- 目的
- 営業の属人化をDXツールで見える化し組織営業を推進する。
- 営業手法をマニュアル化し、同一品質での事業展開を推進したい。
- 課題
- アナログ管理での営業活動では属人化してしまい、KPIの設定が営業担当者ごとにまちまちだった。また、顧客情報も紙の台帳で管理していたので、保管や活用に時間が取られていた。
- 結果
- makibisi以外にもCRMなどのDXツールを導入し、営業の「見える化」を実現させた。その結果「個人」ではなく「組織」としてKPIをしっかり定めた営業活動を行えるようになった。 また、営業活動のゴールもグループごとに設定し、組織として皆が同じ目標に向かって営業活動ができるようになり、効果の最大化が現れ始めていると実感している。
現在は九州エリアを中心とした人材派遣・人材紹介業を展開、将来的な人口減少など労働力に関する課題に真剣に取り組み、ICTや保育事業など幅広く展開されている株式会社TOMIYO JOB様。「人材派遣会社の営業活動に多く見られる属人化のリスク」について積極的な変革を求め、DXツールの導入で業務効率化を進められています。
今回は株式会社TOMIYO JOBの代表取締役社長である綾部光希様と、営業部長の音成大輝様に、会社全体でDXを進める理由、それに伴い営業活動の現場にmakibisiを導入された背景についてお話を伺いました。
社名 | 株式会社TOMIYO JOB |
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事業内容 | 労働者派遣事業 有料職業紹介事業 |
資本金 | 4,500万円 |
設立 | 1998年6月 |
従業員数 | 420名 |
URL | https://tomiyo-job.com/company |
1年で全社にDX導入を浸透させた背景
積極的にDXツールを取り入れている背景について教えていただけますか?
綾部様:そうですね、弊社は製造業の派遣をメインで20年展開してきました。しかし、2060年には人口が8千万人まで減少すると言われています。そうすると当たり前のように労働人口も減りますよね。そこで私たちは、女性の活躍にフォーカスをしたんです。
特に、出産されて現場を離れた女性は、育児の手が離れてもなかなかいい職に就くことができないことも多いのが現状です。彼女たちとお子さんが安心して仕事をできる環境を作ろうと、自社で保育園を作って預かり、職場復帰の支援をしてきました。
その後は、この経験を活かし保育のコンサルティング事業を立ち上げ、全国100店舗以上の開設を支援しています。また、近い将来は仕事と保育園を同時に探せる人材派遣会社ならではのサービス展開も予定しているんです。
もちろん、今まで同様に製造業の派遣事業にも力を入れていきますが、将来に向けて会社づくりをしていこうと考えた時に、今までのようなアナログでの管理ではなく、DXツールを取り入れ、営業活動、顧客管理、登録者の管理などを効率化し、企業を成長させていこうと考えています。
makibisiや他のDXツールの導入で業務の効率化を実現
どの業務をDXツールで効率化したいと考えていたのでしょうか?
綾部様:まずは顧客・登録者情報の管理ですね。担当者間で業務の引継ぎがなされていたとしても、属人化してしまっていると、成約した企業についての記録はあっても、未取引きで「面談のみ」などの見込み顧客の記録は残っていなかったり。さらに情報が紙の台帳での管理だと保管場所にも困るし、ファイリングしてあるものから誰がどうやって探すのでしょうか・・・?
これまでは顧客リストの管理もすべて個人でさせていたのですが、やはり無駄な営業活動が増えるので、1年前からすべてデータ化することを決め、CRMやSFAでの管理に移行しました。また、「個人」から「組織」としての営業に切り替えたんです。会社として、どの業種を狙っていくのか、どの地域を狙うのか、すべて目で見てわかる状態になったので、無駄が減り、作業工数も減りました。いかにDXでの効率化が大事かということに改めて気づかされましたね。
そして、もうひとつは営業方法を変えていくという点ですね。営業リストもそうですし、どんどん効率化していきたい気持ちは強くありました。やってみないとわからない部分が大きく、結果が見えなかったのは本音ですが、とりあえずやってみようと思い飛び込んでみました。
今後、多方面に事業展開をしていく予定なので、仕組み化だったりマニュアル化をしていかないと事業を拡大した際に、統制がとれなくて大変なことになってしまいますよね。DXの導入でマニュアル化できたものを持って、拠点を全国へ広げていきたいと思っています。
makibisiを導入されたきっかけはどのような経緯だったのでしょうか?
