カフェ経営において、どれほど魅力的な店舗を構えても、お客様に来ていただけなければ、その魅力を十分に発揮することはできません。
集客が計画通りに進まず悩んでいる経営者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、集客に成功しているカフェの特徴や集客がうまくいかない原因を解説します。
新規顧客獲得とリピーター確保のための具体的な集客方法もそれぞれ紹介しますので、自店舗に合った集客戦略を見つけ、ぜひ導入してみてください。
集客に成功しているカフェの特徴
集客に成功しているカフェにはいくつかの共通点があります。
店舗のターゲット層が明確になっている
まずはどのような客層に来てほしいのかという、店舗のターゲット層を明確にしていることです。
若い女性に向けたお洒落なカフェであったり、ビジネスパーソン向けのワークスペースになるような空間にしているなど、明確なターゲット層を設定することで、効果的な集客につながります。
店のコンセプトが明確になっている
カフェのコンセプトが明確になっていることもポイントです。
単なるコーヒーショップとしてではなく、テーマ性のある内装やメニューによって顧客に響く独自性を出すことで集客の成功を実現しているカフェが多いです。
認知度が高い
認知度の高さは、集客成功の重要な要素です。
InstagramなどのSNSを活用し、メニューの紹介や店内の雰囲気がわかる写真の掲載、イベントの案内などの戦略的な情報発信によって多くの人々からの認知を得ています。
これらの点をきっちりおさえ、的確なマーケティングを行っているカフェが集客に成功しているのです。
カフェの集客がうまくいかない原因
同じ地域にあるカフェであっても、店舗によって集客力には差が出てきます。では、集客がうまくいかない原因とはなんでしょうか。
ここからは集客がうまくいかない原因について、詳しく解説していきます。
お店のコンセプトが確立していない
まず原因として考えられるのが、お店のコンセプトが確立していないということです。
誰でも利用できて何でも揃っているカフェは一見便利ですが、それでは「特徴のないカフェ」になってしまいます。
狙うターゲット層を明確にせず、内装にこだわりを持たず、メニューもコーヒーをはじめとしてパスタやカレー、デザートといった幅広い種類を用意したとしても顧客が興味を持つポイントになるものがなければ、どこにでもあるカフェになってしまいます。その店を選ぶ理由がなくなってしまうのです。
あえて自信のあるメニューひとつだけに特化していたり、特定の顧客層に絞ったサービスや内装で独自の世界観を持つことが集客につながります。
コンセプトの確立をして、顧客に「このお店でなければ」と思ってもらうことが重要です。
宣伝が不十分で認知されていない
どれだけ魅力的な店舗であっても、お店の存在を知られていなければ集客は難しくなります。宣伝が不十分な場合はすぐに改善する必要があります。
効果的に宣伝できていないと、競合店に顧客を奪われ新規顧客獲得のチャンスを逃してしまいます。
SNSの活用、Googleビジネスプロフィールやグルメサイトへの掲載、口コミマーケティングによって自店の魅力を積極的に発信し、お店を知ってもらうことが重要です。
新規顧客とリピート顧客のアプローチが混在している
集客のためには新規顧客獲得も、リピート顧客の育成も重要ですが、それぞれに対するアプローチの仕方はすこし異なります。
新規顧客にはお店の存在を知ってもらうため、初回来店特典などのアプローチが必要です。
リピート顧客は来店回数に応じたサービスなど再来店してもらうための施策を導入し、お店のファンになってもらうアプローチが有用です。
繁盛店ではリピート顧客と新規顧客の比率が7:3程度である場合が多く、これが理想的な状態だと言えます。業態やエリアによって実現が現実的な比率は違うので目安と考えるべきですが、比較して自店舗に不足している要素を分析し、いずれの集客に注力するか検討しましょう。
関連記事：飲食店で「常連客」を増やす方法は？活用したいツール・サービスなどを徹底解説
【新規顧客】カフェの集客方法5選
どのようなお店でも、まずは新規顧客を獲得するところからのスタートです。
ここからは、新規顧客獲得のためにお店が行うべき集客方法について5つ紹介していきます。
自店がどのような手法で集客するべきか参考にしてみましょう。
ポスティングをする
店舗の宣伝用にチラシを作成し、近隣の郵便受けに投函するポスティングは、地域の潜在的な顧客へ直接的にアプローチすることができます。
ポスティングでは、デザインやエリア、配布時期を工夫し、効果的なアプローチを目指しましょう。たとえば、チラシにクーポンを添えたり、お店までの簡易地図を掲載するなど興味を持ってもらえる工夫が必要です。
