飲食店が効果的に売上アップを図る方法の一つに、SNSを使った集客があります。
中でもLINEは月間8,800万人が利用しており、高い「情報伝達力」を誇ることから、飲食店との相性が良いSNSといえます。
今回は、飲食店でLINEを活用するにあたって導入したい機能・サービスを紹介します。
LINE(ライン)を活用する飲食店が増えている背景
LINE(ライン)は、国内の月間利用者数8,600万人以上を誇るSNSです。
幅広い年齢で広く利用されており、日常的に利用するユーザーが多いのが特徴です。ユーザーとデジタル接点を築き、メッセージやクーポンを定期的に配信することで、店舗の存在を思い出してもらったり、既存顧客の来店を促進したりすることができます。
LINEは飲食店が顧客とコミュニケーションを取る場として相性が良く、集客や売上拡大に効果的であるといえます。また、他の集客方法と比較して、費用を抑えて導入できることも、LINEを活用する飲食店が増えている要因の一つと考えられます。
飲食店で導入したいLINE(ライン)の機能・サービス
続いて、飲食店で導入したいLINEの機能・サービスを紹介します。
LINE公式アカウント
1つ目のサービスは、「LINE公式アカウント」です。かつては中小企業や店舗向けサービスとして「LINE@(ラインアット)」が提供されていましたが、2019年4月にサービスが統合されています。
ここでは、LINE公式アカウントの主要機能を4つ紹介します。
メッセージ配信
1つ目は、メッセージ配信機能です。LINE公式アカウントを友だち追加しているユーザーに向けて、テキストや画像、動画、スタンプなどのメッセージを配信できます。メッセージはプッシュ通知で表示されるので、従来のダイレクトメールなどと比較して高い開封率が見込めます。
ユーザーの年齢層や性別、地域などで配信先を絞ったり、A/Bテストメッセージを送ったりすることも可能なため、集客などのマーケティング手法として効果的です。
無料のフリープランで月1,000通まで、月額5,000円のライトプランで月15,000通まで、月額15,000円のスタンダードプランで月45,000通までのメッセージ配信が可能です。ライトプランとスタンダードプランでは、1通あたり〜5円の追加料金を支払うことで追加メッセージの配信ができます。
クーポン配信
2つ目は、クーポン配信機能です。友だちにお得なデジタルクーポンを直接配信することができます。マクロミル社が実施した調査では、LINEユーザーの43%が「LINE公式アカウントから送られてきたクーポンを使用したことがある」と回答しており、かなり高い集客効果が見込めます。
使用可能回数や有効期限、クーポンタイプ、公開範囲などを細かく設定できるので、お店のサービス内容に合ったクーポンを発行できます。また、配信後にはクーポンを開封・使用したユーザーデータを分析することもでき、次回以降のクーポン発行に役立てられるようになっています。
ショップカード
LINE公式アカウントの3つ目の機能は、ショップカードです。ショップカードとは、デジタルポイントカードのことで、来店したお客さんにLINEアプリ経由でポイントを付与することができます。
割引クーポンやドリンク・デザートプレゼントなどポイント数に応じた特典を自由に設定し、既存顧客のリピート率向上を目指せます。
紙のポイントカードと比較して、ポイントカードの制作費用を削減できる、顧客のショップカード利用状況を分析・管理できるなどのメリットがあります。
チャット
4つ目の機能は、チャット(旧1:1トーク)です。
チャット機能では、友だち追加しているユーザーと1対1でコミュニケーションを取ることができます。チャットで来店予約を受け付ければ、電話では聞き出しにくい細かな要望まで把握できることはもちろん、後から何度でも見返せてミスを防げるなど多数のメリットがあります。
LINEチャットは、やりとりの回数にかかわらず無料で利用できるので、積極的に利用したい機能の一つです。
・LINEでの集客方法とコツは?LINE公式アカウントの活用方法と成功事例
LINEミニアプリ
続いて紹介するのは、LINEミニアプリ(LINE Mini app)です。
LINEミニアプリとは、LINEアプリ上で自社サービスを提供できるWebアプリケーションのことです。順番待ちやテーブルオーダー、来店予約など、オフラインとオンラインをつなげて店舗での非効率を解消することを目的としたサービスです。
