営業メールでの新規開拓の可能性は?メール運用の課題と効率化のコツ│コボットLAB

営業メールでの新規開拓の可能性は?メール運用の課題と効率化のコツ

営業メール

デジタルトランスフォーメーション(DX)の適用範囲は広く、営業活動は特に推進の余地が大きいとされています。営業におけるデジタル活用の代名詞といえばメールですが、DXを通じてメール運用をより効率的なものへステップアップさせることが可能です。

今回は、既存の営業メールが抱える課題に触れつつ、DXを通じてどのように営業メールが改善していくのかについて解説します。

営業メールの役割

そもそも、営業メールにはどのような役割が期待されているのでしょうか?まずは、営業メールに求められている目的を一度振り返っておきましょう。

新規顧客の開拓

営業メールは、新規顧客の開拓に多用されている手法です。テキスト媒体であるため、具体的な数値情報などを伝えながら、製品やサービスについての正確な理解を促せることがメールの強みです。

視覚的にわかりやすくコンテンツを発信できるため、内容次第ではファーストコンタクトの見込み客であっても、購入の見込みを効果的に高めることができます。

既存顧客との関係維持・強化

新規顧客開拓だけでなく、既存顧客とのコミュニケーションツールとしても、メールは有効です。

以前購入した製品の最新版が登場した際のDMや新しいサービスのプロモーションなど、追加での購入を見込める顧客に対してアプローチできるだけでなく、継続的なコミュニケーションによって良好な関係を維持することができます。

一度購入したら終わりではなく、継続してサービスを利用してもらえる顧客の重要性は高いです。顧客の都合に合わせやすいコミュニケーション手段であるメールを活用し、適切な関係を強化することが可能です。


営業メールに期待されるメリット

営業メールを効果的に運用できれば、さまざまなメリットを期待できます。主な利点は次の3点です。

顧客の都合の良いタイミングで閲覧してもらえる

電話とは異なり、メールは見込み客の都合に合わせて情報に触れてもらうことができることが強みです。時間のあるとき、あるいは関心が高くなったタイミングに読んでもらえるコンテンツを発信できるため、余計なストレスを与えてしまうリスクを回避できます。

インターネットを介して多くの情報に触れる機会が増えている現代だからこそ、情報の受け手となるユーザーを主体とできるような仕組みが重宝されています。

必要な情報を何度も読んでもらうことができる

メールは電話のようなリアルタイムでのコミュニケーションを必要としないため、何度もコンテンツに触れてもらえることが強みです。

電話や対面での営業活動となると、限られた時間の中で要点を伝える必要があり、具体的な数値情報や活用事例を細かく紹介することが難しくなります。その結果、自社のニッチな強みを発揮できるアピールができないなど、魅力を十分に伝えられない可能性があります。

一方、メールであれば落ち着いて確実にサービスや製品のアピールポイントを伝えられるため、自社について深く理解してもらえるよう促せます。

テンプレートを活用して一斉送信ができる

メールはリアルタイムで顧客と接する必要がないため、一度に何百件もアプローチができることも強みです。テンプレートを作成しておけば、送信先のステータスに合わせて文面を変更するだけで良いため、簡単に効果的な営業活動を行えます。

営業担当者が少人数の場合でも、十分な成約率の確保に貢献可能です。


営業メール運用が抱える課題

これまでお伝えしてきたメリットを期待できる反面、営業メールには運用に伴う課題も存在します。ここでは、解消すべきメール運用の懸念点を紹介していきます。

未読のまま破棄されてしまいやすい

営業メールの課題として、未読のまま破棄されてしまいやすいという点があります。メールを使った営業活動は効率的に業務を進められる反面、こちらの期待通りにメールを読んでもらえる確証が得られにくいことが難点です。

自社のサービスに興味のないユーザー、あるいは潜在的な需要があったとしても、今のところ必要としていないユーザーにとって、営業のDMはスパムメールと大差はありません。どれだけ有益な情報を伝えているつもりであっても、それが顧客にまで伝わっていないのであれば、せっかくのコンテンツは無駄になってしまいます。

顧客に合わせた文面を考える必要がある

営業メールは一斉送信が可能ですが、送信先のユーザーの都合やニーズを考慮した文面を用意しなければ、適切なアプローチは実現できません。

顧客によって抱えているニーズはさまざまで、一人ひとりに合わせた問題解決のプランを提示する必要があります。メールの文面があからさまにニーズとかけ離れていると、メールを開封したとしても、そこから問い合わせを獲得したり、製品紹介ページを訪問してもらったりといったアクションは得られません。

顧客ごとのニーズを細分化してカテゴライズし、それぞれの状況に合わせたシナリオを検討することが大切です。

メールを送信した顧客の管理が難しい

営業メールを送信する際、ただメールを送って終わりだけでなく、その後の顧客の動向を把握することも大切です。

営業メールの精度を高めていくためには試行錯誤を繰り返し、最適なアプローチができるよう改善を加える必要があります。顧客ごとに送信したメールがどのように扱われているかを分析することで、効果的な改善を実現できます。

メール到着率や開封率、開封後のリンククリック率など多くのデータを収集し、顧客を個別に管理できる仕組みづくりが求められます。

業務が属人化しやすい

営業活動は、担当者ごとにアプローチが異なり、業務が属人化しやすいことが課題の一つです。営業メールも例外ではなく、担当者の経験に基づいた活動となると、送客数や成約率を安定させることが難しくなってしまいます。

営業活動の規模を効率良く拡大し誰でも高いパフォーマンスを実現できる体制を整備するためには、客観性の高いデータ活用ができる環境へと生まれ変わる必要があるでしょう。


営業のDXで得られる効果

これまでお伝えしてきた課題の解決においては、営業メールを含めた営業活動全般へのDXが確かな効果を実現しています。ここでは、営業へのDXでどのような恩恵を得られるのかについて解説します。

