ビジネスの成長には、新規顧客の開拓・獲得が不可欠です。しかし、「コア業務が忙しくて、営業に割く時間がない」とか「コロナ禍で対面営業ができなくなってしまった……」など、新規顧客を獲得できずに頭を抱える企業は少なくないでしょう。
そこで今回は、新規顧客獲得における課題と効率的なアプローチを確認した後、実際に新規顧客の獲得に成功した企業の事例を6つ紹介します。
新規顧客獲得における課題とは?
まず、企業の成功事例を紹介する前に、新規顧客における課題を確認しておきましょう。
コロナ禍による対面営業の減少
不要不急の外出を控えなければならないコロナ禍では、飛び込み営業などの「対面営業」の機会が減少しています。そのため、これまで対面営業で新規顧客を獲得していた企業は、売り上げが低迷してしまうことも少なくありません。
コロナ禍においても継続的に新規顧客を獲得していくためには、テレアポへの転向やデジタルツールの活用など、これまでの営業スタイルを大きく変革することが必要です。
営業活動にかかる時間・手間の削減
新規顧客獲得における課題の2つ目は、営業業務に膨大な時間および手間がかかってしまい、非効率的であることです。
実際にテレアポ一つとっても、企業の情報収集からリスト作成、テレアポ実施まで、多くの工数がかかります。新規顧客の獲得を成功させるには、リスト作成ツールを導入したり、コア業務以外の営業活動を外注したりするなどして、営業効率を高めるための取り組みが不可欠です。
人手不足の解消
そもそも、営業は業務の幅が広いため、新規顧客の獲得に使える人材・リソースは限られています。さらに、人手不足が強まっている昨今、「既存顧客の対応に手一杯で、新規顧客の獲得で成果をあげるための人手が足りない……」という企業が少なくありません。
既存顧客の対応や商談といったコア業務にリソースを割きつつ、新規顧客を獲得していくためには、デジタルツールを活用した営業業務の効率化によって人手不足を解消する必要があります。
効率的な新規顧客獲得のアプローチ方法
新規顧客獲得には、常にさまざまな課題があります。そんな中で効率的に新規顧客を開拓するには、どのようなアプローチを採れば良いでしょうか?
新規顧客開拓・獲得のアプローチ方法は、「プッシュ型」と「プル型」に大別されます。ここでは、具体例を用いてプッシュ型とプル型のアプローチ方法の特徴を詳しくお伝えしましょう。
プッシュ型
プッシュ型とは、顧客に積極的にアプローチをかける営業施策のことです。自社がターゲットとする企業の情報を収集して、電話をかけたりオフィスを直接訪問したりして、自社を知ってもらうきっかけを作ります。
これまで知らなかった企業と接点を作れることから、新規顧客の獲得に向いています。また、連絡先があれば電話をかけるだけで営業できるというスピード感もメリットの一つです。
プッシュ型の営業の代表格には、「テレアポ」や「飛び込み営業」があります。コロナ禍では、飛び込みでの営業が困難になっていることから、短期でコストを抑えて導入できるテレアポが主流になりつつあります。
プル型
プル型とは、顧客のニーズに合う施策を打ち出し、顧客が何らかのアクションを起こすように仕掛ける方法のことです。問い合わせや資料請求などをした顧客に対してのみ、直接的なアプローチをかけるため、認知向上や営業の効率化、営業マンの負担軽減に効果的です。
プル型の営業施策の例は、次のとおりです。
- ・リスティング広告
- ・コンテンツマーケティング
- ・プレスリリース
- ・ウェビナー
ただし、プッシュ型の営業施策と比較して、成果をあげるまでにより多くの時間を要するというデメリットがあります。プッシュ型とは大きく異なるアプローチ方法であるため、両者を組み合わせて取り組んでいくことが理想的です。
新規顧客獲得事例:プッシュ型
ここからは、実際に新規顧客の獲得事例を紹介します。まずは、プッシュ型の営業の代表格である「テレアポ」で新規顧客の獲得に成功した事例を3つ紹介しましょう。
株式会社広済堂ビジネスサポート
