営業資料の作り方のコツは?構成や1枚のスライドに入れる内容のポイント│コボットLAB

営業資料の作り方のコツは?構成や1枚のスライドに入れる内容のポイント

  • 2022年5月26日
  • 2024年12月7日
  • 営業
営業資料

優れた営業資料を作成するためには、事前に準備することや作成時に押さえるコツなどを理解しておくことが重要です。昨今、オンライン商談も増えてきており、より営業資料の重要性が増してきています。

今回は、営業資料が重要である理由から、資料作成のコツまで解説していきます。

営業資料が重要である理由

営業資料の出来によって、商談の成功が決まるといっても過言でありません。良い営業資料は相手に明確なメッセージを伝えることができ、実りのある商談につながっていきます。

本章では、営業資料が重要である理由を、下記の3つの観点から解説していきます。

  • ・属人化の解消が期待できるから
  • ・営業サポートとして大きな役割があるから
  • ・オンライン商談が増えてきているから

属人化の解消が期待できるから

営業職は営業担当者のスキルによって、商談が左右されることがあります。コミュニケーションスキルやスケジュール調整、ヒアリング力、提案力など要素はさまざまです。

こうした営業スキルは簡単に身につくものではなく、経験を積むことや教育によって少しずつ身につけていくものです。

一方で、営業資料はその限りではありません。良い営業資料は誰が見ても理解ができるものなので、営業担当者のスキルに左右されることがなくなります。

良い営業資料を社内メンバーで共有することで、多くの商談を効率的且つ有益に進めることが可能です。良い営業資料を作成できれば、営業担当者のスキルに頼りきりになる属人化の解消が期待でき、自社の営業力の向上にもつながります。

営業サポートとして大きな役割があるから

一口に「営業資料」といっても、種類はさまざまあります。新規顧客獲得のための「自社紹介資料」、顧客の課題やニーズに応える「提案資料」などです。

これらの営業資料を揃えることは、営業サポートとして大きな役割を発揮します。なぜなら、営業担当者の話に加え、資料を確認してもらえれば、より商談が効果的に進めることが可能だからです。

たとえば、プレゼン能力の高い営業担当者であれば、資料を活用してより成約率を高めることができ、プレゼン能力が低い営業担当者でも営業資料のサポートによって、相手に内容を理解してもらえるからです。

そのため、良い営業資料はどんな営業担当者にとっても有益なものであるといえます。

オンライン商談が増えてきているから

昨今のコロナ禍によって、営業担当者が相手先に行き、商談を行う機会が減ってきてしまいました。反対に、増加しているのがオンライン商談です。

オンライン商談は、移動などの負担が少ないメリットがありますが、商談中に相手の温度感が読み取りにくいなど、非言語コミュニケーションが難しいことが難点です。そのため、良い営業資料によって、きちんと相手に内容を伝える重要性が増しています。

オンライン商談では、相手の画面に営業資料を共有することが可能です。相手の目を引く営業資料を用意できれば、商談はスムーズに進むでしょう。オンライン商談の増加によって、より良い営業資料の重要性が高まっているのです。


営業資料の利用用途

営業資料の利用用途は、主に次の3点が挙げられます。それぞれの営業資料について解説していきます。

  • ・自社を紹介する「会社案内」
  • ・自社の商品やサービスを紹介する「パンフレット」
  • ・顧客に商品やサービスを購入してもらう「提案資料」

自社を紹介する「会社案内」

自社の紹介を行う「会社案内」は、新規で顧客を獲得したいときなどに重要になります。

自社がどういった会社なのか伝えることはもちろん、自社の事業内容や取引先などを細かく伝えられると良いでしょう。また、ホームページとまったく同じ内容ではなく、理念や自社にまつわるエピソードを載せるなど、工夫を施すのも一つの方法です。

どんなに優れた商品やサービスでも、自社の信頼が得られなければ、商談は上手くいきません。そのため、相手に好印象を与える「会社案内」が求められます。

自社の商品やサービスを紹介する「パンフレット」

パンフレットの目的は、「顧客に商品やサービスに興味をもってもらうこと」です。そのため、自社の製品やサービスがわかりやすく伝わるようにすることはもちろん、魅力的に見えるようにすることも重要です。「キーワードを大きく表示させる」「商品の写真を大きく掲載する」など魅力が伝わるように工夫することが大切です。

また、パンフレットは特定の誰かに伝われば良いのではなく、不特定多数の人に見られても魅力が伝わる必要があります。そのため、営業担当者が説明しなくても魅力が伝わるようにしなければなりません。

