解約阻止に有効な方法は?トークスクリプト作成のポイント│コボットLAB

解約阻止に有効な方法は?トークスクリプト作成のポイント

  • 2022年4月26日
  • 2024年12月7日
  • 営業
解約阻止

サブスクリプションビジネスを展開する上で、回避すべき事案が登録者の解約です。解約は売上の低下に直結するため、できる限り未然に防げるようサービスを提供することが求められます。

今回は、解約希望者とのコミュニケーションに注目し、解約を阻止する上で役に立つトークスクリプトの作成方法や、有効な予防策について解説します。

解約が発生する主な理由

そもそも、サービス契約者が解約を希望するようになる理由としては、主に次の3つの原因が挙げられます。順に確認しておきましょう。

  • ・商品の効果が感じられないから
  • ・商品を持て余しているから
  • ・購入を継続するお金がないから

商品の効果が感じられないから

1つ目の理由は、契約者が定期購入・購読を経て得た商品やサービスから、期待していたような効果が得られなかったというものです。この解約理由は食品や化粧品関係の定期購入者に多いもので、「3ヶ月試してみたが痩せなかった」「自分の肌に合わなかった」といった理由から解約を希望するケースがよく見られます。

この際ポイントとなるのは、解約を希望する消費者が正しい商品知識を有しているかという点です。正しい用法・用量を守って利用されていなければ、商品から効果を得られないのも当たり前であるため、解約手続きの前に丁寧なヒアリングを行うことが大切です。

商品を持て余しているから

2つ目の理由は、契約者が定期購入している商品を持て余してしまい、今のペースでは消費しきれないことから解約を希望するというものです。

商品を持て余している場合、契約者が規定の使用量を守っていない場合も考えられますが、当初想定していたほど商品の使用頻度がなかったというケースもあります。これは食品類に多い解約理由の一つで、「思っていたほど飲料水を飲む機会は少なかった」「せっかく送ってもらった野菜を使い切れなかった」といったケースが考えられます。

商品を持て余している解約希望者が現れた場合、まずは正しく商品を消費しているかどうかを確認することが大切です。また、規定の使用量が存在しない定期購買商品の場合、一時的に配送を休止したり、配送間隔を伸ばすことのできるプランを用意したりすることで、サブスクリプションの解約を防ぐことができます。

消費者のペースに合わせた定期購入プランを提供し、顧客満足度の改善に努めましょう。

購入を継続するお金がないから

サブスクリプションビジネスの基本的な戦略として、初月をお試し価格で提供し、2ヶ月目から通常価格で提供するというものがあります。この仕組みを採用していると、新規契約者が2ヶ月目に差し掛かる直前で、解約を希望するケースが多く見られます。

そもそもこのような戦略は、ある程度解約希望者が現れることを織り込んだ上での施策なので、このタイミングで解約者が殺到することそのものは大きく問題視するものではないでしょう。

ただ、2ヶ月目に差し掛かる時点で新規契約者のほぼ全員が解約を希望したり、何でもないタイミングで解約希望者が断続的に現れたりする場合には、価格設定やサービスの内容に問題がある場合があります。コンテンツの品質を見直したり、料金プランに問題がないかを見直したりすることが大切です。


解約を阻止するための具体的な方法

コールセンターのオペレーター

解約希望者が現れることそのものは珍しいことではないため、対策については中長期的に考えることが大切です。ここでは、短期的な成果を得るために実践したい、解約希望者を説得することで解約を踏みとどまらせる阻止方法を具体的に紹介します。

コールセンターの場合

解約を希望する場合、さまざまなサービスで導入されているのがコールセンターに直接申し込むという手法です。

コールセンターによる解約申し込みの場合、オペレーターが解約理由を希望者に質問したり、別の商品やプランの変更を提案できたりするといった戦略も選べるため、解約希望者を踏みとどまらせやすい手法と言います。

ただ、あまりにも粘り強く解約を阻止しようとしてしまうと、かえって早く解約したいという思いを募らせてしまったり、解約が面倒だという印象を植え付けてしまい再契約してもらえたりする機会を失ってしまう可能性もあります。

解約希望者の反応をうかがいながら、最適な提案ができるようトークスクリプトを用意しましょう。

チャットサービスの場合

近年、解約申し込みなどのカスタマーサポート全般に活躍しているのが、チャットサービスです。電話ではなく、テキストチャットによって顧客からの相談や解約希望に対応ができるため、オペレーターが1人で複数のカスタマーサポートに対応できる効率的な手法です。

基本的な解約希望者向けの対応方法は、電話と変わりはありません。オペレーターが手動で解約理由や別商品の提案ができることはもちろん、質の高いシナリオを構築できれば、AI(人工知能)によって自動で解約希望者向けの対応を行うこともできます。

また、チャットサービスの場合はアンケートの集計作業も自動で行うことができ、解約理由を分析するきっかけを掴みやすいことも強みです。少人数で効率良くカスタマーサポートを提供したい場合、チャットサービスの有効活用を検討しましょう。