綾部様: そうですね、会社としてDXを推進する理由は、アナログのままだと、一人一人の裁量に頼らないといけないことが大きなリスクになると感じたからですね。「その人にしかできない」属人化した業務は、担当者が退職したあと、引継ぎできていなく他に誰も対応できない、といったように困るケースは多く起こっていると思います。
理想は、どの業務も誰が見てもわかるよう「見える化」できていること。今どういう状況で、どこを改善したらいいのかが目で見てわかるので、急遽ほかの営業担当者が対応することもできますよね。
makibisiはまだ導入したばかりで結果は出ていませんが、こういった効果を期待して導入を決めました。まずは自分たちの会社に合うであろう製品は導入し、試してみるというのが大切だと思うんですよね。
makibisi導入以前の営業活動はどのようなものだったのでしょう
音成様:求人メディアに載っている情報を各担当者が手作業で、リストアップしていたんです。それぞれが自分のスタイルで営業活動をしていましたね。たとえば繋がりのある企業様からご紹介をいただいたり、営業リストを作成して、テレアポしたり、飛び込み訪問したり様々です。
makibisiはどのように活用される予定ですか?
音成様:九州地域はもちろんですが関東エリアでも利用していきたいと思います。1回目の配信では、配信先はHRコボットfor営業リストでセグメントした1,200件のリストを作成し、makibisiを使って企業の問い合わせフォームへ投稿を行いました。
その際の配信内容は、ディップのカスタマーサクセスの担当者にアドバイスを貰いながら作りました。配信結果の分析方法などもレクチャーをもらい、次の配信にむけてどう動くか決めているところです。
makibisi導入後、新規顧客開拓の準備時間などの作業は短縮されましたか?
綾部様:新規顧客開拓という意味合いでは、これまでも色々なツールを試してきたので、極端に作業時間が短縮されたということはないかもしれませんね。たとえば、営業リストをCRMツールに読み込み、優先度の高い営業先をマッピングさせ、「そこから順番に回ってね」と指示をしています。
今後は、makibisiも新規顧客開発の武器として活用していきます。また、makibisiと合わせてテレアポをするなど、システムの最大化を考えて効果的に活用していきます。基本的にはmakibisiで営業連絡を一斉送信してから、コールで後追いする方法がいいのかなと思ってますね。
「わからないけどやってみよう」社員の前向きな姿勢でDXの浸透に勢い付いた
DXツール導入の際、社員の皆様の反応はどうでしたか?
綾部様:否定的な意見はほとんどなかったですね。みんな「わからないけどやってみよう」と非常に前向きに取り入れてくれました。当社は年齢も比較的若い社員が多いので、みんなすんなりやってくれている印象でした。「どうしてDXツールを導入するのか」を事前に説明をしたので、みんなそれぞれ自分の中に落とし込みやすかったんだと思います。
「自分の価値を高めていくにはどうしたらいいのか」「売り方についての考え方」や「パフォーマンスをどう高めるのか」など、人として、ビジネスマンとして自分の人生をどうしていくのか、を考えるべきという話は普段からよくしています。
会社全体が一丸となって、デジタル化へ意識がむいているということでしょうか?
綾部様:はい、社員も危機感を持ってやってくれていると思います。これから入社いただこうとしている方も、DXツールを使いこなしてもらうことを前提に、「DXツールを使いスキルアップしたい方」など求人の募集要項にも盛り込んでいるので、デジタルに対して明るく、向上心がある方が入社してきてくれます。
入社後にスキルアップできている社員もいます。やっぱり意識すると考え方が変わるので。普段からみんなには、「自分のスキルを磨いていかないと企業から必要とされないよ」とよく言っています。うちで働いている間は、本人の市場価値が上がるような「スキル」なり「感覚」をどんどん吸収して欲しいと思っています。
最後に、ディップ、ディップの担当に対してご要望などありますか?
綾部様:資料なども細かくデータ化をして、数値分析してくれているのはディップさんだけですし、市場の情報もわかりやすく共有してくれるので、とても助かっています。
まだDX導入の重要さに気づいていない経営者は多いと思います。まあ気づかなくていいですけどね。みんな使い始めたらライバルが増えて困っちゃうので(笑) まだまだ手探りの状態ですが、これからもDXの導入ができる部分は積極的に取り入れていきたいと思っています。