「経営・運営する飲食店の集客に困っている」といった方は、ポイントカードを導入しているでしょうか?ポイントカードを活用したマーケティング施策は、集客に悩んでいる飲食店が取り組むべき対策の一つです。
しかし、この記事をご覧になっている方の多くが「実際にどうやってポイントカードを発行すれば良いのかわからない」「ポイントカードの効果を最大限発揮するための運用方法がわからない」という方でしょう。そこで今回は、飲食店の集客に役立つポイントカードについて解説していきます。
飲食店の集客に役立つポイントカードとは?
飲食店をはじめ、さまざまな店舗でポイントカードが導入されています。
ポイントカードとは、会計金額に応じて一定数のポイント・特典が付与されるカードのことです。貯まったポイントは電子マネーとして利用したり、指定された商品と交換したりすることができます。
飲食店が発行するポイントカードの種類
ポイントカードというと、これまでは「紙・プラスチック」で作られたものが主流でしたが、最近では「アプリ版ポイントカード」も増加しています。
ご自身がお店でポイントカードを発行する場面を考えてみてください。複数の店舗でポイントカードを作る場合、紙やプラスチックのカードは保管が大変です。
財布に入れることができるカードの数には限度があるため、紙・プラスチックでできたカードを何枚も持つことに不便さを感じてしまうのではないでしょうか?
一方で、アプリ版ならスマホにダウンロードするだけでポイントカードを発行できるため、何枚作っても保管に困ることがありません。「家に置き忘れた」「邪魔だから捨ててしまった」などのリスクも避けることができます。
自店舗ポイントカードと共通ポイントカードはどちらが良い?
飲食店のポイントカードは、「自店舗ポイントカード」と「共通ポイントカード」の2種類に分類することができます。
自店舗ポイントカードとは、自社店舗のみで使用できるポイントカードのことです。当然ですが、他の店舗で使用することはできません。
自店舗カードには次のようなメリットがあります。
【自店舗カードを導入するメリット】
- ・自社独自の特典を付与することができる
- ・他店舗・他社でポイントを使われてしまうことがない
- ・顧客管理をしやすい
一方で、顧客側にとっては「もう1枚ポイントカード(アプリ)を発行しなければならない」という面倒が発生する点に注意が必要です。
自店舗ポイントカードが「自社店舗のみで使えるカード」であるのに対し、共通ポイントカードは業種・企業が異なる場合でも「加盟店」であれば利用することができます。
共通ポイントカードの代表例には次のようなものがあります。
- ・Tポイントカード:ファミリーマート・TSUTAYA・エディオンなど
- ・楽天ポイントカード:楽天市場・マクドナルド・ガストなど
- ・Pontaカード:LAWSON・じゃらん・SEGAなど
上記の共通ポイントカードを持っていれば、加盟店でポイントを貯める・使用することができます。共通ポイントカードのメリットには次ものが挙げられます。
【共通ポイントカードを導入するメリット】
- ・他店で貯めたポイントを使用するために来店してもらえる可能性がある
- ・顧客情報の管理に手間がかからない
- ・有名な共通ポイントなら信用度アップにつながる
一方で、共通ポイントカードは「独自性を生み出しにくい」「継続的な費用が発生する」といったデメリットもあります。
自店舗ポイントカードと共通ポイントカードはどちらを選べば良いのかは、ポイントカードの導入目的によって異なります。
他社店舗との差別化を生み出し、自社独自の顧客管理を行いたい場合は「自店舗ポイントカード」がおすすめです。管理が簡単で利用しやすいポイントカードを提供したい場合は「共通ポイントカード」が適しています。
飲食店がポイントカードを発行するメリット
続いて、飲食店がポイントカードを発行することで得られるメリットについて解説しましょう。集客に悩む飲食店がポイントカードを発行すべき理由をおわかりいただけるでしょう。
【ポイントカード発行のメリット】
- ・顧客満足度を高めることができる
- ・顧客に負担がかからない
- ・顧客情報を把握できる
- ・来店・リピートを促進できる
- ・競合他社との差別化を生み出すことができる
- ・最適なプロモーション立案に役立つ
顧客満足度を高めることができる
飲食店に来店する顧客は、貯まったポイントを利用することで、いつもよりお得に食事を楽しむことができます。一定数のポイントが貯まったら「コーヒーが一杯無料になる」「おかわりが無料になる」などの特典も魅力的に感じます。
このように、飲食店がポイントカードを発行して「顧客が喜ぶ特典」を提供することで、顧客満足度の向上につながります。
顧客に負担がかからない
ポイントカードを作る際、面倒な書類の記入などは必要なく、手数料なども発生しません。顧客にとって大きな負担がないため、ポイントカード作成の提案を承認してもらいやすいことが特徴です。
顧客情報を把握できる
ポイントカードを発行する際、年齢や性別、住所、メールアドレスなどを登録してもらいます。そのため、飲食店に来店する顧客の情報を収集することが可能です。
ポイントカードを発行して顧客情報を集めることで、
