アルバイトの人手不足を放置していると、店舗の評判が落ちて経営にも大きな影響を与えます。
そもそも労働人口が減少しているため、有効求人倍率は高く、優秀なアルバイトはすぐに他所へ移ってしまいます。
人手不足を認識しているなら、すぐにでも解消するために取り組まなければなりません。
この記事では、アルバイトが人手不足になる原因と改善策を紹介します。アルバイトが定着しなくて人手不足に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
アルバイトが人手不足になる原因
さまざまな業界で人手が不足しているといわれていますが、アルバイトも人手不足が深刻です。募集をかけても応募が集まらず、店長や社員がシフトの穴埋めをするケースも少なくありません。
人手不足を解消するには、根本的な原因を知ることが大切です。まずはアルバイトが人手不足になる原因について解説します。
労働人口が減っている
総務省の調査によると、少子高齢化にともない1995年から生産年齢人口が減少傾向にあり、多くの業界で労働力が不足しています。
※出典:総務省|平成29年版 情報通信白書|期待される労働市場の底上げ
経済を成長させるには、労働人口の増加は欠かせません。しかし、総人口も2006年をピークに減少しており、総人口を占める年少人口(0~14歳)の割合も低下しています。そのため、今後はますます若い労働力の確保が難しくなると考えられます。
有効求人倍率が高い
厚生労働省が2024年4月30日に公開した「一般職業紹介状況」によると、2024年3月の有効求人倍率は1.28倍とわかりました。これは求職者よりも求人数が多いことを示しています。
※出典:一般職業紹介状況(令和6年3月分及び令和5年度分)について
そのため、競合店舗の数が多い場合、求職者は条件の良い職場を選ぶため、条件の悪い職場は求職者から選ばれにくくなっているのです。
特に中小企業は時給や待遇などで優れた条件を出しづらく、人手不足につながりやすい状況が続いています。
離職率が高い
アルバイトが人手不足になる原因として、離職率の高さが挙げられます。そもそもアルバイトは短期的な雇用を目的としているため、正社員のような将来を見据えた労働条件は用意されていません。
ディップ総合研究所の調査によると、アルバイトの離職理由と継続理由のどちらにも、労働条件や職場環境が関係していることがわかりました。
アルバイトの離職率を下げるには、労働条件の見直しや職場環境を改善しなければなりません。
改善に取り組む前に、アルバイトにとって働きにくい環境ではないかアンケートなどを実施しましょう。調査結果をもとに問題点を洗い出して、改善に取り組むことが大切です。
アルバイトの人手不足を解消する方法
アルバイトの人手不足を解消するためには、基本的に労働条件や職場環境の見直しが必要です。ここでは具体的な人手不足の解消方法をいくつかご紹介します。
雇用条件を改善する
まずは気持ちよく働いてもらえるように、アルバイトが働きやすい環境を作ります。具体的には、時給やシフトの組み方を検討しましょう。
6時間勤務の1名募集で応募がこないのなら、3時間勤務で2名募集へ条件を変えてみるのです。こうすることで、6時間だと勤務が難しいと感じて応募しなかった層からの応募が期待できます。
また、どのように改善したら良いのかわからない場合は、今働いているアルバイトに直接希望の労働条件を聞くこともおすすめです。
さらに、地域や同業種の店舗の募集要項より、平均時給や勤務日数なども確認してみましょう。
募集要項を充実させる
アルバイトの人手不足を解消するには、求人情報を充実させることが大切です。募集要項の内容が薄かったり、業務内容があいまいだったりすると求職者に会社の魅力は届きません。求職者が求めている情報とは何か、市場や競合他社の募集要項を調査・分析をしてニーズにあった情報を掲載しましょう。また、必要なスキルや経験などを明示することも大切です。これにより、求職者は応募を判断できます。
もし、情報が古ければアップデートさせることも大切です。情報を精査して、不足部分を補うなど求人情報を改善しましょう。
シニア層や外国人を雇用する
アルバイトの人手不足を解消するには、雇用範囲を若い世代や主婦(夫)に限定せず、シニア層や外国人まで広げることで効果が期待できます。