まず紹介するのは、東北6県で人材派遣事業を展開する株式会社広済堂ビジネスサポートの事例です。人材派遣会社の営業活動をサポートする「HRコボットfor営業リストとアポ獲得支援」を導入し、テレアポに必要なリスト作成・企業情報収集にかかる時間を短縮することに成功しました。
以前、株式会社広済堂ビジネスサポートは、「リスト作成業務の属人化」「リソース不足」などの課題を抱えていました。スタッフのフォローや既存顧客の対応といったコア業務で手一杯だったため、リスト作成およびテレアポの実行に割ける時間的リソースはかなり限られてしまっていたそうです。
そこで、当社ディップ株式会社の「HRコボットfor営業リストとアポ獲得支援」を導入しました。その結果、テレアポの準備にかかる時間を短縮することに成功。また、テレアポ代行後のレポートを活用し、需要がありそうな顧客に再アプローチできるようになったことにより、オーダー前提のアポイントの獲得にもつながっています。
当事例についてもっと詳しく知りたい方は、こちらを参照してください。
株式会社サンレディース
株式会社サンレディースは、全国に30拠点、登録スタッフ約3万人を誇る人材派遣サービスです。「HRコボットfor営業リスト」の導入により、リスト作成の効率化およびターゲットを絞った営業活動の実施に成功しています。
営業リスト作成ツールの導入前は、フリーペーパーや求人情報サイトをもとに企業にアプローチをしていたそうです。しかし、この方法では、同業他社を一つひとつ省く必要があり、かなりの手間を取られてしまうことが課題でした。
「HRコボットfor営業リスト」の導入により、営業先を探す際にキーワードを指定したり同業他社を除いたりして検索すること、さらには抽出した情報を自動でリスト化・マップ表示することが可能になりました。
その結果、リスト作成の手間・時間を省くことに成功し、多くの営業先を回れるようになったそうです。また、事前により多くの企業情報を得られるようになったことで、営業先に話を聞いてもらえることも増えています。
当事例についてもっと詳しく知りたい方は、こちらを参照してください。
株式会社HiLO
次に紹介するのは、愛知県豊田市で人材派遣を手がける株式会社HiLOの新規顧客獲得事例です。
コロナ禍で飛び込み営業が困難になったことをきかっけに、営業リスト作成、およびテレアポのアウトソーシングができる「セールスパック」を導入。その結果、一定して新規顧客を獲得できるようになりました。
セールスパックの導入前は、新規顧客獲得といえば飛び込み営業を基本として行っていました。しかし、社員数が2人ということもあり、新規営業のために時間を確保できないことが課題でした。
そこで、営業リストの作成とテレアポの代行が可能な「セールスパック」を導入し、時間短縮を実現しました。闇雲に走り回って飛び込み営業をするのではなく、事前にアポを取ってから訪問することで、商談を進めるスピードがアップしました。
1日中飛び込み営業をしても1件も仕事を獲得できないこともあった中、「セールスパック」の導入翌月には2週間で4件ものアポ獲得に成功しています。
新規顧客獲得事例:プル型
続いて、プル型の営業施策で新規顧客の獲得に成功した企業の事例を3つ紹介します。
ソウルドアウト株式会社
全国の中小・ベンチャー企業にWebマーケティング支援を行うソウルドアウト株式会社は、CRMプラットフォーム「HubSpot」を導入してプッシュ型からプル型のマーケティングへと転向しました。
自社のWebサイトにてブログ記事や良質なコンテンツを提供することで、質の高いリードの獲得に成功しています。これまでプッシュ型営業にかかっていた人件費をコンテンツへ向けることで、さらなるリード獲得を目指しています。
サイボウズ株式会社
クラウド型のグループウェアや業務改善サービスの開発・提供を手がけるサイボウズ株式会社は、プル型の営業施策として「サイボウズ式」というオウンドメディアを運営しています。
自社サービスの紹介を前面に押し出さずに、働き方やビジネスハックに関する発信を行っており、認知度の向上およびブランディング、リード獲得、ひいては売り上げの向上に成功しています。
