飲食店経営における予約管理業務の負担やミスを減らすなら、予約台帳システムの導入がおすすめです。
予約台帳システムとは、グルメサイトなどから入った予約を自動で反映し管理できるシステムのことで、業務の効率化やおもてなしの強化などの効果が期待できます。
この記事では、飲食店が予約台帳システムを導入するメリットと、おすすめ予約台帳システムを紹介します。
予約台帳とは?
そもそも、予約台帳とは、電話やネットで受け付けた予約を記載しておく帳簿のことです。従来では、さまざまな場所から入った予約を帳簿に手書きで転記して管理する方法が一般的でした。
しかし、予約台帳を「紙」ベースで管理することには、転記ミスやダブルブッキングが起こってしまう、予約データの蓄積・活用が難しいなどの課題が目立ちます。
そこで「紙」の台帳の課題点を解消すべく誕生したのが、「予約台帳システム」です。予約台帳システムとは、電話やグルメサイトなどで受け付けた予約を自動的に反映し、一括管理できるシステムのことです。
予約やキャンセル情報を転記する手間やミスを低減できるため、予約業務の効率化に効果的です。
予約台帳システム導入のメリット
続いて、飲食店が予約台帳システムを導入するメリットを3つ紹介します。
予約業務の効率化
予約台帳システムを導入するメリットの1つ目は、予約管理業務を効率化できることです。
従来は、複数のグルメサイトから時間を問わず入ってくる予約を確認し、予約台帳に転記する必要がありました。また、電話予約やホームページ・SNSからの予約などを受け付けている場合、予約管理業務に大きな負荷が掛かってしまうことが課題でした。
しかし、予約台帳システムを導入すれば、グルメサイトやホームページ、SNSなどから入った予約を自動的に予約台帳に反映することができます。また、台帳を紛失したり、文字が汚くて読めなかったりするなどのトラブルもありません。
人の手で予約やキャンセルを一つひとつ入力する手間が省けるため、かなりの業務効率化が期待できます。
予約機会の損失防止
2つ目のメリットは、予約機会の損失を防止できることです。予約台帳システムの多くには、グルメサイトとの連携機能が備わっています。
これまで、「台帳への転記が面倒だから……」という理由でグルメサイトでの予約受付を敬遠していた方でも、予約台帳システムを導入すればサイトから24時間、新規予約を獲得できるようになります。
また、電話予約の自動化に対応した予約台帳システムであれば、営業時間外や忙しくて電話対応ができない間も、ノンストップで予約を受け付けることが可能です。これまで取りこぼしていた予約も獲得できるようになり、予約数を増やすことができます。
おもてなしの強化
予約台帳システム導入のメリットの3つ目は、お店の接客やおもてなしを強化できることです。これまで多くの時間と手間を要していた予約管理業務をデジタル化することで、接客に集中することができるようになり、おもてなしを強化する余裕が生まれます。
また、顧客のデータ管理機能が備わった予約台帳システムを導入すれば、手間をかけずにリピート顧客の情報を管理することができます。
常連さんのアレルギーや好き嫌いに関する情や、よく注文する料理・飲み物、領収書の書き方などを保存しておけば、次回以降スマートなおもてなしができるようになります。
予約台帳システムの選び方
ここまでで、予約台帳システムの主な機能や導入メリットについて理解していただけたでしょう。そこで次に、自店に合った予約台帳システムの選び方を紹介します。
グルメサイトと連携できるか
予約台帳システムを導入する際にあたって、「グルメサイトと連携できるかどうか」は必ずチェックしておきたいポイントです。ほとんどのシステムにはグルメサイトとの連携機能が備わっているものの、サービスによって連携できるグルメサイトの種類は異なるためです。
普段から多くの予約を獲得しているグルメサイトと連携できなければ、システム導入の効果は半減してしまいます。自社が利用しているグルメサイトと連携できるかどうかを事前に確認しておきましょう。
