営業業務の効率化は、多くの企業にとって解決したい課題の一つです。これは、人材派遣業界においても同様です。何らかのシステムなりルールなりを導入することで、可能な限り効率化していきたいものです。
今回は、人材派遣会社における営業業務の効率化手法について解説していきます。
人材派遣会社で課題となりやすい営業業務の効率化
近年、正規雇用者数の減少により、人材派遣会社の活動の場は増えています。「必要な人材を、必要なときに、必要なだけ欲しい」そのようなニーズが社会に多くあります。
しかし、人材派遣会社は、顧客企業の数および派遣スタッフの数だけ仕事量も増えていきます。
顧客企業情報の管理、派遣スタッフ情報の管理、商談を行うための移動、契約管理、勤怠管理……。これら日々のルーティンワークにおいて、「単純作業に時間がかかっている」「無駄やミスが多い」など、生産性の面で悩んでいる人材派遣会社は少なくありません。
なるべく営業業務を効率化することで、競争に打ち勝っていきたいところです。営業業務が効率化すれば、スピーディーな顧客対応ができるようになり、業績も上向くでしょう。
人材派遣会社における営業業務の効率化手法
人材派遣会社が、競争に打ち勝っていくために必要な営業業務の効率化。ここで、その具体的な手法を4つ紹介していきます。
営業マンの意識改革
営業業務の効率化というと、新しいシステム・ルールの導入といったアプローチが一般的ですが、その前に営業マン一人ひとりの意識を改革することが大切です。どんなに画期的な手法を導入したとしても、そもそも営業マンの意識が欠けていれば、大きな変化は期待できないからです。
では、具体的にどういった方法で意識改革を行えば良いでしょうか?
まず取り組みたいのが、「間違った価値観を正すこと」です。たとえば、現代でも「手間暇かける=偉い」「ショートカット=ズルい」といった古い価値観が残っている職場が少なくありません。この価値観のままでは効率化は進まないでしょう。
「長時間労働は生産性を下げてしまう行為」など何らかのメッセージを発信しながら、価値観を変えていく必要があります。
また、これに加えて、「管理職側から模範となる行動を取ること」「管理職側だけでなく営業マン側にもメリットのある仕組みにすること」なども効果的です。いずれ営業マン側から主体的に行動するようになるでしょう。
確度の高い見込み顧客の優先
見込み顧客の中には、「人材派遣は活用したことがないけれど、どのようなシステム?」「今は特に必要としていないけれど、いずれ必要となることもあるかもしれないから、プレゼンして欲しい」など、興味だけの見込み顧客、言い換えれば確度の低い見込み顧客も少なくありません。
確度の低い見込み顧客ばかりを相手にしていると、業務が滞ってしまうこともあるでしょう。確度の低い見込み顧客よりも確度の高い見込み顧客を優先していくほうがベターです。
移動の最適化
人材派遣業界の営業では、顧客との商談が多く、それに伴って移動も多くなります。次のような工夫をしながら、移動の最適化を行っていきましょう。
- ・同じエリアの顧客にまとめて訪問する
- ・顧客がオフィスにいそうな時間帯に行く
- ・顧客の繁忙期を避ける
- ・渋滞する時間帯を避ける
- ・天気の悪い時間帯(移動しにくい時間帯)を避ける
ITツールの導入
営業業務に特化したITツールを導入すると、営業業務を劇的に効率化することができます(次のセクションで活用できるITツールを紹介します)。ITツールの導入にはコストがかかりますが、効果は大きいです。業務時間を2割も3割も削減できるケースが珍しくありません。
また、ITツール導入によるメリットは業務効率化だけではありません。コスト削減やペーパーレスなどにもつなげていくことができます。
人材派遣会社の営業業務を効率化できるITツール
営業業務を効率化できる代表的なITツールとして、「SFA」「CRM」「MA」「RPA」の4種類が挙げられます。それぞれの詳細を解説していきましょう。
SFA(Sales Force Automation)
SFAとは、「Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)」の略称で、営業活動を支援してくれるツールのことです。
過去案件および現在進行中案件について、担当者の基本情報やアプローチ履歴、顧客の反応、スケジュール、アクションプランなど、商談に関するデータを一元管理してくれます。日程調整や日報作成サポート、アクションプランの提案、売上予測といった機能を有しているものもあります。
人材派遣会社におけるSFAの活用例:
- ・顧客企業情報および派遣スタッフ情報を一元管理することで問い合わせ対応の迅速化
- ・顧客企業と派遣スタッフの間で行われる面談の日程調整を自動化
CRM(Customer Relationship Management)
CRMとは、「Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」の略称で、顧客の管理を支援してくれるツールのことです。
顧客の基本情報や購入履歴、問い合わせ履歴、アンケート結果、スケジュールなど、顧客に関するデータを一元管理してくれます。顧客分析やメール配信、キャンペーン管理、アンケート管理、ナレッジ蓄積といった機能を有しているものもあります。
※CRMとSFAは似ているところがありますが、CRMは顧客ごとの管理、SFAは案件ごとの管理といった特徴があります。
人材派遣会社におけるCRMの活用例:
- ・サービス利用者アンケートの自動化
- ・定期的に行われる契約更新手続き案内の自動化
MA(Marketing Automation)
MAとは「Marketing Automation(マーケティング・オートメーション)」の略称で、マーケティング活動を支援してくれるツールのことです。「どのメールを開封したか」「どのWebコンテンツを見たか」といった行動履歴を活用しながら、見込み顧客の獲得から育成、スコアリング、ニーズ分析などを行ってくれます。
人材派遣会社におけるMAの活用例:
- ・見込み顧客の行動履歴から関心度をスコアリングすることで、営業ターゲット抽出の迅速化
- ・派遣スタッフの「どのような求人情報を見たか」といった行動履歴を活用することで、マッチングの迅速化
RPA(Robotics Process Automation)
RPAとは、「Robotics Process Automation(ロボティクス・プロセス・オートメーション)」の略称で、簡易的なパソコン作業を代わりに行ってくれるツールのことです。
簡易的なパソコン作業の例として、データ入力、インターネット上にあるデータの収集、メール配信、画像や動画の分類などが挙げられます。
人材派遣会社におけるRPAの活用例:
- ・勤怠チェックの自動化
- ・契約更新手続き漏れチェックの自動化
まとめ
人材派遣会社における営業業務の効率化手法について紹介してきました。営業業務を効率化させるためには、「営業マンの意識改革」を行った上で、「確度の高い見込み顧客の優先」「移動の最適化」「ITツールの導入」に取り組むことです。
特に、ITツールの導入は劇的な効果を期待することができます。自社の課題解決に最適なツールを導入することで、効率の良い働き方を実現しましょう。
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