株式会社ジャストシステム
次に紹介するのは、タブレット教材を用いた小中学生向けの通信教育サービス「スマイルゼミ」を提供する株式会社ジャストシステムの事例です。
多くのユーザーにリーチできるYouTube広告(Google広告)を活用することで、サービスへの関心度を44%高め、効率的な新規顧客獲得を実現することに成功しました。これまでYouTube広告は主に「認知拡大」を目的に活用される手段でしたが、この事例からアクションの使い方次第では、新規顧客獲得のプラットフォームとしても効果的ということがわかります。
新規顧客を効率的に獲得するポイント
続いて、ここまで紹介した事例からみる新規顧客を効率的に獲得するポイントを解説します。
ターゲットを明確にする
企業が効率的に新規顧客を獲得するには、まずターゲットを明確に選定することが大切です。なぜなら、ターゲットが不明確なままでは新規顧客の開拓にズレが生じやすいからです。また、ただ闇雲に営業をするのは非効率的です。
ターゲット選定では、じっくり時間をかけて「自社の商品・サービスをどのような企業に導入してもらいたいか」を決定します。業種やエリア、企業規模、担当部署などを軸にして、ターゲットとする企業を決めましょう。これにより、最も高い効果が見込める最適なアプローチを採用することができます。
競合他社の成功事例を参考にする
自社で新規に新規顧客へ向けた営業方法を選定する際には、競合他社の成功事例を参考にしましょう。というのも、自社と同業種の企業が行った新規顧客獲得施策は、ターゲットとする企業の特徴が似ていることが多く、営業方法を選ぶ判断基準として役立つからです。
自社がこれまでに行った施策を分析して参考にすることが大切なように、競合他社の事例の成功要因や失敗しやすいポイントなどを調べることもまた大切な下準備の一つです。自社とターゲットが似ている企業の事例を参考に、自社に合うアプローチ施策を打ち出しましょう。
営業リスト作成ツールを活用する
新規顧客の獲得施策、とりわけプッシュ型のテレアポでは、自社がターゲットとする企業の情報を集めた営業リストの作成が欠かせません。
しかし、インターネットで企業の情報を収集してリストアップする作業は、非常に手間と時間がかかります。そこでおすすめなのが、営業リスト作成ツールを導入して、リスト作成業務を効率化する方法です。
当社ディップ株式会社は、営業リスト作成とアポイント獲得支援で効率的に新規顧客を獲得できる「セールスパック」を提供しています。市場の80%をカバーする最新の求人情報からの営業リスト作成、およびテレアポの実施までワンストップで支援します。
「リスト作成に手間がかかってしまう……」「リスト作成に割ける時間が限られている」などとお悩みの担当者様は、ぜひ「セールスパック」の導入をご検討ください。
営業業務をアウトソーシングする
営業業務の一部をアウトソーシングすることも、新規顧客を効率的に獲得するポイントの一つです。たとえば、テレアポを苦手とする企業なら、テレアポ業務をアウトソーシングすることで、既存顧客の対応といったコア業務に限られたリソースを集中させることができます。
「セールスパック」では、派遣業に精通したスタッフによるテレアポ代行サービスを提供しています。営業リストをもとに受注見込みの高いアポを獲得することが可能です。「テレアポ業務がなかなかうまくいかない……」とお悩みであれば、アウトソーシングも視野に入れてみてはいかがでしょうか?
まとめ
新規顧客獲得における課題と効率的なアプローチ、そして実際に新規顧客獲得に成功した企業の事例を紹介しました。新規顧客を獲得するための具体的アプローチは、企業によってさまざまであるため、自社にとって最適なアプローチ施策を選定することが大切です。
また、デジタルツールやアウトソーシングを活用した営業業務の効率化も非常に効果的です。今回紹介した企業の事例を参考にして、新規顧客開拓の可能性を高めていきましょう。
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