飲食店がテイクアウトを始めるべき理由とは?営業許可は必要?

2021/03/05 コボットコラム

今や、テイクアウトは多くの飲食店が導入している施策の一つで、外食需要が減少傾向にある中、その歯止めとして活躍しています。飲食店がテイクアウトを始めるべき理由や、実際の効果について改めて確認し、その有用性を理解しておきましょう。

増加するテイクアウト需要

テイクアウト需要は2020年を境に急増しており、都市部を中心に多くの需要が生まれています。

新型コロナの影響で外食需要は激減

テイクアウト需要が急増した原因の一つに、新型コロナウイルスの流行が挙げられます。2021年3月中旬現在、ワクチンの開発が進んだことで感染者の急増には歯止めがかかっているものの、依然として予断を許さない状況が続いています。

特に、緊急事態宣言下においては飲食店の経営は非常に厳しく、客足が遠のくばかりか、営業時間の短縮要請でまともな営業が続けられない状態にあります。激減した外食需要の穴埋めとして、テイクアウトは大いに注目されています。

テイクアウトをきっかけに外食需要も喚起

テイクアウトは、単に外食の売り上げを補填するだけではなく、新しい外食需要を喚起する上でも役に立ちます。店内で飲食をするよりもハードルが低く、テイクアウト専門の注文アプリも充実しているため、さまざまな店舗のメニューを試してみようという選択の提供に活躍しています。

デリバリーとは異なり、テイクアウトは直接店舗に赴く必要があるため、購入者は店の場所情報や周囲の土地勘も養われます。そのため、テイクアウトで店を訪れるハードルを下げ、来店につなげていくこともできるでしょう。

テイクアウト導入で期待できる飲食店のメリット

テイクアウトの導入によって、飲食店はさまざまなメリットを期待できます。

収入源を確保できる

テイクアウトの最も大きいメリットが、やはり収入源の確保です。イートイン需要が激減している現在、テイクアウトやデリバリーといった方法で売り上げを確保することは大切です。

また、テイクアウトやデリバリーを注文する文化が前以上に定着していることで、今後もイートインに変わってテイクアウトを選ぶ人が増えることも予測されます。新たな収益源として、本格的にテイクアウトに進出するのも良いでしょう。

新規顧客を創出できる

テイクアウトを足がかりに、これまでは興味を持ったことがないお店のメニューを味わえることで、今度は直接店舗で食べてみようという動機も生まれます。特に、味にこだわる飲食店を展開している場合、テイクアウトをトライアル代わりに提供するのは悪くない選択と言えます。

また、これまでテイクアウト行ってこなかったお店の場合、テイクアウト特化の需要に応え、新規顧客の創出につながります。オフィス街などではランチだけテイクアウトで利用したいというニーズもあるため、イートイン専門では接点のなかった顧客に、リピーターとして定着してもらえることもあるでしょう。

イートイン需要を創出できる

お店の良し悪しを判断する上で、最も重要なのはその店のメニューを体験できる機会です。テイクアウトは手軽に店の味を堪能できるため、初めてのお店でも安心して注文ができます。

テイクアウトでその人の気に入った味を提供できれば、今度は直接お店の中でメニューを味わいたいと考えるかもしれません。お店の存在を認知できるチャンネルの増加につながるため、テイクアウト特化の顧客だけでなく、イートイン需要の創出にも活躍します。

飲食店がテイクアウトを導入する際に必要な許可・申請

イートイン特化の飲食店が、新たにテイクアウト事業に参入するとなると、色々と面倒な手続きがあるように感じるかもしれません。しかし、実際のところ、飲食店を新たに開業するのに比べれば、テイクアウトの導入ハードルは非常に低いことがわかります。

飲食店のテイクアウト進出に許可は必要なし

まず、飲食店がテイクアウト、およびデリバリーを始めるにあたって、新しい許可を取る必要はありません。

飲食店開業には食品衛生講習などを受ける必要がありますが、テイクアウトの場合はこれといった届出も必要ないため、思い立ったらすぐに始められることが特徴です。

ただし、ハムや漬物などの加工食品の持ち帰り販売を始める場合には、飲食店営業許可とは異なる許可が必要となります。自治体によって異なる制度が存在するため、テイクアウトと合わせて開始する場合は、あらかじめ保健所に相談しましょう。

専用容器の準備

テイクアウトを行う上で重要なのが、専用容器の準備です。紙やプラスチックでできた容器を用意し、持ち帰りができるよう準備しましょう。

こういった容器や容量の変更に伴い、オペレーションの変更が余儀なくされることもあります。あらかじめどのような業務が新たに発生し、どう変更されるのかを確認することで、スムーズに対応できるよう準備しておきましょう。

