LINEミニアプリは、国内の人口70%以上が利用する「LINE」上で自社のサービスを提供できるウェブアプリケーションです。LINEを使って電子会員証やポイントカードを作成したり、モバイルオーダーや順番待ち受付などのサービスを提供したりすることができます。
また、LINEミニアプリは、ネイティブアプリと比べて開発費用を抑えられるというメリットもあります。そこで今回は、LINEミニアプリの概要や開発方法についてわかりやすく解説します。
LINEミニアプリとは?
LINEミニアプリとは、LINEのアプリ上で自社サービスの提供を可能にするウェブアプリケーションのことです。ここでは、LINEミニアプリの特徴を3つ紹介します。
- LINEアプリ上で自社サービスを提供
- 各業界に特化した便利機能
- LINE公式アカウントと連携できる
LINEアプリ上で自社サービスを提供
LINEは、日本国内の人口70%以上に該当する9,200万人が利用するモバイルアプリケーションです。LINEミニアプリの最大の特徴は、そんな圧倒的ユーザー数を誇るLINE上で自社サービスを提供できることです。
LINEミニアプリは、LINEユーザーなら他のアプリを別途インストールすることなく、LINEアプリ上で利用できるため、多くの顧客に利用してもらいやすいというメリットがあります。
各業界に特化した便利機能
LINEミニアプリでは、店舗や施設を中心に、さまざまな業種・業界に特化した機能を提供することができます。
たとえば、飲食店や小売店なら「デジタルポイントカード」や「モバイルオーダー」「順番待ち受付」など、美容院やサロンなら「来店予約」や「デジタル会員証」などの便利機能を自社サービスとして提供し、顧客に利用してもらえます。
LINE公式アカウントと連携できる
LINE公式アカウントと連携して運用できることも、LINEミニアプリの特徴の一つです。
ユーザーがLINEミニアプリを認証すると、LINE公式アカウントの「友だち追加」ボタンが表示されるため、友だち追加への自然な導線を作ることができます。また、LINE公式アカウントと連携することで、顧客のトーク画面にクーポンやイベント情報を配信することも可能になります。
LINEミニアプリの機能:ビルトイン機能
ここでは、LINEミニアプリに組み込まれているビルトイン機能を紹介します。LINEミニアプリを開発するなら知っておく必要がありますので、順に詳しくみていきましょう。
- アクションボタン
- チャネル同意画面
アクションボタン
LINEミニアプリのヘッダーには、デフォルトで「アクションボタン」が組み込まれています。ユーザーはアクションボタンを使って、LINEミニアプリを友だちに共有したり、ホーム画面に追加したりすることができます。
このボタンはビルトイン機能であるため、非表示にしたり、ボタンの動作やメッセージの内容をカスタマイズしたりすることはできません。アクションをカスタマイズしたい場合は、下記で紹介している「カスタムアクションボタン」を実装する必要があります。
チャネル同意画面
ユーザーが初めてLINEミニアプリを利用する際、新たなアプリのインストールが不要な代わりに「チャネル同意画面」が表示されます。ユーザーは、この画面で「プロフィール情報を取得する権限」や「トークへのメッセージを送信する権限」を付与するかを決めることができます。
LINEミニアプリの機能:カスタム機能
続いて、ビルトイン機能に加えてLINEミニアプリに追加できるカスタム機能を5つ紹介します。これらの機能は、ユーザー体験の向上・充実に役立ちます。
- サービスメッセージ
- LINE公式アカウントの友だち追加へ誘導
- 決済システムの利用
- カスタムアクションボタン
- LINE Profile+
サービスメッセージ
「サービスメッセージ」は、ユーザーのリクエストに対する確認や応答など、ユーザーが知るべき情報をLINEミニアプリから通知できる機能です。予約の確認通知やリマインド通知などを、「Service Messages」というトークルームに表示することができます。
LINE公式アカウントの友だち追加へ誘導
LINEミニアプリでは、チャネル同意画面あるいはアクセス許可要求画面に「友だち追加」ボタンを設置し、友だち追加へ誘導することができます。LINE公式アカウントの友だち数増加が見込めます。
決済システムの利用
LINEミニアプリでは、ユーザーにさまざまな決済システムを提供することができます。LINE Payやクレジットカードなどの決済方法が追加可能です。LINE Payを登録することで、ユーザーが決済時にLINEミニアプリ上でクレジットカード情報を入力する手間を省くことができます。
カスタムアクションボタン
