手軽にかつ効果的に広告を出す方法の一つに、「Instagram(インスタグラム)広告」があります。Instagram(インスタグラム)は、2019年時点で3,300万人ものアクティブアカウント数を誇っており、ビジネスが広告を出稿する場として最適です。
今回は、インスタグラム広告のメリットと効果、そして効果を高める方法をわかりやすく解説します。
Instagram(インスタグラム)広告とは?
Instagram(インスタグラム)広告とは、インスタグラム上で配信できる広告のことです。フィードやストーリーズ、発見タブなどアプリ内のあらゆる箇所への広告出稿が可能です。
広告の種類とターゲットを絞るためのターゲティングが充実しており、自社の宣伝目的や客層に合わせて効果的な広告出稿を実現できます。また、1日あたり100円〜と低予算で広告の出稿ができることも魅力の一つです。
インスタグラム広告のメリットや効果については以下で詳しく解説していきます。
Instagram(インスタグラム)広告を利用するメリット
続いて、Instagram(インスタグラム)広告を利用するメリットを紹介します。
細かなターゲティングができる
インスタグラム広告は、Facebook社の持つ膨大なユーザーデータを使用します。そのため、他のプラットフォームよりも細かなターゲティングで、自社のターゲット層に的確にリーチすることができます。
「年齢」「性別」などといった基本的な絞り込みはもちろん、「興味・関心」「行動」などといった高度なターゲティングも可能です。そのため、インスタグラム広告は、潜在顧客層やターゲット層を明確に把握しているほど、より高い効果が見込めます。
自社に合った広告スタイルが見つかる
インスタグラムでは、「写真広告」「ストーリーズ広告」など、全部で8種類の広告を配信することが可能です。広告のタイプによって、それぞれ特徴やメリットが異なるため、宣伝目的・宣伝したい商品やサービスに合った広告を見つけることができます。
例えば、通常の商品・サービスの宣伝なら「写真広告」、キャンペーン情報などリアルタイム性のある広告なら「ストーリーズ広告」など、効果を最大限に高めるための広告スタイルを選べます。広告の種類について、詳しくは後述します。
予算に柔軟性がある
インスタグラム広告は、1日あたり100円(為替相場の変動あり)から出稿することができます。インターネット上に配信する広告というと、まとまった費用を用意しなければならないイメージがありますが、インスタグラム広告なら低予算ではじめられます。
もちろん、予算は高ければ高いほど効果を実感しやすくなりますが、「試しに広告を出稿してみたい」「低予算から始めてみたい」という経営者の方にとってハードルが低いため、手が出しやすいというメリットがあります。
コンバージョンにつながりやすい
インスタグラム広告には、「会員登録」「注文」「購入」などのコンバージョン(=購入・問い合わせなど)につながりやすいというメリットがあります。実際に、インスタグラム公式が2018年に実施した調査によると、インスタグラムの投稿を見て「検索」「購入」「予約」など、何らかのアクションを起こす人の割合は「85%」にも及ぶことがわかっています。
インスタグラムには、広告を見て行動を起こすユーザーが多いため、認知度の向上やブランディングだけでなく、実際にコンバージョンへとつなげることができます。
Instagram(インスタグラム)広告で得られる効果
続いて、Instagram(インスタグラム)で広告を出稿すると、どのような効果が得られるのかについて解説していきましょう。
潜在顧客にリーチできる
インスタグラム広告は、ターゲティング機能が優れていることから、潜在顧客にリーチできます。「自社の商品やサービスを知らないけれど、知ったら利用するであろう客層」を狙って広告を届けられるのは、ビジネスにとってかなり大きな効果であることは言うまでもありません。
また、潜在顧客にリーチができれば、認知拡大・ブランディングなどの効果も付随します。
販路を拡大できる
インスタグラム広告は、販路の拡大にも最適です。適切なターゲティングを行い、自社商品・サービスを宣伝することで、新たな販路を開拓できます。
また、インスタグラムのショッピング機能を活用すれば、インスタグラム上で商品の販売が可能になるため、新たな客層に商品を購入してもらったり、サービスを予約してもらったりする機会も生まれます。
売上アップが期待できる
インスタグラム広告は費用対効果が高く、適切に運営すれば売上の向上が見込めます。インスタグラム広告がダイレクトに売上につながる理由は複数ありますが、上のメリットでお伝えしたように、細かなターゲティングが可能なことと、ユーザーの行動を促しやすいことが主な理由として挙げられます。
インスタグラムショッピング機能を導入して、インスタグラム上で商品を販売したり、広告出稿の際に「購入する」「予約する」などのアクションボタンを設置したりして、「行動」を促すことで、売上げを向上することが可能です。
Instagram(インスタグラム)広告の種類
Instagram(インスタグラム)で配信できる広告には、全部で6つの種類があります。ここでは、それぞれの広告の特徴やメリットなどについて解説します。
種類1:ストーリーズ広告
ストーリーズ広告とは、インスタグラムのメイン機能の一つである「ストーリーズ」上に投稿できる広告のことです。最大の特徴は、モバイル画面にフルスクリーンで表示でき、ユーザーに注意して見てもらいやすいところです。