- ・自店舗に来店する顧客の属性(男女どちらが多いか、どの年代の人が多いか等)
- ・各顧客の来店頻度
- ・各顧客の注文履歴・単価
などを把握して、マーケティング施策等に役立てることができます。
来店・リピートを促進できる
ポイントカードを導入することで、一度来てくれたお客さんの来店・リピートを促すことができます。
- ・ポイントが一定数貯まったら特典がもらえる
- ・次回の支払い時に利用できるポイントが200円分ある
のように、「せっかく貯めたポイントを使わないともったいない」という感情を生み出すことで、再来店してもらいやすくなります。
競合他社との差別化を生み出すことができる
飲食業界は参入障壁が低いので、競争が激しいです。商品・サービス面で他社との違いを作り出すことが難しいため、「常連になってもらう理由」を作りにくい業界ともいえます。
だからこそ、ポイントカードの活用が重要です。自店舗独自のポイントカードを発行し、「常連になる価値がある」と感じてもらえるような特典・施策を用意することができれば、他店舗との差別化が生まれ、リピート率の向上・中長期的な売上増加を目指すことができます。
最適なプロモーション立案に役立つ
先述のように、ポイントカードを発行することで顧客情報を収集できます。この顧客情報を上手に分析することで、最適なプロモーション立案も可能となります。
- ・来店頻度が高い顧客に対して「トッピング無料券」を発行する
- ・一度しか来店していない顧客に対して「割引券」を発行し再来店を促す
- ・メルマガを配信して新メニューを紹介する
このように、顧客ごとに適したプロモーション施策を実施することで、単価アップやリピート率向上につながります。
ポイントカードを発行するデメリット
もちろん、飲食店がポイントカードを導入する際に気をつけるべきこともあります。ここでは、ポイントカードを発行するデメリットについて解説します。
一定のコストが発生する
ポイントカードの発行には、一定のコストが発生することには注意してください。特に「共通ポイントカード」を導入する場合、共通ポイントの運営元に対して「ポイント発行額(1ポイント発行ごとに数円)」や「月額利用料」などが必要になります。
ポイントカードの運用にかかる費用をできるだけ抑えたいのであれば、自店舗カードを選択することが望ましいといえます。
顧客情報の漏洩リスクがある
ポイントカードを発行する場合、顧客情報の漏洩リスクに注意しましょう。これは、「自店舗カード」を選んだ場合のデメリットです。
自店舗カードを運用する際は、収集した顧客情報を自社で管理しなければなりません。顧客情報の中には、顧客の名前や住所などの個人情報が含まれるため、万が一漏洩してしまうと大問題に発展します。
顧客情報を収集することで適切なプロモーション施策が可能な反面、しっかり管理しないと危険であることも理解しておいてください。
スタッフの業務量が増加する
いきなりポイントカードの運用を開始すると、「ポイントカード発行の促進」「顧客情報の管理」「顧客情報の分析」など、スタッフや社員に業務量が増加します。混乱や不満を招かないためにも、ポイントカード運用の開始を事前に伝えておいた方が良いでしょう。
あらかじめ社内の体制を整えておくことで、スタート直後からスムーズに運用が可能になります。
飲食店のポイントカードの作り方
続いて、「ポイントカードの重要性はわかったけれど、どのように発行すれば良いのかわからない」という方に向けて、飲食店のポイントカードを作る方法を解説していきます。
紙・プラスチックのポイントカードの場合
紙・プラスチックのポイントカードを発行するには、主に次の方法があります。
- ・印刷会社に依頼する
- ・デザインソフトで作成する
印刷会社の中には、ポイントカード作成に特化したところもあります。すでにテンプレートなども用意されているので、お好きなデザインを選択するだけで簡単にポイントカードを発行できます。
一から完全オリジナルのカードを作りたい場合は、「Illustrator」や「Canva」といったデザインソフトを使って制作する方法もあります。
アプリ版のポイントカードの場合
近年、アプリ版のポイントカードを導入する企業が増えています。なぜなら、企業側・顧客側の双方にとって利便性が高いからです。
では、ポイントカードアプリはどのようにして制作できるのでしょうか?基本的な方法は次の3種類です。
- ・自社でアプリを開発する
- ・アプリ制作会社に依頼する
- ・ポイントカード作成サービスを利用する
最もシンプルなのは、自社で独自アプリを開発する方法です。企業内にアプリ開発のリソース(技術者、費用、時間など)がある場合は、自作することでかなり独自性の高いポイントカードを提供することができます。
もし、アプリ開発のリソースがない場合は、「アプリ制作会社に依頼する」という選択肢もあります。アプリ開発会社に依頼をすれば、自社が求める機能・特徴・デザインを兼ね備えたポイントカードアプリの制作が可能です。
ただし、アプリ開発会社へ依頼する場合は、多額の費用が発生します。費用はかけたくない+利便性の高いポイントカードアプリを発行したいなら、ポイントカードを制作できるサービスを活用してみてはいかがでしょうか?