季節や地域イベントに合わせるなど、近隣の人が興味を持ちそうな内容のチラシでポスティングを行うことも考えてみましょう。
ファミリー層の集客をしたければ、お子様連れOKや子供向けのメニューがあることをアピールするといったように、集客したいターゲット層が明確で、その層の多いエリアが近くにあるような地域密着型のお店にはとくにポスティングが向いているといえます。
看板を設置する
店前への看板の設置はお店の存在を知らせるだけではなく、デザインや配置場所によっては強力な集客方法のひとつです。
カフェの雰囲気に合った魅力的なキャッチコピーやデザイン、おすすめのメニューや価格などを載せることで視覚的に通行人へアプローチすることができます。
店前の場所を大きく取ることができなければ、両面に記載できる「A型看板」などを設置しましょう。お店に対して垂直に配置することができればどちらからでも視認できるため、通行人にも認識されやすくなります。
人通りの多い道に面している店舗ではこのような看板の設置を行うことで、お店を認知してもらい集客することができます。
SNSを運用する
現代では、Instagram、X（旧Twitter）、Facebookなどの SNSを運用して情報発信することは欠かせなくなりました。
SNSの強みはお店が直接顧客に向けて情報を発信できることです。
店内の雰囲気やメニュー紹介のための写真投稿、イベント情報やクーポンの掲載などの来店してもらうための施策を行えます。フォロワー数が増えることで、多くの潜在顧客へ情報を届けられるようになります。
情報発信力のあるSNSですが、ただ投稿するだけではなく、新規顧客獲得を意識したアプローチが必要です。
地図機能でお店を見つけてもらいやすくする設定、拡散したくなるような投稿内容の作成、インフルエンサーによるプロモーションなどで、お店のアカウントをフォローしていない人にお店を認知してもらえる施策を行いましょう。
さらにSNSから予約ができるようにしておけば、行きたいと思ってもらえた時にそのまま来店に繋げられるので、運用する際はその導線まで含めて考えるのも一つの方法です。
関連記事：飲食店はInstagramの予約・注文機能を導入するべき！メリットと成功させるポイント
グルメサイトに出稿する
食べログやぐるなびなどのグルメサイトは飲食店を探す際には多くの人が利用しており、これらのサイトへの情報掲載でも集客効果が見込めます。
飲食店の情報が集合しているため、掲載しているだけで新規顧客の目に触れる機会を増やすことができます。
店内の様子が伝わるような写真や、提供しているメニュー、キャンペーンなどのお知らせ、お店の基本情報を一括で見られますし、口コミなどで評価も可視化されているので、利用者にとっては判断材料が多い媒体です。
一方で、掲載プランによっては費用がかかることや、競合店が多い場合に差別化が難しいという点もあるので、費用対効果を考慮したうえで掲載できるお店は利用しましょう。
Googleビジネスプロフィールを活用する
Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップ上に店舗情報を掲載できるサービスで、登録は無料です。
「カフェ 渋谷」のように検索したいエリアの情報を検索できるので新規顧客の獲得につながります。
ユーザーは営業時間や定休日などをすぐに知ることができ、同時に店内の様子やメニューなど、来店の決め手になる情報も同時にすぐ見られるため、来店に繋がりやすいといえます。
口コミ機能もあるため、よい口コミを集めれば、それを見た潜在顧客が来店を決める後押しにもなります。
また、投稿機能でキャンペーンなどの情報発信も行えるので、工夫して使えばリピーター獲得にも活用することができます。
コストをかけずに大きな効果を期待できる施策ですが、掲載する情報を最新のものにするよう心がけなければなりません。営業時間やサービスの内容に変更があった場合はGoogleビジネスプロフィールも更新するようにしましょう。
【リピート顧客】カフェの集客方法4選
新規顧客を獲得したら、次にリピーターとなってもらう、つまりお店のファンを増やすことで、安定した売上に繋げられます。
ここからは、リピーター獲得のための集客方法を4つ紹介します。
SNSでの交流を増やす
現代におけるSNSの利用者数は膨大です。
SNSでは情報を発信するだけではなくお店と顧客との双方向の交流を増やすことで、愛着を持ってもらい、深いつながりを作ることができます。
新作のメニュー、スタッフの紹介などこまめに投稿することや、流行のハッシュタグなどで投稿の検索性を高めることが大切です。
また、投稿についたお客様のコメントへ「いいね」などで反応していくことも、双方向のコミュニケーションとして求められます。
