企業活動において、組織内でのコミュニケーションを活性化することは、業務効率化に欠かせないステップアップといえます。
近年はグループウェアと呼ばれるコミュニケーションツールを活用することで、情報共有を円滑化し、共創を活性化できる仕組みの導入が進んでいます。
今回は、そんなグループウェアを導入することでどんなメリットが得られるのか解説し、そしておすすめのツールを紹介します。
グループウェアとは
グループウェアとは、組織に所属する人たちがその中でコミュニケーションを行う際、より円滑な情報の共有を促進し、スムーズな業務遂行の実現に活躍するサービスです。
会社での活動などを見返してみると、日々の業務には実に多くのコミュニケーションが組織の中で発生しています。簡単な確認の依頼から資料の共有、そして意思決定の現場に至るまで、コミュニケーションが占める割合というのは、時間的にも精神的にも無視できない大きさであることがわかります。
グループウェアはそんなコミュニケーションで発生するコストを最小限にとどめ、円滑なやり取りを社内で実現するための環境づくりに貢献してくれます。
グループウェアの主な機能
グループウェアにはさまざまな機能が実装されており、導入する製品やニーズに応じて扱う機能は異なります。ここではグループウェアにおいてポピュラーである5つの機能を紹介していきましょう。
スケジュール管理
スケジュール管理機能は、従業員一人ひとりが自分の予定を確認するだけでなく、他のプロジェクトメンバーともスケジュールを共有し、日程調整を行いやすくしてくれる機能です。
ミーティング日時の決定や業務の割り振りなど、タスクが発生するたびに管理者がメンバーの予定を尋ねる必要がなくなるため、活躍が期待できます。
社内SNS
社内SNSは、社内のローカルネットワークで運用するコミュニケーションサービスです。会社全般の案内の共有や、仕事とはあまり関係のないカジュアルな話題提供にも活躍できる上、お互いに「いいね」などを送り合うこともできるため、組織内での関係値向上と維持に活躍します。
テレワークが定着し業務外でのコミュニケーションが希薄になっているときなど、活用機会は働き方改革の実施とともに増加しつつあります。
Web会議
Web会議機能は、PCやスマホに搭載されているカメラやマイクを利用し、会議を行うためのものです。独立したWeb会議ツールもありますが、最近ではその他の機能と合わせて支える複合的なWeb会議ツールも登場しており、グループウェアとして社内コミュニケーションを一つのツールに一元化することも可能です。
場所に囚われることなくミーティングや意見交換を実施できるので、テレワークの推進や、出張中の社員と話したい場合にも活躍する便利なツールです。
レポート
レポート機能を使うことで、議事録の作成や営業日報など、これまでは別個のフォーマットで作成していたものを、固定フォーマットで対応できるようになります。メンバーごとに微妙に書式が異なっていたことで確認が遅れてしまったり、資料確認のためにメールの受信箱を見直したりする必要がなくなるため、業務の効率化につながります。
情報共有の形式と共有媒体がグループウェアのツールに一元化されることで、プロジェクトメンバーにとっても管理者にとっても、恩恵を得られることが特徴です。
勤怠管理
グループウェアを導入することで、メンバーの勤怠管理も実施できます。出勤と退勤の時間を打刻できるツールを実装すれば、勤怠管理システムと連携して記録してくれるので、複数のシステムに従業員がアクセスする手間を削減できます。
グループウェアを導入するメリット
グループウェアを実装することによって、複数のメリットを得ることができます。大きく3つに分けて解説しましょう。
情報共有を高速化できる
グループウェアの導入は、情報共有を円滑にし、これまで以上に高速に行えることが大きなメリットです。メールアドレスを調べてメールを作成したり、電話をかけたりといった手間がなくなるため、億劫になっていたタスクもスムーズに進められるようになります。
また、グループウェアは複数のユーザーに対して一斉送信を簡単に行ったり、特定のメンバーにだけ情報共有を行ったりといった、痒いところに手が届くコミュニケーション機能も豊富です。
ついつい資料の共有を遅らせてしまっていたなどの課題を抱えていた場合、使い勝手に優れるグループウェアには高い業務改善効果を期待できます。これまで紙にプリントアウトしていた共有事項も社内SNSを使って周知することにより、ペーパーレスの促進や連絡漏れを防ぐことができます。
社員の進捗状況を可視化できる
2つ目のメリットは、社員の進捗ステータスを確認しやすくなる点です。たとえば、スケジュール共有機能などを使うことで、そのメンバーの空き時間を確認するだけでなく、現在どんな業務を担当しているかを把握できるため、今後のリソース配分をスムーズに行えます。
特定の社員に業務が偏ってしまったり、逆に極端に暇を持て余してしまっている社員が発生したりすることを抑えられるので、人材の効率的な活用につながります。