直感的に操作できるか
「直感的に操作できるシステムかどうか」も重要な選定基準の一つです。
予約台帳システムを導入しても、操作が難しくて使いこなせなければ意味がありません。予約業務担当者だけでなく、従業員やアルバイトスタッフも使いこなせるように、直感的に操作できるシステムを選ぶと良いでしょう。
キャンセル対策ができるか
飲食店にとって、当日のキャンセルや無断キャンセルはできる限り抑制したいところです。そのため、「キャンセル対策ができるかどうか」を確認しておくと安心です。
例えば、予約の前日〜当日にかけて予約確認やリマインドメッセージを自動送信できるシステムを選べば、手間をかけることなく効率的にキャンセル対策ができます。
顧客管理・分析ができるか
最後に、「顧客データの管理・分析機能ができるか」も確認しておきましょう。
予約台帳システムの導入に伴って、「顧客データを新規顧客の開拓や新メニュー開発に役立てたい」という考えがあるのなら、予約台帳機能だけでなく、顧客の管理・分析機能も備わったシステムを選ぶことをおすすめします。
おすすめの予約台帳システム:手軽に管理したい方向け
手軽に予約管理ができるおすすめの予約台帳システム・アプリを3つ紹介します。
「直感的な操作性やわかりやすさを重視して予約台帳を選びたい!」という方は、ぜひ参考にしてください。
レストランボード
レストランボードは、株式会社リクルートライフスタイルが提供する飲食店向けの予約台帳アプリです。iPadでの使用が推奨されていますが、iPhoneやパソコンからでも予約状況をチェックできます。
レストランボードの最大の特徴は、初期費用や基本機能の利用料がすべて無料なところです。レストランボートを使えば、費用を抑えて「予約台帳」と「来店管理」の自動化を実現できます。
有料のオプション機能に加入すれば、メッセージの配信やホームページ作成、ネット広告配信などのマーケティング機能も利用可能です。シンプルで使いやすい予約台帳アプリを探している方や、まずは無料でシステムを導入してみたい方におすすめです。
主な機能
- ・予約台帳
- ・来店(テーブル)管理
- ・顧客管理
- ・集客・リピート獲得
- ・外部連携
料金プラン
- ・ダウンロード:無料
- ・基本機能利用:無料
- ・オプション機能利用:要相談
ヨヤクノート
ヨヤクノートは、株式会社カカクコムが提供する予約台帳アプリです。シンプルでわかりやすい管理画面なので、ITツールが苦手という方でもスマホアプリ感覚で使いこなせます。
月額11,000円(税込)と費用を抑えて導入できることも魅力の一つとなっています。さらに食べログ店舗会員なら、1年間無料で利用することができかなりお得です。
会員でなくても、1ヶ月間は無料で試すことが可能ですので、気になった方はぜひApp Storeよりダウンロードしてみてください。
主な機能
- ・予約台帳
- ・顧客台帳
- ・グルメサイトネット予約連携
料金プラン
- ・1ヶ月間無料でお試し可(※食べログ店舗会員は、1年間無料)
- ・月額:11,000円(税込)
ebica
ebica(エビカ)は、飲食店向けに開発された予約管理の自動化システムです。「オレの株式会社」や「株式会社アキナイ」など、たくさんの店舗での導入実績を誇ります。
最大の特徴は、電話予約対応の自動化が可能なところです。ebicaの電話予約自動化サービスには、「AI」が搭載されており、スタッフが不在の間も予約を取りこぼすことなく獲得できます。電話メインで予約を受け付けている方におすすめの予約台帳システムです。
主な機能
- ・予約台帳
- ・ネット予約管理
- ・電話予約管理
料金プラン(通常価格)
- ・初期費用:44,000円(税込)
- ・月額費用:22,000円(税込)
おすすめの予約台帳システム:高度な管理・分析したい方向け
次に、基本的な予約・顧客台帳に加えて、高度な管理・分析も行える予約台帳システムを2つ紹介します。
TORETA