ポイントカード制作サービスを利用すれば、費用を抑えつつ利便性の高いポイントカードアプリを導入できます。
飲食店ポイントカード制作に役立つサービス
ここでは、飲食店のポイントカードアプリを制作したい方向けに、主なポイントカードアプリ制作サービスを紹介します。
常連コボット for LINE
「常連コボット for LINE」はLINE上で利用できるポイントカードを最短1ヶ月で制作可能なサービスです。
来店時にもらえるポイントに加えて、1日1回もらえるログインポイントや友達紹介ポイントなどの機能を実装できるため、常連顧客の獲得が期待できます。
【利用できる主な機能】
- ・ポイントカード機能
- ・1日1回のログインポイント機能
- ・来店ポイント機能
- ・友達紹介ポイント機能
- ・ポイント引換クーポン機能
- ・LINE公式アカウントと連携(オプション)
サービス開始前・開始後のサポートも充実しており、詳しい知識が無くても安心して導入できる点が魅力です。
料金プラン
- ・初期費用:0円
- ・基本料金:9,800円/月(税抜)
- ・LINE公式アカウントと連携(オプション):9,800円/月(税抜)
公式サイト
LINE公式アカウント
LINE公式アカウント(ビジネス向けのLINEアカウント)には「ショップカード」という機能があります。ショップカード機能を利用することで、商品の購入や来店時に付与するポイントをLINE上で発行・管理できます。
自社でアプリを開発しなくても済むため、ポイントカード発行の費用を大きく削減できるうえに、ショップカードの利用状況を分析したり、集客や販促ツールとして活用したりすることが可能です。
GMOおみせアプリ
GMOデジタルラボ株式会社が提供する「GMOおみせアプリ」を使えば、ポイントカードアプリを簡単に制作することができます。カスタマイズ性が高く、自店舗独自のポイントカードアプリを発行することも可能です。
ミニラボ
ミニラボは、システム開発費33,000円+月額3,278円でポイントカードアプリを運用できるサービスです。QRコードをかざすだけの超簡単操作なので、非常に使いやすいポイントカードを提供できます。
ポイント処理機能はもちろん、会員情報の閲覧やニュース・お知らせ設定、予約表示機能なども搭載されています。
効果を発揮する飲食店ポイントカードの活用方法
ただポイントカードを発行するだけでは、飲食店の集客や販促につながりません。ポイントカードの効果を最大限に発揮させたいなら、次のような活用法がおすすめです。
- ・ポイントカード運用の目的を決める
- ・ポイントカードの特典を決定する
- ・顧客情報を分析してプロモーション施策を行う
ポイントカード運用の目的を決める
ポイントカードの活用を効果的に進めるためにも、まずは、運用の目的をしっかり定めるようにしましょう。ポイントカードを導入することで、どのような目標・KPIを達成したいのかを明確にすることで、適切な施策を立案できます。
【ポイントカード導入の目的例】
- ・リピート率の向上
- ・休眠顧客の再来店
- ・顧客単価アップ
ポイントカードの特典を決定する
続いて、ポイントカードの特典を決めましょう。特典は、達成したい目標と関連性の高い内容にすることがコツです。
【特典内容の例】
- ・再来店の数を増やしたい:2回目の来店で飲み物1杯無料
- ・リピート率を伸ばしたい:ポイントのランクアップ制度(常連になるほど還元率が高くなる)
顧客情報を分析してプロモーション施策を行う
ポイントカードを発行して顧客に特典を付与するだけではもったいないです。収集した顧客情報を分析して、プロモーション施策を実施しましょう。
- ・女性のリピート率が高い:女性に特化したメニューを制作
- ・常連客を把握:常連客に対して割引券を提供
- ・一度しか来店していない顧客が多い:次回使える無料券を提供
このように、顧客の属性等を正しく把握することで、最適なプロモーション活動を行うことができます。ポイント・特典を付与して満足するのではなく、集めた顧客情報を最大限に活用するようにしましょう。
まとめ
飲食店の集客・販促活動に役立つポイントカードに関して、そのメリットや作り方などを解説しました。
ポイントカード運用は、常連客を定着させたり、リピート率を伸ばしたりするために欠かすことのできない施策の一つです。まだポイントカードを発行していないという飲食店経営者の方は、今回お伝えした内容を参考にしてみてください。
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