顧客に商品やサービスを購入してもらう「提案資料」

提案資料は、商談において最も重要な営業資料です。なぜなら、提案資料の出来によって、商談が成立するかが決まってくるからです。

提案資料は、「提案する相手の課題を的確に捉え、紹介する商品やサービスがどのように課題を解決し、どんなメリットがあるか」を伝えることが目的です。そのため、相手に良い商品・サービスと思ってもらうことがゴールではなく、実際に購入したいと思ってもらうことがゴールになります。

これまでのヒアリングなどを踏まえたうえで、相手に購買行動を起こさせる資料が求められます。


営業資料を作成する前に準備すること

営業資料は、作成前にきちんと準備を行うことで、より良いものになっていきます。主に準備しなければならないのは、次の3点です。

  • ・顧客のニーズは何かを考える
  • ・顧客に対する営業フェーズはどこかを考える
  • ・営業資料の構成を考える

それぞれの準備について解説していきます。

顧客のニーズは何かを考える

顧客のニーズを考えることは、営業資料を作る際に最も大切といっても過言ではありません。なぜなら、顧客のニーズを捉えていない資料を作成しても、相手の興味を引くことができずに商談が成約に至らないからです。

注意が必要なのは、商品のメリットばかりを記載してしまうことです。商品の良い点ばかりを記載してしまうと、押し売りのイメージを与えてしまう可能性があります。

そのため、「顧客が求めていることは何か?」「顧客が商品やサービスを通じて知りたいことは何か?」など、相手の目線に立って考えることが大切です。

顧客に対する営業フェーズはどこかを考える

営業フェーズに適した営業資料を用意しなければ、スムーズに商談は進んでいきません。そのため、「この顧客は、今この営業フェーズにいるから、この営業資料を用意しなければならない」と考えることが大切です。

顧客のフェーズを考える際は、「AIDMA(アイドマ)」モデルで考えると良いでしょう。

「AIDMA(アイドマ)」とは、次の頭文字を取ったものです。

  • ・Attention(注意)
  • ・Interest(関心)
  • ・Desire(欲求)
  • ・Memory(記憶)
  • ・Action(行動)

「AIDMA(アイドマ)」のフェーズに合わせたときに必要な営業資料は下記の表のようになります。

<AIDMA(アイドマ)のフェーズで必要な営業資料>

フェーズ営業資料
Attention (注意)自社や商品を知ってもらう紹介資料
Interest(関心)自社や商品に興味を持ってもらう紹介資料
Desire(欲求)商品やサービスの詳細が記載されている資料
Memory(記憶)商品やサービスを欲しい、利用したいと思ってもらう資料
Action(行動)顧客に購買行動を起こさせる個別提案資料

今、顧客はどこにフェーズにいるのか、これからはどんなアクションを起こせば良いのかを考え、適当な資料を作成していきます。そのため、顧客の営業フェーズを考えることはとても重要です。

営業資料の構成を考える

営業資料は、いきなり作り始めてはいけません。これまでの顧客のニーズやフェーズを考えたうえで、構成を考えることが大切です。

構成とは、資料のストーリーのことです。資料のゴールを定め、顧客に求めているアクションを起こしてもらうことを目的に組み立ていきます。そのため、顧客は資料を読んでいく中で、どこに疑問を感じるか、不安になることは何かを考えながら、不安が解消されるように作成していくことが大切です。

構成を考える段階では、実際に作成するシートに記載する必要はありません。ノートに手書きでも構わないので、ストーリーを練っていくことが大切です。構成がしっかりとまとまると良い営業資料になるため、非常に重要な準備です。


営業資料の作り方のポイント

営業資料の作成

営業資料を作成する準備が整ったら、実際に作成していきます。作成時に気をつけるポイントは、次の9点です。それぞれのポイントを押さえることで、クオリティの高い資料となるため、意識しておくと良いでしょう。

  • ・顧客(読み手)のニーズを捉える
  • ・顧客に商品やサービスを導入後のイメージをさせる
  • ・リスクやデメリットも記載する
  • ・ストーリー設計を考える
  • ・1スライド1メッセージにする
  • ・ビジュアルをメインにする
  • ・数字でインパクトを与える
  • ・フォントと文字の大きさに注意する
  • ・Zの法則、Fの法則を意識する

顧客(読み手)のニーズを捉える

まずは、顧客(読み手)のニーズを捉えていることが大切です。

営業資料に顧客が感じている課題や、商品やサービスを導入することでどうなりたいかなどを資料にきちんと明示します。資料に顧客のニーズを明示することで、より好印象を与えることができます。

また、提案資料などは、決裁者に回された際に営業担当者の説明がなくてもわかるようにしなければなりません。その際にニーズを捉えられていないと、決裁者も前向きに資料を読むことにつながらないため、顧客(読み手)のニーズを捉えていることが重要です。