TORETA(トレタ)は、iPadでサクッと使える手軽さと充実した管理・分析機能が魅力の予約台帳システムです。飲食店向け予約台帳サービスにおける業界シェアNo.1を誇ります。
TORETAでは、23ものグルメサイトやサービスと連携が可能です。「ぐるなび」や「ヒトサラ」「Yahoo!ロコ」などの大手サイトで入った予約が、自動的にTORETAに反映されるため、予約管理の手間を大幅に削減できます。
導入実績が豊富でサポート体制が整ったTORETAは、「初めての予約台帳システム導入で不安……」という経営者の方でも安心して使えるシステムです。
主な機能
- ・予約台帳
- ・顧客台帳
- ・集計・分析
- ・ウェブ予約
料金プラン
- ・要相談
ぐるなび台帳
ぐるなび台帳は、飲食店の業務負荷を軽減することを目的に、株式会社ぐるなびが提供している予約台帳システムです。
「ぐるなびネット予約」と連携して予約を自動に台帳に取り込んだり、「ぐるなびPOS+」と連携して顧客の注文・会計情報を台帳に反映したりすることができます。
台帳に蓄積された予約・顧客データの集計・分析機能も充実しており、曜日別の予約数やキャンセル率などを分析し、既存顧客のリピート率の向上に役立てることが可能です。「予約データを有効活用したい」という方におすすめです。
主な機能
- ・予約台帳
- ・顧客台帳
- ・集計・分析
- ・POS連携
料金プラン
- ・初期導入費:11,000円(税込)
- ・月額サービス利用料:10,450円(税込)
- ・月額タブレット端末追加利用料:5,500円/台(税込)
予約台帳システムの導入事例
続いて、実際に予約台帳システム導入した企業の事例を3つ紹介します。
焼肉 稲田
焼肉 稲田は、予約台帳システムの導入により、予約管理業務のミスと手間の削減し、接客に集中できる環境を整えました。導入以前、すべて手書きで行っていた予約・テーブル管理をシステム化し、転記ミスや手間が減った結果、人件費を一人分節約することに成功したそうです。
他にも、焼肉 稲田では、予約台帳システムの顧客分析機能も積極的に活用しています。平日と休日の客層の違いや、リピーターと既存顧客の割合などを把握できるようになり、より戦略的なサービスを展開することにも成功しています。
HUMMINGBIRD by VERY FANCY
続いて紹介するのは、パンケーキが看板メニューのHUMMINGBIRD by VERY FANCYの事例です。こちらのお店では以前、電話予約制を取っていたため、予約に即するルールが統一されていないことや、スタッフ間での情報連携ミスが多いことが課題として上がっていました。
予約台帳システムを導入し、ネット予約サービスの利用を開始したことにより、営業前に「予約台帳システムでその日の予約を確認する」という流れが生まれ、予約の確認・連携ミスを減らすことに成功しました。
結果的に、予約業務の負荷が大幅に低減され、接客やおもてなしにより注力できるようになったという効果が出ています。
やきとり屋 とりどーる
最後に、やきとり屋 とりどーるの予約台帳システム導入事例を紹介します。こちらのお店の課題は、膨大な予約データを活用できていないこと、そして紙ベースの予約管理業務が煩雑で負担が大きいことでした。
「予約データを蓄積しうまく活用すれば、業績がプラスになるのだろう」とう考えをきっかけに、予約台帳システムの導入を決意しました。
予約台帳システムを導入した結果、予約業務におけるミスや負担は低減し、予約データの蓄積により売上の予測が立てやすくなるなどの効果も現れました。
また、予約台帳システムをLINE公式アカウントと連携したことにより、より多くの予約数を獲得することにも成功しています。
まとめ
予約台帳システムの導入メリットと、飲食店におすすめの予約台帳システム、導入事例を紹介しました。
「予約管理に時間がかかって、本業に専念できていない」「予約管理業務の人手が足りない」などの課題を解決するには、予約台帳システムの導入がおすすめです。
予約台帳システムを導入して、予約業務の効率化やおもてなしの強化を実現しましょう。