上で紹介したビルトインの「アクションボタン」とは別に、「カスタムアクションボタン」を実装することができます。カスタムアクションボタンを使えば、ユーザーがLINEミニアプリを友人にシェアした際のメッセージに画像を追加したり、ボタンを挿入したりすることが可能です。
LINE Profile+
「LINE Profile+」は、ユーザーのプロフィール情報を一元管理できるサービスです。LINE Profile+では、通常のプロフィール情報に加えて、下記の情報を取得してサービスに利用することができます。
通常のプロフィール情報 | LINE Profile+ |
・ユーザーID ・表示名 ・プロフィール画像 ・メールアドレス | ・氏名 ・性別 ・誕生日 ・住所 ・電話番号 |
ただし、ユーザーがLINE Profile+に登録した情報を取得するには、所定の申請を行う必要があります。
LINEミニアプリを開発するメリット
続いて、LINEミニアプリを開発するメリットを紹介します。通常のネイティブアプリを開発するのと比べてどのようなメリットがあるのか確認していきましょう。
- アプリの開発費用を抑えられる
- ウェブアプリだから簡単に構築できる
- 導線が多く利用してもらいやすい
アプリの開発費用を抑えられる
LINEミニアプリを開発するメリットの1つ目は、アプリの開発費用を大幅に抑えられることです。
通常のネイティブアプリを開発する場合、開発の規模やアプリのタイプによって異なりますが、250万円〜のまとまった費用がかかります。
一方、LINEミニアプリは、LINEが提供するLIFF(LINE Front-end Framework)というプラットフォーム上で動作するウェブアプリであるため、開発費用を抑えることができます。
ウェブアプリだから簡単に構築できる
LINEミニアプリは、上述したようにLIFEブラウザ上で動作するウェブアプリであるため、ネイティブアプリと比較して簡単に構築することができます。また、自社で開発を行うことで、パッケージでは提供されていないような独自のサービスや高度な機能を提供することが可能になります。
導線が多く利用してもらいやすい
LINEアプリ上にはLINEミニアプリにアクセスするための導線が数多く用意されています。たとえば、LINE公式アカウントのトーク画面やホーム画面などから、ワンタップでLINEミニアプリを開くことができます。
また、QRコードを作成して店内に設置しておけば、ユーザーはそのQRコードをスマホで読み込むだけで簡単にミニアプリの利用を開始することができます。
ユーザーは使い慣れているLINEから手軽にLINEミニアプリにアクセスすることができるため、お店にとっては「多くのユーザーに利用してもらいやすい」というメリットがあります。
LINEミニアプリを開発するデメリット
LINEミニアプリを開発するにあたっては、知っておくべきデメリットも存在します。ここでは注意点を2つ紹介します。
- 開発したアプリの公開には審査が必要
- LINEユーザーにしか提供できない
開発したアプリの公開には審査が必要
LINEミニアプリを開発してLINE上で公開するには、所定の審査を通過する必要があります。誰でも好きなようにアプリを開発してリリースできる訳ではないため、注意が必要です。
ミニアプリを開発するにあたっては、事前にLINEミニアプリのガイドラインやルール、ポリシーをしっかり確認しておくことが大切です。
LINEユーザーにしか提供できない
LINEミニアプリは、LINEアプリ上で起動するウェブアプリであるため、提供できるのは必然的にLINEユーザーに限られてしまいます。LINEを利用していないユーザーにミニアプリを使ってもらうには、新たにLINEに新規登録してもらわなければならないのでハードルが高めです。
とはいえ、国内の人口70%以上がLINEを利用していることを考慮すれば、それほど心配する必要はないでしょう。念のため「LINEを使っていないユーザーにはアプリを提供できない」ということを頭に入れておきましょう。
LINEミニアプリの開発方法:自社開発編
ここでは、LINEミニアプリを自社開発する方法をわかりやすく解説します。
- LINEミニアプリチャネルの作成
- LINEミニアプリの開発
- LINEミニアプリの審査
- LINEミニアプリの提供開始
LINEミニアプリチャネルの作成
まず、LINEミニアプリチャネルを作成します。チャネルとは、LINE公式アカウントプラットフォームとミニアプリをつなげるための通信路のことで、ミニアプリごとにLINE公式アカウント Developersコンソールで作成が必要です。
LINEミニアプリチャネルの作成手順は、下記の通りです。
