飲企業が求人を出すにあたって、採用条件の設定は欠かせないものです。
しかし、いざ条件を設定しようと思うと、どのような条件にすれば採用活動を成功させられるのかわからないと悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。
本記事では、良い人材を見極めるための採用条件について解説していきます。
また、採用活動において便利なツールも紹介しますので、併せて参考にしてください。
採用条件とは
採用条件とは、企業が人材を採用する際の判断基準のことを指します。
自社に適した人材を見つけるためには、採用条件を明確に設定し、採用担当者が一貫した基準で判断を行うことが重要です。また、応募者の人権を守る観点からも、採用条件の設定は重要となります。
採用条件を明示することによって、応募者自身の能力とは無関係な点で不適切な判断を防ぎ、公正な基準で選考できます。担当者の主観や偏見に左右されることなく、適性や能力を基準に人材を採用するために、採用条件の設定は必須となります。
採用条件を設定する前に押さえておきたい8つの基準
本項目では、採用条件を設定する前に押さえておきたい基準について解説します。
新卒と中途によって重視する基準が異なることもありますので、その点についても考えて参考にしてください。
基準1.人間性
人間性は、自社との相性を判断するうえで非常に重要な基準となります。例えば、優秀な人材でも、人間性が合わなければ早期に退職してしまう可能性があります。求められるのがチームワークか、ルーティーンを正確にこなすことかなど、要件を明確にし、適した基準を設定しましょう。特に、経験を問わない新卒採用では、この基準が重要となります。
基準2.主体性
主体性とは、自分自身で課題を見つけ、積極的に業務に取り組み、問題を解決する能力のことを指します。主体性を持った人材は、仕事に対する能動的な姿勢とともに、自己管理や自己評価を適切に行う能力も備えていると考えられます。また、彼らは将来的にチームや組織をリードする役職に就く可能性があるため、新卒採用の際には特に重視する基準となります。
基準3.チャレンジ精神
チャレンジ精神を持つ人材は、様々な状況で自発的に成長を追求します。困難なプロジェクトや、他部署と連携を必要とするタスクにも積極的に取り組む人材は、組織にとって非常に価値のある存在です。特に中途採用の場合、応募者のこれまでの経歴からそのチャレンジ精神をより正確に評価することができます。
基準4.協調性
組織はチームメンバーや同僚、上司などと協力しながら機能します。ただし、それは良好な人間関係だけでなく、利害が対立する相手とも適切に調整しながら問題解決を図る力も求められます。そのため、協調性は多くの組織で重要な基準となります。特に新卒の採用では、他者と関わらずに業務をこなすことが少ないため、この基準は重要となります。
基準5.誠実性
コンプライアンスの強化が進む現代社会では、誠実性は必要不可欠な資質となっています。業務に対する誠実さはもちろん、就業規則や法令の遵守に関する誠実さも重要な基準です。新卒や中途採用はもちろん、アルバイトの採用においても、SNSでの問題行動などリスクを考慮に入れて、特に重視するべきと言えるでしょう。
基準6.スキル・経験
スキル・経験は中途採用の採用条件において、特に重要な基準です。
具体的なスキルや保有している資格の確認はもちろんのこと、経験した業種・職種や経験年数、就いた役職などを深堀して確認することで、応募者の働き方・姿勢や自己評価まで知ることができます。
「今までに上げた具体的な成果は」「今までに苦労した仕事と、それをどう乗り越えたか」など、経験談を聞くことでその人材が本当に求めている能力を持った人なのか判断しましょう。
基準7.コンピテンシー
コンピテンシーとは、優秀な人材に共通する行動特性や思考の傾向のことです。
大事なのは、世の中の優秀な人材ではなく、社内の優秀な従業員を基準にすることです。
社内から評価の高い従業員を複数人選び、それぞれどのような思考で判断し、行動しているか分析しましょう。
そして、抽出したコンピテンシーと一致する思考の応募者を採用しましょう。
スキル・経験の不足している新卒から優秀な人材を選ぶ際には、特に役立つでしょう。
基準8.労働条件
業務内容や契約期間、勤務時間、就業場所といった労働条件も採用条件として明確にする必要があります。
労働条件を明示することは労働基準法で義務付けられているため、あらゆる採用において必須の基準となります。
また、これらを採用前にきちんとすり合わせておくことで、入社後に「自分の思っていた働き方ができない」と社員が早期に退職してしまうリスクを抑えることができます。
例えば就業場所は必ずしも本社であるとは限らないため、本社以外で勤務してほしいのであれば入社前にその点を確認しておかないと、社員にとって退社する大きな理由になりかねません。
良い人材を見分ける採用条件の決め方
この項目では、良い人材を見分ける採用条件の決め方について解説します。
採用条件の決め方について明確な方針を立てることで、採用活動を成功に導きましょう。
独自性のある評価項目を設定する
良い人材とは、一般的に広く認識されている学歴や資格だけで決まるものではありません。自社や部署に適した人材を見極めるためには、求める人物像に合致する独自の評価項目を設定することが有効です。企業のビジョンや経営方針に基づいて、定量的な側面だけでなく、数値化できない側面についても具体的な基準を設けるようにしましょう。適切な条件を設定できないと、優秀な人材を採用できたとしても、ミスマッチが生じ、その能力を十分に発揮できない可能性があります。
現場が求める人材を知る
