社内・社外の問い合わせ対応の効率化や、顧客接点強化による売上の向上を目指すなら、チャットボットサービスの活用がおすすめです。しかし、チャットボット市場には多くのサービスが混在するため、「自社に合うサービスを探すのが難しい……」と悩んでしまうかもしれません。
そこで今回は、チャットボットサービスの導入メリット・デメリットや、サービスの選び方、主なチャットボットサービスを10種類紹介します。
チャットボットとは?
チャットボットとは、チャットでの返答を自動化するプログラム、およびアプリケーションのことです。
リアルタイムで会話する仕組み「chat(チャット)」と、一定のタスク・作業を自動化する「bot(ボット)」を組み合わせた名称で、主にカスタマーサポート・社内ヘルプデスクの問い合わせ対応や、セールス・マーケティングの支援などで活用されています。
チャットボットの種類
現在、チャットボット市場には、数多くのサービスが混在しています。数が多すぎてサービスの区別が難しいと感じるかもしれませんが、実は「導入目的」「解決できる課題」でみれば、2種類に大別することができます。
- 問い合わせ対応型
- マーケティング支援型
実際に、どちらか一つを得意領域としたサービスも多く登場しているので、解決したい課題別に考えるとわかりやすいでしょう。ここでは、それぞれの型について詳しく解説していきます。
問い合わせ対応型
「問い合わせ型」は、これまで人間が行っていた問い合わせ対応業務の一部自動化を目的としたチャットボットです。カスタマーサポートや社内ヘルプデスクにおける問い合わせ対応の一部を、チャットボットが代替します。
マーケティング支援型
「マーケティング支援型」は、売上アップや顧客満足度向上を目指すチャットボットです。WebサイトやLP(ランディングページ)にチャットボットを設置することで、ユーザーの直帰率や離脱率を改善し、資料請求や問い合わせといったコンバージョンの獲得へとつなげます
企業がチャットボットを導入するメリット
では、企業がチャットボットを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?「問い合わせ型」と「マーケティング支援型」に分けて、それぞれの導入メリットを紹介します。
問い合わせ対応型の導入メリット
問い合わせ対応型のチャットボットを導入する主なメリットは、次のとおりです。
- 問い合わせ対応業務の効率化
- 人件費の削減
- 24時間・365日いつでも問い合わせに対応
- 顧客/従業員満足度の向上
問い合わせ対応では、あらかじめ用意した回答テンプレートやヘルプコンテンツで解決できる質問や相談が寄せられることが少なくありません。このような問い合わせへの対応をチャットボットで自動化すれば、業務の大幅な効率化、ひいては人件費の削減を実現できます。
また、チャットボットを導入すれば、24時間・365日いつでも問い合わせに対応することが可能です。「営業時間外だから解決できない……」という不便さを解消することで、顧客満足度および従業員満足度の向上も見込めるでしょう。
マーケティング支援型の導入メリット
続いて、マーケティング支援型のチャットボットを導入するメリットを紹介しましょう。
- CVR(コンバージョン率)向上による売上アップ
- 顧客接点の向上
- 潜在顧客の取りこぼし防止
Webサイトからの問い合わせで多いのが、フォーム入力の途中で離脱してしまうケースです。そこで、チャットボットを導入すれば、自社のLPやWebサイトを訪れたユーザーに対して、「お困りのことはございませんか?」といった文言と共にチャットでの問い合わせを自然に促すことができます。
離脱を防止できる他、チャット形式で容易に問い合わせを行えるようになるので、CVR(コンバージョン率)の向上、ひいては売上アップが期待できます。
また、チャットは、「電話」「メール」と比較して、ユーザーに気軽にアクションを起こしてもらいやすいため、顧客との接点を圧倒的に増やせます。同時に、潜在顧客や見込み顧客の取りこぼし防止にもつながります。
このように、チャットボットは、セールス・マーケティング支援ツールとしても大いに役立ちます。
企業がチャットボットを導入するデメリット
さまざまな導入メリットが期待できるチャットボットですが、次のようなデメリットも存在します。