自社で一からネイティブアプリを制作するのと比べて費用を大幅に抑えられることや、ダウンロード不要でLINEアプリ上で利用できる手軽さが魅力となっています。ここでは、ミニアプリの主要機能を5つ紹介します。
順番待ち受付
順番待ち受付サービスは、LINEミニアプリの主要機能の一つです。ユーザーは店舗外から混雑状況の確認や受付、通知の受け取りができます。LINE上で手軽に利用できることから、インターネットサービスを得意としない層も効果的に集客できます。
テーブルオーダー
LINEミニアプリでは、テーブルに設置されたQRコードを読み込むだけで使えるテーブルオーダー・会計決済サービスを提供できます。顧客と店員のやり取りを最小化できることから、業務効率化や感染症対策として有効です。
来店予約
LINEミニアプリ上で、来店予約を受け付けられます。ネイティブアプリやグルメサイトなどと異なり、LINEミニアプリでは面倒な会員登録が不要です。そのため、離脱されることなく、顧客の予約を獲得することができます。
デジタル会員証
LINEミニアプリでは、デジタル会員証の提示・管理サービスを提供できます。紙のポイントカードと比較してコストを抑えられる他、LINEユーザーの来店頻度や行動データをデジタルで管理できるというメリットがあります。
テイクアウト・デリバリー
商品のテイクアウトやデリバリーの注文受付や決済サービスをLINE上で提供することができます。
新たにアプリをダウンロードせずに、LINE上で手軽にメニューの閲覧から注文・決済までがすべて完結するため、新規顧客やテイクアウト・デリバリーを普段は利用しない顧客まで、幅広い層の集客に効果的です。
LINEで予約
「LINEで予約」は、LINEアプリの公式アカウントから手軽に店舗の来店予約ができるサービスです。
予約フォームのリンクをメッセージやチャットで配信したり、リッチメニューやプロフィールページに設置したりすることで、LINEアプリ上で簡単に予約を受けられるようになります。また、LINEで獲得した予約やキャンセル、来店人数などのデータをLINE公式アカウントの管理画面で分析・管理することも可能です。
LINEで予約は、現時点(2021年6月)で「イデア・レコード」と「ぐるなび」と連携してサービスを提供しています。いずれかのパートナーに加盟しており、「席のみ指定」のオンライン即予約に対応している店舗であれば、LINEで予約の導入が可能です。
LINE広告
続いて紹介するサービスは、LINE広告です。LINE広告では、LINEアプリ内のさまざまな場所に広告を配信することができます。
主な配信面は次の通りです。
- ・トークリスト
- ・LINE NEWS
- ・タイムライン
- ・LINEマンガ
- ・LINEチラシ
- ・LINEクーポン
- ・LINEマイカード
- ・LINEショッピング
月間8,800万人のユーザーが利用しているアプリであることから、配信面の指定はできないものの圧倒的なリーチ数が見込めます。
Talk Head View
続いて紹介するのは、動画広告「Talk Head View」です。
Talk Head Viewとは、動画広告をトークリストの上部に配信できるサービスのことです。1日で5,000万人以上のユニークユーザーへのリーチが可能と国内で最大規模のリーチ数が見込めるのが魅力となっています。
掲載方法としては、トークリスト上部に配信された静止画をクリックしたユーザーにその場でダイナミックな動画広告を再生するというものです。LINEアプリの中で最もアクセス数が多いトーク画面に掲載するので、高い認知拡大効果が見込めます。
飲食店におけるLINE(ライン)活用事例
ここまで、飲食店で導入したいLINEサービス・機能を紹介しました。次に、飲食店におけるLINEの活用事例を紹介します。
一風堂:LINE公式アカウント
LINE活用事例の1つ目は、国内外に店舗を構える人気ラーメン店「一風堂」の事例です。
一風堂では、店舗ごとにLINE公式アカウントを開設し、各店舗の店長が主体となって配信を行っています。各店舗の店長がメッセージやキャンペーン、クーポンなどのアイディアを練り、本部の承認が下りると実際に配信できるという仕組みです。