- LINE Develpopersコンソールにアクセスする
- プロバイダーを選択する
- 「チャネル設定」→「新規チャネル作成」→「LINEミニアプリ」をクリックする
- 必要情報を入力する(サービス提供地域やメールアドレスなど)
- 規約を読み、補償できる場合はチェックをつける
- 「作成」をクリックする
- 「情報利用に関する同意について」を読み、同意できる場合は「同意する」をクリックする
LINEミニアプリチャネルを作成すると、LINEミニアプリの開発を始められるようになります。
LINEミニアプリの開発
次に、LIFEの技術を使ってLINEミニアプリを開発していきます。ウェブアプリの自社開発が難しい場合は、次章で紹介している「LINE ミニアプリパッケージ」や「Technology Parner(技術支援を行うパートナー)」を活用する方法もあります。
LINEミニアプリの審査
開発したLINEミニアプリをLINE上で公開するには、審査を依頼する必要があります。審査では、ミニアプリがガイドラインやルールに従っているかどうか、LINEミニアプリポリシーを遵守しているかどうかなどがチェックされます。
LINEミニアプリの審査は、LINE Developersコンソールの「ワークフロー」タブから行えます。審査が終了し、無事LINEミニアプリが承認されるとチャネルのステータスが「認証済み」になります。
審査についてより詳しく知りたい方は、LINE Developersの「クイックスタートガイド」をご確認ください。
LINEミニアプリの提供開始
チャネルのステータスを「認証済み」から「公開中」に変更し、LINEミニアプリの検索を有効にします。すると、LINEアプリ上でLINEミニアプリを検索できる状態になり、サービスの提供を開始することができます。
LINEミニアプリの開発方法:その他編
では、LINEミニアプリの自社開発が難しい場合はどうすればいいのでしょうか?
自社開発が難しい場合は、LINEが提供する「Technology Partner」や「LINEミニアプリパッケージ」を利用すれば、自社開発不要でLINEミニアプリを導入することができます。それぞれの方法について、順に詳しく解説していきますね。
「LINEミニアプリパッケージ」を利用する
各開発会社が提供する「LINEミニアプリパッケージ」を活用すれば、個別開発不要で簡単にLINEミニアプリを導入することができます。
デジタル会員証や順番待ちなど、既に開発済みの機能一式を導入するため、個別開発が不要です。また、各種設定や審査なども代行してもらえるというメリットもあります。
業種やLINEミニアプリに搭載したい機能別にさまざまなパッケージが提供されており、初期費用や月額料金も掲載されているので、まずは「LINEミニアプリの認定パッケージ」を確認してみることをおすすめします。
たとえば、当社ディップ株式会社は、LINEミニアプリでお店のポイントカードを作成し、常連顧客獲得につなげるサービス「常連コボット」を提供しています。
常連コボットでは、来店や1日1回のアプリログイン、友達紹介でポイントがどんどん溜まる、再来店促進に効果的なポイントカードをLINE上で作成することができます。
ミニアプリの開発や各種設定、INE社へのアプリ申請を弊社が代行するため、最短1ヶ月でスムーズに導入することが可能です。特別なプログラムの知識などは一切不要で、安心して導入いただけます。
LINEミニアプリの開発でお悩みの方や、LINEミニアプリを使ったポイントカードサービスを提供したい方は、ぜひ当社ディップ株式会社にご相談ください。
Technology partnerを活用する
2つ目は、「Technology Partner」を活用する方法です。Technology partnerとは、LINEミニアプリを始めとしたLINEの個人・法人向けアカウントサービスの導入において技術支援を行うパートナーのことです。
認定パートナー各社では、LINEミニアプリ開発・審査について個別に相談したり、開発のサポートを受けたりすることができます。自社開発においてサポートが必要な企業におすすめです。
まとめ
LINEミニアプリの概要や開発のメリット・デメリット、開発方法について解説しました。LINEミニアプリは、ネイティブアプリと比べて開発費用を抑えると同時に、国内の人口70%以上が利用するLINE上で自社サービスを提供できるなど、企業・店舗にとってメリットが大きいサービスです。
ただし、LINEミニアプリを自社で開発・公開するには、ウェブアプリ構築の基本知識や所定の審査などが必要です。自社開発が難しい場合は、LINEミニアプリパッケージやTechnology Partnerの活用も検討してみると良いでしょう。