- 導入にコストと工数がかかる
- すべての質問に対応しきれない
これらのデメリットは、「問い合わせ対応型」「マーケティング支援型」のチャットボットに共通していえることです。チャットボットの導入を成功させるために、デメリットもしっかり把握しておきましょう。
導入にコストと工数がかかる
チャットボットは、導入から定着までにコストと手間がかかります。
たとえば、AIを搭載したボットを導入する場合、精度を高めるために自社が持つFAQデータといった情報を登録したり、必要に応じて調整したりする必要があります。また、当然ながら導入に際しては、初期費用や環境整備に必要な人件費の確保など、ある程度のリソースが必要となります。
そのため、問い合わせ数やサイトのPV(ページビュー)数がそれほど多くない場合は、費用対効果が割に合わないリスクがあります。サービスを導入する際は、「どのくらいの問い合わせ/PVがあれば、費用対効果を得られるのか」を確認しておきましょう。
すべての質問に対応しきれない
チャットボットというのは、どんな質問でも自動で完璧に対応できるプログラムではありません。学習機能が付いているとはいえ、複雑な問題や長文の場合には、人間による対応が必要になることがあります。
簡単な質問はチャットボットで自動対応しつつ、複雑な問い合わせには有人チャットで対応するなど、時と場合に応じた使い分けが必要になります。
チャットボットサービスの比較・選び方のポイント
「チャットボットを導入したいけど、何を基準に選べば良いかわからない……」という方は少なくないでしょう。ここでは、チャットボットの比較・選び方のポイントを解説します。
- 解決したい課題
- 機能
- 料金
- AI搭載の有無
解決したい課題
チャットボットを選ぶポイントの一つ目は、「解決したい課題」です。自社が抱える課題や実現したいことを、得意領域とするチャットボットサービスを選ぶことが理想です。
上述したように、チャットボットは「問い合わせ対応型」と「マーケティング支援型」に大別されますので、まずはここを明確にしておきましょう。すると、優先順位が明確になるので、自社に合うチャットボットを選びやすくなります。
たとえば、カスタマーサポートの問い合わせ業務を効率化したいなら「問い合わせ対応」に特化したもの、売上アップを目指したいなら「マーケティング支援」を得意とするものに、選択肢を絞っていきましょう。
機能
チャットボットを選ぶポイントの二つ目は、機能です。「チャットボット」と一括りにしても、強みとしている機能や機能の充実度はサービスごとに大きく異なります。
たとえば、チャットボットには次のような機能が備わっています。
- 解答機能:「AI」または「シナリオ形式」「一問一答形式」
- 有人対応機能:チャットに有人で対応する機能
- 分析機能:ユーザーの高度や会話を分析する機能
- 外部サービス連携機能:外部サービスと連携させる機能
この他にも、サービスごとにさまざまな機能が備わっています。自社で使いたい機能が備わっているかどうかを基準に選ぶと良いでしょう。
料金
導入・運用にかかる料金も、チャットボットを選ぶ際に重視したいポイントの一つです。チャットボットを導入すると、「人件費の削減」や「売上の向上」など費用面でのメリットが期待できますが、導入・運用にかかる費用が効果を上回ってしまえば、不利益になってしまいます。
初期費用や月額料金はもちろん、サービスごとに「どのくらいのコストダウンが見込めるか」「どのくらいの効果が期待できるか」といったところまでしっかり比較しておくと安心でしょう。
AI搭載の有無
チャットボットにAI(人工知能)が搭載されているかどうかも、重要な比較・選び方のポイントです。AIを搭載したチャットボットのことを「AI型」、搭載していないチャットボットのことを「シナリオ型」と呼び、それぞれメリット・デメリットが大きく異なります。
「AI型」は、文章全体の意味をしっかり理解した上で解答するため、回答の精度が高いことがメリットです。ただし、その分運用までにより多くのコストと工数を必要とします。
一方、「シナリオ型」は、人間が設定したルールに沿って回答するため、設定・構築がシンプル、かつ費用を抑えられるというメリットがあります。ただし、AI搭載したチャットボットと比較すると、回答精度は劣ります。
