を持ってもらうことができます。これらの情報は、その場の対応でスッと出てくるものではないため、あらかじめ資料を集めておき、トークスクリプトの中に盛り込むことが大切です。

また、あまり数字を強調しすぎても、かえって大袈裟な印象を持たれてしまいかねません。そのため、さりげなく伝えることがポイントです。

トークスクリプトを作る上でのポイント

トークスクリプトを作る最大の目的は、見込み客の多様なニーズへ柔軟に応えるためです。その目的を上手に達成するためには、ポイントを踏まえて作成する必要があります。

相手の興味関心に注目する

トークスクリプトは会話の基礎のとなる台本ですが、言いたいことをすべて伝えれば良いというわけではありません。相手の疑問点や課題に応じて、上手く回答を提案する必要があります。

そのためには、相手がどのようなことに関心を抱いているのかについて、深く理解する必要があります。この商品に興味を持っている人は、どういった問題を抱えていて、どのように解決したいのかというところまで深く読み取り、提案を行わなければなりません。

トークスクリプトの作成メソッドに則って台本を作成するのは良いのですが、ただ単にセオリーに当てはめるだけでは、丁寧にコミュニケーションを取ることは難しいものです。

ペルソナ作成の段階や会話の目的を検討する上で、「こういう人はこんな情報を求めている」ということを熟慮し、期待に応えてあげられるようその情報をスクリプトに組み込みましょう。上手く相手の関心にフィットする情報を提供できれば、信頼できる企業として一目置いてもらえます。

見込み客に合わせてシナリオを複数用意する

インサイドセールスにおける目的が常に同じであっても、見込み客の問題意識が一定であるとは限りません。例えば、初めて会計システムの導入を検討しているけれど、どうやって製品の比較をすれば良いのかわからない見込み客の場合を考えてみましょう。

このケースの問い合わせだと、システムの初歩的な活用方法や、導入の手順、そして比較のポイントをわかりやすく伝えることが求められます。専門的な機能の説明などは優先度が低くなり、とにかく会計システムの利便性や、導入後はどのような成果が期待できるかというところに会話の重点をおくことが求められるでしょう。

一方、すでに会計システムを導入しており、別のシステムへの切り替えを検討しているという見込み客のケースはどうでしょうか?「新しいシステムの導入を検討している」という点では前者の見込み客と共通ですが、こちらの場合はすでに会計システムの導入経験があり、基本的な使い方や見込まれる効果については理解していると考えられます。

すでにシステムを導入しているのにも関わらず切り替えを検討しているということは、現在のシステムに問題を抱えているということになります。

この場合、今のシステムにどのような不満を感じているのか丁寧に聞き出し、その改善方法を提案します。そして、改善策を実施するために自社のシステムが活躍すると結論づけることで、悩みの解決と販売促進の両立が実現します。

このようにゴール地点は同じでも、顧客に応じて別個の案内が必要になります。そのため、トークスクリプトを複数パターン用意し、確実なガイダンスを提供しましょう。

トークスクリプトを作るメリット

営業のためにわざわざ台本を作るのは面倒と感じる人もいるかもしれませんが、トークスクリプトは単なるマニュアルにとどまらない、いくつものメリットを提供してくれます。

営業の基本となる話し方を取得できる

トークスクリプトは、実際のセールス活動の中で使用する台本で、それに基づいてコミュニケーションを行います。トークスクリプトの作成、そして活用というステップを踏むことで、どうすれば効果的な営業活動を行えるのかということを、身をもって理解できます。

トークスクリプトの活用機会は、電話応対などのインサイドセールスを前提としていますが、そのコンセプトは対面の営業にも活かすことができます。相手の困りごとを聞き、上手く解決につながる情報を伝えるとともに、自社商品の販促も行うという手順は、オフラインのセールスでも同様です。

頭の中にトークスクリプトの構成が自然と浮かぶようになれば、営業担当として高いパフォーマンスを発揮できるようになるでしょう。

一定のパフォーマンスを常に維持できる

トークスクリプトは複数のパターンがあるとはいえ、シナリオの内容がいきなり書き変わるということはありません。そのため、伝え方などに違いはあれ、常に一定のパフォーマンスでセールストークを展開でき、安定した営業活動を実現できます。

複数の会話パターンを用意しておくことで、「あの手の人に営業をするのが苦手」という問題を解消し、スムーズに目的の達成に向けた会話を進められます。あらかじめ台本を用意することで会話内容にブレがなくなり、等しく顧客満足度を高めることができるでしょう。

スムーズな案内を実現できる

トークスクリプトに則って案内を提供すれば、伝える側としても混乱が少なくなり、スムーズな案内が可能になります。トークスクリプトの活用で「こう来たらこう」を徹底し、曖昧な返答や質問に答えられないという事態を回避できます。

スムーズな案内を実現できれば、見込み客にもリラックスして話を聞いてもらえるため、KPI達成の確度は高まります。

不安を抱えることなくコミュニケーションを取れる

あらかじめ会話の内容をスクリプト形式でまとめておけば、営業担当者のメンタルに安心感をもたらすことができます。経験の浅い営業担当でも「答えられない質問が来たらどうしよう」と不安を抱える心配がなくなるので、自信を持って応対に臨んでもらえるのです。

電話での応対とはいえ、話しての不安やネガティブな感情は、想像以上に相手へ伝わってしまいやすいものです。少しでもリラックスしてインサイドセールスを実践するためにも、トークスクリプトは重要です。

トークスクリプトの活用方法

トークスクリプトを作成するプロセスも担当者には有益な経験となりますが、上手な活用方法を知ることで、インサイドセールスの質をさらに高められます。

台本として使用しない

まず、トークスクリプトはあくまで会話の目安として使い、台本代わりにそのまま読むことは避けましょう。前述の通り、会話は状況に応じて常に変化するものなので、相手の満足度を高めるためには「生身の会話」も重要です。

トークスクリプトのシナリオには従いながら、自然な相討ちや回答を心がけ、対面の会話のように話すことが大切です。

シミュレーションを繰り返し行う

トークスクリプトが完成したからといって、事前準備をそこで終わらせないことも大切です。作成したスクリプトのフィードバックをもらったり、同僚とシミュレーションを繰り返したりしてアップデートを繰り返すことで、優れたスクリプトへ仕上げられます。

また、シミュレーションを通じて会話能力も高めることもできるため、積極的に実践することが大切です。

話すだけでなく聞くことにも意識を向ける

自分から話したいことがあるとなると、ついつい話すことばかりに意識が向かってしまうものです。しかし、インサイドセールスにおいては、相手の話を聞くことも大切です。

特に、相談事や悩み事については、しっかりと掘り下げて解決に向かうことが大切です。月並みな回答では「どこかで聞いたことのあるような話だ」となってしまい、専門性の低い担当者だと思われてしまいます。

見込み客の具体的なニーズを聞き出し、それに最適な答えをこちらから提案することで、満足度の高い対応を実現できます。

まとめ

トークスクリプトを正しく作ることができれば、たとえ非対面のインサイドセールスであっても、満足度の高い営業活動を実現できます。また、スクリプトは複数用意し、フィードバックやシミュレーションをもとに改善を繰り返すことで、さらなるクオリティを期待できます。 トークスクリプトを正しく活用する技術を身につけ、高い営業効果を実現しましょう。

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