顧客に商品やサービスを導入後のイメージをさせる

どんなに商品やサービスが素晴らしいものでも、顧客に好印象を持ってもらわなければ導入には至りません。そのため、顧客に商品やサービスを導入後に良い方向に向かうというイメージをさせることが大切です。

良いイメージを持ってもらうためには、顧客と同じ課題があった企業に導入した結果、どのように良くなったかなどの導入事例などが効果的です。商品やサービスを導入するひと押しになるものを考えると良いでしょう。

リスクやデメリットも記載する

商品やサービスのメリットをきちんと伝えることは大切です。しかし、併せてリスクやデメリットも記載することも大切です。なぜなら、リスクやデメリットを記載することで、説得力が増すからです。

どんな商品にも、良い面と悪い面があります。悪い面をきちんと記載したうえで、より商品やサービスのメリットに魅力を感じてもらうことを意識すると良いでしょう。また、リスクやデメリットをきちんと記載することは、導入後のクレームにつながらないなどのメリットもあります。

ストーリー設計を考える

事前に準備した構成をもとに、顧客の共感が得られるようなストーリー設計を考えることも大切です。なぜなら、顧客が資料に対して共感がなければ、商談が上手く進むことがないからです。

共感が得られるポイントは、顧客によってさまざまです。そのため、担当者とのコミュニケーションで感じたことや性格などを考慮したうえで作成すると、より良い資料になります。

1スライド1メッセージにする

1スライド1メッセージにすることで、各スライドで顧客に対して伝えたい内容が明確になります。また、1スライド1メッセージにすることで、資料のわかりやすさが向上します。

商品やサービスの魅力を伝えたいあまり、1スライドにさまざまなメッセージを入れてしまうと、読み手(=顧客)はどれが重要なメッセージなのかがわからなくなってしまいます。そのため、きちんとしたメッセージを伝えるためには、1スライド1メッセージを意識することが大切です。

また、1スライド1メッセージにすることで、相手に伝えるインパクトも大きくなります。

ビジュアルをメインにする

ビジュアルをメインにすることも大切です。なぜなら、営業資料は文字を読み込んで理解する資料ではなく、ひと目見てわかる資料が求められているからです。

そのため、表示されているスライドをパッと見た際に、瞬時に理解できるデザインが求められます。たとえば、図表やグラフ、画像などの挿入です。こうした図表やグラフで伝える情報は、文字で伝える情報量よりも多いとされています。

レイアウトや色、デザイン性なども意識して、パッと見てわかる資料にしていきましょう。

数字でインパクトを与える

数字でインパクトを与えることも大切です。なぜなら、数字は内容に具体性を持たせることにつながるからです。

たとえば、「このサービスを導入したことで、生産性が向上しました。」とするよりも、「このサービスを導入したことで、30%の生産性向上の結果が出ました。」とした方が、具体性があり説得力が増します。

具体的な数字を伝えることは、自社と顧客の認識の齟齬をなくすことにもつながります。抽象的な表現を失くし、数字で具体性を伝えることを意識しましょう。

フォントと文字の大きさに注意する

フォントや文字の大きさも大事な要素です。なぜなら、フォントがバラバラだったり文字が極端に小さかったりする資料は読みづらく、相手にメッセージを伝えられないからです。

そのため、フォントや文字の大きさも相手が読みやすいかを意識すると良いでしょう。

たとえば、フォントは「メイリオ」に統一する、文字の大きさは最低でも「18pt」にするなどです。統一されたフォントは資料のデザインを見やすくするうえでも大切です。

また、文字でインパクトを出す際は、他の文字よりも大きくするなどのテクニックもあります。他にも文字の色などにも注意が向けられれば、より良い資料になります。

Zの法則、Fの法則を意識する

人間には、目線の動きに関するさまざまな研究がなされています。代表的なものには「Zの法則」「Fの法則」があります。

「Zの法則」とは、人間の目線が資料の左上からスタートし、右上、左下、右下と進んでいきZの字を描くように動いていくというものです。一方で、「Fの法則」は人間の目線が資料の左上からスタートし、右端まで移動、左端に戻って一段下がりまた右端まで移動していくというものです。

そのため、目線を意識せずにバラバラに図やグラフを配置してしまうと、相手は読みにくいと感じてしまいます。「Z」や「F」の形に沿って伝えたい情報を配置することで、わかりやすい資料だと思ってもらえるでしょう。


まとめ

営業資料は、自社の営業活動において非常に重要なものです。昨今のコロナ禍においては、オンライン商談も増えたため、その重要性はより増してきています。

優れた営業資料は実りのある商談を生み出し、最終的には会社の利益につながります。ぜひ本記事を参考に、魅力ある営業資料を作成してみてください。

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