チャットボットにどこまで求めるかを基準に、AIが必要か否かを検討しましょう。
主なチャットボットサービス5選:問い合わせ対応型
ここでは、「問い合わせ対応型」の主なチャットボットサービスを5種類紹介します。
KARAKURI chatbot
KARAKURI chatbotは、カラクリ株式会社が提供する「カスタマーサポート」に特化したAIチャットボットサービスです。カスタマーサポート特化型であること、および成果にコミットするAIトレーニングの実施により、正答率「95%」を保証しています。
高精度なAIチャットボットで問い合わせ業務の効率化を図るのはもちろん、顧客がセルフで問題を解決できるように促すことで、顧客対応の満足度も向上することが可能です。シンプルでわかりやすい管理画面と徹底サポートで、チャットボットを初めて導入する企業でも安心して利用できます。
公式サイト
goo AI×DESIGN
goo AI×DESIGNは、エヌ・ティ・ティレゾナント株式会社が提供するAIリソリューションです。
- ・キャラクターとの自然対話がメインの「キャラクタチャットボット」
- ・マーケティング支援に最適な「エージェントチャットボット」
- ・お問い合わせ業務の代行に適した「FAQチャットボット」
を、利用シーンに合わせて導入できます。
ディープラーニングによる「自然な対話」を強みとしており、まるで人間とチャットをしているようなリアルな対話を実現します。また、「教えて!goo」の3,000万件のQ&Aデータを学習させているので、少ないデータ量でも自然かつ豊富な対話が可能です。
公式サイト
Zendesk
Zendeskは、株式会社Zendeskが提供するあらゆる問い合わせ対応を自動化するAIボットサービスです。株式会社ディー・エヌ・エーや、東京電力エナジーパートナー株式会社など、多くの企業が「最高な顧客体験」の実現にZendeskを活用しています。
Zendeskの特長は、多言語対応が可能なところです。日本語や英語、中国語をはじめとした全17言語に対応しています。外国語での問い合わせに対応したい企業向けのチャットボットサービスです。
公式サイト
sAI Chat
sAI Chatは、株式会社サイシードが提供する高精度なAIと手厚い運用サポートを組み合わせたAIチャットボットサービスです。“最初から賢いずっと賢い”というキャッチフレーズにあるように、導入時から「精度95%以上」とスマートなAIチャットボットを実現できます。
また、サイトのデザインに合わせてチャットボットのカラーや起動ボタンを設定したり、テンプレートとなる会話文言を自由に設定したりできるなど、使いやすさを追求した機能も魅力となっています。
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スグレス
スグレスは、 株式会社ALBERTが提供するあらゆるビジネス・コミュニケーションの在り方を変えるAI・高性能チャットボットです。
- 社内問い合わせ(BtoE)
- 企業問い合わせ(BtoB)
- ECサイト(BtoC)
など、あらゆるビジネスシーンに対応。業務の効率化やコスト・工数の削減、スキルの平等化など、ビジネス課題を幅広く解決することが可能です。
また、スグレスに搭載されているAIは、高性能な自動学習が可能であるため、ユーザーが入力した自然言語から、意図を瞬時に判断し適切に回答することができます。サポート体制も充実しており、チャットボットを初めて導入する企業でも安心です。
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主なチャットボットサービス5選:マーケティング支援型
続いて、「マーケティング支援型」の主なチャットボットサービスを5種類紹介します。
hachidori
hachidoriは、hachidori株式会社が提供する業務効率化やマーケティングなど、多用途で使用できる国産チャットボットツールです。
「リード獲得」から「顧客関係構築」「カスタマーサポート」「社内ヘルプデスク」まで、幅広い用途のチャットボットを「LINE」や「Facebook」「Webサイト」などの各種プラットフォームで利用できます。これは、7,000を超える開発実績を誇るhachidoriならではの強みです。