テイクアウト対応アプリの導入

店の前で持ち帰り用の弁当を並べるのも良いですが、新規顧客の創出にはテイクアウトアプリの導入も有効です。例えば、テイクアウトアプリ最大手の「menu(メニュー)」では、周囲のテイクアウト対応店舗を表示し、ユーザーの誘導を行ってくれています。

その店の存在を知らなくとも、アプリによる案内で店舗への集客を得られるため、登録しておいて損はない施策です。

テイクアウト導入の成功事例

次に、実際のテイクアウト導入事例を確認し、どのような効果が期待できるのか確認してみましょう。

事例①:アメリカンBBQダイニングAjito

山梨県の「アメリカンBBQダイニングAjito」では、2020年4月よりテイクアウトを導入し、他店とは異なるドライブスルーを提供することで話題となりました。店舗前に掲げられたQRコードを読み取ることで、すぐにテイクアウトサービスへと移行することができ、注文後は店の外にまで商品を届けてくれることで、3密を回避する仕組みです。

導入から間もなく、1日あたり20件程度の注文が入っているということで、安定した集客を実現しています。

事例②:和牛と魚貝 おへそ

静岡で創作和食を提供している「和牛と魚貝 おへそ」では、イートイン需要が激減した一方、歓送迎会などを少人数で実施したいニーズに応え、独自のテイクアウトプランを用意しての集客に取り組んでいます。

年度末は大人数で集まるイベント需要がある一方、外食は利用できないという状況があったため、こちらのお店では県内でもいち早くテイクアウトとデリバリーに対応しました。飲食店応援のトレンドがあったことや、早い段階でテイクアウト対応を実現していたことから、多くの注文を獲得し、売り上げの確保に成功しました。

事例③:かつれつ四谷たけだ

「かつれつ四谷たけだ」では、テイクアウト導入に合わせて、カード決済や予約注文もシステムと連携することで実現しています。

テイクアウトアプリの導入により、店舗を訪れなくとも事前に注文が可能となり、待ち時間なく商品を提供できています。混雑の緩和だけでなく、従業員の削減によって運営コストの緩和と3密回避を可能にしました。

事例④:肉の大山

「肉の大山」は2020年の4~5月は店の営業を停止し、テイクアウトを行い、予想を超える売り上げ確保を実現しました。

顧客管理システムに登録されていたリストから、SMSによるダイレクトメール送信を実施し、テイクアウトの利用を促進。150件のDM送信の後、システム上で48件の注文が入っただけでなく、直接店舗に訪れての注文も生まれました。

テイクアウトシステムを有効活用している良い例と言えます。

事例⑤:龍の子

東京・渋谷の中華の名店「龍の子」でも、テイクアウトシステムの導入が進みました。リピーター向けのサービス向上を目指し、顧客情報を管理システム上でデジタル化し、SNSでの情報発信などにも取り組んできました。

常連として足繁く通うお客が離れてしまわないため、外食需要が減少する中でも高いクオリティのサービスを提供するためのシステム化に邁進しています。

システム導入に際しては複雑な操作が必要ないサービスを選び、複数人のスタッフが滞りなく操作でき、すぐにシステムを実践できる環境づくりに力を入れたということです。

テイクアウトを導入し売上を伸ばすポイント

テイクアウトを形だけの導入にとどまらず、確実な売り上げへとつなげるためには、ポイントを押さえておく必要があります。

ターゲットの再設定

まずは、ターゲットの再設定です。テイクアウト需要は、イートインとは異なる提供の形態になるため、別の需要にのっとった商品提供が必要です。

オフィス街であればビジネスマン向けの、住宅地であれば忙しい主婦向けの商品など、TPOに応じたテイクアウトを進めると良いでしょう。

価格やラインナップの見直し

テイクアウトは店舗で商品を提供するわけではないため、イートインとは提供できるサービスも異なります。

テイクアウトメニュー専用の価格設定や、専用のメニューの開発などを行い、継続的な集客を実現しましょう。

集客施策の見直し

テイクアウトはイートインとは異なり、店舗空間をサービスとして提供することはできません。店の強みが商品そのものにない場合は、テイクアウトならではの強みを提供できるよう、新しい施策の考案が求められます。

テイクアウトサービスなどのツール活用

テイクアウトをただ始めるだけでは、その認知度を高めるのにある程度の時間を要します。

さまざまな企業から提供されているテイクアウトサービスを使えば、事前予約注文を円滑に進められるだけでなく、認知度向上にも役立ちます。積極的なツール活用を進め、テイクアウトのメリットを最大限高めましょう。

まとめ

飲食店におけるテイクアウト実施は、今や多くの店舗で実施されています。テイクアウトシステムの導入には手数料もかかりますが、集客のメリットや予約システム導入の効果を踏まえると、コストパフォーマンスに優れる取り組みです。

テイクアウトをどのように活用すれば良いのか確認し、店舗への導入を進めましょう。

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