実際に、ストーリーズ広告を見て商品やサービスを購入したことがあるユーザーは50%にも及んでおり、かなり高い効果が見込めます。
また、「24時間が経つと消える」というストーリーズ機能の特徴から、「リアルタイム」の情報を求めているユーザーが多いため、キャンペーン情報や期間限定のセール情報など、リアルタム性のある広告の配信に最適です。
種類2:写真広告
写真広告は、ユーザーのタイムラインに「通常投稿」のように配信される広告のことです。シンプルですが、「購入する」「予約する」などのコール・トゥ・アクション(CTA)と組み合わせて利用することで、高いクリック率が期待できます。
種類3:動画広告
動画広告は、その名の通り動画を広告として配信することを指します。写真広告と同様に、ユーザーのタイムラインに通常投稿に混ざって表示されます。最長で120秒の動画を配信することが可能です。
種類4:カルーセル広告
カルーセル広告とは、複数枚の写真・動画をまとめて広告として配信する方法です。ユーザーは広告をスワイプすると写真・動画をチェックできるので、写真広告や動画広告などと比べて、よりたくさんの自社製品・サービスを目にしてもらえるというメリットがあります。
1枚の写真や1個の動画では、自社商品・サービスの魅力を伝えきれない場合は、カルーセル広告の利用がおすすめです。
種類5:コレクション広告
コレクション広告とは、一つの投稿内で複数の商品やサービスを宣伝できる広告のことです。カルーセル広告と同様に、複数の商品・サービスの訴求ができるというメリットがありますが、スワイプする手間を省けるため、より高い効果が得やすいのが特徴です。
種類6:発見タブ広告
発見タブ広告は、おすすめの投稿がインスタグラム独自のアルゴリズムで表示される「発見タブ」配信できる広告です。発見タブは、ユーザーが「新しい情報」を求めて利用される場所なので、より興味を引きやすいというメリットがあります。
Instagram(インスタグラム)広告のターゲティング
ここまでで、Instagram(インスタグラム)広告の種類を紹介しました。そこで次に、インスタグラムにて広告を出稿する際に使える「ターゲティング」の種類を解説していきます。
ターゲティングとは、広告を届けたいターゲットを絞る手法のことです。自社商品・サービスや広告の目的に合わせてターゲティングをすることで、より効果を高めることが可能です。
地域
インスタグラム広告では、広告を届けたいターゲットを「国」「都道府県」「市区町村」などの地域で細かく絞ることができます。例えば、飲食店を運営しているなら、お店がある地域に絞って広告を配信することで、「来店」「注文」につながりやすくなります。
利用者層データ
Facebook社のユーザーデータを保持しているインスタグラムでは、「性別」「年齢」「言語」などの利用者データを使ったターゲティングも可能です。お店の客層や潜在顧客層に合わせて、広告を配信したいターゲットを絞り込みましょう。
ただし、Facebookを利用していないユーザーの場合、フォローしているアカウントなどの情報をもとに推測されたデータを利用するため、多少のズレが生じる可能性があります。
興味・関心
インスタグラム広告では、広告に興味を持ってくれそうなユーザーを狙って広告を配信できます。ユーザーが普段から「いいね!」しているページをもとにターゲティングをしてくれるため効果的です。
「お店のことを知ったら興味を持ってくれるであろう潜在顧客にリーチしたい」という場合は、興味・関心ターゲティングの利用がおすすめです。
行動
ユーザーのインスタグラムやモバイルデバイスの利用状況をもとに、ターゲットを絞ることも可能です。また、「記念日」「海外在住者」などといった具体的な行動に基づくターゲティング方法もあります。
カスタムオーディエンス
カスタムオーディエンスでは、すでに獲得している顧客に広告を配信できます。電話番号やメールアドレスなどの顧客情報を保持していれば、利用することが可能です。
「顧客に向けて新商品の宣伝をしたい」「いつも利用していただいているお客様にキャンペーン情報を流したい」などという際には、カスタムオーディエンスの利用が便利です。
類似オーディエンス
類似オーディエンスは、すでに獲得している顧客によく似たユーザーに向けて広告を配信できるターゲティングです。潜在顧客にピンポイントで広告を届けられるため、高い広告効果が見込めます。
自動ターゲット設定
「うまくターゲティングができる自信がない」という方は、自動ターゲット設定を利用しても良いでしょう。自動ターゲット設定では、自社のフォロワーに似ているユーザーに広告を届けられます。
Instagram(インスタグラム)広告の出し方
続いて、Instagram(インスタグラム)で広告を出す方法を説明します。初心者向け〜上級者向けまで、難易度別に紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
初心者:インスタグラムのサポートを利用する
「インスタグラムの運用について、何もわからない」という初心者には、「Instagramパートナー」というサポートの利用がおすすめです。Instagramパートナーを利用すると、広告の出稿や管理がしやすくなるのはもちろん、「来客数を増やす」「ネット注文数を増やす」などのゴールを達成するためのサポートも受けられます。