また、Q&Aテンプレや行動計測、有人チャットツールなど、強力なチャットボットを構築するための機能が充実していることも魅力となっています。
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Chat Plus
Chat Plusは、チャットプラス株式会社が提供する、導入企業が10,000社以上と業界No.1の導入実績を誇るチャットボットサービスです。IT・サービスや、EC、小売業、人材・採用、官公庁など、幅広い業種で導入されています。
お客様からのお問い合わせや社内でのお問い合わせ対応業務を自動化し、コスト削減や売上アップに貢献します。また、Chat Plusでは「初期費用0円」「月額1,500円〜」と業界最安値な低価格プランが用意されています。「まずは試しにチャットボットを導入してみたい」という企業でも気軽に利用可能です。
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sinclo
sincloは、メディアリンク株式会社が提供するノーコードで簡単、わかりやすいチャットボット型Web接客ツールです。ユーザーファーストで開発されており、マニュアルを読まなくても直感的に操作・管理できるのが魅力です。
また、sincloは、チャットボットとオペレータの両方に対応したハイブリット型となっているため、「完全自動化」と「高度な質問のみ有人対応」など、ニーズに合わせて自由に運用できます。「プログラミング不要で手軽にチャットボットを導入したい」「直感的で使いやすいサービスを選びたい」という企業に向いています。
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GENIEE CHAT
GENIEE CHATは、株式会社ジーニーが提供するカスタマーサポートの強化とマーケティングを同時に実行できるチャット型接客プラットフォームです。
「FAQボット」や「チャットEFO」「有人チャット」などを設置して、顧客一人ひとりのニーズに合わせて“オンライン接客”できることが強みとなっています。インターネット上のあらゆる接客に対応しているので、業界や解決したい課題を問わず、幅広く活用することが可能です。
また、来客ユーザーを見える化する機能も充実しており、訪問者の行動を表示したり、IPアドレスを紐付けて訪問した企業の情報を取得したりすることもできます。「問い合わせ対応とマーケティング支援の両方でチャットボットを活用していきたい」という企業に向いています。
公式サイト
ChatBook
ChatBookは、株式会社チャットブックが提供する200社以上の導入実績を誇るマーケティング促進型のチャットボットサービスです。アポ獲得向けのカレンダーメッセージ機能や、CRM・MAツールとの連携機能など、マーケティングに特化した機能が充実しているのが魅力となっています。
ChatBookでは、Webチャットボットの他、ユーザー層に合わせて「LINEチャットボット」や「Instagramチャットボット」の作成も可能です。製品ホームページやECサイトでの販売促進はもちろん、SNSにおけるDMの自動化も視野に入れているという企業に向いています。
公式サイト
まとめ
チャットボットツールの種類や導入のメリット・デメリット、選び方のポイントなどを紹介しました。 チャットボットは、大きく分けて「問い合わせ対応型」と「マーケティング支援型」があり、それぞれ問い合わせ業務の効率化や離脱率の改善といった課題解決に効果的です。自社の課題に合わせたチャットボットサービスの導入を目指して、まずは課題の把握、およびサービスを比較・選定するところからはじめましょう。
ディップ株式会社では、日本を支える中小企業の皆様に向けて、ワンストップのDXサービスを提供しています。
DXの実践においては、人材確保や教育の壁、DXを前提とした組織改革の壁、そして予算の壁と、さまざまな課題が立ちはだかります。ディップが提案する「one-stop DX.」は、これらの問題を専属のカスタマーサクセスが並走しながら導入と運用をサポートいたします。DXに伴う現場の混乱やシステムの複雑化を回避可能です。
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