SNSによっては動画の投稿やライブ配信などでよりリアルな情報発信も可能です。
SNSはリピーター獲得の期待値が大きいツールですが、お店によってはこまめに更新するのが難しい場合もあります。なので、運用を続けていける余裕や担当スタッフが確保できるお店により向いている施策といえます。
通常業務に支障が出ない範囲で運用を継続しましょう。
メルマガやLINEを配信する
メールマガジンやLINEも、顧客と直接的につながるコミュニケーションツールのひとつです。
一度でも来店があり、その場で登録してもらうことができれば定期的に情報を発信することができます。顧客が情報を得るために閲覧するSNSと違い、登録者に確実に配信できるのがメリットです。
季節限定商品の紹介や限定クーポンを配信するなど、リピート率を向上させるような「価値のある情報」を配信し、お客様に受信してよかったと思ってもらえるような工夫が必要です。
ただし、頻繁に配信すると嫌がられて登録解除に繋がるなど、逆効果になってしまうので配信頻度には注意しましょう。
定期的にイベントやキャンペーンを行っているお店や、メールやLINEの管理を任せられるスタッフがいるお店には向いています。
スタンプカードやポイントカードを渡す
リピーターを得るための施策でポピュラーなものではスタンプカードやポイントカードがあります。
来店ごとにスタンプが貯まり、一定数で特典がもらえるなど、お客様にメリットがあることが重要です。
「スタンプ5個で次回コーヒー1杯無料」や「次回会計10％引き」など貯まってすぐに使える特典ではなく、次の来店で使える内容にしておくことでさらなるリピートにつながります。
年齢層を問わず配布したい場合や独自のデザインにしたい場合は紙のポイントカードにするとよいでしょう。自身でデザインしてもいいですし、デザインテンプレートを提供している印刷業者もあります。
お客様が家にポイントカードを置き忘れてしまったり、捨ててしまったりといったことを避けたい場合はデジタルポイントカードの導入を考えてもよいでしょう。
関連記事： LINE公式アカウントの「ショップカード」とは？機能とメリット・デメリット
イベント・シークレットセールを開催する
顧客に特別感を覚えてもらうためのイベントやシークレットセールもリピート率を向上させるための施策です。
カレンダー行事や天候に合わせた特定の日の限定セールや、ラテアートをつくるワークショップなどいつもと違う「特別なこと」で来店モチベーションを高めます。
実施の際は必ず事前にSNSやメルマガ・LINEなどで告知をして周知させましょう。
大きなイベントだけでなく、ポイントやスタンプの増量キャンペーンなども効果があります。
大切なのは一度来店し、SNSのフォローやメルマガ登録をしてくれた顧客にイベントを実施しているということを知ってもらい、再来店につなげることです。
広報を含め、イベントを実施をするうえでは事前の準備が大事です。しっかり計画を立てて、実行するようにしましょう。
まとめ：カフェの集客を効率化するならツールの活用も検討を
街中にカフェやコーヒーショップが溢れているからこそ、何かに特化したお店にすることが集客につながります。
まずコンセプトを固めたうえで、自店の状況を分析し、新規顧客とリピーターどちらを獲得する取り組みに比重を置くべきか見極めましょう。そこから適切なアプローチを行い、顧客に選ばれるカフェにしていくことが大切です。
記事内でご紹介した集客方法の中でも、特にSNSの活用は多くのカフェや喫茶店が取り入れています。特にZ世代（10代後半～20代前半）ではSNSでお店を探す人が多く、ある調査ではお店探しに使う媒体のうちGoogleマップを抑えてInstagramの利用率が最も高いという結果も出ています。写真を投稿できるSNSはこだわった内装やコンセプトを伝えるためにも最適な媒体だといえるでしょう。
特にSNSに力を入れているお店では、店舗の宣伝やイベントの広報にとどまらず、各SNSのビジネス向け機能や外部連携サービスを利用して興味を持ってくれたお客様を取りこぼさずに来店まで繋げる取り組みをしています。 過去の記事でもご紹介した、特にInstagramからの誘客に有効なサービスを最後にご紹介します。
「集客コボット for SNS Booster」はInstagramやGoogleマップに「予約ボタン」を簡単に設置でき、InstagramやGoogle検索で興味を持ってくれたお客様にそのままスムーズに予約できる導線を提供するサービスです。
受け付けた予約を管理するための予約台帳には他媒体からの予約をまとめる機能や新規顧客とリピート顧客の比率などを見られるレポート機能もあります。
Instagramからの予約受け付け、予約管理、来店状況の分析までできるSNSからの顧客獲得に役立つサービスです。ぜひチェックしてみてください。