専用フォームからの手続きの場合

サブスクリプションサービスによっては、専用フォームから解約の受付に対応しているものもあります。コールセンターやチャットサービスと同様、解約理由をアンケート形式で集計したり、代替案を提案したりすることができます。

ただ、専用フォームの場合は有人対応ができず、チャットサービスのように柔軟な提案をすることも難しいため、解約を阻止するための機能を実装しづらいという問題を抱えています。解約を水際で阻止するための方法を検討している場合、専用フォームの実装はあまり有効とはいえません。


解約を未然に防ぐためのポイント

解約は顧客との接点が失われてしまうため、できる限り回避したい事態といえます。元々お試し感覚で入会していた人との接点が失われるのは仕方ありませんが、まだ潜在的に解消できるニーズを抱えている顧客の解約や、競合サービスへの流出は回避したいところです。

このような顧客をつなぎ止め、長期契約者の増加を促す上で重要な、解約を未然に防ぐためのポイントについて解説します。

商品・企業への理解を消費者に深めてもらう

1つ目のポイントは、商品や企業への理解を消費者に深めてもらうことです。正しい商品の使い方を知ってもらったり、定期購入によってどんなメリットが期待できるのかについて理解してもらったりします。

また、事業を展開している企業がどのような会社で、どのような実績や理念を持った組織であるかを知ってもらうことも、ブランド認知の拡大によって解約を踏みとどまらせる理由になります。

十分に商品や企業への認知が進んでいないことで、解約希望者は商品の付加価値を低く見積もっている可能性があります。理解を深めてもらい、信頼できるサービスであると認知してもらえれば、解約を阻止する抑止力となります。

解約者を分析し次回の解約防止につなげる

解約希望者が止むを得ず出てしまった場合には、解約希望者を丁寧に分析し、改善に努めることが大切です。

解約時のアンケートを参考にするなどして、どんな理由で解約している人が多いのか、解約を防止するためにできる改善策は何かということを検討する必要があります。

解約のハードルを高くしすぎない

解約を阻止するための方法として、解約の方法を極端にわかりにくくしたり、自動更新によって解約のタイミングを意図的に遅らせたりする方法も散見されます。

これらの手法は短期的には解約を阻止する手法にはなりますが、UX(ユーザーエクスペリエンス:ユーザーが製品やサービスを通じて得られる体験)を低下させ、解約希望者の心象を損ねてしまう可能性があります。

仮に解約者が現れても、また期間をおいて再契約してくれる場合もあるものですが、このような周りくどい解約方法を採用していると、そのときの経験を思い出して入会を踏みとどまってしまうケースもあります。極端に解約しやすい設計も問題ですが、解約をさせまいとする不便な設計にもならないようバランスを考える必要があるでしょう。


解約阻止につながるトークスクリプトの作成ステップ

コールセンター経由での解約を阻止する上で役立つのが、適切なトークスクリプトの作成です。オペレーターが解約阻止に貢献できるだけでなく、チャットサービスを利用する際のシナリオ作成にも役立てられるため、用意しておいて損はありません。

適切なトークスクリプトの作成ステップを確認しておきましょう。

解約のリクエストを真摯に受け止める

解約希望者から連絡があった場合、まずは解約したいという希望を受け入れてあげることが大切です。この時点で解約を引き延ばすような説得はせず、この後の手続きの進め方について案内を提供しましょう。

解約理由をヒアリングする

続いて、なぜ解約をしたいと思ったのかヒアリングを行います。解約理由によっては、「解約よりもプラン変更などがおすすめです」といった案内を提供できるので、解約理由ごとに異なる条件分岐を用意しておきましょう。

解約希望者が把握していない可能性のある機能・サービスを伝える

解約希望者が商品やプランについて深く理解していないことがわかった場合、商品の使い方や付加価値、あるいは今よりも安いプランの提案などを届けることが有効です。解約の意思が固まっていない場合には、これによって解約を阻止できる場合があります。

解約により何ができなくなるのか伝える

解約の意思が固い場合には、サービスの解約によって、利用できなくなる機能やコンテンツの紹介も交えると良いでしょう。定額で安く買えていた商品の紹介や、高速回線の存在など、これらを失うデメリットを強調しておきます。

仮に今回は解約に終わっても再契約につながる可能性があるため、プロモーションとして伝えておくと効果的です。


まとめ

定額サービスの解約希望者を踏みとどまらせるのは困難ですが、あらかじめ解約者が現れた際のシナリオを用意しておくことで、ある程度解約を阻止することは可能です。

ただ、解約希望者を減らすための根本的な方法は、解約者を分析し、彼らのニーズを解消できるよう、改善施策を投下することです。そのためには解約者からヒアリングを行い、どんなところに改善の余地があるのか、分析できる体制を整えることが大切です。

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