残念ながら料金などの詳細に関しては一般公開されていませんが、気になる方はFacebookページの「パートナーを探す」より申し込みが可能です。
中級者:過去の投稿を「広告」として配信する
普段からインスタグラムをよく利用しているという中級者には、過去の投稿を「広告」として配信できる「投稿の宣伝」機能がおすすめです。「投稿の宣伝」機能を使えば、過去のお気に入りの投稿や、反応が良かった投稿をそのまま「広告」として配信できます。
新たに投稿の作成やめんどうな手続きは一切不要です。次の8つの手順でスマホアプリからサクッと配信できるので、ぜひ試してみてください。
- 1. ビジネスプロフィールに切り替える(すでにビジネスプロフィールの場合はスキップ)
- 2. プロフィール画面にある「広告」をタップする
- 3. 「トップ投稿を宣伝」を選択する
- 4. 過去の投稿の中から「広告」として配信したい投稿を選ぶ
- 5. 「誘導先(ウェブサイトなど)」とアクションボタンを設定する
- 6. ターゲティングを行う
- 7. 「予算」「掲載期間」を設定する
- 8. 広告を配信する
上級者:「広告マネージャ」を利用して出稿する
インスタグラムの運用が得意な上級者には、Facebookの広告出稿機能「広告マネージャ」の利用がおすすめです。Facebookの広告出稿機能を使用するため、少しハードルは高めです。
出稿の手順は以下の通りです。
- 1. Facebookとインスタグラムを連携する
- 2. Facebookの「ビジネスマネージャ」でビジネスアカウントを作成する
- 3. キャンペーンを作成する
- 4. 広告セットを設定する
- 5. 広告を配信する
Facebookの仕様に慣れていないと、アカウントの作成やキャンペーン・広告セットの作成で苦戦してしまうかもしれません。「難しそう」と感じた場合は、上で紹介した初心者・中級者向けの出稿方法をおすすめします。
Instagram(インスタグラム)広告のポイント
ここまでで、Instagram(インスタグラム)広告のメリットと効果、出稿の方法について解説しました。そこで次に、インスタグラム広告の効果を最大限に高めるためのポイントを3つ紹介します。
目的・ターゲットを明確にする
インスタグラム広告にて、売り上げアップや販路拡大などの効果を出すためには、「宣伝の目的」と「ターゲット」を明確にすることが重要です。「できるたけ多くの人に知ってもらいたいから」とか「なんとなく」などといった理由で、広告を出稿することは避けましょう。
まず、広告を出稿したいと思うからには、「来客者を増やしたい」「新商品の認知を拡大したい」など、何かしらの狙いがあるはずです。宣伝の目的を明確に把握して、その目的に合った広告の種類や投稿を選びましょう。
そして次に、広告を届けたいターゲット像もできるだけ明確にしておくことが重要です。「こんな人に広告を見て欲しい」という潜在顧客のイメージ像を具体的に決めておきましょう。
「流行に敏感な20歳の女子大学生。趣味は、インスタ映えがしそうなカフェに友達と行くこと。休日はアルバイトで忙しいので、授業がない平日や学校帰りにカフェを利用することが多い。」このように、ターゲットの性別や年齢、職業や行動などを明確に設定しておくと、広告を出稿する際に的確なターゲティングができます。その結果、自社の潜在顧客にリーチすることができ、より高い効果が見込めるようになります。
コール・トゥ・アクションを活用する
インスタグラム広告の効果を高めるためには、「コール・トゥ・アクション」を使いこなすことが重要です。
コール・トゥ・アクションとは、「予約する」「問い合わせる」など広告に興味を持ったユーザーがワンタップで行動を起こせるボタンのことです。広告の内容に合ったコール・トゥ・アクションを設定すれば、アクションを起こすハードルが低くなり、成果があがりやすくなります。
例えば、レストランのオンライン予約数を増やしたいのであれば「予約する」というアクション、自社サイトに会員登録させたいのであれば「登録する」というアクションを設定するべきです。投稿や宣伝の目的に合わせて、違和感のないコール・トゥ・アクションを配置しましょう。
広告を複数パターン出稿し分析する
高い効果が見込めるインスタグラム広告ですが、誰もが最初から思うような結果が得られるとは限りません。ほとんどの場合、実際に広告を出稿・分析してみて、広告として配信した投稿が魅力的でなかった、ターゲティングが適切でなかったなどの改善点が浮き彫りになります。
自社に合った広告の運用や、ターゲティングの設定を見つけるためには、複数の広告を配信し、それぞれの結果を分析して比較することが重要です。広告として使用する投稿や、ターゲティングの設定などを変えて複数の広告を出稿し、自社に合った広告スタイルを見つけましょう。
まとめ
Instagram(インスタグラム)広告の特徴や効果、そして効果を高めるためのポイントについて解説しました。アクティブユーザーが多く、広告機能が充実したインスタグラムは広告出稿の場として最適です。
さらに、広告の目的・ターゲットを明確にしたり、コール・トゥ・アクションでコンバージョンを獲得したり、複数の広告を出稿して分析したりといった工夫を凝らせば、さらに効果を高めることが可能です。 インスタグラムはまだまだ人気のとどまるところを知らないSNSなので、ぜひこの機会に広告を出稿してみてください。