特にシニア層は、これまでの仕事や人生経験が豊富です。育成にかかる期間や教育コストを抑えられるメリットがあります。
外国人雇用のメリットは、働く意欲の高い若年層が多いことです。年齢や性別、国籍を問わず、雇用の対象範囲を広げることで人手不足を解消することができます。
求人サイトの登録や見直しをする
若い世代からの応募者を集めるには、地域や職種にあった求人サイトに登録することが大切です。若い世代はスマートフォンで求人情報を閲覧します。若い世代が多く利用する求人サイトを選ぶことで、ターゲットへの訴求率を高めることが可能です。
なかなか応募が集まらない場合は、求人サイトの特性と合わないことも考えられます。エリア限定や職種、ターゲット特化型など採用ニーズにあわせた新しい求人サイトも出てきました。
応募者も働きたい職場を探して新しいサービスに登録する人もいます。自社にあった人材を採用するためにも、掲載先の見直しも積極的に行うことが大切です。
業務の効率化を目指す
アルバイトの人手不足を解消するために、ITツールの導入やマニュアルを作成して業務の効率化を目指しましょう。
例えば、ITツールには、予約管理やシフト申請などができるものが多く、立場に応じて権限の付与ができます。これにより、これまで店長しかできなかった業務の一部をアルバイトにも任せることが可能となります。
このように、ITツールを活用することで、人手不足でも1人当たりの業務の負担割合を減らすことができるでしょう。
ITツールで代替できない業務はマニュアル化し、誰でも同じよう業務をこなせるように仕組みを整えることが大切です。使い方もマニュアル化することで、アルバイトでも扱うことが可能となります。
ITツールの導入やマニュアルを作成することで労働環境が改善されれば、求職者にとっても魅力的な職場となるかもしれません。こうした取り組みにより、応募者が増えることも期待できるでしょう。
アルバイトが人手不足になることで起こる影響
アルバイトが人手不足になると、従業員の負担が増えるだけではなく、採用コストの増加や労働環境の悪化など、多くの影響を及ぼします。ここではアルバイトの人手不足による影響について詳しく解説します。
従業員の負担が増える
人手不足に陥ると1人当たりの業務量が増えるため、既存のアルバイトの負担が重くなります。人手不足の職場ではアルバイトなのに正社員と同じ業務をこなしているケースも少なくありません。
残業や休日出勤をお願いしないといけないような状況が続くと、提供するサービスの質が低下し、客様からのクレームも増加します。その結果、職場の雰囲気が悪化し、ストレスが高まります。
このような状況では、働く意欲も低下し、離職率が上がって人手不足がさらに深刻化してしまう可能性も考えられます。
採用のコストが高まる
アルバイトの人手不足が常態化すると、求人募集を常に出しておかなければなりません。求人サイトによっては掲載費用が発生するため、広告費がかさんでしまいます。また、多くの求職者に見てもらうには、オプションサービスの登録なども必要です。
さらに、新人アルバイトを採用しても、慣れるまでは教育や育成に時間とお金がかかるため、コストが増加します。
こうした採用コストを抑えるには、定着率を高めることも大切です。労働条件の見直しや業務効率化など、現状で取り組める施策を実行してみてください。アルバイトが集まらない場合、労働環境が悪化しやすくなります。人材不足のため、本来はコア業務に集中すべき店長や正社員が、他の業務に対応しなければならなくなるからです。
まとめ:アルバイトの人手不足解消には雇用条件の見直しをしよう
アルバイトの人手不足は、労働環境の悪化やサービスの質の低下、採用コストの増加といった悪影響を及ぼします。人手不足を解消するには、求職者に「働きたい」と思ってもらえるように雇用条件を見直すことが大切です。
アルバイトでもワークライフバランスの取れる労働環境を提供することで、離職率の低下や定着率の向上につなげることができます。
また、雇用条件や労働環境の改善とあわせて、求人サイトからの応募を管理することも大切です。複数の求人サイトに掲載することで露出が増えて、多くの求職者に求人情報を見てもらうことができます。
しかし、多くの応募があるとその対応が大変になることもあります。
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