営業活動の効率化

まず期待したいのが、営業活動全般の効率化です。余計な事務作業やルーティンワークを自動で処理することができるため、営業活動に必要なものの負担の大きかった労働作業を解消できます。

労働作業そのものは収益をもたらすわけではないため、成約に直結する業務に割ける時間と人材を増やせるかどうかが売り上げに直結します。DXによって顧客へのアプローチにかけられる時間が増えれば、それだけ高い営業効果を発揮できるようになります。

顧客データの「見える化」

顧客データを客観的な数値情報に落とし込めるシステムを導入すれば、次にアプローチすべき顧客の発見を促せたり、その顧客に対してどのような施策を展開すれば効果的なのかが一目でわかったりします。

担当者間での顧客データの情報共有が容易になるので、業務の属人化を回避するのにも役立ちます。

顧客ごとに最適化した営業活動の実現

顧客情報を感覚的に理解するだけでなく、データに落とし込んで解釈できるようにすることで、特定の担当者に依存することなく効果的なメール施策などを展開できます。

どのようなコンテンツを送付したら興味を持ってくれるかを可視化した顧客データを参考にすれば容易に把握できるため、営業経験が浅くとも確実なアプローチを実施できます。

顧客の自社に対する関心度をスコアにできるシステムも登場しており、こういったツールを使えば、より簡単に精度の高い施策の実行を促せます。


営業メールを効率化するためのポイント

インサイドセールス

では、DXによって営業メールを効率化するためには、どのような社内での取り組みが求められるのでしょうか?効率化を検討する際のポイントについてお伝えしていきます。

インサイドセールス全般を強化する

1つ目は、インサイドセールス全般の強化です。インサイドセールスとは、オンライン経由でオフィスから直接顧客へのアプローチを図る施策全般を指す活動で、メール営業もその一種といえます。

近年の顧客ニーズの多様化やITツールの登場などにより、従来のような外回り営業よりも効率的であるとして、インサイドセールスが多くの企業で積極的に活用されています。電話やメール、Webサイトなどを使った施策に特化している会社も少なくありません。

営業メールを外回りのおまけと考えるのではなく、営業メールこそ本番であるという意識で臨むことにより、本格的な営業メールの改善へと動くことができます。

マーケティング部門と営業部門の連携を強化する

営業メールの効果を高める上では、マーケティング担当者と連携を強化することが求められます。どのようなターゲットに向けてマーケティングを展開しているのか、どのような見込み客を「見込みがある」として営業担当に振り分けているのかを正しく把握することで、営業効果を高められます。

CRMなどのツールを活用して、マーケティング担当と営業担当がデータ連携できる環境の整備を進めましょう。

顧客のステータスに応じたシナリオを用意しておく

営業メールの効率化が可能な仕組みを作るだけでなく、具体的なメールコンテンツの改善にも努めましょう。顧客情報を可視化することで、それぞれで抱えている微妙なニーズの違い、そして自社サービスへの関心度の違いが明らかになってきます。

これらの繊細なニーズの違いに対応した最適なシナリオを新たに作成することで、営業メールの開封率や問い合わせの確度を改善していくことができます。


営業メールDXの主なアプローチ

営業メールのDXを進める際には、多様なアプローチを数ある選択肢から選ぶことになります。主なDXのアプローチを3つ紹介しましょう。

メール配信システムの導入

1つ目のソリューションは、メール配信システムの導入です。顧客のカテゴリごとにメール配信を行うことができる、あるいは自動で送信メールを振り分けてくれるシステムを導入すれば、顧客情報を一つずつ見極める手間がかからなくなります。

誰にどのようなメールを送れば良いのかということは、営業担当者のスキルレベルが問われる要素の強い部分ですが、システムに自動で振り分けてもらうことで、作業の効率化とともに業務の属人化を回避できます。

メール以外の施策との連携

営業メールはあくまで問い合わせやウェビナーの参加など、他の施策へと誘導するためという意味合いが強いため、単体での運用となってしまうとやや非効率です。メール以外の施策と連携して運用できる仕組みづくりを実現できれば、営業メールをより効率的で成果につながる施策へと昇華させることができます。

インサイドセールス全般の強化に努めることで、メールをインサイドセールスの一環として運用し、オンライン面談のセッティングなどへシームレスに連携することも可能です。最終的に成約につなげるためのステップとしてメールを運用し、最大限活用しましょう。

チャットツールの併用

顧客とコミュニケーションを取る方法は、必ずしもメールだけに限定されていません。近年、多くの企業で導入されているのがチャットツールです。

チャットツールはメールよりもスピーディーにテキストメッセージをやり取りできることから、利用される機会が増えてきています。メールはあくまでも情報の一方的な発信にとどめ、顧客との本格的なコミュニケーションはオンライン面談やチャットツールなどで行うことにより、迅速かつ効率的に営業を行うことができます。

チャットツールは対面での会話と同じようなスピード感で交流ができるだけでなく、メールのようなテキスト主体で具体的な情報伝達を可能とするため非常に便利です。メールとチャットツールをうまく使い分け、成果につなげていきましょう。


まとめ

営業メールは、インターネットが登場した当初から運用されている比較的歴史のある営業手法の一つです。近年はインサイドセールスの台頭により、メールを使った営業手法は多様化しており、効果を最大限発揮するためのシステム運用も進んでいます。

既存のメールを使った営業活動における問題を検討することで、より効果的な運用を実現するための糸口を見つけることができます。営業メールの効果に疑問を覚えている場合、どういった点で問題が生まれているのか見直してみると良いでしょう。

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