組織のコミュニケーションを活性化できる
グループウェアを使ってコミュニケーションが行えることで、さまざまなコストを削減できます。ツールをグループウェアに一元化すれば、連絡先を探す負担が軽減する上、社内に普及しているツール経由でのコンタクトなので、迅速に返信をもらえる可能性も高まります。
また、ついつい後回しにしていた情報共有もすぐに行えるよう環境を整備することで、情報の共有漏れが生まれたり、意思決定に必要なデータを確実に集められたりするようにもなります。
もちろん、テレワークの実施で疎遠になっていたメンバーとの交流も深めやすくなるため、組織としての業務遂行もより円滑に進められるようになるでしょう。
おすすめのグループウェア
続いて、多くの企業で活躍しているグループウェアについて、どのようなツールやサービスがあるのか確認していきましょう。
サイボウズ Office
サイボウズ Officeは、中小企業のチーム力強化に特化したグループウェアです。初めての導入でも気軽に運用を進められるため人気のサービスです。
使い勝手を追求した基本機能を各種揃えており、スケジュール管理やメッセンジャー、メール機能、タイムカード機能など、あると便利な機能を誰でも簡単に利用可能です。
また、導入に際してはクラウドで対応可能であるため、デスクトップからの利用はもちろん、スマホやタブレットからもサービスにアクセスして利用できます。
類型導入企業は7万社を突破し、今後も導入企業の増加が期待できるサービスです。
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Aipo
Aipoは日程調整の効率化に力を入れているサービスです。スケジューリングの自動化で、調整のやり取りを最小限に抑えられることが特徴です。
カレンダーから自動で抽出した情報をもとに、自分の空き時間を他のメンバーに伝えられるため、ダブルブッキングなどのリスクを解消できる強みがあります。
また、社内だけでなく社外との日程調整にも活躍するため、クライアント対応を円滑に進めたい場合にも活躍が期待できます。
公式サイト
J-MOTTO
J-MOTTOは1ユーザーあたり165円という、高いコストパフォーマンスでグループウェアの導入を実現するサービスです。クラウド形式であるため、サーバーの用意やインストールの必要性はなく、PCやモバイルデバイスから気軽に迅速に導入できることが強みです。
基本的な機能が揃い、直感的なユーザーインターフェースですぐに導入を進められるため、初めてのグループウェアにもおすすめのサービスです。
公式サイト
HubSpot
幅広い業務に活躍するCRMプラットフォームのHubSpotでは、機能の一環としてグループウェアの提供も行われています。スケジュール管理やToDoリスト作成、ヘルプデスクの設置など多様な課題に対処してくれるため、頼りになるサービスです。
また、顧客管理機能などマーケティング担当者にも優れたサービスを提供しているため、コミュニケーション以外の面でも改善の余地がある場合には、グループウェアにとどまらない運用を検討してみることも可能です。
公式サイト
NotePM
NotePMは、社内におけるナレッジ共有を円滑化する目的で誕生した、テレワークに最適化されたグループウェアです。ナレッジ情報を社内Wikiで一元的に管理し、欲しい情報をすぐに引っ張ってくることができるよう設計が可能です。
高性能なWebエディタを使い、ナレッジの編集作業も楽に行える上、強力な検索機能でどんな情報でもアクセスできるのが特徴です。
公式サイト
グループウェアの選定ポイント
数あるグループウェアから、自社にあったサービスを選定するためにはどのようなポイントに気をつける必要があるのでしょうか?最後に、グループウェアの選び方をお伝えします。
自社の課題解決に必要な機能があるか確認する
一つ目のポイントは、自社の課題解決に則ったサービスであるかどうかです。どれだけ高機能なサービスでも、自社の求めるニーズに適した機能でなければ、導入の効果は薄れてしまいます。
あらかじめ求めている要件を社内で固めておき、それに基づいたツール選定を実施するようにしましょう。
クラウド型のサービス導入を優先する
もう一つのポイントは、クラウド型のグループウェア導入を優先することです。オンプレミスのサービスを利用する場合、サーバーの用意やインストールの手間、ネットワーク環境の整備が必要になるため、初期費用などの導入コストがかさみます。
一方、クラウド型の場合、ライセンス契約のみですぐに実装が可能であるため、初期費用を抑え、導入までの期間も短く抑えられる強みを活かせます。
まとめ
今回は、グループウェアの有用性や導入にあたってのポイントを紹介しました。コミュニケーションの円滑化は、直接企業の売り上げに貢献するものではありませんが、間接的に確かな効果を発揮します。
コミュニケーションコストの増大に悩んでいる場合は、積極的に導入を検討したいサービスだといえるでしょう。