現場で求められる人材について、直接的にヒアリングを行い、その要求を理解することも重要です。業務で求められるスキルや人物像は、現場のスタッフが最も正確に把握しています。そのため、現場の意見を取り入れることで、人材とのミスマッチを防ぐことが可能となります。また、現場の雰囲気や年齢層なども調査し、必要な人材がどのようなものであるかを明確にしましょう。現場が求める人物像と、自分の視点から見た現場の実状を適切に組み合わせ、現場に最適な人物像を導き出しましょう。
採用条件設定の手順
この項目では、採用条件の設定手順について解説します。
採用条件には様々な要素を考慮することが求められるので、きちんとした手順を踏むことで、実用的な採用条件を設定していきましょう。
手順1.求める人材を社内でヒアリング
各部署で求めている人材の要求をヒアリングすることが重要です。ただし、現場と経営陣で求める人物像が異なる可能性もあります。そうした異なる意見を適切に擦り合わせて、採用後のミスマッチを防ぎましょう。また、優秀な人材を採用できたとしても、育成の余裕がなければその能力を十分に活用することはできません。それぞれの部署の育成環境がどの程度整っているかも必ず確認しておく必要があります。
手順2.採用ターゲットを明確にする
ヒアリングで得た情報を元に、採用ターゲットを明確にしましょう。「30~40代の業界経験者」「変化に対応できる柔軟性を持つ」「責任感が高くリーダーシップを取れる」など、具体的な人物像を設定することが推奨されます。具体的な人物像を設定することで、現場や役員への確認も容易になり、採用条件での誤解を防ぐことができます。
手順3.採用市場のトレンドを調査する
選考スケジュールや求人倍率などを含む採用市場のトレンドを調査することも重要です。求職者や他社についての調査を通じて、求めている人物像がどのような企業を志望しているのかを把握することができます。また、採用市場で話題の「SDGs」や「テレワーク」などのキーワードを採用することで、求職者の注意を引きつけ、志望度を高める求人情報を作成することが可能となります。
手順4.採用条件を具体的に設定する
集めた情報を元に、採用条件を具体的に設定しましょう。
今までの業務経験やスキルはもちろんのこと、性格面などの条件も設定するとより実用的です。
「チームリーダーの経験○年以上」「チャレンジ精神が高い」など、はっきり言葉にできるほど具体的にしましょう。
また、全てを兼ね備えた人物を採用することは難しいので、どの条件を重視するか優先順位を予め決めておくと判断がしやすくなります。
採用条件を設定する際の注意点
採用条件を設定する際には、注意すべきことがあります。
採用活動を成功させるという点だけではなく、人権問題を防ぐという点でも重要なことなので、しっかりと読んで確認してください。
公正な採用活動を行う
差別につながるような条件を設けず、公正な採用活動を行うことは大前提です。厚生労働省は、就職差別につながる14項目を示しています。採用条件を決める際には、これらの項目を避けるようにしましょう。
- 本籍・出生地に関すること
- 家族に関すること
- 住宅状況に関すること
- 生活環境・家庭環境などに関すること
- 宗教に関すること
- 支持政党に関することの把握
- 人生観・生活信条などに関すること
- 尊敬する人物に関すること
- 思想に関すること
- 労働組合(加入状況や活動歴など)、学生運動などの社会運動に関すること
- 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
- 身元調査などの実施
- 本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用
- 合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施
適性や能力とは関係ない部分で採用を判断することや、障害や性別を理由に合否を決めることは避けましょう。
定期的に採用条件を見直す
採用条件は定期的に見直すことも重要です。求める人材が集まらない場合、採用条件が厳しすぎるか、ターゲット設定が誤っている可能性があります。成功した実績のある採用条件であっても、トレンドは移り変わるので今後も同じように成功するとは限りません。一度決めた条件に固執せず、柔軟に見直すことが大切です。
採用ツールを活用するメリット
この項目では、より良い人材を確保するために活用できる採用ツールのメリットについて解説します。
素晴らしい採用計画を立てても人間の労力には限界があるので、ツールを上手に使って効率化しましょう。
採用活動の効率化を図れる
採用ツールを活用すると、応募者の情報を一元管理でき、応募者ごとの進捗の更新や確認が迅速に行えます。これにより、採用活動を効率化することが可能です。また、担当者間の連携もスムーズに行え、負担を減らし、属人化を防ぐことにもつながります。
採用後のミスマッチを防ぎやすくなる
人材の情報を一括して管理することで、求めている人物像と応募者の特徴を比較しやすくなります。これにより、採用後のミスマッチを防ぎやすくなります。また、面接の内容や結果も採用ツールで管理することで、評価基準の一貫性を保つことができます。
採用管理の漏れやミスを防げる
対象となる応募者全員に自動でメールを送信することも可能です。これにより、送信漏れといった人為的なミスも防ぐことができます。人間が行うと完全に防ぐことは難しいミスも、作業を自動化することで防ぐことが可能です。
まとめ:適切な採用条件を設定して人事業務を効果的に進めよう
よい人材を採用するためには、適切な採用条件を設定して人事業務を効率的に進めることが必要不可欠です。
その対策として採用業務における工数削減やミスマッチの防止、求める人材の効率的な発見を希望するなら、「面接コボット for アルバイト」がおすすめです。
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「面接コボット for アルバイト」を活用して、是非ともより良い採用活動に繋げてください。