例えば、神奈川県の「たまプラーザ店」では、雨の日は替え玉を一玉無料にするというLINE限定クーポン「雨玉」の配信を実施。これにより、雨の日にはクーポン配信をきっかけに多くの顧客が来店しました。クーポンの効果が認められ、他の店舗でも同じクーポンが配信されています。
一風堂のLINE公式アカウントではお得なクーポンを頻繁に配信していることもあり、アカウントがブロックされることがほとんどないそうです。LINEクーポンの配信をしっかりと来店へとつなげている点は、ぜひとも参考にしたいポイントの一つです。
ティースイーツラボ・コンテナート南新宿店:LINEミニアプリ
続いて紹介するのは、ティースイーツラボ・コンテナート(Tea Sweets Lab. CONTENART)南新宿店のLINE活用事例です。こちらの店舗では、順番待ちにおける3密回避のため、順番待ち受付に特化したLINEミニアプリを導入しています。
現在では、顧客の98%がLINEミニアプリを利用して受付・順番待ちをしています。順番待ちにおける行列が解消されたことにより、近隣住民からの苦情がなくなった他、順番待ち・案内業務コストの削減にも成功しています。
LINEミニアプリは、順番待ちや来店予約などの業務を改善することはもちろん、アプリ利用時に「友だち追加」を促すことができます。顧客とオンラインでの接点を獲得できるなど、さまざまな嬉しいメリットがあるのです。
熊本ラーメン 黒亭:LINE広告
LINE活用事例の3つ目は、熊本県に4店舗を構える人気ラーメン店「黒亭」の事例です。
黒亭では、店舗とECサイトにおけるLINE公式アカウントの運用に加え、LINE広告の配信を行っています。
ECサイトのLINE公式アカウントの友だち数が伸び悩んでいたことから、友だち追加を促すLINE広告を出稿しました。
月2万〜3案円の予算で広告の配信を続けた結果、500名ほどだった友だちが約3,700名に増加しました。
飲食店でLINE(ライン)を導入する方法
最後に、今回紹介した主なLINEサービス・機能の導入方法をお伝えします。
LINE公式アカウント
LINE公式アカウントの開設方法は次の通りです。
- ・「LINE公式アカウントアプリ」をダウンロードする
- ・メールアドレスまたは個人のLINEアカウントでログインする
- ・アカウント作成フォームの必要事項を入力する
- ・管理画面にログインする
LINE公式アカウントは、誰でも無料で簡単に間接できます。
1ヶ月に1,000通以上のメッセージを送りたい場合を除いて、クーポン配信やショップカード、チャットなどの機能をすべて無料で利用することができます。
LINEミニアプリ
LINEミニアプリの導入手順は次の通りです。
- ・エントリーをする
- ・審査に必要な書類を準備する
- ・サービス事前審査に申し込む
- ・ミニアプリを開発する
- ・ミニアプリのリリース審査に申し込む
LINEミニアプリを導入するためには指定の手順に沿って申請を行い、LINE株式会社の許諾を得る必要があります。
必要な書類に関する情報は、エントリーした企業にのみ公開されています。
LINEで予約
LINEで予約を利用するには、LINE公式アカウントを「イデア・レコード」または「ぐるなび」と連携する必要があります。
イデア・レコードのお問い合わせフォームまたは、ぐるなび管理画面の最下部に表示されている電話番号から「LINEで予約」の実装を申し込みましょう。
LINE広告
LINE広告は、以下の手順で手軽に出稿が可能です。
- ・オンライン申し込みをする
- ・LINEビジネスIDを発行し、ログインする
- ・広告アカウントを作成する
- ・クレジットカードを登録する
- ・広告クリエイティブを入稿する
- ・広告配信の設定をする
- ・審査終了後、広告の配信を開始する
LINE広告には最低出稿金額がないので、自由に金額を設定して広告を配信できます。
まとめ
今回は、飲食店で効果的にLINE(ライン)を活用するにあたって導入したい機能・サービスを紹介しました。
国内での利用者数が多くアクティブ率が高いLINEは、飲食店が集客をしたり顧客とコミュニケーションを取ったりする場として最適です。
LINE公式アカウントやLINEミニアプリ、LINE広告など、自社に合ったサービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか?